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公開番号
2025097591
公報種別
公開特許公報(A)
公開日
2025-07-01
出願番号
2023213849
出願日
2023-12-19
発明の名称
多層成形物
出願人
三菱ガス化学ネクスト株式会社
代理人
弁理士法人大谷特許事務所
主分類
B32B
5/28 20060101AFI20250624BHJP(積層体)
要約
【課題】難燃性に優れ、炎に接触し高温になった後にも形状保持性や電気特性に優れる多層成形物を提供する。
【解決手段】ガラス繊維シート含有層、硬化物層、ガラス繊維シート含有層をこの順で含有し、2つのガラス繊維シート含有層は、いずれも表面に位置し、2つのガラス繊維シート含有層は、いずれもガラス繊維シートを含有し、硬化物層が、熱硬化性樹脂、重合性単量体、低収縮剤、硬化剤、重合禁止剤、充填材及び強化繊維基材を含むコンパウンドを硬化させた硬化物からなり、前記充填材が水酸化アルミニウムを含有する、多層成形物。
【選択図】なし
特許請求の範囲
【請求項1】
ガラス繊維シート含有層、硬化物層、ガラス繊維シート含有層をこの順で含有し、
2つのガラス繊維シート含有層は、いずれも表面に位置し、
2つのガラス繊維シート含有層は、いずれもガラス繊維シートを含有し、
硬化物層が、熱硬化性樹脂、重合性単量体、低収縮剤、硬化剤、重合禁止剤、充填材及び強化繊維基材を含むコンパウンドを硬化させた硬化物からなり、
前記充填材が水酸化アルミニウムを含有する、多層成形物。
続きを表示(約 710 文字)
【請求項2】
ガラス繊維シートの坪量が、100~600g/m
2
である、請求項1に記載の多層成形物。
【請求項3】
ガラス繊維シートが、ガラス繊維織物及びガラス繊維不織布からなる群より選ばれる少なくとも1つである、請求項1又は2に記載の多層成形物。
【請求項4】
前記水酸化アルミニウムの含有量が、前記熱硬化性樹脂、前記重合性単量体及び前記低収縮剤の合計含有量を100質量部としたとき、100~240質量部である、請求項1又は2に記載の多層成形物。
【請求項5】
前記コンパウンドが、シートモールディングコンパウンドである、請求項1又は2に記載の多層成形物。
【請求項6】
前記強化繊維基材が、ガラス繊維からなる、請求項1又は2に記載の多層成形物。
【請求項7】
前記重合性単量体が、スチレン系単量体を含有する、請求項1又は2に記載の多層成形物。
【請求項8】
熱硬化性樹脂、重合性単量体、低収縮剤、硬化剤、重合禁止剤、及び充填材として水酸化アルミニウムを含有する樹脂組成物を強化繊維基材に含浸させてなるシートモールディングコンパウンドの両面を、ガラス繊維シートで挟み込み、プレス成形して得られる多層成形物。
【請求項9】
熱硬化性樹脂、重合性単量体、低収縮剤、硬化剤、重合禁止剤、及び充填材として水酸化アルミニウムを含有する樹脂組成物を強化繊維基材に含浸させてなるシートモールディングコンパウンドの両面を、ガラス繊維シートで挟み込み、プレス成形する工程を有する、多層成形物の製造方法。
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、多層成形物に関する。
続きを表示(約 3,700 文字)
【背景技術】
【0002】
電気部品の材料として、電気絶縁性や強度の面から、不飽和ポリエステル樹脂等の熱硬化性樹脂とフィラーを含むコンパウンドが用いられている。
コンパウンドのなかでも、シートモールディングコンパウンドは、熱硬化性樹脂と、希釈剤としてビニル系単量体を含むペースト状の組成物にガラス繊維や有機繊維などの繊維基材を含浸させたシート状の成形材料であり、成形サイクルが短いため、均質な製品が大量に製造できるという特徴を有する。シートモールディングコンパウンドは、主に浴槽、貯水槽、浄化槽等の成形材料として用いられているが、電気部品の材料として、電化製品のプラグや照明部材、ブレーカー基台などにも用いられている。
電気部品の材料には、火災に対する安全性の観点から、高い難燃性が必要とされる。そのため、難燃剤等を添加することによって、難燃性を有する樹脂材料を開発する試みがなされている。
たとえば、特許文献1には、低収縮性と寸法安定性に加え、難燃性の向上を目的として、不飽和ポリエステル、重合性単量体、ポリ酢酸ビニルである低収縮化剤を含む樹脂成分と、水酸化アルミニウムと、難燃剤とを、それぞれ特定量含む、不飽和ポリエステル樹脂組成物が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
国際公開第2020/080412号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
火災が発生した際に、電気部品が炎に接触した場合、電気部品に用いられている樹脂材料の形状保持性が低下し、通電部が露出するおそれがあるという問題や、電気絶縁性が低下することで、感電が生じるおそれがあるという問題があった。電気部品に難燃剤を含む樹脂材料を使用することも、これらの問題に対する対策としては不十分であった。これは、難燃剤を含む樹脂材料であっても、可燃成分がガスとなり、成形品が脆くなり、形状保持性が低下するためと考えられる。また、炎に接触すると、表層部が炭化して、電気を容易に通すようになり、電気絶縁性が低下するためと考えられる。
そこで、本発明の課題は、難燃性に優れ、炎に接触し高温になった後にも形状保持性や電気特性に優れる多層成形物を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明者らは、特定のガラス繊維シート含有層と特定の硬化物層を、特定の順序で含む多層成形物によって上記課題を解決できることを見出した。
すなわち本発明は、下記に関する。
[1]ガラス繊維シート含有層、硬化物層、ガラス繊維シート含有層をこの順で含有し、2つのガラス繊維シート含有層は、いずれも表面に位置し、2つのガラス繊維シート含有層は、いずれもガラス繊維シートを含有し、硬化物層が、熱硬化性樹脂、重合性単量体、低収縮剤、硬化剤、重合禁止剤、充填材及び強化繊維基材を含むコンパウンドを硬化させた硬化物からなり、前記充填材が水酸化アルミニウムを含有する、多層成形物。
[2]ガラス繊維シートの坪量が、100~600g/m
2
である、上記[1]に記載の多層成形物。
[3]ガラス繊維シートが、ガラス繊維織物及びガラス繊維不織布からなる群より選ばれる少なくとも1つである、上記[1]又は[2]に記載の多層成形物。
[4]前記水酸化アルミニウムの含有量が、前記熱硬化性樹脂、前記重合性単量体及び前記低収縮剤の合計含有量を100質量部としたとき、100~240質量部である、上記[1]~[3]のいずれか1つに記載の多層成形物。
[5]前記コンパウンドが、シートモールディングコンパウンドである、上記[1]~[4]のいずれか1つに記載の多層成形物。
[6]前記強化繊維基材が、ガラス繊維からなる、上記[1]~[5]のいずれか1つに記載の多層成形物。
[7]前記重合性単量体が、スチレン系単量体を含有する、上記[1]~[6]のいずれか1つに記載の多層成形物。
[8]熱硬化性樹脂、重合性単量体、低収縮剤、硬化剤、重合禁止剤、及び充填材として水酸化アルミニウムを含有する樹脂組成物を強化繊維基材に含浸させてなるシートモールディングコンパウンドの両面を、ガラス繊維シートで挟み込み、プレス成形して得られる多層成形物。
[9]熱硬化性樹脂、重合性単量体、低収縮剤、硬化剤、重合禁止剤、及び充填材として水酸化アルミニウムを含有する樹脂組成物を強化繊維基材に含浸させてなるシートモールディングコンパウンドの両面を、ガラス繊維シートで挟み込み、プレス成形する工程を有する、多層成形物の製造方法。
【発明の効果】
【0006】
本発明によれば、難燃性に優れ、炎に接触し高温になった後にも形状保持性や電気特性に優れる多層成形物を提供する。そのため、前記多層成形物は、電気部品に用いられる材料として有用である。
【発明を実施するための形態】
【0007】
[多層成形物]
本発明の多層成形物は、ガラス繊維シート含有層、硬化物層、ガラス繊維シート含有層をこの順で含有し、2つのガラス繊維シート含有層は、いずれも表面に位置し、2つのガラス繊維シート含有層は、いずれもガラス繊維シートを含有し、硬化物層が、熱硬化性樹脂、重合性単量体、低収縮剤、硬化剤、重合禁止剤、充填材及び強化繊維基材を含むコンパウンドを硬化させた硬化物からなり、前記充填材が水酸化アルミニウムを含有する、多層成形物である。
本発明の多層成形物は、難燃性に優れ、炎に接触し高温になった後にも形状保持性や電気特性に優れる多層成形物を提供する。そのため、前記多層成形物は、電気部品に用いられる材料として有用である。
本発明の多層成形物が、上記のような優れた効果を発揮することができる理由は定かではないが、次のように考えられる。
表面に位置するガラス繊維シート含有層はプレス成形で硬化物層と一体化されるため、炎が接触後も、ガラス繊維が強化層として機能を維持し、形状保持の効果が発揮され、形状保持性が良好になるものと考えられる。更にガラス繊維が表面層に露出することにより電気絶縁層が形成されることから電気特性が良好になるものと考えられる。以上のように、本発明の多層成形物は、形状保持性や電気特性が良好になるものと考えられる。
【0008】
<ガラス繊維シート含有層>
本発明の多層成形物は、ガラス繊維シート含有層、硬化物層、ガラス繊維シート含有層をこの順で含有し、2つのガラス繊維シート含有層は、いずれも表面に位置し、2つのガラス繊維シート含有層は、いずれもガラス繊維シートを含有する。
【0009】
ガラス繊維シート含有層は、ガラス繊維シートを含有するが、ガラス繊維シートのみからなるものではなく、ガラス繊維シートと、硬化物層に含まれる硬化物が含まれる。つまり、ガラス繊維シートの繊維の隙間や、多層成形物表面とガラス繊維シートの繊維の凹凸の間に硬化物が充填されている。
本発明において、ガラス繊維シート含有層は、ガラス繊維シートと硬化物を含有する。ガラス繊維シート含有層に含まれる硬化物は、硬化物層に含まれる硬化物と同じであり、好ましい硬化物も同じである。
【0010】
ガラス繊維シート含有層に含有されるガラス繊維シートは、好ましくは、ガラス繊維織物及びガラス繊維不織布からなる群より選ばれる少なくとも1つであり、より好ましくはガラス繊維不織布である。
ガラス繊維織物はガラス質の糸を織って作られた布状のシートである。不織布は、繊維を集積して接着、圧着、又は融着させて作られた紙様のシートである。
ガラス繊維織物としては、好ましくは、ガラスクロス及びガラスロービングクロスからなる群より選ばれる少なくとも1つであり、より好ましくはガラスロービングクロスである。
ガラス繊維不織布としては、好ましくは、ガラスチョップドストランドマット、ガラスコンティニュアスストランドマット、ガラス不織布及びガラスペーパーからなる群より選ばれる少なくとも1つであり、より好ましくはガラスチョップドストランドマット、ガラスコンティニュアスストランドマット及びガラス不織布からなる群より選ばれる少なくとも1つであり、更に好ましくはガラスチョップドストランドマット及びガラスコンティニュアスストランドマットからなる群より選ばれる少なくとも1つであり、より更に好ましくはガラスチョップドストランドマットである。
上記のガラス繊維シートを用いることによって、多層成形物が形状保持性や電気特性に優れるものとなる。
(【0011】以降は省略されています)
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