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公開番号2024033207
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-03-13
出願番号2022136660
出願日2022-08-30
発明の名称分離膜及びその製造方法
出願人東レ株式会社
代理人
主分類B01D 71/26 20060101AFI20240306BHJP(物理的または化学的方法または装置一般)
要約【課題】気体透過性に優れるポリ(4-メチル-1-ペンテン)を用いて、高い気体透過性能を維持しつつ、高い伸度と有機溶剤耐性を備える分離膜を提供すること。
【解決手段】ポリ(4-メチル-1-ペンテン)を主成分とし、偏光赤外分光法による外表面の配向度Oと内表面の配向度Iの比O/Iが1.8以上3.0以下であり、膜の径断面における、空隙の総面積に対する、仮想直径が200以上700nm以下の空隙の合計面積の割合SAが20以上50%以下であり、かつ、空隙の総面積に対する、仮想直径が1000以上1600nm以下の空隙の合計面積の割合SBが10以上50%以下であり、少なくとも一つの表面において、緻密層を有すること、を特徴とする、分離膜を提供する。
【選択図】なし
特許請求の範囲【請求項1】
ポリ(4-メチル-1-ペンテン)を主成分とし、偏光赤外分光法による外表面の配向度Oと内表面の配向度Iの比O/Iが1.8以上3.0以下であり、膜の径断面における、空隙の総面積に対する、仮想直径が200nm以上700nm以下の空隙の合計面積の割合S

が20%以上50%以下であり、かつ、空隙の総面積に対する、仮想直径が1000nm以上1600nm以下の空隙の合計面積の割合S

が10%以上50%以下であり、少なくとも一つの表面において、緻密層を有すること、を特徴とする、分離膜。
続きを表示(約 780 文字)【請求項2】
前記緻密層が0.1μm以上2.0μm以下の範囲である、請求項1に記載の分離膜。
【請求項3】
膜の長手方向に平行かつ、膜厚方向に平行な断面における、仮想直径が1000nm以上1600nm以下の空隙のうち、膜厚の中心より外側における空隙の平均長さが、4000nm以上であり、かつ、膜厚の中心より内側における空隙の平均長さが、1000nm以上3000nm以下である、請求項1または2のいずれか1項に記載の分離膜。
【請求項4】
偏光赤外分光法による外表面の配向度Oが2.0以上3.5以下である、請求項1~3のいずれか1項に記載の分離膜。
【請求項5】
前記分離膜が中空糸形状である、請求項1~4のいずれか1項に記載の分離膜。
【請求項6】
CO

/N

選択性が1以上である、請求項1~5のいずれか1項に記載の分離膜。
【請求項7】
100kPaにおけるN

透過性能が5GPU以上である、請求項1~6のいずれか1項に記載の分離膜。
【請求項8】
ポリ(4-メチル-1-ペンテン)を主成分とする分離膜であって、前記分離膜の差圧100kPaにおけるN2透過性能をX、前記分離膜をクロロホルムに5秒浸漬させた後の、差圧100kPaにおけるN

透過性能をYとしたとき、透過性能の変化率Y/Xの値が0.3以上1.2以下である、分離膜。
【請求項9】
長手方向の破断伸度が300%以上である、請求項1~8のいずれか1項に記載の分離膜。
【請求項10】
緻密層が外表面にある、請求項1~9のいずれか1項に記載の分離膜。
(【請求項11】以降は省略されています)

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、分離膜及びその製造方法に関する。
続きを表示(約 1,700 文字)【背景技術】
【0002】
液体から溶存気体を除去する脱気方法や、液体中の溶存気体と気相中の気体成分とを交換する気体交換方法として、分離膜を用いる方法がある。これらの用途に使用される分離膜には、高い気体透過性能が要求されるため、気体透過性に優れたポリ(4-メチル-1-ペンテン)が膜材料として使用されることがある。中でも、表面に緻密層を有する膜は、被処理液の漏出を抑制することができる点で望ましい。一方、このような緻密層を有する膜は、緻密層を有さない膜に比べてガス透過性が低いことが多く、透過性を高めるためには緻密層厚みを薄くする必要があり、その結果として薄い緻密層に貫通孔が形成し、その孔を起点に被処理液が漏出し易いという問題を抱えるものであった。また、支持層の高い空隙率を形成するため、高速巻取を行っており、支持層の高配向に起因して膜が低伸度であり、使用中に破断する恐れがあった。
【0003】
さらに、被処理液の多様化に伴い、有機溶媒を含む被処理液の処理に使用されることもあり、その実用性を高めるために、より優れた有機溶剤耐性を備えていることが求められている。
【0004】
これまでに、高透過性を備える気体透過膜を得るために、種々の方法が提案されている。例えば、特許文献1にはポリオレフィン系高分子を用いた乾湿式溶液法が開示されている。具体的には、特許文献1では、ポリオレフィン系高分子を良溶媒に溶解したポリマー溶液を、ポリオレフィン樹脂の融点より高い温度において口金から押し出して、このポリマー溶液を冷却溶媒に接触させることで熱誘起相分離により、一方の表面に薄い緻密層を有する非対称構造を形成する。
【0005】
しかしながらこの特許文献1の膜は、高速巻取を行っており、伸度が十分でないという問題がある。また、緻密層が薄く、さらにガス透過性を高めようとすると欠点が生じる恐れがある。
【0006】
特許文献2には、溶融法による分離膜が開示されている。具体的には、ポリオレフィン系樹脂を融点以上の温度で口金から押し出して冷却固化し、その後、延伸を施すことにより、部分的に開裂させることで内部を開孔させ、表層緻密、内部多孔の構造を形成する。この方法では、表面高配向のため有機溶剤耐性には優れるが、緻密層が厚く、空隙率の低い構造のため、気体透過性能および伸度が十分でないという欠点がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
特表2005-515061号公報
特開平7-155569号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
特許文献1の分離膜では、実用的な有機溶剤耐性と伸度を維持しつつ、高い気体透過性能を実現することは困難である。また、特許文献2で得られる分離膜は、有機溶剤耐性を有するものの、空隙率が不十分であり、十分な気体透過性能および伸度を有していない。
【0009】
本発明者らは、上記従来技術の課題にかんがみ、気体透過性に優れるポリ(4-メチル-1-ペンテン)を用いて、高い気体透過性能を維持しつつ、高い伸度と有機溶剤耐性を備える分離膜を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明者らは、上記課題を解決するべく鋭意検討した結果、ポリ(4-メチル-1-ペンテン)を主成分とし、偏光赤外分光法による外表面の配向度Oと内表面の配向度Iの比O/Iが1.8以上3.0以下であり、膜の径断面における、空隙の総面積に対する、仮想直径が200nm以上700nm以下の空隙の合計面積の割合aが20以上50%以下であり、かつ、空隙の総面積に対する、仮想直径が1000nm以上1600nm以下の空隙の合計面積の割合bが10%以上50%以下であることで、高い気体透過性能を維持しつつ、高い伸度と有機溶剤耐性をも備えることが可能であることを見出し、本発明を完成するに至った。
(【0011】以降は省略されています)

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