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公開番号2024051845
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-04-11
出願番号2022158204
出願日2022-09-30
発明の名称包装用積層フィルム
出願人東洋紡株式会社
代理人
主分類B32B 27/34 20060101AFI20240404BHJP(積層体)
要約【課題】 フィルムの厚みを薄くしても、滑り性を損なうことなく、さらには屈曲による耐ピンホール性や耐突刺し性に優れ、シーラントフィルムとのラミネート強度に優れた包装用積層フィルムを提供する。
【解決手段】 少なくとも基材層とシーラント層を含む積層フィルムであって、前記基材層が二軸延伸ポリアミドフィルムであり、前記基材層の厚みが8~12μmであり、前記積層フィルムのゲルボフレックステスターを用いた1℃、1000回屈曲後のピンホール数が5個以下であり、前記積層フィルムの突刺し強度が8.0N以上であり、前記基材層と前記シーラント層のラミネート強度がMD方向、TD方向ともに4.0N/mm以上である、積層フィルム。
【選択図】 なし
特許請求の範囲【請求項1】
少なくとも基材層とシーラント層を含む積層フィルムであって、
前記基材層が二軸延伸ポリアミドフィルムであり、前記基材層の厚みが8~12μmであり、
前記積層フィルムのゲルボフレックステスターを用いた1℃、1000回屈曲後のピンホール数が5個以下であり、
前記積層フィルムの突刺し強度が8.0N以上であり、
前記基材層と前記シーラント層のラミネート強度がMD方向、TD方向ともに4.0N/mm以上である、積層フィルム。
続きを表示(約 660 文字)【請求項2】
前記基材層の静摩擦係数が0.70以下である、請求項1に記載の積層フィルム。
【請求項3】
前記基材層、基材層を構成する樹脂組成物中に脂肪族ポリエステル共重合体又は芳香族脂肪族ポリエステル共重合体を1~20質量%含む、請求項1に記載の積層フィルム
【請求項4】
前記脂肪族ポリエステル樹脂又は芳香族脂肪族ポリエステル樹脂が、ポリブチレンサクシネート、ポリブチレンサクシネートアジペート、及びポリブチレンアジペートテレフタレートからなる群から選ばれる少なくとも1種以上のポリエステル樹脂である、請求項3に記載の積層フィルム
【請求項5】
前記基材層が、コア層及びスキン層を含み、前記コア層はポリアミド6樹脂を80質量%以上、及び脂肪族ポリエステル共重合体又は芳香族脂肪族ポリエステル共重合体を1~20質量%含み、前記スキン層はポリアミド6樹脂を70質量%以上含む、請求項1に記載の積層フィルム。
【請求項6】
前記脂肪族ポリエステル樹脂又は芳香族脂肪族ポリエステル樹脂が、ポリブチレンサクシネート、ポリブチレンサクシネートアジペート、及びポリブチレンアジペートテレフタレートからなる群から選ばれる少なくとも1種以上のポリエステル樹脂である、請求項5に記載の積層フィルム。
【請求項7】
請求項1~6のいずれか一項に記載の積層フィルムを含む包装用材料。
【請求項8】
請求項7に記載の包装用材料を用いた包装袋。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、二軸延伸ポリアミドフィルムを用いた包装用積層フィルムに関する。
続きを表示(約 2,400 文字)【背景技術】
【0002】
従来から、ポリアミド6に代表される脂肪族ポリアミドからなる二軸延伸フィルムは、耐衝撃性と耐屈曲ピンホール性に優れており、各種の包装材料フィルムとして広く使用されている。
【0003】
近年、環境問題対策の一環として省資源化、廃棄物削減の要請があり、ポリアミドフィルムを用いた包装材料フィルムにおいても、減容化による環境負荷低減が要望されている。
【0004】
上述した減容化に寄与しうるポリアミドフィルムに関する技術として、例えば特許文献1では、 160℃の乾熱下で10分間保持した際の縦方向の加熱収縮率が1.5%~4.0%でかつ横方向の加熱収縮率が2.1%~4.5%であり、フィルム厚みが9μm未満であり、弾性率が2.2GPa以下であることを特徴とする積層2軸延伸ポリアミドフィルムが開示されている。かかる技術によれば、脂肪族ホモポリアミドと脂肪族コポリアミドと熱可塑性エラストマーからなる層と、脂肪族ホモポリアミドと熱可塑性エラストマーからなる層を有する、積層二軸延伸ポリアミドフィルムを特定の厚み以下とすることで、ポリアミドフィルムの厚みを従来よりも薄くしても、耐破袋性、耐衝撃性および耐屈曲疲労性に優れるポリアミドフィルムが得られるといったものである。しかしながら、当該技術では、フィルムの表層に耐熱性の低いポリアミドエラストマーを添加している影響により、積層したシーラントとの間のラミネート強度が低下してしまうといった問題があった。
【0005】
さらには、例えば特許文献2、特許文献3ではポリエステル系熱可塑性エラストマーを1~10質量%含有するポリアミド系樹脂組成物からなる延伸フィルムが開示されている。かかる技術によれば、低温環境においても耐屈曲性に優れいうものであるが、これら技術においても、フィルムの表層に耐熱性の低い熱可塑性エラストマーを添加している影響により、積層したシーラントとの間のラミネート強度が低下してしまうといった問題があり、未だ改善の余地があった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
国際公開2016/009769号
国際公開2019/131752号
特開2019-147964号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明の目的は、フィルムの厚みを薄くしても、滑り性を損なうことなく、さらには屈曲による耐ピンホール性や耐突刺し性に優れ、シーラントフィルムとのラミネート強度に優れた包装用積層フィルムを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
即ち、本発明は、以下の構成よりなる。
〔1〕 少なくとも基材層とシーラント層を含む積層フィルムであって、
前記基材層が二軸延伸ポリアミドフィルムであり、前記基材層の厚みが8~12μmであり、
前記積層フィルムのゲルボフレックステスターを用いた1℃、1000回屈曲後のピンホール数が5個以下であり、
前記積層フィルムの突刺し強度が8.0N以上であり、
前記基材層と前記シーラント層のラミネート強度がMD方向、TD方向ともに4.0N/mm以上である、積層フィルム。
〔2〕 前記基材層の静摩擦係数が0.70以下である、〔1〕に記載の積層フィルム。
〔3〕 前記基材層、基材層を構成する樹脂組成物中に脂肪族ポリエステル共重合体又は芳香族脂肪族ポリエステル共重合体を1~20質量%含む、〔1〕又は〔2〕に記載の積層フィルム
〔4〕 前記脂肪族ポリエステル樹脂又は芳香族脂肪族ポリエステル樹脂が、ポリブチレンサクシネート、ポリブチレンサクシネートアジペート、及びポリブチレンアジペートテレフタレートからなる群から選ばれる少なくとも1種以上のポリエステル樹脂である、〔3〕に記載の積層フィルム
〔5〕 前記基材層が、コア層及びスキン層を含み、前記コア層はポリアミド6樹脂を80質量%以上、及び脂肪族ポリエステル共重合体又は芳香族脂肪族ポリエステル共重合体を1~20質量%含み、前記スキン層はポリアミド6樹脂を70質量%以上含む、〔1〕又は〔2〕のいずれかに記載の積層フィルム。
〔6〕 前記脂肪族ポリエステル樹脂又は芳香族脂肪族ポリエステル樹脂が、ポリブチレンサクシネート、ポリブチレンサクシネートアジペート、及びポリブチレンアジペートテレフタレートからなる群から選ばれる少なくとも1種以上のポリエステル樹脂である、〔5〕に記載の積層フィルム。
〔7〕 〔1〕~〔6〕のいずれかに記載の積層フィルムを含む包装用材料。
〔8〕 〔7〕に記載の包装用材料を用いた包装袋。
【発明の効果】
【0009】
本発明の包装用積層フィルムは、厚みが薄いにもかかわらず、滑り性を損なうことなく、耐屈曲ピンホール性や耐突き刺しに優れる。さらに、特定のポリエステル樹脂を使用することにより、ダイス内部でエラストマー成分が劣化することがなく、長時間にわたり、ダイス内面への劣化物の付着やダイスリップ出口への目ヤニの付着を抑制できる。
【発明を実施するための形態】
【0010】
本発明は、少なくとも基材層とシーラント層を含む積層フィルムである。基材層として、二軸延伸ポリアミドフィルムを用いることが好ましい。基材層の厚みは、8μm以上、12μm以下であることが好ましく、9μm以上、11μm以下であることがより好ましい。
(【0011】以降は省略されています)

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