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公開番号2025091074
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-06-18
出願番号2023206060
出願日2023-12-06
発明の名称二軸延伸ポリプロピレンフィルム及び積層体
出願人フタムラ化学株式会社
代理人弁理士法人Kighs,個人,個人
主分類B32B 27/18 20060101AFI20250611BHJP(積層体)
要約【課題】高分子型帯電防止剤を使用したフィルムにおいて、高結晶性のポリプロピレン樹脂を使用して剛性とともに帯電防止性能を確保しながら良好な製膜性が得られる二軸延伸ポリプロピレンフィルム及び積層体を提供する。
【解決手段】基材層と、高分子型帯電防止剤を含む帯電防止層との少なくとも二層からなる二軸延伸フィルムであって、基材層は、メソペンタッド分率が95%以上であるポリプロピレン樹脂を主体とする高結晶性樹脂組成物からなり、帯電防止層は帯電防止樹脂組成物からなり、帯電防止樹脂組成物が、親水性ポリマーと変性ポリオレフィンの共重合体からなる高分子型帯電防止剤を7重量%以上と、メソペンタッド分率が95%未満であるポリプロピレン樹脂を50～70重量%と、プロピレン・α-オレフィンランダム共重合体を15重量%超過ないし40重量%未満と、を含む。
【選択図】なし

特許請求の範囲【請求項１】
基材層と、高分子型帯電防止剤を含む帯電防止層との少なくとも二層からなる二軸延伸フィルムであって、
前記基材層は、メソペンタッド分率が９５％以上であるポリプロピレン樹脂を主体とする高結晶性樹脂組成物からなり、
前記帯電防止層は帯電防止樹脂組成物からなり、
前記帯電防止樹脂組成物が、
親水性ポリマーと変性ポリオレフィンの共重合体からなる前記高分子型帯電防止剤を７重量％以上と、
メソペンタッド分率が９５％未満であるポリプロピレン樹脂を５０～７０重量％と、
プロピレン・α－オレフィンランダム共重合体を１５重量％超過ないし４０重量％未満と、
を含むことを特徴とする二軸延伸ポリプロピレンフィルム。
続きを表示（約 900 文字）【請求項２】
前記二軸延伸フィルムが、予熱温度１０５～１３５℃かつ延伸温度１２０～１３５℃で縦（ＭＤ）方向の延伸倍率が３～８倍の縦軸延伸と、予熱温度１７５～１９０℃かつ延伸温度１６０～１７０℃で横（ＴＤ）方向の延伸倍率が５～１５倍の横軸延伸との二軸延伸により延伸されてなる請求項１に記載の二軸延伸ポリプロピレンフィルム。
【請求項３】
ＪＩＳＫ７１２７（１９９９）に準拠して測定された前記二軸延伸ポリプロピレンフィルムの縦（ＭＤ）方向の引張弾性率が２．０ＧＰａ以上であり、かつ横（ＴＤ）方向の引張弾性率が４．０ＧＰａ以上である請求項１又は２に記載の二軸延伸ポリプロピレンフィルム。
【請求項４】
ＪＩＳＫ７１３６（２０００）に準拠して測定された前記二軸延伸ポリプロピレンフィルムのヘーズ値が１０％以下である請求項１又は２に記載の二軸延伸ポリプロピレンフィルム。
【請求項５】
ＪＩＳＫ７１３６（２０００）に準拠して測定された前記二軸延伸ポリプロピレンフィルムのヘーズ値が１０％以下である請求項３に記載の二軸延伸ポリプロピレンフィルム。
【請求項６】
前記基材層にプロピレン・α－オレフィンランダム共重合体を５重量％以下含む請求項１又は２に記載の二軸延伸ポリプロピレンフィルム。
【請求項７】
前記基材層にプロピレン・α－オレフィンランダム共重合体を５重量％以下含む請求項３に記載の二軸延伸ポリプロピレンフィルム。
【請求項８】
前記基材層にプロピレン・α－オレフィンランダム共重合体を５重量％以下含む請求項４に記載の二軸延伸ポリプロピレンフィルム。
【請求項９】
前記基材層にプロピレン・α－オレフィンランダム共重合体を５重量％以下含む請求項５に記載の二軸延伸ポリプロピレンフィルム。
【請求項１０】
請求項１又は２に記載の前記二軸延伸ポリプロピレンフィルムにシーラントフィルムが積層されてなる積層体。
（【請求項１１】以降は省略されています）
発明の詳細な説明【技術分野】
【０００１】
本発明は、二軸延伸ポリプロピレンフィルム及び二軸延伸ポリプロピレンフィルムを使用した積層体に関し、特に製膜性に優れた二軸延伸ポリプロピレンフィルム及び積層体に関する。
続きを表示（約 1,600 文字）【背景技術】
【０００２】
従来、延伸ポリプロピレンフィルムは、その優れた透明性、機械的強度、防湿性、剛性等を活かして包装材料をはじめ種々の用途に広く用いられている。近年では環境負荷削減の観点から、この種のフィルムでは、厚みを減らして樹脂の使用量の低減を図る傾向にある。その際、フィルムが薄くなると剛性が低下することから、フィルムの厚みを減らすと同時に剛性を維持することが求められる。二軸延伸ポリプロピレンフィルムにおいて剛性を向上させる手法として、結晶性の高いポリプロピレン樹脂を基材層に使用することが考えられる。
【０００３】
二軸延伸ポリプロピレンフィルムでは、静電気を帯びやすい性質があることに起因して、フィルムへの埃等の付着、作業者への電撃、印刷時のインキの飛散等の問題がある。このような問題に対しては静電気の発生を抑制する手法として、二軸延伸ポリプロピレンフィルムでは帯電防止性能の付与を目的として帯電防止剤を添加すること等が挙げられる。
【０００４】
一般に、フィルムに帯電防止性能を付与するための帯電防止剤としては、界面活性剤や高分子型帯電防止剤等を用いることが知られている。これらのうち界面活性剤は、基材層等の樹脂層に練り込まれ、経時によりフィルム表面に移行（ブリードアウト）されて帯電防止性能が発現される。界面活性剤からなる帯電防止剤は、取り扱いが容易であるものの、ブリードアウトにより経時的に失われて帯電防止性能を持続させることができなくなる場合がある。
【０００５】
また、結晶性の高いポリプロピレン樹脂を基材層に用い、界面活性剤を基材層に練り込んだ場合、フィルム表面への界面活性剤のブリードアウトが妨げられ、帯電防止性能が発現しづらいという欠点も有している。
【０００６】
一方、高分子型帯電防止剤は、界面活性剤と比較して取り扱いにくい材料であるが、樹脂材料に対して分散性に優れることから、フィルム表層に添加されることにより表層に蓄積した電荷を逃がす導電回路を形成することができ、ブリードアウトが生じることなく帯電防止性能を半永久的に保持させることが可能である。
【０００７】
このような高分子型帯電防止剤がフィルム表層に添加された帯電防止性能を有する二軸延伸フィルムとして、プロピレン単独重合体からなる基材層と、高分子型帯電防止剤であるブロックポリマーを５～２０質量％と、プロピレン系重合体５～５０質量％と、プロピレン・α－オレフィンランダム共重合体４０～９０質量％とを含む帯電防止樹脂組成物からなる表層を有した二軸延伸ポリプロピレンフィルムが提案されている（特許文献１参照）。
【０００８】
特許文献１のようなフィルム表層に高分子型帯電防止剤を有する二軸延伸ポリプロピレンフィルムにおいて、基材層に高結晶性のポリプロピレン樹脂を使用する場合、製膜性の観点から成形温度を高温に設定する必要がある。しかしながら、上記二軸延伸ポリプロピレンフィルムでは、成形温度を高温に設定したことによって、成形時にフィルムが成形ロールに貼り付きやすくなるという新たな問題が見付かった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【０００９】
特許第５６６７４７５号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【００１０】
本発明は、前記の点に鑑み提案されたものであって、高分子型帯電防止剤を使用したフィルムにおいて、高結晶性のポリプロピレン樹脂を使用して剛性とともに帯電防止性能を確保しながら良好な製膜性が得られる二軸延伸ポリプロピレンフィルム及び積層体を提供するものである。
【課題を解決するための手段】
（【００１１】以降は省略されています）

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