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公開番号2025143120
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-10-01
出願番号2024042867
出願日2024-03-18
発明の名称光学粘着シート
出願人日東電工株式会社
代理人弁理士法人いくみ特許事務所
主分類C09J 7/38 20180101AFI20250924BHJP(染料;ペイント;つや出し剤;天然樹脂;接着剤;他に分類されない組成物;他に分類されない材料の応用)
要約【課題】フレキシブルデバイス用途に適した光学粘着シートを提供する。
【解決手段】光学粘着シートは、ベースポリマーと、(メタ)アクリル酸エステルモノマーを含有するモノマー成分の重合物であるオリゴマーを含む。(メタ)アクリル酸エステルモノマーは、ヒドロキシ基含有(メタ)アクリル酸エステルモノマーを含む。また、光学粘着シートにおける、-30℃でのせん断貯蔵弾性率が、300kPa以下である。さらに、第1剥離試験におけるガラスに対する粘着力F1(N/20mm)と、第2剥離試験におけるガラスに対する粘着力F2(N/20mm)とが、6.0≦F1および0.7≦F2/F1≦1.3を満たす。
【選択図】図1
特許請求の範囲【請求項1】
ベースポリマーと、オリゴマーとを含む、光学粘着シートであって、
前記オリゴマーは、(メタ)アクリル酸エステルモノマーを含有するモノマー成分の重合物であり、
前記(メタ)アクリル酸エステルモノマーは、ヒドロキシ基含有(メタ)アクリル酸エステルモノマーを含み、
前記光学粘着シートにおける、-30℃でのせん断貯蔵弾性率が、300kPa以下であり、
下記の第1剥離試験におけるガラスに対する粘着力F1(N/20mm)と、下記の第2剥離試験におけるガラスに対する粘着力F2(N/20mm)とが、下記式(1)および(2)を満たす、光学粘着シート。
6.0≦F1 (1)
0.7≦F2/F1≦1.3 (2)
(第1剥離試験)
前記光学粘着シートの一方面にポリエチレンテレフタレートフィルムに貼り合わせ、他方面にガラスプレートに貼り合わせ、加温加圧処理することで、測定用試料を作製する。測定用試料を室温で30分間静置した後、測定用試料において、ガラスプレートから試験片(前記光学粘着シート付き前記ポリエチレンテレフタレートフィルム)を剥離する。なお、測定条件としては、温度25℃、相対湿度55%の環境下で、ガラスプレートからの試験片の剥離角度を180°、引張速度を300mm/分、剥離長さを50mmとする。
(第2剥離試験)
前記第1剥離試験と同様に測定用試料を作製する。測定用試料を温度85℃、相対湿度85%の環境下で500時間静置後、測定用試料を取り出し、温度25℃、相対湿度55%の環境下で1日間調湿する。その後、測定用試料において、ガラスプレートから試験片を剥離する。なお、測定条件は、前記第1剥離試験と同様とする。
続きを表示(約 1,300 文字)【請求項2】
前記第1剥離試験におけるガラスに対する粘着力F1(N/20mm)と、下記の第3剥離試験におけるガラスに対する粘着力F3(N/20mm)とが、下記式(3)を満たす、請求項1に記載の光学粘着シート。
0.7≦F3/F1≦1.3 (3)
(第3剥離試験)
前記第1剥離試験と同様に測定用試料を作製する。測定用試料を温度60℃、相対湿度90%の環境下で500時間静置後、測定用試料を取り出し、温度25℃、相対湿度55%の環境下で1日間調湿する。その後、測定用試料において、ガラスプレートから試験片を剥離する。なお、測定条件は、前記第1剥離試験と同様とする。
【請求項3】
前記第1剥離試験におけるガラスに対する粘着力F1(N/20mm)と、下記の第4剥離試験におけるガラスに対する粘着力F4(N/20mm)とが、下記式(4)を満たす、請求項1に記載の光学粘着シート。
0.7≦F4/F1≦1.3 (4)
(第4剥離試験)
前記第1剥離試験と同様に測定用試料を作製する。測定用試料を温度0℃の環境下で500時間静置後、測定用試料を取り出し、温度25℃、相対湿度55%の環境下で1日間調湿する。その後、測定用試料において、ガラスプレートから試験片を剥離する。なお、測定条件は、前記第1剥離試験と同様とする。
【請求項4】
前記オリゴマーのガラス転移温度が、100℃以上である、請求項1に記載の光学粘着シート。
【請求項5】
前記(メタ)アクリル酸エステルモノマーは、縮合環含有(メタ)アクリル酸エステルモノマーをさらに含む、請求項1に記載の光学粘着シート。
【請求項6】
前記オリゴマーは、メタクリル酸エステルモノマーを含有するモノマー成分の重合物であり、
前記メタクリル酸エステルモノマーは、ヒドロキシ基含有メタクリル酸エステルモノマーおよび縮合環含有メタクリル酸エステルモノマーを含み、
前記モノマー成分における、前記メタクリル酸エステルモノマーの含有割合は、90質量%超過である、請求項1に記載の光学粘着シート。
【請求項7】
前記モノマー成分における、前記ヒドロキシ基含有(メタ)アクリル酸エステルモノマーの含有割合は、0.5質量%以上、15質量%以下である、請求項1~6のいずれか一項に記載の光学粘着シート。
【請求項8】
前記モノマー成分における、前記縮合環含有(メタ)アクリル酸エステルモノマーの含有割合は、20質量%以上、80質量%以下である、請求項5または6に記載の光学粘着シート。
【請求項9】
前記ベースポリマー100質量部に対する、前記オリゴマーの配合量が、0.1質量部以上、3質量部未満である、請求項1~6のいずれか一項に記載の光学粘着シート。
【請求項10】
1%以下のヘイズを有する、請求項1~6のいずれか一項に記載の光学粘着シート。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、光学粘着シートに関する。
続きを表示(約 2,400 文字)【背景技術】
【0002】
ディスプレイパネルは、例えば、画素パネル、偏光フィルム、タッチパネル、カバーフィルムなどを含む積層構造を有する。このようなディスプレイパネルでは、積層構造中の各層間の接合のために、例えば、透明な粘着シート(光学粘着シート)が用いられる。
【0003】
また、近年、スマートフォン用およびタブレット端末用に、繰り返し折り曲げ可能(フォルダブル)なディスプレイパネルの開発が進んでいる。さらに、巻き取り可能(ローラブル)なディスプレイパネルの開発も進んでいる。このようなフォルダブルディスプレイパネルおよびローラブルディスプレイパネルなどのフレキブルデバイスでは、積層構造中の各層が、繰り返し折り曲げ可能に作製されている。そして、フレキブルデバイスにおける、各層間の接合には、光学粘着シートが用いられている(例えば、下記特許文献1参照。)。特許文献1に記載されている、フレキシブルデバイス用の光学粘着シートは、繰り返しの折り曲げに対応できるように、優れた柔軟性を有し、さらに、被着体に対する優れた粘着性を有する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
特開2020-122140号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
一方、フレキシブルデバイス用の光学粘着シートには、優れた柔軟性と粘着性とを有し、さらに、高温高湿環境下で使用されても、粘着性の過度な低下を抑制できる、つまり、信頼性に優れることが要求される。
【0006】
特に、フォルダブルディスプレイパネルの折り曲げ箇所では、被着体に沿った方向に比較的大きなせん断力が加わることにより、光学粘着シートが剥がれやすい。また、ローラブルディスプレイパネルの巻回状態では、被着体に沿った方向のせん断力を受け続けることにより、光学粘着シートが剥がれやすい。つまり、このような用途の光学粘着シートには、被着体に対する、粘着性がより一層優れることが要求され、併せて、その信頼性に優れることもより一層要求される。
【0007】
本発明は、フレキシブルデバイス用途に適し、優れた柔軟性と粘着性とを有し、さらに、高温高湿環境下での信頼性に優れる光学粘着シートを提供する。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明[1]は、ベースポリマーと、オリゴマーとを含む、光学粘着シートであって、前記オリゴマーは、(メタ)アクリル酸エステルモノマーを含有するモノマー成分の重合物であり、前記(メタ)アクリル酸エステルモノマーは、ヒドロキシ基含有(メタ)アクリル酸エステルモノマーを含み、前記光学粘着シートにおける、-30℃でのせん断貯蔵弾性率が、300kPa以下であり、下記の第1剥離試験におけるガラスに対する粘着力F1(N/20mm)と、下記の第2剥離試験におけるガラスに対する粘着力F2(N/20mm)とが、下記式(1)および(2)を満たす、光学粘着シートを含む。
6.0≦F1 (1)
0.7≦F2/F1≦1.3 (2)
(第1剥離試験)
前記光学粘着シートの一方面にポリエチレンテレフタレートフィルムに貼り合わせ、他方面にガラスプレートに貼り合わせ、加温加圧処理することで、測定用試料を作製する。測定用試料を室温で30分間静置した後、測定用試料において、ガラスプレートから試験片(前記光学粘着シート付き前記ポリエチレンテレフタレートフィルム)を剥離する。なお、測定条件としては、温度25℃、相対湿度55%の環境下で、ガラスプレートからの試験片の剥離角度を180°、引張速度を300mm/分、剥離長さを50mmとする。
(第2剥離試験)
前記第1剥離試験と同様に測定用試料を作製する。測定用試料を温度85℃、相対湿度85%の環境下で500時間静置後、測定用試料を取り出し、温度25℃、相対湿度55%の環境下で1日間調湿する。その後、測定用試料において、ガラスプレートから試験片を剥離する。なお、測定条件は、前記第1剥離試験と同様とする。
【0009】
本発明[2]は、前記第1剥離試験におけるガラスに対する粘着力F1(N/20mm)と、下記の第3剥離試験におけるガラスに対する粘着力F3(N/20mm)とが、下記式(3)を満たす、上記[1]に記載の光学粘着シートを含む。
0.7≦F3/F1≦1.3 (3)
(第3剥離試験)
前記第1剥離試験と同様に測定用試料を作製する。測定用試料を温度60℃、相対湿度90%の環境下で500時間静置後、測定用試料を取り出し、温度25℃、相対湿度55%の環境下で1日間調湿する。その後、測定用試料において、ガラスプレートから試験片を剥離する。なお、測定条件は、前記第1剥離試験と同様とする。
【0010】
本発明[3]は、前記第1剥離試験におけるガラスに対する粘着力F1(N/20mm)と、下記の第4剥離試験におけるガラスに対する粘着力F4(N/20mm)とが、下記式(4)を満たす、上記[1]または[2]に記載の光学粘着シートを含む。
0.7≦F4/F1≦1.3 (4)
(第4剥離試験)
前記第1剥離試験と同様に測定用試料を作製する。測定用試料を温度0℃の環境下で500時間静置後、測定用試料を取り出し、温度25℃、相対湿度55%の環境下で1日間調湿する。その後、測定用試料において、ガラスプレートから試験片を剥離する。なお、測定条件は、前記第1剥離試験と同様とする。
(【0011】以降は省略されています)

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