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公開番号2024122923
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-09-09
出願番号2024027389
出願日2024-02-27
発明の名称織機用の綜絖およびそのような綜絖を備える織機
出願人ストーブリ・リヨン
代理人個人,個人,個人
主分類D03C 9/02 20060101AFI20240902BHJP(織成)
要約【課題】ジャカード織機用の新しい綜絖を提案すること。
【解決手段】この綜絖は、リンク(2)と、ポリマー材料から作られた少なくとも1本の棒(4)とを備え、その長手方向先端部(44)は、リンクの横断面(28、29)を覆う表面を備える。棒(4)およびリンク(2)は、長手方向軸(X1)に平行なリンクからオフセットされ、リンクの第1の周表面(S1)、棒(4)の周表面(S4)によって形成される第2の側方表面(S2)、および棒(4)によって形成され、被覆表面の一方を延長する第3の底部表面(S3)によって範囲を定められている、少なくとも1つの空洞(C44)を形成する。交差線(L44)が、第3の底部表面から延び、第1の表面の範囲を定める。第3の底部表面は、第2の側方表面に関して棒(4)の外側に向かって配置される。各空洞は、第3の底部表面から離れる方向に厚さ軸(Z1)に従って非対面である。
【選択図】図7
特許請求の範囲【請求項1】
ジャカード機構(102)を装備した織機(M)用の経糸(108)を案内するための綜絖(1)であって、前記綜絖は、長手方向軸(X1)に従って長さ方向に延在し、
- 前記経糸を通すためのアイレット(22)を備える、リンク(2)であって、前記アイレットは前記リンクの第1の横断面(28)と第2の横断面(29)との間で前記リンクを通り抜け、前記第1および第2の横断面は前記リンクの周表面(31)によって一緒に連結される、リンク(2)と、
- 前記長手方向軸に従って延在するポリマー材料の少なくとも1本の棒(4)であって、外側表面(S4)を備え、
前記ジャカード機構の、ハーネス(H)の部材(106、110)に接続するための手段(11A、11B)を備える第1の長手方向先端部(42)と
第2の一体型長手方向先端部(44)であって、少なくとも
前記リンクの前記第1の横断面(28)を部分的に覆う第1の被覆表面(S448)と、
前記リンクの前記第2の横断面(29)を部分的に覆う第2の被覆表面(S449)と、
アンカーヒール(442)と
を備える第2の一体型長手方向先端部(44)と
を備える少なくとも1本の棒(4)と
を備え、
前記第1の被覆表面(S448)および前記第2の被覆表面(S449)は、前記長手方向軸(X1)および前記長手方向軸(X1)に垂直な横方向軸(Y1)に平行であり、
前記リンク(2)は、前記棒(4)の前記アンカーヒール(442)と協働して、前記長手方向軸(X1)に平行な前記棒およびリンクの分離に対抗し、
- 前記棒(4)および前記リンク(2)は、前記棒の前記第2の長手方向先端部(44)において、前記長手方向軸(X1)に平行な方向に従って前記リンク(2)からオフセットされる少なくとも1つの空洞(C44)を形成し、前記少なくとも1つの空洞(C44)は、
前記リンク(2)の前記周表面(31)の一部によって形成された第1の表面(S1)と、
前記棒(4)の前記外側表面(S4)の一部によって形成された第2の側方表面(S2)であって、前記第2の側方表面は前記リンクの前記周表面(31)と前記棒の前記外側表面(S4)との間の交差線(L44)から、前記棒の前記第1の長手方向先端部(42)の方に延在する、第2の側方表面(S2)と、
前記棒(4)によって形成され、前記棒の前記第1の長手方向先端部(42)に向かう前記第1および第2の被覆表面(S448、S449)の一方を延長する第3の底部表面(S3)と
によって範囲を定められ、
- 各空洞内で、前記交差線(L44)は、前記第3の底部表面(S3)から延び、前記第1の表面(S1)の範囲を定め、
- 各空洞(C44)について、前記第3の底部表面(S3)は、前記横方向軸(Y1)に平行な方向に従って、前記第2の側方表面(S2)に関して前記棒(4)の前記外側に向かって、配置され、
- 各空洞(C44)は、前記長手方向軸および前記横方向軸に垂直な厚さ軸(Z1)に従って、前記空洞の前記第3の底部表面(S3)を形成する前記棒(4)の一部から離れる方向(D1、D’1)に非対面である
ことを特徴とする綜絖(1)。
続きを表示(約 1,700 文字)【請求項2】
各空洞(C44)の前記第3の底部表面(S3)は、それが延びる前記被覆表面(S448、S449)と同一平面であるか、または実質的に同一平面である、請求項1に記載の綜絖。
【請求項3】
- 前記リンクは、前記リンクの前記第1の横断面(28)と前記第2の横断面(29)との間で前記リンクを通り抜ける少なくとも1つのハウジング(32)を含み、
- 前記アンカーヒールは、前記厚さ軸(Z1)に従って前記リンクの前記ハウジング(32)を貫通し、
- 前記ハウジング(32)の輪郭面は、前記アイレット(22)の側で長手方向に配置された近位部分(323)を含み、
- 前記ハウジング(32)の前記近位部分(323)は、前記長手方向軸(X1)に沿って、前記棒(4)上に形成された前記1つまたは複数の空洞(C44)と前記アイレット(22)との間に、配置され、
- 前記アンカーヒール(442)は、前記第2の長手方向先端部(44)の自由エッジ(44A)を形成し、
- 前記棒(4)の前記第1および第2の被覆表面(S448、S449)は、前記アンカーヒール(442)まで延在する、請求項1に記載の綜絖。
【請求項4】
- 前記棒(4)の前記第2の長手方向先端部(44)の前記アンカーヒール(442)は、前記リンクの前記第1および第2の横断面(28、29)にそれぞれ平行な2つの表面(S442、S’442)によって範囲を定められ、
- 前記アンカーヒール(442)は、前記ハウジング(32)の輪郭表面の前記近位部分(323)に長手方向で当接する、請求項3に記載の綜絖。
【請求項5】
前記交差線(L44)は、前記第2の被覆表面(S449)に接するエッジ(A49)まで延在する、請求項1から4のいずれか一項に記載の綜絖。
【請求項6】
- 前記綜絖(1)は、ポリマー材料の2つの棒(4)を備え、各々が第1の長手方向先端部(42)および第2の長手方向先端部(44)を有し、
- 前記2つの棒の前記第2の長手方向先端部(44)は、各々が前記リンクの前記第1および第2の横断面(28、29)を部分的に覆い、
- 2つの空洞(C44)が、前記長手方向軸(X1)と横方向軸(Y1)とを含み前記アイレットの幾何学的中心(C22)を通過する平面の、両側の各棒の前記第2の長手方向先端部(44)に形成される、請求項1から4のいずれか一項に記載の綜絖。
【請求項7】
- 同じ記棒(4)の同じ第2の長手方向先端部(44)に形成された前記2つの空洞(C44)は、前記厚さ軸(Z1)に平行な同じ方向(D1)に従って互いに対向せず、
- 前記リンク(2)は平面であり、前記アイレットの幾何学的中心(C22)に関して対称的である、請求項6に記載の綜絖。
【請求項8】
前記第1の表面(S1)は、前記横方向軸(Y1)に従ってとられた、前記リンクの幅が、前記長手方向軸(X1)に沿って前記アイレット(22)から離れるにつれて減少する前記リンクの移行ゾーン(26)において前記リンク(2)の前記周表面(31)の一部によって形成される、請求項1から4のいずれか一項に記載の綜絖。
【請求項9】
前記第3の底部表面(S3)は、前記第3の底部表面(S3)を前記棒(4)の前記外側表面(S4)に接続し、湾曲しており、その凹みが前記第2の底部表面(S2)の方へ向く、接合エッジ(A3)によって前記棒(4)の前記外側に向かう前記横方向軸(Y1)に従って範囲を定められる、請求項1から4のいずれか一項に記載の綜絖。
【請求項10】
前記接合エッジ(A3)は、前記交差線(L44)からある距離(d3)に延在し、前記距離の最小値は、前記リンクの厚さ(e2)の半分以上であり、これは前記厚さ軸(Z1)に従って前記第1の被覆表面(S448)と前記第2の被覆表面(S449)との間で測定される、請求項9に記載の綜絖。
(【請求項11】以降は省略されています)

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、ジャカード機構を装備した織機用の経糸案内綜絖(warp thread guiding heddle)、さらにはジャカード機構およびこのような綜絖を備える織機に関するものである。
続きを表示(約 3,900 文字)【背景技術】
【0002】
本発明の技術分野は、各々が1本または複数の経糸を通すためのアイレットを備え、各々が1本または複数の経糸を垂直方向に変位させることを可能にし、緯糸を通すための杼を形成する、綜絖を用いる織機上の開口に関するものである。そのような綜絖は、織機上に、高い密度でハーネス内に隣り合って並べられ、綜絖と、隣接する綜絖のアイレットを通り抜ける経糸との間の摩擦を誘発する。
【0003】
特許文献1から、丸みを帯びた断面の2本の棒を綜絖のリンク上に、リンクの対応するハウジング内の各棒の長手方向先端部を係合することによってオーバーモールドすることが知られている。これらのハウジングは、比較的大きく、リンクが棒に接続される領域内でリンクを弱める傾向がある。ところで、オーバーモールド作業中に、リンク寸法のばらつき、およびこの作業中に使用されるモールド内のリンクの配置の変動に起因して、バリが形成される。これらのバリは、特に、リンクの周表面と各棒との交差部分に出現する。これらのバリは、綜絖がジャカード式織機のハーネスに装着された後、綜絖に隣接する経糸はこれらのバリに引っ掛かりやすいので、経糸の損傷または切断を引き起こす危険性がある。したがって、これらのバリは、オーバーモールド作業の後に減らされるか、または除去されなければならず、厄介で時間のかかる修正作業を必要とする。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
欧州特許第EP-A-1908863号
中国特許第CN-U-210596433号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、より具体的には、ジャカード織機用の新しい綜絖を提案することによってこれらの問題を是正することを目的とし、この綜絖を用いれば、製織中に隣接する経糸が引っ掛かる危険性が大幅に低減されるか、または解消される。
【課題を解決するための手段】
【0006】
この目的のために、本発明は、ジャカード織機用の経糸案内綜絖に関するものであり、この綜絖は長手方向軸に従って長手方向に延在し、
- 経糸が通り抜けるためのアイレットを備える、リンクであって、アイレットはリンクの第1の横断面と第2の横断面との間でリンクを通り抜け、第1および第2の横断面はリンクの周表面によって一緒に連結される、リンクと、
- 長手方向軸に沿って延在するポリマー材料の少なくとも1本の棒であって、外側表面を備え、
ジャカードハーネスの部材に接続するための手段を設けられた第1の長手方向先端部と、
第2の一体型長手方向先端部であって、少なくとも
リンクの第1の横断面を部分的に覆う第1の被覆表面と、
リンクの第2の横断面を部分的に覆う第2の被覆表面と、
アンカーヒール(anchoring heel)と
を備える第2の一体型長手方向先端部と
を備える少なくとも1本の棒と
を備え、
第1の被覆表面および第2の被覆表面は、長手方向軸および自体が長手方向軸に垂直な横方向軸に平行であり、
リンクは、棒のアンカーヒールと協働して、長手方向軸に平行な棒およびリンクの分離に対抗する。
【0007】
本発明によれば、棒およびリンクは、棒の第2の長手方向先端部において、長手方向軸に平行な方向に従ってリンクからオフセットされる少なくとも1つの空洞を形成し、この少なくとも1つの空洞は、
リンクの周表面の一部によって形成された第1の表面と、
棒の外部表面の一部によって形成された第2の側方表面であって、この第2の側方表面はリンクの周表面と棒の外部表面との間の交差線から、棒の第1の長手方向先端部の方向に延在する、第2の側方表面と、
棒によって形成され、棒の第1の長手方向先端部の方向に第1および第2の被覆表面の一方を延長する第3の底部表面と
によって範囲を定められる。
【0008】
各空洞内で、交差線は、第3の底部表面から延び、第1の表面の範囲を定める。さらに、各空洞について、第3の底部表面は、横方向軸に平行な方向に従って、第2の側方表面に関して棒の外側に向かって配置されている。最後に、各空洞は、長手方向軸および横方向軸に垂直な厚さ軸に従って、空洞の第3の底部表面を形成する第2の棒の一部から離れる方向に非対面(non-facing)である。
【0009】
本発明のおかげで、棒の第2の長手方向先端部の付近に形成された空洞は、リンク上への棒のオーバーモールドを行う際にバリが最も形成しやすい綜絖の特定のゾーンを空洞の内側へ凹ませることを可能にする。したがって、綜絖がジャカード式織機ハーネスに組み込まれるときに、ぴんと張られ、綜絖の外側表面に接触している、隣接する経糸は、空洞内に形成されたリエントラントエッジ(re-entrant edge)に接触することができない。これは、特に、リンクの周表面と棒の外側表面との間の交差線によって、または第1の底部表面と第3の底部表面との間のリエントラント接合エッジによって形成されるゾーンに関係する。これは、したがって、隣接する経糸が、これらのゾーン内に形成される傾向のある、バリと接触することを防ぐ。したがって、綜絖を使用するときに、バリが隣接する経糸を引っ掛ける、損傷する、または切断する危険性は、排除されないまでも、大幅に低減される。第3の底部表面から離れる方向において、第1の被覆表面に垂直な方向に従って空洞を制限する表面はないので、棒の第2の長手方向先端部は、スライドのないモールド内でオーバーモールドされてよく、これによりバリの形成がさらに制限される。
【0010】
有利であるが、必須ではない本発明の態様によれば、そのような綜絖は、技術的に許容可能な組合せで取り入れられる、次の特徴のうちの1つまたは複数を組み込み得る。すなわち、
- 各空洞の第3の底部表面は、それが延在する被覆表面と同一平面または実質的に同一平面である。リンクは、リンクの第1の横断面と第2の横断面との間でリンクを通り抜ける少なくとも1つのハウジングを含む。アンカーヒールは、厚さ軸に従ってリンクのハウジングを貫通する。ハウジングの輪郭面は、アイレットの側で長手方向に配置された近位部分を含む。ハウジングの近位部分は、長手方向軸に沿って、棒のところに形成された1つまたは複数の空洞とアイレットとの間に、配置される。アンカーヒールは、第2の長手方向先端部の自由エッジを形成する。棒の第1および第2の被覆表面は、アンカーヒールまで延在する。
- 棒の第2の長手方向先端部のアンカーヒールは、リンクの第1および第2の横断面にそれぞれ平行な2つの表面によって範囲を定められている。アンカーヒールは、ハウジング輪郭表面の近位部分に長手方向で当接する。
- 交差線は、第2の被覆表面に接するエッジまで延在する。
- 綜絖は、ポリマー材料の2本の棒を備え、各々が第1の長手方向先端部および第2の長手方向先端部を有する。2本の棒の第2の長手方向先端部は、各々がリンクの第1および第2の横断面を部分的に覆う。2つの空洞が、長手方向軸と横方向軸とを含みアイレットの幾何学的中心を通る平面の、両側の各棒の第2の長手方向先端部に形成される。
- 同じ棒の同じ第2の長手方向先端部のところに形成された2つの空洞は、厚さ軸に平行な同じ方向に従って互いに離れる方向に向く。リンクは平面であり、アイレットの幾何学的中心に関して対称的である。
- 第1の表面は、横方向軸に従ってとられたリンクの幅が、長手方向軸に沿ってアイレットから離れるにつれて減少するリンクの移行ゾーンにおいてリンクの周表面の一部によって形成される。
- 第3の底部表面は、第3の底部表面を棒の外側表面に接続し、湾曲しており、その凹みが第2の底部表面の方へ向く、接合エッジによって棒の外側に向かう横方向軸に従って範囲を定められる。
- 接合エッジは、交差線からある距離に延在し、その距離の最小値は、リンクの厚さの半分以上であり、これは厚さ軸に従って第1の被覆表面と第2の被覆表面との間で測定される。
- 長手方向軸および横方向軸に平行な平面内の接合エッジの突出部の曲率半径は、この平面内の第1の表面の突出部の曲率半径以上であり、好ましくは少なくとも1.5倍である。
- 空洞の長手方向レベルで、厚さ軸に従う各被覆表面の側において、棒の第2の長手方向先端部は、被覆表面によって形成される平面に関して厚さ軸に従って測定され、第1の被覆表面と第2の被覆表面との間で測定されるリンクの厚さ以上である、厚さを有する。
- 厚さ軸に従う各被覆表面の側において、棒の第2の長手方向先端部は、第3の底部表面と第2の長手方向先端部の自由エッジとの間で長手方向に、横方向軸に平行に測定され、自由エッジの方向に減少する幅と、厚さ軸に従って測定され、自由エッジの方向に減少する厚さとを呈する。
- リンクは、棒の第2の長手方向先端部によって完全に取り囲まれる先端部のところで少なくとも1つの長手方向ラグを備える。
(【0011】以降は省略されています)

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