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公開番号2024014504
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-02-01
出願番号2022117383
出願日2022-07-22
発明の名称透湿防水性布帛
出願人テックワン株式会社
代理人個人,個人
主分類B32B 27/12 20060101AFI20240125BHJP(積層体)
要約【課題】例えば、透湿性が20000g/m224hrsで、20回洗濯後の耐水圧が10000mmH2O以上の透湿防水性布帛を提供することである。
【解決手段】透湿防水層と布帛との積層体である透湿防水性布帛であって、前記透湿防水層を構成する樹脂には、ポリエチレングリコールとイソホロンジイソシアネートとが用いられて構成されたポリウレタン樹脂が用いられ、前記樹脂中には炭酸カルシウムを成分とする粉末が含有されてなる透湿防水性布帛
【選択図】なし
特許請求の範囲【請求項1】
透湿防水層と布帛との積層体である透湿防水性布帛であって、
前記透湿防水層を構成する樹脂には、ポリエチレングリコールとイソホロンジイソシアネートとが少なくとも用いられて構成されたポリウレタン樹脂が用いられ、
前記樹脂中には炭酸カルシウムを成分とする粉末が含有されてなる
透湿防水性布帛。
続きを表示(約 660 文字)【請求項2】
前記ポリウレタン樹脂は、ポリエチレングリコールと1,4-ブタンジオールとイソホロンジイソシアネートとが少なくとも用いられて構成されたポリウレタン樹脂である
請求項1の透湿防水性布帛。
【請求項3】
前記ポリウレタン樹脂におけるポリエチレングリコール由来の成分の重量比が30~80wt%であり、ポリウレタン樹脂に用いられた全イソシアネート由来の成分に対するイソホロンジイソシアネート由来の成分のモル比率が80~100mol%である
請求項1の透湿防水性布帛。
【請求項4】
前記ポリウレタン樹脂は、前記透湿防水層100質量部に対して、50~70質量部である
請求項1の透湿防水性布帛。
【請求項5】
前記粉末は、前記透湿防水層100質量部に対して、30~50質量部である
請求項1の透湿防水性布帛。
【請求項6】
前記粉末は平均粒径が2~9μmである
請求項1の透湿防水性布帛。
【請求項7】
前記粉末は未焼成貝殻粉である
請求項1の透湿防水性布帛。
【請求項8】
前記透湿防水層と前記布帛との間には接着層が設けられている
請求項1の透湿防水性布帛。
【請求項9】
透湿性が20000g/m

24hrsで、20回洗濯後の耐水圧が10000mmH

O以上である
請求項1の透湿防水性布帛。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、例えばアウトドア用衣類などに好適な透湿防水層と布帛との積層体である透湿防水性布帛に関する。
続きを表示(約 4,400 文字)【背景技術】
【0002】
透湿防水性布帛が提案されている。
【0003】
例えば、ポリウレタン樹脂主体の合成重合体よりなる無孔の膜であって、該膜中にセルロースアセテート、親水性高分子、可塑剤のうちの少なくとも一つの化合物を含有してなる透湿性防水膜と、繊維布帛とが、ポリウレタン系接着剤によりラミネートされている透湿性防水布帛が提案(特開昭63-230337号公報:特許文献1)されている。この提案におけるポリウレタン樹脂は、両末端に水酸基を有するポリオールと有機ジイソシアネートとが用いられて構成されたものである。前記ポリオール成分としては、ポリエーテルポリオール、ポリエステルポリオール等が挙げられている。ポリエーテルポリオールとしては、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリテトラメチレングリコール等が挙げられている。ポリエステルポリオールとしては、ジオール(エチレングリコール、プロピレングリコール、ヘキサメチレングリコール等)と二塩基酸(アジピン酸、セパチン酸、マレイン酸、テレフタル酸等)との重縮合物が挙げられている。前記有機ジイソシアネートとしては、芳香族ジイソシアネート、脂肪族ジイソシアネート、脂環族ジイソシアネート等が挙げられている。例えば、トリレン-2,4-ジイソシアネート、4,4’-ジフェニルメタンジイソシアネート、1,6-ヘキサンジイソシアネート、1,4-シクロヘキサンジイソシアネート等が挙げられている。
【0004】
超微細粉末化した動植物非繊維材料を合成繊維、半合成繊維又は再生繊維の線状重合体或はこれら二種以上の線状重合体の混合からなる化学繊維素材の重合体と混練してなる非繊維粉体を混練した合成樹脂繊維及び合成樹脂シート素材が提案(特開平3-213506号公報:特許文献2)されている。この提案における合成樹脂繊維材料としては、ナイロン、ポリエステル、ポリウレタン、ビニロン、ビニリデン、ポリ塩化ビニル、アクリル、ポリエチレン、ポリプロピレン等が挙げられている。動植物非繊維材料としては、植物材料(樹皮、樹葉、籾殻、麦藁、米藁、蕎殻、海藻、樹実等)、皮革、骨、角、歯、鱗、貝殻、真珠、珊瑚等が挙げられている。斯の公報の実施例にあっては、「実施例4 溶解したポリウレタン樹脂に2μmに粉末化した真珠パウダーを30%重量比添加し、充分に混練して均一に分散した混練組成物(素材)を調整する。この混練組成物をフィルム抽出機により厚さ150μmのシートとして排出する。」が記載されている。
【0005】
フッ素含有ポリウレタン樹脂の水混和性有機溶剤溶液とセルロース誘導体とよりなる混合液を繊維基材の少なくとも片面にコーティングし、次いで水中に浸漬して水混和性有機溶剤を抽出した後、乾燥することを特徴とする防水性、透湿性に優れたコーティング布帛の製造方法が提案(特開平6-2278号公報:特許文献3)されている。この提案におけるフッ素含有ポリウレタン系樹脂のウレタン構成成分としては、ポリウレタン樹脂、ポリウレタン尿素樹脂と謂われるもので、分子量400~4000のポリアルキレンエーテルグリコール又は末端に水酸基を有するポリエステルポリオール、ポリε-カプロラクトンポリオール、又はポリカーボネートジオール等の単独或いは混合物を有機ジイソシアネートと反応させて得られる。必要に応じて、2個の活性水素を有する化合物で鎖延長させて得られる。前記ポリアルキレンエーテルグリコールとしては、ポリテトラメチレンエーテルグリコール、ポリプロピレングリコール、ポリエチレングリコール、グリセリンプロピレンオキシド付加物、末端にエチレンオキサイドを付加したポリエーテルポリオール、ビニルモノマーグラフト化ポリエーテルポリオール等がある。ポリエステルポリオールとしては、アルキレングリコール類(エチレングリコール、ブチレングリコール、ヘキシレングリコール、ジエチレングリコール、ジプロピレングリコール、ネオペンチルグリコール等)と、カルボン酸類(コハク酸、グルタール酸、アジピン酸、セバチン酸、マレイン酸、フマール酸、フタル酸、トリメリット酸等)とを末端がヒドロキシル基となるように反応して与えられるものがある。有機イソシアネートとしては、2,4-トルイレンジイソシアネート、2,6-トルイレンジイソシアネート、4,4’-ジフェニルメタンジイソシアネート、1,5-ナフタレンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート等の芳香族系イソシアネート、1,6-ヘキサメチレンジイソシアネート、ジシクロヘキシルメタン-4,4’-ジイソシアネート、3-イソシアネートメチル-3,5,5’-トリメチルシクロヘキシルイソシアネート、2,6-ジイソシアネートメチルカプロエート等の脂肪族イソシアネート類が挙げられている。鎖延長剤としては、ヒドラジン、エチレンジアミン、テトラメチレンジアミン、水、ピペラジン、イソホロンジアミン、エチレングリコール、ブチレングリコール、ヘキシレングリコール、ジエチレングリコール、ジプロピレングリコール、ネオペンチルグリコール等が挙げられている。尚、特許文献3,1にあっては、特許文献2が提案の貝殻などについては触れる処が無い。斯の公報にあっては、「実施例1 両末端にヒドロキシル基を有する平均分子量3000のエチレンブチレンアジペート300部、エチレングリコール25部、水酸基とフルオロアルキル基とを分子内に有するアクリル樹脂24部を窒素気流下において均一混合し、ジフェニルメタンジイソシアネート(MDI)125部を加え、DMF中で加熱反応させて、30%DMF溶液で100000cps/30℃の粘度のフッ素含有ポリウレタン樹脂溶液を得た。上記の水酸基とフルオロアルキル基とを分子内に有するアクリル樹脂は、メタクリル酸メチル236部、1H,1H,2H,2H-ヘプタデカフルオロデシルメタクリレート(大阪有機化学工業社製、商品名ビスコート17FM)60部、メタクリル酸2-ヒドロキシプロピル4.5部、アゾビスイソブチロニトリル0.3部を懸濁重合することにより得たものである。このフッ素含有ポリウレタン樹脂溶液100部とセルロースアセテート(イーストマンコダック社製、CA-398-3)の20%DMF溶液25部を混和均一化し、更に多官能製ポリイソシアネート(日本ポリウレタン工業社製、コロネートEH)1部、DMF10部を添加混合してコーティング液を調整した。一方、基材として6ナイロン繊維の毛織物(タフタ)にフッ素系撥水剤エマルジョンの1%水溶液でバッティング処理を行い、160℃にて1分間熱処理を行った。かくして撥水処理した基材上に上記で得たコーティング液をフローティングナイフコーターを用い、200g/m

(wet)塗布した後20℃の水浴中に1分間浸漬し樹脂分を凝固させた。その後50℃の温水中で10分間浸漬しDMFを充分に抽出した。続いて乾燥を行ったのち、フッ素系撥水剤エマルジョンの5%水溶液でバッティング処理を行い、160℃にて3分間の熱処理を行ってコーティング布帛を得た。」が記載され、又、「比較例2 両末端にヒドロキシル基を有する平均分子量3000のブチレンアジペート300部、エチレングリコール34部を窒素気流下にて均一混合し、MDI175部を加え、DMF中で加熱反応させて30%DMF溶液で150000cps/30℃のポリウレタン樹脂溶液を得た。この樹脂溶液100部に実施例1のセルロースアセテート溶液25部を混和均一化し、更にコロネートEH1部、DMF20部を添加混合してコーティング液を調整した。これを実施例1と同様の工程を経てコーティング布帛を得た。」「比較例3 比較例2で得たポリウレタン樹脂溶液のみを用い、この溶液100部にコロネートEH1部、DMF20部を添加混合してコーティング液を調整した。これを実施例1と同様の工程を経てコーティング布帛を得た。」が記載されている。そして、フッ素含有ポリウレタン樹脂が用いられなかった比較例2,3のコーティング布帛は耐水圧が悪い事が示されている。又、フッ素含有ポリウレタン樹脂が用いられた実施例のコーティング布帛は耐水圧が良く(洗濯試験前は10500,13500,8000であるのに対して、洗濯試験10回後にあっては7600,11200,5100(何れも単位はmm)、又、透湿度も高い(11000,12000,8500(何れも単位はg/m

24hrs))。要するに、フッ素含有ポリウレタン樹脂を用いるのが大事と謂われている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
特開昭63-230337号公報
特開平3-213506号公報
特開平6-2278号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
前記特許文献1にあっては、該発明の透湿防水性布帛の透湿度が3100~4800g/m

24hrs、耐水圧が2000mm以上と記されている。
前記特許文献2にあっては、透湿度の具体的数値は記載されていない。しかも、耐水圧の記載は皆無である。
前記特許文献3にあっては、該発明の透湿防水性布帛の透湿度が8500~12000g/m

24hrs、洗濯試験10回後の耐水圧が5100~11200mmと記されている。
【0008】
しかし、例えばアウトドア用途(スポーツ用途とか登山用途)にあっては、更なる透湿性や耐水圧の向上が求められている。
【0009】
従って、本発明が解決しようとする課題は、前記問題点を解決する事である。
第1には、透湿性に優れ、かつ、洗濯耐久性にも優れた透湿防水性布帛を提供することである。より好ましくは、例えば透湿性が20000g/m

24hrs以上で、20回洗濯後の耐水圧が10000mmH

O以上の透湿防水性布帛を提供することである。
第2には、長期間ロール状態で保管しても融着が無く、保存安定性に優れた透湿防水性布帛を提供することである。
第3には、環境負荷が小さな透湿防水性布帛を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
前記特許文献1,2,3にあっては、透湿防水性層にはポリウレタン樹脂が用いられている事から、本発明者もポリウレタン樹脂を透湿防水性層に採用する事を考えた。
(【0011】以降は省略されています)

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