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公開番号2023149882
公報種別公開特許公報(A)
公開日2023-10-16
出願番号2022058676
出願日2022-03-31
発明の名称多層ポリイミドフィルム
出願人株式会社カネカ
代理人
主分類B32B 27/34 20060101AFI20231005BHJP(積層体)
要約【課題】ロールツーロール式のフレキシブ ル金属積層板製造工程中のアルカリ環境下において、フィルムに発生するクラックや割れ ・裂けを抑制できるポリイミドフィルム、ポリイミド積層フィルム、並びに金属張積層体を提供することにある。
【解決手段】非熱可塑性ポリイミド層と少なくとも1層以上接着層とを有する多層ポリイミドフィルムであって、前記接着層にポリイミドを含有し、接着層の25μm厚み時の水蒸気透過率が40g/m2・24h以下であり、かつ、接着層の弾性率が4GPa以上であることを特徴とする多層ポリイミドフィルムにより上記課題を解決することができる。
【選択図】なし
特許請求の範囲【請求項1】
非熱可塑性ポリイミド層と少なくとも1層以上接着層とを有する多層ポリイミドフィルムであって、前記接着層にポリイミドを含有し、接着層の25μm厚み時の水蒸気透過率が40g/m

・24h以下であり、かつ、接着層の弾性率が4GPa以上であることを特徴とする多層ポリイミドフィルム。
続きを表示(約 1,100 文字)【請求項2】
前記多層ポリイミドフィルムの50μm厚みの時水蒸気透過率が50g/m

・24h以下であることを特徴とする請求項1に記載の多層ポリイミドフィルム。
【請求項3】
周波数10GHz、温度22°C~24°C、湿度45%~55%における誘電正接が0.0040以下であることを特徴とする、請求項1または2に記載の多層ポリイミドフィルム。
【請求項4】
前記接着層に含まれるポリイミド樹脂は、ピロメリット酸二無水物、3,3’,4,4’-ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、3,3’,4,4’-ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物、p-フェニレンビス(トリメリット酸モノエステル酸無水物)、4,4'-オキシジフタル酸二無水物からなる群より選択される少なくとも一種の酸二無水物成分と、1,3-ビス(4-アミノフェノキシ)ベンゼン、1,3-ビス(3-アミノフェノキシ)ベンゼン、1,4-ビス(4-アミノフェノキシ)ベンゼン、1,4-ジアミノベンゼン、4,4’-ジアミノジフェニルエーテル、4,4'-ビス(4-アミノフェノキシ)ビフェニル、2,2’-ジメチル-4,4’-ジアミノビフェニルからなる群より選択される少なくとも一種のジアミン成分を重合して得られることを特徴とする請求項1~3のいずれか一項に記載の多層ポリイミドフィルム。
【請求項5】
前記接着層に含まれるポリイミド樹脂は、ピロメリット酸二無水物、3,3’,4,4’-ビフェニルテトラカルボン酸二無水物からなる群より選択される少なくとも1種の酸二無水物成分と、1,3-ビス(4-アミノフェノキシ)ベンゼン、2,2’-ジメチル-4,4’-ジアミノビフェニルからなる群より選択される少なくとも1種のジアミン成分とを重合して得られるポリイミド樹脂あることを特徴とする請求項4記載の多層ポリイミドフィルム。
【請求項6】
前記非熱可塑性ポリイミド層は、1,4-ジアミノベンゼンと1,3-ビス(4-アミノフェノキシ)ベンゼンを少なくとも含むジアミン成分と、3,3',4,4'-ビフェニルテトラカルボン酸二無水物と4,4'-オキシジフタル酸二無水物を少なくとも含む酸二無水物モノマー成分を原料とするポリイミドを有することを特徴とする請求項1~5のいずれか一項に記載の多層ポリイミドフィルム。
【請求項7】
請求項1~6のいずれか一項に記載の多層ポリイミドフィルムに金属層を設けたフレキシブル金属張積層体。
【請求項8】
請求項7記載のフレキシブル金属張積層体の金属層に回路を形成してなるフレキシブルプリント基板。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、非熱可塑性ポリイミド層の少なくとも片面に接着層を有する多層ポリイミドフィルムに関するものである。
続きを表示(約 1,800 文字)【0002】
ポリイミドフィルムは、機械強度、耐熱性、電気絶縁性、耐薬品性に優れているため、電子基板材料用途で多く利用されている。例えば、ポリイミドフィルムを基板材料とし、少なくとも片面に銅箔を積層したフレキシブル銅張積層板(以下、FCCLともいう)や、さらに回路を作成したフレキシブルプリント基板(以下、FPCともいう)などが製造され、各種電子機器に使用されている。近年では、非熱可塑性ポリイミドフィルムの少なくとも片面に熱可塑性ポリイミドを含む接着層を形成した多層ポリイミドフィルムに代表されるような多層ポリイミドフィルム上に直接金属層を設けて形成される二層FCCLや二層FPCが開発され、その需要が伸びている。
【0003】
近年の電子機器の高速信号伝送に伴う回路を伝播する電気信号の高周波化において、電子基板材料の低誘電率、低誘電正接化の要求が高まっている。電気信号の伝送損失を抑制するには、誘電率と誘電正接を低くすることが有効な為である。IoT社会の黎明期である近年、高周波化の傾向は進んでおり、例えば10GHz以上の領域においても伝送損失を抑制できるような基板材料が求められている。
【0004】
また、これまで以上に電子機器の軽量化、小型化、薄膜化の要求が進んでおり、市場からはこれを達成するために、実装するFPCも薄膜化することが望まれている。また、生 産性向上(コストダウン化)に伴うフレキシブル銅張積層板の製造工程の変更に伴い、ポリ イミドフィルムなどの材料にかかる負荷、特に機械強度の向上などの要求も増している。 FPCの従来の製造方法は、現像工程、エッチング処理工程、レジスト剥離工程などから なる製造工程がバッチ式(非連続工程)で行われていた。現像・エッチング処理・レジス ト剥離工程で使用するアルカリ溶液に対するポリイミドの耐性を制御した報告はなされて いる。(例えば、特許文献1)また、ポリイミドフィルムの粘弾性の制御に関しても 開示されている(例えば、特許文献2)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
特開2012-186377号公報
特開2017-177602号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明者らが鋭意検討した結果、FPCに加工する際には、アルカリ水溶液に接触する工程があり、耐アルカリ性も求められている。連続式の一例であるロールツーロール式に おいては、従来のバッチ式よりも強い荷重がポリイミド積層フィルムにかかった状態でア ルカリ水溶液と接触することとなる。その結果として、特許文献1に開示されたような、 従来のバッチ式におけるアルカリ処理では認められていなかったポリイミド積層フィルム におけるクラックや割れ・裂けといった現象が発生するという課題が顕在化した。
【0007】
また、特許文献2に開示された材料では、汎用FPCに用いることは可能であるが、誘電特性に関する記載がなく、実施例に樹脂組成から推測するに、高周波用途の基板材料への適応は不可能である。高周波用途の適応可能であり、かつ、上記のようなロールツーロール式により連続的にFPCを製造する工程を経てもクラックが発生しないようなポリイミド材料は、これまで提供されていなかった。
【0008】
本発明は上述の課題に鑑みてなされたものであって、ロールツーロール式のフレキシブ ル金属積層板製造工程中のアルカリ環境下において、フィルムに発生するクラックや割れ ・裂けを抑制できるポリイミドフィルム、ポリイミド積層フィルム、並びに金属張積層体 を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記の課題に鑑み鋭意検討した以下の方法によって課題を解決に至った。
【0010】
1).非熱可塑性ポリイミド層と少なくとも1層以上接着層とを有する多層ポリイミドフィルムであって、前記接着層にポリイミドを含有し、接着層の25μm厚み時の水蒸気透過率が40g/m

・24h以下であり、かつ、接着層の弾性率が4GPa以上であることを特徴とする多層ポリイミドフィルム。
(【0011】以降は省略されています)

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