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公開番号2024032101
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-03-12
出願番号2022135559
出願日2022-08-29
発明の名称ガス拡散電極基材の製造方法
出願人東レ株式会社
代理人
主分類B32B 7/06 20190101AFI20240305BHJP(積層体)
要約【課題】ガス拡散電極基材の製造におけるコストと廃棄物を削減し、かつガス拡散電極基材の表面品位を向上させることである。
【解決手段】炭素繊維と熱硬化性樹脂とを含む前駆体繊維シートの上面および/または下面に離型紙を接触させる離型紙供給工程、前記離型紙が接触した状態で前記前駆体繊維シートを加熱加圧処理し、前記熱硬化性樹脂を硬化させてガス拡散電極基材とする加熱加圧工程、前記離型紙を前記ガス拡散電極基材から剥離させる離型紙剥離工程を少なくとも有し、前記離型紙剥離工程で剥離させた離型紙を再度前記離型紙供給工程に用いる離型紙として供給するガス拡散電極基材の製造方法であって、前記離型紙剥離工程で剥離させた離型紙を再度前記離型紙供給工程に供給する前の前記離型紙の水分率が10%以下であるガス拡散電極基材の製造方法。
【選択図】図1
特許請求の範囲【請求項1】
炭素繊維と熱硬化性樹脂とを含む前駆体繊維シートの上面および/または下面に離型紙を接触させる離型紙供給工程、前記離型紙が接触した状態で前記前駆体繊維シートを加熱加圧処理し、前記熱硬化性樹脂を硬化させて前記前駆体繊維シートをガス拡散電極基材とする加熱加圧工程、前記離型紙を前記ガス拡散電極基材から剥離させる離型紙剥離工程を少なくとも有し、前記離型紙剥離工程で剥離させた離型紙を前記離型紙供給工程に用いる離型紙として再度供給するガス拡散電極基材の製造方法であって、前記離型紙剥離工程で剥離させた離型紙を再度前記離型紙供給工程に供給する前の前記離型紙の水分率が10%以下であるガス拡散電極基材の製造方法。
続きを表示(約 760 文字)【請求項2】
前記離型紙剥離工程で剥離させた離型紙をロール状に巻き取る巻取工程と、該巻取工程において巻き取られた前記離型紙を再度巻き出して前記離型紙供給工程に供給する巻出工程とを有する、請求項1に記載のガス拡散電極基材の製造方法。
【請求項3】
前記離型紙剥離工程で剥離させた離型紙を前記離型紙供給工程に供給するまでに、前記離型紙の除湿操作を行う、請求項1に記載のガス拡散電極基材の製造方法。
【請求項4】
前記除湿操作が、前記離型紙の加熱を含む、請求項3に記載のガス拡散電極基材の製造方法。
【請求項5】
前記除湿操作が、前記離型紙の冷却および結露水の除去を含む、請求項3に記載のガス拡散電極基材の製造方法。
【請求項6】
前記除湿操作が、前記離型紙の非加熱処理を含む、請求項3に記載のガス拡散電極基材の製造方法。
【請求項7】
前記前駆体繊維シートが、炭素短繊維の抄紙体に熱処理により炭化可能な熱硬化性樹脂を含浸させたシートである、請求項1に記載のガス拡散電極基材の製造方法。
【請求項8】
前記加熱加圧工程において、間欠プレス方式、ベルトプレス方式、およびカレンダーロール方式のうち、少なくとも1つの方式で加熱加圧処理する、請求項1に記載のガス拡散電極基材の製造方法。
【請求項9】
前記加熱加圧工程において、前記前駆体繊維シートを、複数段積層して同時に加熱加圧処理する、請求項1に記載のガス拡散電極基材の製造方法。
【請求項10】
前記加熱加圧工程における加熱温度が100℃以上350℃以下である、請求項1に記載のガス拡散電極基材の製造方法。
(【請求項11】以降は省略されています)

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、燃料電池、特に固体高分子型燃料電池に好適に用いられるガス拡散電極基材の製造方法に関するものである。
続きを表示(約 2,300 文字)【背景技術】
【0002】
ガス拡散電極基材は、燃料電池の電極基材として用いられる材料であり、炭素繊維と熱硬化性樹脂の炭化物とが結着してなるカーボンペーパー、炭素繊維を交絡させて形成した炭素繊維不織布、炭素繊維織物等が用いられる。ガス拡散電極基材の製造においては、ガス拡散電極基材の厚さを均一化し、構造を緻密化する目的で、炭素繊維からなる炭素繊維シートに熱硬化性樹脂を含浸させた前駆体繊維シートを加熱加圧処理する方法が知られている(特許文献1、2)。通常、加熱加圧処理においては、前駆体繊維シートが加圧手段に付着するのを抑制するために、前駆体繊維シートを離型紙と共に加熱しながら加圧する。
【0003】
しかしながら、離型紙を1回のみ使用して廃棄すると、コストおよび産業廃棄物が増加する問題があった。特許文献3には、強化繊維に樹脂を加熱加圧して含浸させたプリプレグの製造において、離型紙を再利用する手法が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
特開2006-236992号公報
特開2005-125774号公報
特開2003-147101号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献3に記載の方法では離型紙を一回のみ再利用するに留まり、離型紙のコストと廃棄物の削減効果が限定的であった。また、一般に、離型紙を再利用する際、離型紙に皺が発生するため、ガス拡散電極基材の表面品位が低下する観点でも問題があった。
【0006】
本発明の目的は、ガス拡散電極基材の製造における前駆体繊維シートの加熱加圧工程で使用する離型紙を再利用することでコストと廃棄物を削減し、かつ表面品位が良好なガス拡散電極基材を得ることである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するために、本発明者らが鋭意検討した結果、下記の発明に至った。
(1)炭素繊維と熱硬化性樹脂とを含む前駆体繊維シートの上面および/または下面に離型紙を接触させる離型紙供給工程、前記離型紙が接触した状態で前記前駆体繊維シートを加熱加圧処理し、前記熱硬化性樹脂を硬化させて前記前駆体繊維シートをガス拡散電極基材とする加熱加圧工程、前記離型紙を前記ガス拡散電極基材から剥離させる離型紙剥離工程を少なくとも有し、前記離型紙剥離工程で剥離させた離型紙を前記離型紙供給工程に用いる離型紙として再度供給するガス拡散電極基材の製造方法であって、前記離型紙剥離工程で剥離させた離型紙を再度前記離型紙供給工程に供給する前の前記離型紙の水分率が10%以下であるガス拡散電極基材の製造方法。
(2)前記離型紙剥離工程で剥離させた離型紙をロール状に巻き取る巻取工程と、該巻取工程において巻き取られた前記離型紙を再度巻き出して前記離型紙供給工程に供給する巻出工程とを有する、(1)に記載のガス拡散電極基材の製造方法。
(3)前記離型紙剥離工程で剥離させた離型紙を前記離型紙供給工程に供給するまでに、前記離型紙の除湿操作を行う、(1)に記載のガス拡散電極基材の製造方法。
(4)前記除湿操作が、前記離型紙の加熱を含む、(3)に記載のガス拡散電極基材の製造方法。
(5)前記除湿操作が、前記離型紙の冷却および結露水の除去を含む、(3)に記載のガス拡散電極基材の製造方法。
(6)前記除湿操作が、前記離型紙の非加熱乾燥を含む、(3)に記載のガス拡散電極基材の製造方法。
(7)前記前駆体繊維シートが、炭素短繊維の抄紙体に熱処理により炭化可能な熱硬化性樹脂を含浸させたシートである、(1)に記載のガス拡散電極基材の製造方法。
(8)前記加熱加圧工程において、間欠プレス方式、ベルトプレス方式、およびカレンダーロール方式のうち、少なくとも1つの方式で加熱加圧処理する、(1)に記載のガス拡散電極基材の製造方法。
(9)前記加熱加圧工程において、前記前駆体繊維シートを、複数段積層して同時に加熱加圧処理する、(1)に記載のガス拡散電極基材の製造方法。
(10)前記加熱加圧工程における加熱温度が100℃以上350℃以下である、(1)に記載のガス拡散電極基材の製造方法。
(11)前記離型紙の厚みが50μm以上120μm以下である、(1)に記載のガス拡散電極基材の製造方法。
(12)前記離型紙の目付が60g/m

以上110g/m

以下である、(1)に記載のガス拡散電極基材の製造方法。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、ガス拡散電極基材の製造における前駆体繊維シートの加熱加圧工程で使用する離型紙を再利用することでコストと廃棄物を削減し、かつ表面品位が良好なガス拡散電極基材を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
本発明のガス拡散電極基材の製造方法の概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
本発明の製造方法により製造されるガス拡散電極基材(以下、単に「基材」という場合がある)は、炭素繊維が熱硬化性樹脂により結着された構造を有する炭素繊維構造体である。特に、本発明の製造方法は、炭素繊維を熱硬化性樹脂の炭化物で結着したカーボンペーパーの製造方法として好適である。
(【0011】以降は省略されています)

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