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公開番号2024027793
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-03-01
出願番号2022130893
出願日2022-08-19
発明の名称耐朽性材料及びその製造方法
出願人京都府公立大学法人,株式会社西尾木材工業所,奈良県
代理人個人
主分類B27K 5/00 20060101AFI20240222BHJP(木材または類似の材料の加工または保存;釘打ち機またはステープル打ち機一般)
要約【課題】木材等に予め薬品による前処理を行うことなく、且つ、特殊な装置や過大なエネルギーを必要とせず、木材等の内部まで均質な耐朽性を有する耐朽性材料及びその製造方法を提供する。
【解決手段】木材等に薬品による前処理を行うことなく、塩基性ガス、酸性ガス、塩基性ガスと酸性ガスとの混合ガス、及び、ガス化した塩類のうち少なくとも1つを含有する雰囲気中で、前記木材等を加熱処理する。加熱処理は、150℃~200℃の温度範囲で行う。製造された耐朽性材料に対する、JIS K 1571:2010「木材保存剤-性能基準及びその試験方法(5.2防腐性能5.2.1室内試験5.2.1.1注入処理用)」に準拠して測定した質量減少率の値が、3%以下である。また、耐朽性材料の酸不溶成分の値は、加熱処理前に対して9%以上増加する。
【選択図】図3
特許請求の範囲【請求項1】
薬品による前処理を行うことなく加熱処理されてなる木材等からなり、
JIS K 1571:2010「木材保存剤-性能基準及びその試験方法(5.2防腐性能 5.2.1室内試験 5.2.1.1注入処理用)」に準拠して測定した質量減少率の値が、3%以下であることを特徴とする耐朽性材料。
続きを表示(約 1,000 文字)【請求項2】
薬品による前処理を行うことなく加熱処理されてなる木材等からなり、
前記木材等の加熱処理前の質量を基準として、
加熱処理前の硫酸法による酸不溶成分の比率をA、加熱処理後の硫酸法による酸不溶成分の比率をBとしたときに、
下記の式(1)で示す、
C=[(B-A)/A]×100 ・・・・・ (1)
酸不溶成分の増加率の値Cが、9%以上であることを特徴とする耐朽性材料。
【請求項3】
寸法安定性の指標である抗膨潤能を測定するにあたり、
減圧加圧注入缶を用いて水を注入した前記耐朽性材料の全乾状態からの寸法変化から算出した吸水後の抗膨潤能(吸水ASE)の値が、40%以上であることを特徴とする請求項1又は2に記載の耐朽性材料。
【請求項4】
前記耐朽性材料の表面と内部における褐変の状態が同等であることを特徴とする請求項1又は2に記載の耐朽性材料。
【請求項5】
木材等に薬品による前処理を行うことなく、
塩基性ガス、酸性ガス、塩基性ガスと酸性ガスとの混合ガス、及び、ガス化した塩類のうち少なくとも1つを含有する雰囲気中で、前記木材等を加熱処理することを特徴とする耐朽性材料の製造方法。
【請求項6】
前記塩基性ガスはアンモニアであることを特徴とする請求項5に記載の耐朽性材料の製造方法。
【請求項7】
前記酸性ガスは塩化水素であることを特徴とする請求項5に記載の耐朽性材料の製造方法。
【請求項8】
前記ガス化した塩類は塩化アンモニウムであることを特徴とする請求項5に記載の耐朽性材料の製造方法。
【請求項9】
密閉されたチャンバーの内部に、薬品による前処理を行っていない木材等と、当該木材等を処理するためのガス発生剤とを収納し、
前記チャンバーの内部を加熱することにより、前記ガス発生剤から塩基性ガス、酸性ガス、塩基性ガスと酸性ガスとの混合ガス、及び、ガス化した塩類のうち少なくとも1つを発生し、当該ガスを含有する雰囲気中で、前記木材等を加熱処理することを特徴とする耐朽性材料の製造方法。
【請求項10】
前記ガス発生剤は、アンモニア水溶液であることを特徴とする請求項9に記載の耐朽性材料の製造方法。
(【請求項11】以降は省略されています)

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、耐朽性材料及びその製造方法に関するものであり、特に、木材等からなり木材腐朽菌に対する抵抗性に優れた耐朽性材料及びその製造方法に関するものである。
続きを表示(約 2,000 文字)【背景技術】
【0002】
木材や合板などの木質材料は、建築材料等として広く用いられており、独特の風合いを有することから構造材のみならず外装材及び内装材としても広く用いられている。しかし、木材等が外装材等として屋外などの厳しい環境下で使用された場合、風雨による劣化や木材腐朽菌による腐食、更にシロアリによる食害を受けるなどの問題があった。そこで、従来は保存剤や樹脂を木材に塗布或いは含浸した防腐加工や防虫加工を行うことが一般的であった。しかし、近年では環境意識や健康意識の高まりから、薬剤を使用しない或いは加工後に薬剤が残存しない木材等からなる耐朽性材料の開発が望まれている。
【0003】
このような要請から開発されたものに、木材の高温熱処理技術がある。実用化されている代表的な技術としては、 例えば、フィンランドで開発された ThermoWood (登録商標)がある。この技術は、木材を過熱水蒸気雰囲気下で高温加熱することにより、木材の耐朽性を高めると共に、寸法安定性を得ることに成功している(下記特許文献1)。また、日本において開発された技術としては、エステックウッド(登録商標)がある。この技術は、宮城県工業技術センターによるものであって、木材を不活性ガスの窒素雰囲気下で高温加熱して同様の成果を得ている(下記特許文献2)。
【0004】
一般に、木材の耐朽性を評価する指標として、JIS K 1571:2010「木材保存剤-性能基準及びその試験方法(5.2防腐性能)」が用いられる。上記技術を用いてJIS K 1571の耐朽性の評価を得るには、220℃以上での熱処理により、処理前後の木材の質量減少が18%程度必要となる。しかし、木材は、180℃を超えると可燃性ガスを放出し、更に250℃程度で引火するという性質がある。そこで、上記技術においては、水蒸気雰囲気や不活性ガスの窒素雰囲気という酸素濃度の低い雰囲気下で高温熱処理する必要があるという問題があった。
【0005】
そこで、木材の燃焼を防止するために200℃以下、好ましくは180℃以下の温度で処理する技術として、例えば、下記特許文献3の高耐久性木材の製造方法が奈良県森林技術センターで開発された。この方法においては、常温でほぼ中性から弱酸性を示す塩の水溶液を予め木材に含浸してから乾燥し、次に加熱処理するという方法である。更に、本発明者らによる下記特許文献4の木材の熱処理方法においては、無機酸を発生させる塩の希薄な水溶液を木材に含浸してから、次に加熱処理するという方法である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
特許第3585492号公報
特公昭58-018205号公報
特開2018-161802号公報
特願2021-030378号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
ところで、上記特許文献3及び上記特許文献4の方法においては、通常の熱処理装置を用いて200℃以下の温度で加工することができる。このことにより、熱処理段階での木材の温度管理が容易になると共に、熱処理装置内の酸素を排除することなく木材の燃焼を防止しながら耐朽性材料を得ることができる。しかし、木材に薬品を含浸してから乾燥するという前処理工程を必要とし、乾燥工程を含む前処理工程とその後の熱処理工程とを合わせて相当の時間を要するという問題があった。
【0008】
そこで、本発明は、上記問題に対処して、木材等に予め薬品による前処理を行うことなく、且つ、特殊な装置や過大なエネルギーを必要とせず、木材等の内部まで均質な耐朽性を有する耐朽性材料及びその製造方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記課題の解決にあたり、本発明者らは、鋭意研究の結果、木材等に予め薬品による前処理を行わない場合でも、安全性の高いガスを加熱処理装置の内部に導入し、且つ、処理後はこれらのガスが木材等の内部に残留することがない安全な薬品を使用することにより、上記課題を解決できることを見出し本発明の完成に至った。
【0010】
即ち、本発明に係る耐朽性材料は、請求項1の記載によると、
薬品による前処理を行うことなく加熱処理されてなる木材等からなり、
JIS K 1571:2010「木材保存剤-性能基準及びその試験方法(5.2防腐性能 5.2.1室内試験 5.2.1.1注入処理用)」に準拠して測定した質量減少率の値が、3%以下であることを特徴とする。
(【0011】以降は省略されています)

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