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公開番号2024009589
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-01-23
出願番号2022111236
出願日2022-07-11
発明の名称積層ポリエステルフィルム
出願人東洋紡株式会社
代理人
主分類B32B 27/36 20060101AFI20240116BHJP(積層体)
要約【課題】製造時の塗布斑等の塗膜の欠点が少なく、塗膜の透明性や接着性に優れた積層ポリエステルフィルムを安定して提供すること。更には、各種塗料、樹脂、UV硬化性樹脂またはインキ等に対して良好な接着性を有し、特にUV硬化性樹脂との接着性に優れ、かつ長期間にわたる高いレベルの接着性の維持や接着性に関する耐湿熱性に優れた積層ポリエステルフィルムを提供すること。
【解決手段】ポリエステルフィルム基材の少なくとも片面に塗布層を備える積層フィルムであって、前記塗布層は、ポリエステル樹脂と、沸点が150℃未満と沸点が150℃以上の2種のアミン化合物のカルボキシル基塩を有するイソシアネート系架橋剤を含有する組成物を含んで形成された積層ポリエステルフィルム。
【選択図】なし
特許請求の範囲【請求項1】
ポリエステルフィルム基材の少なくとも片面に塗布層を備える積層フィルムであって、前記塗布層は、ポリエステル樹脂と、沸点が150℃未満と沸点が150℃以上の2種のアミン化合物のカルボキシル基塩を有するイソシアネート系架橋剤を含有する組成物を含んで形成された積層ポリエステルフィルム。
続きを表示(約 130 文字)【請求項2】
前記の沸点が150℃以上のアミン化合物が1個以上の水酸基を有する請求項1に記載の積層ポリエステルフィルム。
【請求項3】
前記の2種のアミン化合物の沸点差が70℃以上である請求項1または2記載の積層ポリエステルフィルム。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、積層ポリエステルフィルムに関する。更に詳しくは、光学用、包装用、ラベル用などあらゆる分野に最適な易接着性の塗布層を有する積層ポリエステルフィルムに関する。
続きを表示(約 2,300 文字)【0002】
熱可塑性樹脂フィルム、中でもポリエステルフィルムは、機械的性質、電気的性質、寸法安定性、透明性、耐薬品性などに優れた性質を有することから磁気記録材料、包装材料、太陽電池用途、フラットディスプレイ等に用いられる反射防止フィルム、拡散シート、プリズムシート等の光学フィルム及び、ラベル印刷用フィルムなどに幅広く使用されている。しかし、ポリエステルフィルムは表面が高度に結晶配向しているため、これらの用途での加工において、各種塗料、樹脂、UV硬化性樹脂またはインキ等との接着性に乏しいという欠点を有している。
【0003】
このため、従来から、ポリエステルフィルム表面に種々の方法で接着性を与えるための検討がなされてきた。その方法として、主に、ポリエステルフィルムの表面にスルホン酸基等の親水性基を有する樹脂の水分散体等を塗布し、易接着性能を持つ塗布層を設ける方法がよく知られている(特許文献1参照)。また、市場要望として、高温高湿環境下でも接着性の維持(耐湿熱性)が求められており、親水性基を有する樹脂と架橋剤の併用が検討されている(特許文献2参照)。特にイソシアネート系架橋剤にはジブチルスズジラウラート等の有機錫化合物が触媒として有効であり、使用することにより、架橋効果が向上することが知られている。しかしながら、ジブチルスズジラウラート等の有機錫化合物は、環境ホルモン問題により使用困難となっている(特許文献3参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
特開昭58-1727号公報
特開2011-133890号公報
国際公開第2015/052821号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
積層ポリエステルフィルムとしては、各種用途に使用されて使用環境が多様になっていることから、近年、先述の耐湿熱性がますます要望されており、重ねて高品位であることも求められている。しかしながら、従来の積層ポリエステルフィルムでは耐湿熱性及び品位については市場では満足されていない。
【0006】
本発明は、かかる従来技術の課題を背景になされたものである。すなわち、本発明の目的は、製造時の塗布斑等の塗膜の欠点が少なく、塗膜の透明性や接着性に優れた積層ポリエステルフィルムを安定して提供することにあり、各種塗料、樹脂、UV硬化性樹脂またはインキ等に対して良好な接着性を有し、特にUV硬化性樹脂との接着性に優れ、かつ長期間にわたる高いレベルの接着性の維持や接着性に関する耐湿熱性に優れた積層ポリエステルフィルムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明者は、上記課題について検討する過程において、塗布液中の架橋剤の親水性基に使用されているカルボキシル基塩におけるカルボキシル基と対なる塩基成分の種類により、塗布液の加熱乾燥時に親水性の挙動が変化するため、架橋剤が塗布層中で偏在または凝集等を発生し、塗布斑等の欠点発生及び塗膜の透明性または接着性等の性能低下の原因であることを見出した。この対策として、架橋剤のカルボキシル基の対塩基として、特定の2種のアミン化合物を主に使用することで本発明における課題を解決できることを見出し、本発明の完成に至った。
【0008】
即ち、本発明は、以下の構成よりなる。
1. ポリエステルフィルム基材の少なくとも片面に塗布層を備える積層フィルムであって、前記塗布層は、ポリエステル樹脂と、沸点が150℃未満と沸点が150℃以上の2種のアミン化合物のカルボキシル基塩を有するイソシアネート系架橋剤を含有する組成物を含んで形成された積層ポリエステルフィルム。
2. 前記の沸点が150℃以上のアミン化合物が1個以上の水酸基を有する上記第1に記載の積層ポリエステルフィルム。
3. 前記の2種のアミン化合物の沸点差が70℃以上である上記第1または第2記載の積層ポリエステルフィルム。
【発明の効果】
【0009】
本発明の積層ポリエステルフィルムは、塗膜欠点が少なく、塗膜の透明性、接着性及び接着性の耐湿熱性に優れるため、光学用または建材用ハードコートフィルム等のUV硬化性樹脂や印刷フィルム等のUV硬化インキに良好な接着性を有する易接着性フィルムとして好適に用いられる。
【発明を実施するための形態】
【0010】
(ポリエステルフィルム基材)
本発明においてポリエステルフィルム基材を構成するポリエステル樹脂は、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレン-2,6-ナフタレート、ポリトリメチレンテレフタレートなどのほか、前記のようなポリエステル樹脂のジオール成分又はジカルボン酸成分の一部を以下のような共重合成分に置き換えた共重合ポリエステル樹脂であり、例えば、共重合成分として、ジエチレングリコール、ネオペンチルグリコール、1,4-シクロヘキサンジメタノール、ポリアルキレングリコールなどのジオール成分や、アジピン酸、セバシン酸、フタル酸、イソフタル酸、5-ナトリウムスルホイソフタル酸、2,6-ナフタレンジカルボン酸、2,5-フランジカルボン酸などのジカルボン酸成分などを挙げることができる。
(【0011】以降は省略されています)

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