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公開番号
2025098444
公報種別
公開特許公報(A)
公開日
2025-07-02
出願番号
2023214567
出願日
2023-12-20
発明の名称
液体吐出ヘッド用基板
出願人
キヤノン株式会社
代理人
弁理士法人秀和特許事務所
主分類
B41J
2/14 20060101AFI20250625BHJP(印刷;線画機;タイプライター;スタンプ)
要約
【課題】発熱抵抗素子を含む表面を極力平坦化し、保護膜の厚さを低減した場合においても、蓄熱層の厚さを低減し、放熱性を向上することが可能な液体吐出ヘッドの素子基板を提供する。
【解決手段】基体上に、第1の絶縁層と、配線層と、第2の絶縁層と、がこの順に積層された液体吐出ヘッド用基板であって、第2の絶縁層の上に、通電により液体を吐出するためのエネルギーを発生させる発熱抵抗層が設けられ、第2の絶縁層を貫通して配線層と発熱抵抗層を電気的に接続し、発熱抵抗層への通電を可能にする接続プラグを備え、平面視で発熱抵抗層と重なる第1の領域における第1の絶縁層から第2の絶縁層までの膜厚が、平面視で発熱抵抗層と重ならない第2の領域における第1の絶縁層から第2の絶縁層までの膜厚よりも薄い液体吐出ヘッド用基板を用いる。
【選択図】図1
特許請求の範囲
【請求項1】
基体上に、第1の絶縁層と、配線層と、第2の絶縁層と、がこの順に積層された液体吐出ヘッド用基板であって、
前記第2の絶縁層の上に、通電により液体を吐出するためのエネルギーを発生させる発熱抵抗層が設けられ、
前記第2の絶縁層を貫通して前記配線層と前記発熱抵抗層を電気的に接続し、前記発熱抵抗層への通電を可能にする接続プラグを備え、
平面視で前記発熱抵抗層と重なる第1の領域における前記第1の絶縁層から前記第2の絶縁層までの膜厚が、平面視で前記発熱抵抗層と重ならない第2の領域における前記第1の絶縁層から前記第2の絶縁層までの膜厚よりも薄い
ことを特徴とする液体吐出ヘッド用基板。
続きを表示(約 850 文字)
【請求項2】
前記第1の絶縁層の一部はシリコンの熱酸化膜である
ことを特徴とする請求項1に記載の液体吐出ヘッド用基板。
【請求項3】
前記第1の領域においては、前記第1の絶縁層に前記熱酸化膜が形成されていない
ことを特徴とする請求項2に記載の液体吐出ヘッド用基板。
【請求項4】
前記第1の領域に、熱伝導率が前記第1の絶縁層よりも高い第1の放熱層が設けられることを特徴とする請求項3に記載の液体吐出ヘッド用基板。
【請求項5】
前記第1の放熱層は、前記熱酸化膜の開口部を覆うように設けられる
ことを特徴とする請求項4に記載の液体吐出ヘッド用基板。
【請求項6】
前記第1の放熱層は、前記発熱抵抗層及び前記配線層とは電気的に独立した導電性材料で形成される
ことを特徴とする請求項4に記載の液体吐出ヘッド用基板。
【請求項7】
前記第1の領域において、前記第1の絶縁層と前記第2の絶縁層の間であり、かつ、前記配線層と電気的に接触しない位置に、熱伝導率が前記第1の絶縁層よりも高い第2の放熱層が設けられる
ことを特徴とする請求項3に記載の液体吐出ヘッド用基板。
【請求項8】
前記第1の領域において、前記熱酸化膜の開口部を覆うように熱伝導率が前記第1の絶縁層よりも高い第1の放熱層が設けられるとともに、前記第1の絶縁層と前記第2の絶縁層の間であり、かつ、前記配線層と電気的に接触しない位置に、熱伝導率が前記第1の絶縁層よりも高い第2の放熱層が設けられる
ことを特徴とする請求項3に記載の液体吐出ヘッド用基板。
【請求項9】
前記発熱抵抗層の上に、前記発熱抵抗層を液体から保護する保護層と、前記液体を収容し、前記液体の吐出口が設けられた液室が配置される
ことを特徴とする請求項1から8のいずれか1項に記載の液体吐出ヘッド用基板。
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、液体吐出ヘッド用基板に関する。
続きを表示(約 2,300 文字)
【背景技術】
【0002】
インクジェット方式の記録装置のような液体吐出装置において、素子基板を含む液体吐出ヘッドが用いられる。この素子基板の付近に、液体を加熱するための発熱抵抗素子が用いられる。ここで、従来の液体吐出ヘッド(記録ヘッドとも呼ばれ、以下単に「ヘッド」とも記載する)の一般的な構成を説明する。ヘッドは、複数の吐出口と、基板上に設けられた発熱抵抗素子とを含んでいる。発熱抵抗素子には一対の電気配線が接続されており、一対の電気配線の端部で挟まれた部分が、実質的な発熱抵抗素子の領域を画定している。電気配線は基板から見て発熱抵抗素子の裏面、すなわち発熱抵抗素子の吐出口側の面に設けられている。電気配線と発熱抵抗素子を液体から保護するため、電気配線と発熱抵抗素子は保護膜で覆われている。電気配線から発熱抵抗素子に電流を印加し、発熱抵抗素子を発熱させることで、インク等の液体は膜沸騰を生じる。このときに生じた気泡によって液体が吐出口から吐出し、記録が行われる。このようなヘッドは多数の吐出口、発熱抵抗素子を高密度に配置することが容易であり、これにより高精細な記録画像を得ることができる。
【0003】
近年、吐出口の数の増加や吐出の高速化により、ヘッドの消費電力が増加している。液体吐出ヘッドの消費電力を抑制するためには発熱抵抗素子の熱量を効率良く液体に伝えることが重要である。そのためには、発熱抵抗素子を覆う保護膜の厚さを低減することが有効である。一方で、保護膜の電気配線と発熱抵抗素子に対する保護性能を確保するためには一定の膜厚が必要となる。特に電気配線は一般に発熱抵抗素子と比べて膜厚が大きいため、電気配線と発熱抵抗素子の境界部の段差を確実に覆うために大きな膜厚が必要となる。
【0004】
そこで、特許文献1には、発熱抵抗素子へ電力を供給するために、吐出口方向から見て発熱素子の裏面にプラグ構造の接続部材を配置する構成が記載されている。そのような構成を用いることで、発熱抵抗素子を含む表面を極力平坦化し、保護膜の厚さを低減している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
特開2016-137705号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかし、先述のようなプラグ構造を採用した場合、プラグを形成する絶縁層を化学機械研磨等の方法を用いて平坦化する必要がある。その際、研磨の後でも絶縁膜の機能を満たすためには、研磨を行うことで減少する分の膜厚を加味した絶縁膜厚の設計が必要になる。そのため、通常の平坦化を行わない場合の膜厚よりも厚く設計する必要が生じる。特に、発熱抵抗素子の直下に配置される絶縁膜は、発熱のためのエネルギーを貯蔵する蓄熱層としての機能を有する。蓄熱層の膜厚設計は、発熱抵抗素子に生じる熱エネルギーの放熱と蓄熱のバランスを保つために重要な因子となる。具体的には、蓄熱層が厚く形成された場合は放熱効率が低下することによって、吐出した液体が発熱抵抗素子上に最充填された際に不要な沸騰を生じ、意図しない液体吐出等の不具合を引き起こす場合がある。また、放熱の不足により、液体吐出ヘッド全体が徐々に昇温することで液体吐出装置に通常搭載
される安全機構が作動し、装置のダウンタイムの増加につながる場合がある。
【0007】
本発明は上記課題に鑑みてなされたものである。本発明は、発熱素子の裏面にプラグ構造の接続部材を配置する構成を採用した場合でも、蓄熱層の膜厚増加を抑制することができる液体吐出ヘッドの素子基板を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は、以下の構成を採用する。すなわち、
基体上に、第1の絶縁層と、配線層と、第2の絶縁層と、がこの順に積層された液体吐出ヘッド用基板であって、
前記第2の絶縁層の上に、通電により液体を吐出するためのエネルギーを発生させる発熱抵抗層が設けられ、
前記第2の絶縁層を貫通して前記配線層と前記発熱抵抗層を電気的に接続し、前記発熱抵抗層への通電を可能にする接続プラグを備え、
平面視で前記発熱抵抗層と重なる第1の領域における前記第1の絶縁層から前記第2の絶縁層までの膜厚が、平面視で前記発熱抵抗層と重ならない第2の領域における前記第1の絶縁層から前記第2の絶縁層までの膜厚よりも薄い
ことを特徴とする液体吐出ヘッド用基板である。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、発熱抵抗素子を含む表面を極力平坦化し、保護膜の厚さを低減した場合においても、蓄熱層の厚さを低減し、放熱性を向上することが可能な液体吐出ヘッドの素子基板を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
本発明を適用可能な液体吐出ヘッド用基板の上面図
第1の実施形態に係る液体吐出ヘッド用基板の断面図
第2の実施形態に係る液体吐出ヘッド用基板の断面図
第3の実施形態に係る液体吐出ヘッド用基板の断面図
第4の実施形態に係る液体吐出ヘッド用基板の断面図
比較例1に係る液体吐出ヘッド用基板の断面図
比較例2に係る液体吐出ヘッド用基板の断面図
本発明を適用した液体吐出装置の模式図
【発明を実施するための形態】
(【0011】以降は省略されています)
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