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公開番号
2025018381
公報種別
公開特許公報(A)
公開日
2025-02-06
出願番号
2023122034
出願日
2023-07-26
発明の名称
紫外線レーザーによるマーク形成部材用転写シート
出願人
フジコピアン株式会社
代理人
主分類
B44C
1/17 20060101AFI20250130BHJP(装飾技術)
要約
【課題】紫外線レーザーによる二次元コード等の高密度情報記録が可能で、マーク形成後
の耐薬品性、耐熱性、耐候性、防汚性等に優れ、且つ種類及び形状の自由度が高い基材の
使用が可能なマーク形成部材を簡便に作製することが出来るマーク形成部材用転写シート
を提供する。
【解決手段】熱可塑性樹脂フィルム基材上に、剥離可能に設けられている、ヒドロキシル基を有する溶剤可溶性フッ素共重合体、及びポリイソシアネート化合物を含む反応型樹脂による硬化膜よりなる透明保護層、該保護層上に接して、紫外線レーザーの照射により酸化数が変わることによって色調が変化する金属酸化物が分散されてなる熱可塑性ポリオール樹脂とブロックポリイソシアネートよりなる熱接着性マーク形成層が塗工法により設けられていることを特徴とする紫外線レーザーによるマーク形成部材用転写シート。
【選択図】なし
特許請求の範囲
【請求項1】
熱可塑性樹脂フィルム基材上に、剥離可能に設けられている、フルオロオレフィン単位におけるフッ素含有量10重量%以上でかつヒドロキシル基を有する溶剤可溶性フッ素共重合体、及びポリイソシアネート化合物を含む反応型樹脂による硬化膜よりなる透明保護層、該保護層上に接して、紫外線レーザーの照射により酸化数が変わることによって色調が変化する金属酸化物が分散されてなる熱可塑性ポリオール樹脂とブロックポリイソシアネートよりなる熱接着性マーク形成層が塗工法により設けられていることを特徴とする紫外線レーザーによるマーク形成部材用転写シート。
続きを表示(約 370 文字)
【請求項2】
前記熱可塑性ポリオール樹脂が、フルオロオレフィン単位におけるフッ素含有量10重量%以上でかつヒドロキシル基を有する溶剤可溶性フッ素共重合体であることを特徴とする請求項1に記載の紫外線レーザーによるマーク形成部材用転写シート。
【請求項3】
前記紫外線レーザーの照射により酸化数が変わることによって色調が変化する金属酸化物が酸化チタンであることを特徴とする請求項1、請求項2に記載の紫外線レーザーによるマーク形成部材用転写シート。
【請求項4】
前記紫外線レーザーによるマーク形成部材が、アルカリ処理及び/又は酸処理工程を有する製品の工程管理用として使用されるマーク形成部材であることを特徴とする請求項1、請求項2、請求項3に記載の紫外線レーザーによるマーク形成部材用転写シート。
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、製造物品の工程管理やトレーサビリティの観点から使用される高度な情報記録が可能なマーク形成部材用転写シートに関し、特に、マーク形成されたマーク形成部材が、その後、高度な耐薬品性や耐熱性、耐候性が要求される分野においても使用可能なマーク形成部材用転写シートに関する。
続きを表示(約 2,000 文字)
【背景技術】
【0002】
近年、特に食品包装材分野におけるマーキングシステムとして、樹脂中に酸化チタン等を内添したフィルム層に、紫外線レーザーを照射し、酸化チタン等が変色することを利用したマーキングシステムが注目されている(例えば、特許文献1等)。酸化チタンの変色は、該層に含有された酸化チタンのイオン価数が変化し、酸素欠陥が生じることで、白色から黒色等へと変化し、これにより、視認可能となっていると考えられている。酸化チタンのイオン価数は、酸化チタンのバンドギャップに相当する光エネルギーを照射する際に変化するものと考えられる。酸化チタンのバンドギャップは結晶系によって異なるが、一般に3.0~3.2eV程度であり、これに相当する光の波長は420nm以下である。そのため、420nmを超える波長のレーザー光(たとえば532nm、1064nm)を用いても酸化チタンのイオン価数変化に起因する変色を施すことは困難である。これにより、紫外線レーザーによるマーキングシステムは、例えば、レーザー熱食刻法等に対して、記録部の物理的形状の変化、すなわち凹凸等が出来難いという特長を有すると共に、高密度情報記録に適した方法である。
【0003】
製造物品等の製造工程において、工程管理上使用されるラベルやタグには、二次元コード等の高度情報の印字が可能なシステムが増々望まれている。この点において、紫外線レーザーマーキングシステムは好適なシステムである。
【0004】
しかしながら、製造物品によっては、マーク形成後のラベルやタグが、強アルカリ水溶液や強酸性水溶液に高温で晒される場合がある。一例を挙げれば、亜鉛メッキ鋼板製品等の表面処理工程では、鋼板の脱脂工程、酸洗い工程があるが、通常、脱脂工程では、苛性ソーダ濃度5~10重量%水溶液、温度50~85℃、浸漬時間60分程度、酸洗い工程では、塩酸濃度10~20%、温度20~50℃、浸漬時間150分程度で処理される場合がある。また、鉄鋼の防錆処理としての四三酸化鉄膜形成工程では、更に過酷な条件(苛性ソーダ濃度35~50重量%水溶液、温度90℃以上、浸漬時間60分以上)で処理される場合がある。また、製造物品の表面処理工程によっては、200℃以上の高温に晒される場合もある。
【0005】
しかしながら、このような高温化での強アルカリ水溶液や強酸性水溶液に浸漬される工程に使用される場合の工程管理用のマーク形成部材として、十分に満足するマーク形成部材が得られていないのが現状である。
【0006】
一方、包装材分野以外においても、特許文献2には、炊飯器内釜等の目盛、模様、文字等のマーク形成のために、紫外線レーザーであるエキシマレーザーの照射により、酸化数が変わることによって色調が変化する金属酸化物もしくは金属水酸化物が分散あるいは形成されてなる弗素樹脂被覆物及びその製造方法が記載されている。
【0007】
弗素樹脂は、耐薬品性、耐熱性、耐候性、防汚性等において優れた樹脂であり、酸化数が変わることによって色調が変化する金属酸化物が分散あるいは形成されてなる前記弗素樹脂被覆物は、工程管理上やトレーサビリティ上使用されるラベルやタグへの転用が期待される。
【0008】
しかしながら、特許文献2に記載の金属等被着体に前記弗素樹脂被覆物を設ける製造方法は、該弗素樹脂粒子と前記酸化数が変わることによって色調が変化する金属酸化物粒子を水分散した配合物を塗工方式によりコーティング、乾燥し、その後焼き付け(実施例:420℃、20分処理)することにより弗素樹脂被覆物を形成する方法である。このような高温焼き付け方式による該弗素樹脂被覆物の製造方法では、前記ラベルやタグの製造には、該弗素樹脂の融点(320℃程度)以上の加熱設備が必要であり、製造設備に多大の負荷がかかるという問題を有している。また、塗工方式であるが故に、マーク形成面が曲面等の場合は、該弗素樹脂被覆物を設けた後又は該被覆物にマーク形成後に、該マーク形成部材の折り曲げ加工やプレス加工等をしなければならず極めて煩雑である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
特開2020-78924号公報
特開平6-100716号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
本発明は、上記背景に鑑み、紫外線レーザーによる二次元コード等の高密度情報記録が可能で、マーク形成後の耐薬品性、耐熱性、耐候性、防汚性等に優れ、且つ種類及び形状の自由度が高い基材の使用が可能なマーク形成部材を簡便に作製することが出来る紫外線レーザーによるマーク形成部材用転写シートを提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
(【0011】以降は省略されています)
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