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公開番号
2025013067
公報種別
公開特許公報(A)
公開日
2025-01-24
出願番号
2023123862
出願日
2023-07-11
発明の名称
画像形成方法
出願人
株式会社電気印刷研究所
代理人
主分類
B44C
1/17 20060101AFI20250117BHJP(装飾技術)
要約
【課題】トナー画像の接着力を利用して箔転写を行う従来法は、箔押で必要される金型を使用しない利点がある。この方法は、先ず複写機の感光体上に静電潜像(静電気パターン)を形成し、これを現像してトナー画像とし、そのトナー画像を被転写体または転写箔上に転写した後箔転写を行うものである。しかし感光体はアナログ特性であり静電潜像は高解像度でないため高解像度のトナー画像を形成できず、その結果被転写体上に高精細な画像を形成することは困難であった。
【解決手段】感光体を用いないで、離型層、絶縁層、導電層とからなる基板の離型層上に直接静電気パターンを形成し、この静電気パターンをトナーと称する帯電粒子で現像することにより離型層上に高解像度のトナー画像を形成し、このトナー画像を被転写体となる任意の基板上に転写する。このトナー画像上に転写箔を密着させた後、熱と圧力を加えることにより、任意の基板上に高精細な画像を形成する。
【選択図】なし
特許請求の範囲
【請求項1】
(1) 離型層、絶縁層、導電層とからなる基板Sの離型層上に静電気パターンを形成する工程(静電気パターン形成工程)、
(2) 前記静電気パターンをトナーと称する帯電粒子で現像し、前記基板Sの離型層上にトナー画像を形成する工程(現像工程)、
(3) 前記トナー画像を基板T上に転写する工程(トナー転写工程)、
(4) 剥離層、保護層および金属層の3層からなる転写層F、または剥離層およびカラー層の2層からなる転写層Gを耐熱性フィルム上に設けた転写箔と前記基板Tを用い、前記転写層Fまたは前記転写層Gと前記基板T上のトナー画像を密着させた後、熱と圧力を加え、前記転写層Fの少なくとも保護層および金属層、または前記転写層Gの少なくともカラー層を前記基板T上のトナー画像上に転写する工程(箔転写工程)、
(5) 前記転写箔を前記基板Tから分離する工程(転写箔分離工程)よりなることを特徴とする画像形成方法。
続きを表示(約 560 文字)
【請求項2】
凸版あるいは凹版あるいはグラビア版状パターンが形成されている版層と第1電極とを備える原版と、離型層、絶縁層と第2電極になる導電層とを備える基板Sを用い、前記原版の版層と前記基板Sの離型層を密着させ、前記原版の第1電極と前記基板Sの第2電極との間に前記版層のパターンと前記離型層との空隙を放電させるに足る適正な電圧を印加することによって、前記基板Sの離型層上に前記版層のパターンに対応した静電気パターンを形成することを特徴とする請求項1に記載の画像形成方法。
【請求項3】
導電性材料のみの成型体または絶縁性材料と導電性材料の積層体からなり、かつ所定のイオン透過性開口部を備えるマスクシートと、離型層、絶縁層と背面電極になる導電層とを備える基板Sを用い、前記マスクシートと前記基板Sの離型層を密着させ、マスクシート越しにイオン照射を行った後、前記マスクシートを前記基板Sから剥離することにより、前記基板Sの離型層上に前記マスクシートのイオン透過性開口部とイオン遮蔽部に対応した静電気パターンを形成することを特徴とする請求項1に記載の画像形成方法。
【請求項4】
イオン照射手段がコロナ放電によるイオン照射方式であることを特徴とする請求項3に記載の画像形成方法。
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は画像形成方法に関する。更に詳しくは箔転写を利用した画像形成方法に関する。
続きを表示(約 2,900 文字)
【背景技術】
【0002】
商業印刷分野、カードビジネス分野、あるいは化粧品容器等のプラスチック成型等の分野では、箔押と呼ばれる加工方法を利用して箔転写物が製造されている。この加工方法はホットスタンプ法とも言われ、熱盤を備えた所定の文字や画像の金型を転写箔に押し付けて、熱と圧力の作用で、被転写体(箔転写物となる基体)表面に箔で構成される文字や絵柄を転写させ、一般印刷では得られないメタリック感(金属光沢)や独特の色合いを被転写体に付与することができる。
しかしこの方法は、所定の文字、画像の金型や転写加工のための大掛かりな装置を必要とする。金型を使用しない箔転写物の製造方法として、複写機の感光体上の静電潜像(静電気パターン)を現像して得られるトナー画像の接着力を利用して、トナー画像の部分でのみ箔転写を行う方法が提案されている。
【0003】
例えば、複写機により耐熱性フィルムの離型層上にトナー画像を形成し、次にトナー画像を転写箔の接着層上に移し取る。その転写箔を被転写体上におき、その上から再び熱と圧力を加えてトナー画像の部分でのみ箔転写を行う方法がある(特許文献1参照)。また、複写機により被転写体上にトナー画像を付着させておき、そこに蒸着箔シートを重ね載せ、その上からアイロンによりホットプレスした後、蒸着箔シートをはがすだけで箔転写を行う方法がある(特許文献2参照)。更に、感光体上のトナー画像を被転写体上に転写、定着し、箔転写面(トナー画像領域)を形成する。箔転写面と転写箔を接触させ、この状態で端部外径が他部位の外径よりも大きい駆動ローラと従動ローラで形成されるニップ部を通過させることで、箔転写面に箔転写を行う画像形成方法がある(特許文献3参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
特開平3―221486号公報
特開2000-127691号公報
特開2012-145622号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上記のトナー画像の接着力を利用して、トナー画像の部分でのみ箔転写を行う方法は、箔押で必要とされる金型を使用しないで箔転写を行えるので、箔転写作業の効率化、箔転写装置の簡素化が可能になる。これらの方法は、いずれも先ず複写機の感光体上に静電潜像(静電気パターン)を形成し、これをドライトナーで現像してトナー画像とし、そのトナー画像を被転写体または転写箔上に転写した後箔転写を行うものである。しかし感光体はアナログ特性であり静電潜像は高解像度でないため高解像度のトナー画像を形成できず、その結果被転写体上に高精細な画像を形成することは困難であった。
【0006】
本発明は、上記課題を解決するための画像形成方法を提案する。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明者らは、感光体を用いないで、離型層、絶縁層、導電層とからなる基板の離型層上に直接静電気パターンを形成し、この静電気パターンをトナーと称する帯電粒子で現像することにより離型層上に高解像度のトナー画像を形成し、このトナー画像を被転写体となる任意の基板上に転写できること、およびこのトナー画像上に転写箔を密着させた後、熱と圧力を加えることにより、任意の基板上に高精細な画像が得られることを見出し、本発明に到達した。
【0008】
本発明により上記課題を解決した画像形成方法が提供される。
(I)
(1)離型層、絶縁層、導電層とからなる基板Sの離型層上に静電気パターンを形成する工程(静電気パターン形成工程)、
(2)前記静電気パターンをトナーと称する帯電粒子で現像し、前記基板Sの離型層上にトナー画像を形成する工程(現像工程)、
(3)前記トナー画像を基板T上に転写する工程(トナー転写工程)、
(4)剥離層、保護層および金属層の3層からなる転写層F、または剥離層およびカラー層の2層からなる転写層Gを耐熱性フィルム上に設けた転写箔と前記基板Tを用い、前記転写層Fまたは前記転写層Gと前記基板T上のトナー画像を密着させた後、熱と圧力を加え、前記転写層Fの少なくとも保護層および金属層、または前記転写層Gの少なくともカラー層を前記基板T上のトナー画像上に転写する工程(箔転写工程)、
(5)前記転写箔を前記基板Tから分離する工程(転写箔分離工程)よりなることを特徴とする画像形成方法。
(II)凸版あるいは凹版あるいはグラビア版状パターンが形成されている版層と第1電極とを備える原版と、離型層、絶縁層と第2電極になる導電層とを備える基板Sを用い、前記原版の版層と前記基板Sの離型層を密着させ、前記原版の第1電極と前記基板Sの第2電極との間に前記版層のパターンと前記離型層との空隙を放電させるに足る適正な電圧を印加することによって、前記基板Sの離型層上に前記版層のパターンに対応した静電気パターンを形成することを特徴とする前記1項に記載の画像形成方法。
(III)導電性材料のみの成型体または絶縁性材料と導電性材料の積層体からなり、かつ所定のイオン透過性開口部を備えるマスクシートと、離型層、絶縁層と背面電極になる導電層とを備える基板Sを用い、前記マスクシートと前記基板Sの離型層を密着させ、マスクシート越しにイオン照射を行った後、前記マスクシートを前記基板Sから剥離することにより、前記基板Sの離型層上に前記マスクシートのイオン透過性開口部とイオン遮蔽部に対応した静電気パターンを形成することを特徴とする前記1項に記載の画像形成方法。
(IV)イオン照射手段がコロナ放電によるイオン照射方式であることを特徴とする前記3項に記載の画像形成方法。
【発明の効果】
【0009】
本発明の方法では、従来技術のように感光体を用いないで、離型層、絶縁層、導電層とからなる基板の離型層上に直接静電気パターンを形成し、この静電気パターンをトナーと称する帯電粒子で現像することにより高解像度のトナー画像を形成し、このトナー画像を被転写体となる任意の基板上に転写する。このトナー画像の接着力を利用して箔転写を行うことにより任意の基板上に高精細な画像を形成することができる。しかも任意の基板上へのトナー画像の転写とそのトナー画像上への箔転写を繰り返し行うことが可能である。
【図面の簡単な説明】
【0010】
静電気パターン形成工程
現像工程
トナー転写工程
箔転写工程
転写箔分離工程
基板の両面に画像を形成した例
静電気パターン形成工程の一例
静電気パターン形成工程の他の一例
【発明を実施するための形態】
(【0011】以降は省略されています)
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