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公開番号2025108254
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-07-23
出願番号2024002066
出願日2024-01-10
発明の名称水圧転写方法、水圧転写フィルム用塗布剤及び水圧転写品
出願人株式会社タイカ
代理人個人,個人,個人
主分類B44C 1/175 20060101AFI20250715BHJP(装飾技術)
要約【課題】水圧転写フィルムの印刷パターンに光又は熱のエネルギー線で硬化するエネルギー線硬化性樹脂組成物から成る塗布剤を塗布し浸透して印刷パターンを水圧転写する際に使用する塗布剤に添加された特別の成分によって装飾層の表面に形成される微細な凹凸によって安定したテクスチャー触感を付与する。
【解決手段】エネルギー線硬化性樹脂組成物を主成分とする塗布剤に塗布剤の揮発性成分を除く成分の重量に対して2乃至19重量%の割合でセルロース繊維の如きマイクロ繊維フィラーを含有し、このマイクロ繊維フィラーの形態によって水圧転写品の装飾層に微細な凹凸を付与する。
【選択図】図3
特許請求の範囲【請求項1】
水溶性フィルム上に乾燥された印刷パターンを有する水圧転写フィルムにエネルギー線硬化性樹脂を主成分とする塗布剤を塗布して前記エネルギー線硬化性中の活性化成分により前記印刷パターンの付着性を回復し、前記印刷パターンを物品の表面に水圧転写して前記物品の表面に前記塗布剤が含侵されたパターン転写層を形成し、前記パターン転写層に少なくとも光エネルギー線を照射し前記パターン転写層を硬化して装飾層を形成し、前記装飾層の表面に残る水圧転写フィルムの水溶性フィルムを洗浄して除去する水圧転写方法において、前記塗布剤は、塗布剤の揮発性成分を除く成分の重量に対して2乃至19重量%の割合でマイクロ繊維フィラーを含み、前記マイクロ繊維フィラーによって前記装飾層の表面に微細な凹凸を付与することを特徴とする水圧転写方法。
続きを表示(約 1,100 文字)【請求項2】
請求項1に記載の水圧転写方法であって、前記マイクロ繊維フィラーは、前記装飾層の膜厚に対して1.5乃至5.0倍の繊維径と前記繊維径に対して1.5乃至10.0倍の繊維長を有する水圧転写方法。
【請求項3】
請求項1に記載の水圧転写方法であって、前記マイクロ繊維フィラーは、セルロース繊維、ガラス繊維又は炭素繊維のいずれかである水圧転写方法。
【請求項4】
請求項1に記載の水圧転写方法であって、前記塗布剤のエネルギー線硬化性樹脂が光硬化性樹脂又は光硬化性樹脂と熱硬化性樹脂との組合せである水圧転写方法。
【請求項5】
請求項1に記載の水圧転写方法であって、前記塗布剤は、艶消し剤を更に含んでいる水圧転写方法。
【請求項6】
請求項1に記載の水圧転写方法であって、前記塗布剤は、耐薬品性及び又は耐物理性を付与する追加の樹脂成分を含んでいる水圧転写方法。
【請求項7】
水溶性フィルム上に乾燥された印刷パターンを有する水圧転写フィルムに少なくとも光エネルギー線によって硬化するエネルギー線硬化性樹脂組成物を主成分とする塗布剤を塗布して前記エネルギー線硬化性樹脂組成物中の活性化成分により前記印刷パターンの付着性を回復し、前記印刷パターンを物品の表面に水圧転写して前記物品の表面に前記塗布剤が含侵されたパターン転写層を形成し、前記パターン転写層に少なくとも光エネルギー線を照射し前記パターン転写層を硬化して装飾層を形成し、前記装飾層の表面に残る水圧転写フィルムの水溶性フィルムを洗浄して除去する水圧転写方法に用いられる水圧転写フィルム用塗布剤であって、前記塗布剤は、前記装飾層の表面に微細な凹凸を付与するために塗布剤の揮発性成分を除く成分の重量に対して2乃至19重量%の割合でマイクロ繊維フィラーを含んでいることを特徴とする水圧転写フィルム用塗布剤。
【請求項8】
請求項7に記載の水圧転写フィルム用塗布剤であって、前記マイクロ繊維フィラーは、1乃至1000μmの繊維径を有し、且つ前記繊維径に対して1.5乃至10.0倍の繊維長を有する水圧転写フィルム用塗布剤。
【請求項9】
請求項7に記載の水圧転写フィルム用塗布剤であって、前記マイクロ繊維フィラーは、セルロース繊維、ガラス繊維又は炭素繊維のいずれかである水圧転写フィルム用塗布剤。
【請求項10】
請求項7に記載の水圧転写フィルム用塗布剤であって、前記塗布剤のエネルギー線硬化性組成物が光硬化性樹脂又は光硬化性樹脂と熱硬化性樹脂との組合せである水圧転写フィルム用塗布剤。
(【請求項11】以降は省略されています)

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、加飾されるべき物品の表面に水圧転写すべき水圧転写フィルムの乾燥している印刷パターンの付着性を再現(回復)した後、この印刷パターンを物品に水圧転写する水圧転写方法、この方法に用いられる水圧転写フィルム用塗布剤及びこの方法によって形成された水圧転写品の改良に関するのである。
続きを表示(約 1,800 文字)【背景技術】
【0002】
複雑な三次元的な表面を有する物品の表面を加飾するために、水圧転写方法が用いられており、この方法は、水溶性フィルム(キャリアフィルム)の上に印刷された非水溶性の印刷パターンを有する水圧転写フィルムを転写槽内の水面上に浮かばせ、この水圧転写フィルムの水溶性フィルムを水で湿潤させた上で、物品(被転写体)をこの水圧転写フィルムの印刷パターンに接触させながら転写層内の水中に押入れ、この際に物品の表面に対して発生する水圧を利用して水圧転写フィルムの印刷パターンを物品の表面に転写することによって装飾層(加飾層)が形成された水圧転写品を製造する方法である。
【0003】
近年、このようにして製造された水圧転写品の表面に微細な凹凸を付与してテクスチャー触感を付与することが要求されている。
【0004】
この要求を満たすために、1つの従来技術では、装飾層の上にトップコートを施すことなく、装飾層の表面を化学的、物理的に保護するために、光又は熱の如きエネルギー線を照射すると硬化するエネルギー線硬化性樹脂組成物から成る塗布剤を水圧転写フィルムの乾燥されている印刷パターンに塗布し硬化性樹脂組成物中の活性化成分によって印刷パターンを溶解してその付着性を回復して水圧転写する方法において、光硬化性樹脂に特定の樹脂ビーズを特定の割合で含む塗布剤を用いることによって水圧転写品の表面に樹脂ビーズによる微細な凹凸を付与して柔軟感とウエット感とが複合されたテクスチャー触感を有する水圧転写品を提供することが試みられている(特許文献1参照)。
【0005】
しかし、この従来技術では、凹凸付与用の樹脂ビーズが粒形であるため、加飾層の厚み方向に加わる応力を点で受けるため、摩耗試験のように厚み方向と面方向に応力が掛かると樹脂ビーズが加飾層から脱粒し易くなって安定したテクスチャー触感を維持することができなかった。
【0006】
なお、塗布剤が印刷パターンと一体化する光又は熱エネルギーによって硬化するものではない溶剤の形態の塗布剤に木粉を混入して加飾層に凹凸を付与する技術も開示されているが(特許文献2参照)、この従来技術では、化学的、物理的に表面を保護するために、トップコートを施すことが必要であり、また木紛も不定形の粒形であり、先の従来秘術と同様に脱粒しやすく、安定したテクスチャー触感を維持することができない点があった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
特許第5302483号公報
特開平06-040198号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明が解決すべき第1の課題は、光又は光と熱の組み合わせであるエネルギー線の照射によって硬化するエネルギー線硬化性樹脂成分を主成分とする塗布剤を転写フィルムの印刷パターン全体に浸透して印刷パターンの光又は光と熱との組み合わせのエネルギー線で硬化することによって装飾層自体に化学的、機械的な表面保護機能を付与しつつ、装飾層の表面に微細な凹凸によるテクスチャー触感を安定的に付与することができる水圧転写方法を提供することにある。
【0009】
本発明が解決すべき第2の課題は、光又は光と熱の組み合わせであるエネルギー線の照射によって硬化するエネルギー線硬化性樹脂組成物を主成分とする塗布剤であって、転写フィルムの印刷パターン全体に浸透して印刷パターンの光又は光と熱の組み合わせのエネルギー線照射による硬化によって装飾層自体に化学的、機械的な表面保護機能を付与しつつ、装飾層の表面に微細な凹凸によるテクスチャー触感を安定的に付与することができる水圧転写フィルム用塗布剤を提供することにある。
【0010】
本発明が解決すべき第3の課題は、光又は光と熱の組み合わせであるエネルギー線の照射によって硬化するエネルギー線硬化性樹脂組成物を主成分とする塗布剤を水圧転写フィルムの印刷パターン全体に浸透して印刷パターンの光又は光と熱との組み合わせのエネルギー線照射による硬化によって化学的、機械的な表面保護機能を付与しつつ、装飾層の表面に微細な凹凸によるテクスチャー触感が安定的に付与された装飾層を得ることができる水圧転写品を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
(【0011】以降は省略されています)

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