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公開番号2024074820
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-05-31
出願番号2024045064,2022536831
出願日2024-03-21,2020-12-15
発明の名称新規な重水素置換ピリミジン誘導体及びこれを含む薬剤学的組成物
出願人オンコビクス・カンパニー・リミテッド
代理人個人,個人,個人
主分類C07D 401/12 20060101AFI20240524BHJP(有機化学)
要約【課題】肺癌治療に優れる効果を持つ新規な重水素置換ピリミジン誘導体、及びそれを含む薬剤学的組成物を提供すること。
【解決手段】化学式1で表される化合物またはこの薬剤学的に許容可能な塩、並びに有効成分として当該化合物またはこの薬剤学的に許容可能な塩及び薬剤学的に許容可能な担体を含む、肺癌治療用薬剤学的組成物により、上記課題を解決する。
【選択図】図4
特許請求の範囲【請求項1】
下記化学式1で表される化合物またはこの薬剤学的に許容可能な塩:
JPEG
2024074820000029.jpg
68
170
前記式において、
XはC1‐C4のアルキルスルホニル基であり、


及びY

は、それぞれ独立に、重水素で置換または非置換されたC1‐C4のアルキル基であり、


は、1個以上の重水素で置換されたC1‐C4のアルキル基である。
続きを表示(約 1,400 文字)【請求項2】
前記重水素で置換されたC1‐C4のアルキル基は、メチル基であることを特徴とする、請求項1に記載の化学式1で表される化合物またはこの薬剤学的に許容可能な塩。
【請求項3】
前記化学式1の化合物は下記化合物のいずれか一つであることを特徴とする、請求項1に記載の化学式1で表される化合物またはこの薬剤学的に許容可能な塩:
N‐(2‐((5‐クロロ‐2‐((2‐(メトキシ‐4‐(4‐(4‐メチルピペラジン‐1‐イル)ピペリジン‐1‐イル)フェニル)アミノ)ピリミジン‐4‐イル)アミノ)フェニル)‐N‐(メチル‐d3)メタンスルホンアミド(化合物2);
N‐(2‐((5‐クロロ‐2‐((2‐メトキシ‐4‐(4‐(4‐(メチル‐d3)ピペラジン‐1‐イル)ピペリジン‐1‐イル)フェニル)アミノ)ピリミジン‐4‐イル)アミノ)フェニル)‐N‐(メチル‐d3)メタンスルホンアミド(化合物4);
N‐(2‐((5‐クロロ‐2‐((2‐(メトキシ‐d3)‐4‐(4‐(4‐メチルピペラジン‐1‐イル)ピペリジン‐1‐イル)フェニル)アミノ)ピリミジン‐4‐イル)アミノ)フェニル)‐N‐(メチル‐d3)メタンスルホンアミド(化合物5);
N‐(2‐((5‐クロロ‐2‐((2‐(メトキシ‐d3)‐4‐(4‐(4‐(メチル‐d3)ピペラジン‐1‐イル)ピペリジン‐1‐イル)フェニル)アミノ)ピリミジン‐4‐イル)アミノ)フェニル)‐N‐(メチル‐d3)メタンスルホンアミド(化合物7)。
【請求項4】
前記塩は、塩酸、臭化水素酸、硫酸、リン酸、硝酸、酢酸、グリコール酸、乳酸、ピルビン酸、マロン酸、コハク酸、グルタル酸、フマル酸、リンゴ酸、マンデル酸、酒石酸、クエン酸、アスコルビン酸、パルミチン酸、マレイン酸、安息香酸、ヒドロキシ安息香酸、フェニル酢酸、桂皮酸、サリチル酸、メタンスルホン酸、エタンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸及びトルエンスルホン酸からなる群から選択される1種以上の酸によって誘導された塩であることを特徴とする、請求項1に記載の化学式1で表される化合物またはこの薬剤学的に許容可能な塩。
【請求項5】
有効成分として請求項1ないし請求項4のいずれか1項に記載の化合物またはこの薬剤学的に許容可能な塩及び薬剤学的に許容可能な担体を含む、肺癌治療用薬剤学的組成物。
【請求項6】
前記薬剤学的に許容可能な担体は、賦形剤、希釈剤、崩壊剤、結合剤、滑沢剤、界面活性剤、乳化剤、及び懸濁剤からなる群から選択される1種以上であることを特徴とする、請求項5に記載の肺癌治療用薬剤学的組成物。
【請求項7】
前記薬剤学的に許容可能な担体は、水、食塩水、葡萄糖水溶液、類似糖水溶液、アルコール、グリコール、エーテル、オイル、脂肪酸、脂肪酸エステル、グリセリド、界面活性剤、懸濁剤、及び乳化剤からなる群から選択される1種以上であることを特徴とする、請求項5に記載の肺癌治療用薬剤学的組成物。
【請求項8】
前記肺癌は、ALK変異及び上皮細胞成長因子受容体変異(Epidermal Growth Factor Receptor(EGFR) mutation)発現肺癌であることを特徴とする、請求項7に記載の肺癌治療用薬剤学的組成物。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は新規な重水素置換ピリミジン誘導体及びこれを含む薬剤学的組成物に関する。
続きを表示(約 3,300 文字)【背景技術】
【0002】
非小細胞肺がん(Non‐Small Cell Lung Cancer、NSCLC)は、最近世界的に癌関連疾患の有病率と死亡率が非常に高い疾病である。非小細胞肺がんは様々な要因があるが、主にチロシンキナーゼ(Tyrosine kinase)酵素、未分化リンパ腫キナーゼ(Anaplastic lymphoma kinase)遺伝子突然変異、過発現などによって発生され、これらを治療するための抗癌剤は、この酵素の活性抑制を標的として開発されている。
【0003】
韓国を含む東アジアで主に発生する非小細胞肺がんは、上皮細胞成長因子(EGFR)遺伝子変異を持つ場合が多いものとして知られているが、上皮細胞成長因子受容体(Epidermal Growth Factor Receptor;EGFR)のキナーゼ領域で活性変異(activating mutation)は一部非小細胞肺がん患者から発癌遺伝子として発見されていて、これを治療するための低分子上皮細胞成長因子受容体(EGFR)キナーゼ阻害剤としてゲフィチニブ(Gefitnib)、エルロチニブ(Erlotinib)などが治療剤として使われている(Science 2004、304:1497‐500;及びNew England Journal of Medicine 2004、350:2129‐39)。EGFR活性変異が確認された非小細胞性肺がん患者に対して前記ゲフィチニブ(Gefitnib)、エルロチニブ(Erlotinib)を治療剤として使えば、大方の患者から1年以内に薬物に対する耐性が発現される(Clinical Cancer Research 2013;19:2240‐7)。このような耐性機序のうち、上皮細胞成長因子受容体のT790M変異の割合が最大60%程度で観察される。したがって、肺癌でT790M変異上皮細胞成長因子受容体(Epidermal Growth Factor Receptor;EGFR)を標的とする3世代EGFR阻害剤(3
rd
Generation EGFR inhibitor)が開発された。代表的な薬物としてオシメルチニブ(Osimertinib)レーザーチニブ(Lasertinib)などがあって、T790M変異を標的とし、相対的に低い毒性を示しているので、このような非小細胞肺がんの治療に臨床的に使われている(J Thorac Dis.2018 Jul;10(7):3909‐3921)。しかし、前記3世代EGFR阻害剤の薬物耐性が必然的に報告されていて、主な耐性機序としてC797S変異(mutation)、MET増幅(amplification)などが報告された(J Hematol Oncol.2016、Jul 22;9(1):59;及びNature Medicine 2015、21、560‐562;及びLung Cancer 2018、118、105‐110;及びASCO2017 abstract 2572、9020)。C797S変異及びMET増幅は別に発見されることもあるが、同時に発見される場合もあると報告された。
【0004】
非小細胞肺がん患者の一部においてALK(Anaplastic Lymphoma Kinase)遺伝子異常(EML4‐ALK transfusion)が観察され、多様なチロシンキナーゼ阻害剤(Tyrosine kinase inhibitors、TKIs)などがこのような癌を治療するために臨床的に使われている。ALK‐陽性非小細胞肺がんは、ALK、EML4遺伝子融合によって発生し、2つの遺伝子の融合によって普段潜在されていたALK遺伝子が細胞の成長速度を急速化させながら、この信号を受けた細胞が速く癌細胞に転移される。代表的な治療薬物としてクリゾチニブ(Crizotinib)は2011年米国FDAで多標的(Multi‐Targeted)坑癌治療剤として承認された。この薬物は、MET、ALK、ROS1などに活性抑制を通じて転移性、ALK陽性非小細胞肺がんなどの治療に使われている。クリゾチニブの臨床研究結果を見ると、主に腺癌組職形態の肺癌患者が参加し、46%がアジアンであった。腫瘍反応率約65%、無所行生存期間7.7ヶ月(坑癌化学療法群3ヶ月)など、とても優れる効能を示し、最も頻繁に報告された異常反応は、視野以上、下痢、嘔吐、むくみ、吐き気などであった(J Thorac Oncol 2012;7(7):1086‐90.)。クリゾチニブを使用すると、必然的に耐性が発生するが、主にALKキナーゼドメインでの2次変異発生(約30%)とALK融合変異遺伝子増幅及び遠回り信号伝達過程における活性化などが報告されている。とても多様な変異が存在するが、この中でL1196M、G1269Aを含む2次変異と最も頻繁なゲートキーパー(Gate‐Keeper)残基に位置してクリゾチニブとALK結合の邪魔を誘導するL1196Mなどがある(J Clin Oncol 2013;31(8):1105‐11.)。
【0005】
ALK変異あるいはEGFR変異(または同時)によって引き起こされる非小細胞肺がんは、いずれもキナーゼ‐薬物の結合力を阻害する2次変異が主な耐性機序によって、このような変異は細胞内での下位信号伝達に影響を及ぼすと報告されている(Eur Med Chem.2017 Aug 18;136:497‐510.)。多様なALKとEGFR阻害剤の開発が持続的に行われているにもかかわらず、2種のキナーゼを一緒に阻害する阻害剤開発は、とても遅く進められている状況である。したがって、前記記述された主要薬物耐性機序であるALK変異またはEGFR変異癌細胞の成長を効果的に抑制する薬物の開発が要求されている。
この他に、前記非小細胞肺がんは多様な腫瘍遺伝子の発現、再配列などによって発生し、KRAS、ROS1、RETなどがこれに当たる(Lancet Oncol2011;12(2):175‐80.)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
PCT特許公開公報 WO/2009/143389A1
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明者らはALK変異、EGFR変異癌を効果的に抑制する新規化合物を開発するために努力した。その結果、新規な重水素置換ピリミジン誘導体が肺癌治療に優れる効果を発現することを確認した。
【0008】
したがって、本発明はまた、肺癌治療に優れる効果を持つ新規な重水素置換ピリミジン誘導体、及びそれを含む薬剤学的組成物を提供することを目的とする。
【0009】
また、本発明は肺癌の中でもALK変異またはEGFR変異発現肺癌治療に優れる効果を持つ新規な重水素置換ピリミジン誘導体、及びそれを含む薬剤学的組成物を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
前記目的を達成するために、本発明は、
下記化学式1で表される化合物またはこの薬剤学的に許容可能な塩:
JPEG
2024074820000002.jpg
84
170
前記式において、
Xは重水素で置換または非置換されたC1‐C4のアルキルスルホニル基または重水素で置換または非置換されたC1‐C4のジアルキルホスホリル基で、


、Y

及びY

は、それぞれ独立に、重水素で置換または非置換されたC1‐C4のアルキル基であり、
前記化学式1の化合物は1個以上の重水素を含む。
(【0011】以降は省略されています)

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