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公開番号2024077920
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-06-10
出願番号2022190161
出願日2022-11-29
発明の名称再資源化された木質系成形材料の製造方法と木質系成形材料及び再資源化された木質系成形体の製造方法並びに木質系成形体
出願人国立研究開発法人産業技術総合研究所
代理人個人,個人,個人
主分類B27N 3/04 20060101AFI20240603BHJP(木材または類似の材料の加工または保存;釘打ち機またはステープル打ち機一般)
要約【課題】再資源化等に木質材料を用いることによる物性値の低下を抑制することができる木質系成形材料の製造方法と木質系成形材料及び木質系成形体の製造方法並びに木質系成形体を提供する。
【解決手段】本発明の木質系成形材料の製造方法は、接着性樹脂を含有する木質材料を解繊し、木質繊維を含む解繊物を得る解繊工程P11と、解繊物を改質する改質工程P12と、改質した前記解繊物から木質系成形材料を作製する成形材料作製工程P13と、を備え、木質系成形体の製造方法は、木質系成形材料の製造方法で製造される木質系成形材料から木質系成形体を作製する成形体作製工程を備える。
【選択図】図1
特許請求の範囲【請求項1】
接着性樹脂を含有する木質材料を解繊し、木質繊維を含む解繊物を得る解繊工程と、
前記解繊物を改質する改質工程と、
改質した前記解繊物から木質系成形材料を作製する成形材料作製工程と、
を備えることを特徴とする木質系成形材料の製造方法。
続きを表示(約 660 文字)【請求項2】
前記解繊工程は、前記改質工程を含む請求項1に記載の木質系成形材料の製造方法。
【請求項3】
前記成形材料作製工程は、前記木質系成形材料に含まれる前記木質繊維をランダム配向させる工程を含む、請求項1に記載の木質系成形材料の製造方法。
【請求項4】
前記改質工程は、前記解繊物に対して、熱可塑性樹脂を含む溶液を含浸させて実行される請求項1に記載の木質系成形材料の製造方法。
【請求項5】
前記改質工程は、前記解繊物に対して、エステル化処理又はエーテル化処理を施して実行される請求項1に記載の木質系成形材料の製造方法。
【請求項6】
前記エステル化処理は、トリフルオロ酢酸無水物、硫酸、塩酸からなる群から選択される1つ以上の酸と、脂肪酸化合物と、を含む混合溶液を、前記解繊物に含浸させる請求項5に記載の木質系成形材料の製造方法。
【請求項7】
前記解繊工程は、前記木質材料を解繊して前記解繊物を得る請求項1に記載の木質系成形材料の製造方法。
【請求項8】
請求項1に記載の木質系成形材料の製造方法によって製造されることを特徴とする木質系成形材料。
【請求項9】
請求項8に記載の木質系成形材料から木質系成形体を作製する成形体作製工程を備えることを特徴とする木質系成形体の製造方法。
【請求項10】
請求項9に記載の木質系成形体の製造方法によって製造されることを特徴とする木質系成形体。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、加熱による再加工や賦形を可能とする木質系成形材料の製造方法と木質系成形材料及び木質系成形体の製造方法並びに木質系成形体に関する。
続きを表示(約 3,500 文字)【背景技術】
【0002】
木質材料は、ラミナ(挽板等)、ベニヤ(突板や単板等)、木片、木粉、木質繊維等といった木材由来のエレメントが、熱可塑性樹脂や熱硬化性樹脂からなる接着剤を用いて接着されることにより、軸材料、面材料等として構成されたものである。こうした木質材料は、建材等として一般的に利用されており、その例として、集成材、合板、中質繊維板(MDF)、硬質繊維板(ハードボード)、軟質繊維板(インシュレーションボード)、パーティクルボード等を挙げることができる。
通常、木質材料の廃棄は、焼却等によって行われていたが、環境保全等の要請から、近時は木質材料の再生利用(リサイクル)や再資源化に関する技術提案がなされている(特許文献1~3、及び非特許文献1参照)。
特許文献1には、リサイクル木質系複合材の製造方法として、廃棄木材を破砕することにより得られた木質材料片と、結合剤とを用いることが記載されている。
特許文献2には、木質繊維板の製造方法として、原料木質繊維を得る際に、合板の端片、解体材、二次加工品等のすでにホルムアルデヒドを含有した木質繊維と、ホルムアルデヒド捕捉剤とを用いることが記載されている。
特許文献3には、木質ボードの原材料として、バインダーが付着した木質チップからなる表層用材料と、バインダーが付着した木質チップ及びバインダーが付着した粒状樹脂からなる芯層用材料とを用い、粒状樹脂が熱可塑性樹脂と潜熱蓄熱材とを含む樹脂組成物からなること、が記載されている。
非特許文献1には、廃棄MDFの再利用を目的とし、廃棄MDFを通常の原料(ラワン)に混合使用した再生MDFを試作し、品質を確認するための実験検討を行った結果、JIS A5905(繊維板)の品質基準を満たすのは、廃棄MDFの混入率が10%までであることが記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
特開2005-59308号公報
特開2001-38707号公報
特開2019-188661号公報
【非特許文献】
【0004】
柳 啓,外2名,"廃棄MDFの再利用に関する一実験",[online],日本大学生産工学部,[令和4年10月5日検索],インターネット<https://www.cit.nihon-u.ac.jp/kouendata/No.41/4_kenchiku/4-034.pdf>
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1~3に記載された木質材料の再資源化等に係る技術は、廃棄された木質材料を破砕等して木片、木質繊維、チップ等のエレメントを得て、そのエレメントを熱可塑性樹脂や熱硬化性樹脂等の樹脂を用いて接着し、木質材料として再構成するものである。つまり、再資源化による木質材料は、未使用材料(バージン材)と、エレメント及び樹脂を用いて構成されたものである点で実質的に同一であり、そのエレメントとして廃棄された木質材料を破砕等して得られたものを用いる点で異なる。
木質材料を破砕等してエレメントを得る場合、小片化、細分化、微粉末化が進み、特に、再資源化された木質繊維はバージン材と比べ、破断や断裂等することにより、曲げ強度等といった物性値が低下する。こうした物性値の低下は、樹脂の使用量の増大によって抑制することができるが、その場合、非特許文献1に廃棄MDFの混入率が10%までと記載されているように、廃棄等された木質材料の使用量が低減してしまう。特に、再資源化等の繰り返しは、木質繊維の破壊を更に進めるため、物性値の低下が顕著となり、再資源化された木質材料の更なる再資源化に関しては、殆ど検討が進んでいない。
【0006】
本発明は、このような従来技術が有していた問題点を解決しようとするものであり、再資源化された木質材料を用いることによる物性値の低下を抑制することができる木質系成形材料の製造方法と木質系成形材料及び木質系成形体の製造方法並びに木質系成形体を提供することを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明者らは、木質材料を破砕等してエレメントを得るのではなく、木質材料を解繊して木質繊維を含む解繊物を得る解繊工程により、木質繊維の破壊ダメージを低減することができ、その解繊物を改質工程により改質して、改質した解繊物から木質系成形材料又は木質系成形体を作製することにより、木質材料の再資源化による物性値の低下を抑制できることを見出した。
【0008】
本発明は、以下に示される。
(1)接着性樹脂を含有する木質材料を解繊し、木質繊維を含む解繊物を得る解繊工程と、前記解繊物を改質する改質工程と、改質した前記解繊物から木質系成形材料を作製する成形材料作製工程と、を備えることを特徴とする木質系成形材料の製造方法。
(2)前記解繊工程は、前記改質工程を含む上記(1)に記載の木質系成形材料の製造方法。
(3)前記成形材料作製工程は、前記木質系成形材料に含まれる前記木質繊維をランダム配向させる工程を含む、上記(1)に記載の木質系成形材料の製造方法。
(4)前記改質工程は、前記解繊物に対して、熱可塑性樹脂を含む溶液を含浸させて実行される上記(1)に記載の木質系成形材料の製造方法。
(5)前記改質工程は、前記解繊物に対して、エステル化処理又はエーテル化処理を施して実行される上記(1)に記載の木質系成形材料の製造方法。
(6)前記エステル化処理は、トリフルオロ酢酸無水物、硫酸、塩酸からなる群から選択される1つ以上の酸と、脂肪酸化合物と、を含む混合溶液を、前記解繊物に含浸させる上記(5)に記載の木質系成形材料の製造方法。
(7)前記解繊工程は、前記木質材料を解繊して前記解繊物を得る上記(1)に記載の木質系成形材料の製造方法。
(8)上記(1)に記載の木質系成形材料の製造方法によって製造されることを特徴とする木質系成形材料。
(9)上記(8)に記載の木質系成形材料から木質成形体を作製する成形体作製工程を備えることを特徴とする木質系成形体の製造方法。
(10)上記(9)に記載の木質系成形体の製造方法によって製造されることを特徴とする木質系成形体。
【発明の効果】
【0009】
本発明の木質系成形材料又は木質系成形体の製造方法によれば、解繊工程において、木質材料を解繊して木質繊維を含む解繊物を得ることにより、木質繊維の破壊ダメージを低減し、木質材料の再資源化による物性値の低下を抑制することができるので、優れた品質の木質系成形材料又は木質系成形体を製造することができる。
本発明の木質系成形材料又は木質系成形体の製造方法で作製された木質系成形材料又は木質系成形体は、品質に優れており、更なる再生利用や再資源化を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
(a)は本発明の製造方法における作業工程フローを示すフローチャートであり、(b)は作業工程フローの変更例を示すフローチャートである。
圧縮試験中における実施例1の公称圧縮応力(P)の挙動を示すグラフである。
圧縮試験中における実施例2の公称圧縮応力(P)の挙動を示すグラフである。
木質成形体を作製するのに使用した金型を示す説明図である。
実施例3の木質成形体1を示す写真である。
実施例4の木質成形材料1を示す写真である。
実施例4の木質成形体2を示す写真である。
実施例4の再成形品1を示す写真である。
実施例5の木質成形材料2を示す写真である。
実施例5の木質成形体3を示す写真である。
実施例6の木質成形材料3を示す写真である。
実施例6の木質成形体4を示す写真である。
実施例7において得られた改質解繊物1の赤外線吸収スペクトルである。
実施例7の木質成形体5を示す写真である。
実施例8の木質成形体6を示す写真である。
【発明を実施するための形態】
(【0011】以降は省略されています)

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