TOP特許意匠商標
特許ウォッチ Twitter
公開番号2024012113
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-01-25
出願番号2023103036
出願日2023-06-23
発明の名称高炉操業方法
出願人JFEスチール株式会社
代理人弁理士法人銀座マロニエ特許事務所
主分類C21B 5/00 20060101AFI20240118BHJP(鉄冶金)
要約【課題】原料表面レベルの局所的な低下に対して炉内温度の低下を防止し、炉頂ガス温度を適切に抑制させることができる高炉操業方法を提案する。
【解決手段】長期間休風のため羽口を閉塞した後に、その羽口の少なくとも一部を開口して送風を再開するときの高炉操業方法において、高炉内の原料表面レベルの局所的な低下に対して、炉頂ガス温度に基づき炉内に散水するにあたり、炉頂ガス温度の管理上限を、通常操業時の上限温度から設備保護上の上限温度以内の所定温度まで上昇させる。
【選択図】図5
特許請求の範囲【請求項1】
長期間休風のため羽口を閉塞した後に、その羽口の少なくとも一部を開口して送風を再開するときの高炉操業方法において、
高炉内の原料表面レベルの局所的な低下に対して、炉頂ガス温度に基づき炉内に散水するにあたり、炉頂ガス温度の管理上限を、通常操業時の上限温度から設備保護上の上限温度以内の所定温度まで上昇させる、高炉操業方法。
続きを表示(約 320 文字)【請求項2】
前記設備保護上の上限温度以内の所定温度は、前記設備保護上の上限温度近傍の温度である、請求項1に記載の高炉操業方法。
【請求項3】
前記設備保護上の上限温度近傍の温度は、上限温度の-20℃~0℃の範囲の温度である、請求項2に記載の高炉操業方法。
【請求項4】
高炉内への原料の装入と、高炉内への散水とを交互に実行する、請求項1~3のいずれか1項に記載の高炉操業方法。
【請求項5】
散水の実施なしで炉頂ガス温度が通常操業時の管理上限まで低下する場合、管理上限を設備保護上の上限温度以内の所定温度から通常操業時の管理上限の温度に戻す、請求項1~3のいずれか1項に記載の高炉操業方法。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、操業を停止して高炉を休風し、その後再度立ち上げを行うにあたり、炉頂部を効果的に冷却するための高炉操業方法に関する。
続きを表示(約 1,800 文字)【背景技術】
【0002】
高炉では、高温還元ガスが、羽口と呼ばれる送風用の穴から炉内へ吹き込んだ高温空気及び酸素と炉内のコークスおよび微粉炭との反応によって、生成する。高炉は、生成した高温還元ガスによって、鉄鉱石の昇温、還元、溶解を行い、羽口下部に設置した出銑口から銑鉄とスラグを炉外に排出して生産する設備である。高炉の通常操業時においては、炉内の反応熱と羽口からの熱供給がバランスしているため、高炉の安定的な操業が可能である。
【0003】
ここで、炉内の反応によって生成された高温還元ガスは高炉の炉頂部へ向かうのだが、原料表面レベルが基準より低下した場合は、原料との還元反応時間が短くなり、炉頂ガス温度が上昇してしまう。このとき、高炉ガス清浄設備などの高温還元ガスが通過する設備が破損する恐れがある。このような破損を防ぐために、炉頂部に設けられた散水装置で炉内へ水を噴霧している。この冷却装置に求められる機能は、炉内に装入される高炉原料自体を冷却させずに炉頂部のガス温度を下げることである。
【0004】
高炉の長期休風または休止を行う際には、高炉内への熱供給が停止する。一方で、高炉内部の温度と大気の温度差によって放熱が継続するため、炉内の冷却が進行し、一部の溶融物は凝固する。このため、高炉の操業再開時、すなわち送風再開時には、炉内の凝固層を溶解させるとともに、凝固物が通過するコークス充填層を溶融物が通過できるまで加熱する必要がある。
【0005】
そのため、高炉の長期休風または再稼働が見込まれる休止時には、まず、通常操業終了後、原料レベルを低下させる減尺操業を行い、原料レベルを低下させた状態で休風期間にはいり、休風期間終了後、原料レベルを上昇させて通常操業に戻すための立上操業を行っている。
【0006】
減尺操業では、減尺レベルを低下させていく。すなわち、熱風を送風しながらの原料装入なしで、羽口は全周開口した状態で、原料レベルを円周方向で均一に低下させる。そのため、炉頂散水量は炉頂ガス温度上昇値に対して調整するのみである。その際、高炉は炉内のコークス比を上げて休風に入り、送風後に微粉炭の吹込みが開始できるまでの熱補償を行う。それとともに、出銑口上の1-2本の羽口以外を耐火物等により閉塞させ、送風に伴って生成する溶銑滓の量を制限し、少量の溶融物の円滑な排出のサイクルを確立する。その後の立上操業では、減尺レベルを上昇させていく。すなわち、原料レベルを上昇する際、隣接部の羽口を開口し、徐々に開口羽口本数を増やし、通常の操業まで回復させる方法をとる(特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
特許第6947345号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
前述の羽口を部分的に開口して送風を開始する立上操業において、高温空気は開口している羽口からしか炉内へ吹き込まれないため、鉄鉱石の昇温、還元、溶解は開口羽口から吹き込まれた高温空気が到達する部分でのみでしか行われない。そのため、高炉内での反応が円周方向で不均一となり、炉頂部の原料表面レベルの局所的な低下が発生する。この現象により、局所的な炉頂ガス温度上昇が生じ、炉頂部散水装置からの炉内への水の噴霧が行われる。その際、原料表面レベルが低下していない箇所は直接原料自体に冷却水が大量に着床してしまうことで過冷却となってしまい、炉内温度の低下を招いてしまう問題があった。
【0009】
本発明の目的は、上記の問題点を解決し、原料表面レベルの局所的な低下に対して炉内温度の低下を防止し、炉頂ガス温度を適切に抑制させることができる高炉操業方法を提案することにある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明の高炉操業方法は、前述の課題を解決すべく開発されたものであり、長期間休風のため羽口を閉塞した後に、その羽口の少なくとも一部を開口して送風を再開するときの高炉操業方法において、高炉内の原料表面レベルの局所的な低下に対して、炉頂ガス温度に基づき炉内に散水するにあたり、炉頂ガス温度の管理上限を、通常操業時の上限温度から設備保護上の上限温度以内の所定温度まで上昇させる、高炉操業方法である。
(【0011】以降は省略されています)

この特許をJ-PlatPatで参照する

関連特許

個人
製鋼用取鍋精錬炉
1か月前
東京窯業株式会社
ガス吹き込みプラグ
2か月前
豊和工業株式会社
チャックボディの焼入れ方法
25日前
株式会社神戸製鋼所
鉄源の製造方法
1か月前
株式会社ジェイテクト
焼入装置、および焼入方法
18日前
日本製鉄株式会社
鉱石の脱リン方法
1か月前
株式会社神戸製鋼所
銑鉄製造方法
1か月前
高周波熱錬株式会社
冷却装置
1か月前
日本製鉄株式会社
配合計画支援方法
1か月前
合同会社KESS
直接還元鉄の製造設備及び製造方法
25日前
株式会社神戸製鋼所
高窒素鋼の精錬方法
1か月前
JFEスチール株式会社
金属精錬における中間排滓方法
3日前
株式会社光栄
低熱膨張合金の製造方法および熱間鍛造部品
28日前
トヨタ自動車株式会社
焼入れ装置
1か月前
日本製鉄株式会社
バッチ式加熱炉の操業方法
25日前
大同プラント工業株式会社
熱処理方法及び熱処理炉
15日前
JFEスチール株式会社
方向性電磁鋼帯の製造方法
1か月前
日本発條株式会社
コイルばねの製造方法
16日前
高周波熱錬株式会社
加熱処理装置
1か月前
日本発條株式会社
コイルばねの製造方法
16日前
日本発條株式会社
コイルばねの製造方法
16日前
セージ セラピューティクス, インコーポレイテッド
19-ノルC3,3-二置換C21-N-ピラゾリルステロイドおよびその使用方法
1か月前
JFEスチール株式会社
高炉操業方法
1か月前
株式会社プロテリアル
析出硬化型マルテンサイト系ステンレス鋼の製造方法
1か月前
東京窯業株式会社
環流管と浸漬管との連結方法および連結構造
1か月前
富士電子工業株式会社
ワーク固定治具及びそれを備えた焼き入れ装置
2か月前
JFEスチール株式会社
転炉の操業方法
16日前
JFEスチール株式会社
微粉炭の製造装置及び製造方法
3日前
JFEスチール株式会社
高炉ガス流判定方法、高炉設備、および、高炉操業方法
1か月前
JFEスチール株式会社
転炉型の精錬炉の排滓方法及び転炉の操業方法
2日前
日本製鉄株式会社
電気炉のスラグ流出量推定システム及び電気炉における精錬方法
1か月前
JFEスチール株式会社
還元鉄の製造方法
23日前
株式会社神戸製鋼所
転炉型精錬容器における溶銑の脱Si処理および脱りん処理方法
17日前
北京科技大学
ビッグデータクラウドプラットフォームに基づく加熱炉燃焼知能制御方法及び装置
1か月前
JFEスチール株式会社
高炉の炉頂排出ガス処理方法及び高炉付帯設備
1か月前
JFEスチール株式会社
樋管理システム及び樋管理方法
25日前
続きを見る