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公開番号
2024135399
公報種別
公開特許公報(A)
公開日
2024-10-04
出願番号
2023046056
出願日
2023-03-22
発明の名称
表皮材及び表皮材の製造方法
出願人
トヨタ紡織株式会社
代理人
個人
,
個人
,
個人
主分類
D03D
15/547 20210101AFI20240927BHJP(織成)
要約
【課題】光ファイバー収束体を十分に保護して耐久性を向上させることができる表皮材及び表皮材の製造方法を提供する。
【解決手段】本表皮材1は、光ファイバー5と非導光糸6a、7aで製織された意匠用製織部2と、意匠用製織部に隣接される光源接続用端部3と、を備える。さらに、光源接続用端部は、光ファイバーからなる光ファイバー群25を所定本数に束ねて形成される一又は複数の光ファイバー収束体10と、非導光糸で製織されて光ファイバー収束体を保護する保護袋部11と、を有する。
【選択図】図1
特許請求の範囲
【請求項1】
光ファイバーを織り込んだ表皮材であって、
前記光ファイバーと非導光糸で製織された意匠用製織部と、前記意匠用製織部に隣接される光源接続用端部と、を備え、
前記光源接続用端部は、前記光ファイバーからなる光ファイバー群を所定本数に束ねて形成される一又は複数の光ファイバー収束体と、前記非導光糸で製織されて前記光ファイバー収束体を保護する保護袋部と、を有することを特徴とする表皮材。
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【請求項2】
前記保護袋部は、前記非導光糸で製織されて前記光ファイバー収束体を挟んで配置される一対の保護層を有し、
一対の前記保護層は、前記光ファイバー収束体の外側で接合されている請求項1に記載の表皮材。
【請求項3】
一対の前記保護層は、前記意匠用製織部から離れるに連れて幅狭となる平面形状に形成されているとともに、前記光ファイバー収束体の外辺に沿う側縁部で接合されている請求項2に記載の表皮材。
【請求項4】
光ファイバーを織り込んだ表皮材の製造方法であって、
前記光ファイバーと非導光糸で製織された意匠用製織部と、前記意匠用製織部に隣接される袋織り部と、を備え、前記袋織り部は、前記光ファイバーからなる光ファイバー群と、前記光ファイバー群の表面側に配置される表保護層と、前記光ファイバー群の裏面側に配置される裏保護層と、を有し、前記表保護層及び前記裏保護層のそれぞれは前記非導光糸で製織されている織物を用意する準備工程と、
前記光ファイバー群を所定本数に束ねて一又は複数の光ファイバー収束体を形成する収束体形成工程と、
前記表保護層及び前記裏保護層を前記光ファイバー収束体の外側で接合して前記光ファイバー収束体を保護する保護袋部を形成する保護袋部形成工程と、を含むことを特徴とする表皮材の製造方法。
【請求項5】
前記表保護層と前記裏保護層の接合は溶着である請求項4に記載の表皮材の製造方法。
【請求項6】
前記保護袋部形成工程は、前記表保護層及び前記裏保護層を前記光ファイバー収束体と対応した平面形状となるように切断するとともに、切断された前記表保護層及び前記裏保護層において前記光ファイバー収束体の外辺に沿う側縁部で接合して前記保護袋部を形成する請求項4に記載の表皮材の製造方法。
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、表皮材及び表皮材の製造方法に関し、さらに詳しくは、光ファイバーを織り込んだ表皮材及び表皮材の製造方法に関する。
続きを表示(約 3,700 文字)
【背景技術】
【0002】
従来の表皮材として、光ファイバーを織り込んだ光ファイバー表皮材が一般に知られている(例えば、特許文献1及び2等を参照)。特許文献1には、複数の光ファイバーをチューブ状の保護材で束ね、端末をスリーブで結束させて光ファイバー収束体を形成してなる光ファイバー表皮材が記載されている。また、特許文献2には、光ファイバーと非導光糸で製織された第1領域(意匠用製織部)と、第1領域に連なる第2領域(袋織り部)と、を備え、第2領域は、光ファイバーからなる光ファイバー群と、非導光糸で製織されて光ファイバー群の表面側に配置される表保護層と、非導光糸で製織されて光ファイバー収束体の裏面側に配置される裏保護層と、を有する光ファイバー織物が記載されている。さらに、特許文献2には、光ファイバー織物において第2領域の表保護層及び裏保護層を切除して光ファイバー群を露出させ、光ファイバー群を所定本数に束ねて光ファイバー収束体を形成してなる光ファイバー表皮材が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
特開2020-122240号公報
特開2017-210699号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、特許文献1に記載された光ファイバー表皮材では、光ファイバー収束体の保護を目的として保護材を追加設定する必要があり、コストアップとなる。さらに、既製品のチューブ状の保護材(例えば、コルゲートチューブなど)では十分に光ファイバーを保護できない。具体的に、図18に示されるように、光ファイバー収束体100は扇形に広がるため、チューブ状の保護材では扇形の広がり部分100aを保護できない。
【0005】
さらに、特許文献2に記載された光ファイバー表皮材では、光ファイバー収束体が露出しているため、光ファイバー表皮材の使用時の耐久性に課題がある。さらに、表保護層及び裏保護層の廃棄工数(裁断、取り外しなど)及び廃棄物量が多くなる。
【0006】
本発明は、上記現状に鑑みてなされたものであり、光ファイバー収束体を十分に保護して耐久性を向上させることができる表皮材及び表皮材の製造方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は以下の通りである。
1.光ファイバーを織り込んだ表皮材であって、
前記光ファイバーと非導光糸で製織された意匠用製織部と、前記意匠用製織部に隣接される光源接続用端部と、を備え、
前記光源接続用端部は、前記光ファイバーからなる光ファイバー群を所定本数に束ねて形成される一又は複数の光ファイバー収束体と、前記非導光糸で製織されて前記光ファイバー収束体を保護する保護袋部と、を有することを特徴とする表皮材。
2.前記保護袋部は、前記非導光糸で製織されて前記光ファイバー収束体を挟んで配置される一対の保護層を有し、
一対の前記保護層は、前記光ファイバー収束体の外側で接合されている上記1.に記載の表皮材。
3.一対の前記保護層は、前記意匠用製織部から離れるに連れて幅狭となる平面形状に形成されているとともに、前記光ファイバー収束体の外辺に沿う側縁部で接合されている上記2.に記載の表皮材。
4.光ファイバーを織り込んだ表皮材の製造方法であって、
前記光ファイバーと非導光糸で製織された意匠用製織部と、前記意匠用製織部に隣接される袋織り部と、を備え、前記袋織り部は、前記光ファイバーからなる光ファイバー群と、前記光ファイバー群の表面側に配置される表保護層と、前記光ファイバー群の裏面側に配置される裏保護層と、を有し、前記表保護層及び前記裏保護層のそれぞれは前記非導光糸で製織されている織物を用意する準備工程と、
前記光ファイバー群を所定本数に束ねて一又は複数の光ファイバー収束体を形成する収束体形成工程と、
前記表保護層及び前記裏保護層を前記光ファイバー収束体の外側で接合して前記光ファイバー収束体を保護する保護袋部を形成する保護袋部形成工程と、を含むことを特徴とする表皮材の製造方法。
5.前記表保護層と前記裏保護層の接合は溶着である上記4.に記載の表皮材の製造方法。
6.前記保護袋部形成工程は、前記表保護層及び前記裏保護層を前記光ファイバー収束体と対応した平面形状となるように切断するとともに、切断された前記表保護層及び前記裏保護層において前記光ファイバー収束体の外辺に沿う側縁部で接合して前記保護袋部を形成する上記4.に記載の表皮材の製造方法。
【発明の効果】
【0008】
本発明の表皮材によると、光ファイバーと非導光糸で製織された意匠用製織部と、意匠用製織部に隣接される光源接続用端部と、を備える。さらに、光源接続用端部は、光ファイバーからなる光ファイバー群を所定本数に束ねて形成される一又は複数の光ファイバー収束体と、非導光糸で製織されて光ファイバー収束体を保護する保護袋部と、を有する。これにより、光ファイバー収束体を十分に保護して耐久性を向上させることができる。
【0009】
本発明の表皮材の製造方法によると、光ファイバーと非導光糸で製織された意匠用製織部と、意匠用製織部に隣接される袋織り部と、を備える織物を用意する準備工程と、袋織り部の光ファイバー群を所定本数に束ねて一又は複数の光ファイバー収束体を形成する収束体形成工程と、袋織り部の表保護層及び裏保護層を光ファイバー収束体の外側で接合して光ファイバー収束体を保護する保護袋部を形成する保護袋部形成工程と、を含む。これにより、光ファイバー収束体を十分に保護して耐久性を向上させた表皮材を効率良く得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
本発明について、本発明による典型的な実施形態の非限定的な例を挙げ、言及された複数の図面を参照しつつ以下の詳細な記述にて更に説明するが、同様の参照符号は図面のいくつかの図を通して同様の部品を示す。
実施形態1に係る表皮材の説明図であり、(a)は要部平面図を示し、(b)はb-b線断面図を示し、(c)はc-c線断面拡大図を示す。
表皮材の要部斜視図である。
実施形態1に係る織物の斜視図であり、(a)はクッション層が積層された状態を示し、(b)はクッション層が積層される前の状態を示す。
実施形態1に係る表皮材の製造方法(準備工程)の説明図であり、(a)は織物の表面側からみた要部斜視図を示し、(b)はb矢視図を示す。
表皮材の製造方法(除去工程)の説明図であり、(a)はタブ部を除去した状態を示し、(b)は袋織り部の最裏側層及びクッション層を除去した状態を示し、(c)はc矢視図を示す。
表皮材の製造方法(収束体形成工程)の説明図であり、(a)は表保護層を裏保護層から引き離してめくった状態を示し、(b)はb矢視図を示し、(c)は光ファイバー群の所定本数ごとにスリーブを挿通した状態を示す。
表皮材の製造方法(収束体形成工程)の説明図であり、(a)は光ファイバー収束体を形成した状態を示し、(b)は表保護層を裏保護層に対して引き戻した状態を示し、(c)はc矢視図を示す。
表皮材の製造方法(保護袋部形成工程)の説明図であり、(a)は表保護材及び裏保護材の余剰部分を切断した状態を示し、(b)は保護袋部を形成した状態を示す。
表皮材の製造方法(研磨工程)の説明図である。
実施形態1に係る加工装置の説明図であり、(a)は一対の型の型開き状態を示し、(b)は一対の型の型締め状態を示す。
表皮材の使用形態の説明図であり、(a)は車両用ドアトリムの車室内側から見た平面図を示し、(b)b-b線断面拡大図を示す。
実施形態2に係る表皮材の説明図であり、(a)は要部平面図を示し、(b)はb-b線断面図を示し、(c)はc-c線断面拡大図を示す。
表皮材の要部斜視図である。
実施形態2に係る織物の要部斜視図である。
実施形態2に係る表皮材の製造方法の説明図であり、(a)は織物の準備工程を示し、(b)はタブ部の除去工程を示し、(c)は収束体形成工程を示し、(d)は保護袋部形成工程を示す。
他の形態に係る表皮材の説明図であり、(a)は平面矩形状の保護袋部を有する形態を示し、(b)は隣り合う保護袋部が連結部で連結される形態を示し、(c)は1つの保護袋部内に複数組の光ファイバー収束体を収容保護する形態を示す。
他の形態に係る表皮材の製造方法の説明図である。
従来の光ファイバー表皮材の説明図である。
【発明を実施するための形態】
(【0011】以降は省略されています)
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