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公開番号2025076404
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-05-15
出願番号2024191725
出願日2024-10-31
発明の名称山部高さと谷部高さの差とピッチを調整した矩形独立波ケーブル保護管およびその使用方法
出願人古河電気工業株式会社
代理人個人
主分類F16L 11/11 20060101AFI20250508BHJP(機械要素または単位;機械または装置の効果的機能を生じ維持するための一般的手段)
要約【課題】矩形独立波形状を有する可撓ケーブル保護管において、過度な可撓性を抑制すると同時に、耐圧強度を十分に満たす、硬質ポリ塩化ビニル樹脂製の円形断面を有する矩形独立波ケーブル保護管の提供を目的とする。
【手段】山部と谷部との頂部が管軸方向に略同一長さの直線状に形成され、さらに波形状が斜面部を通過する中心線に対して反転対称な略台形状を有する外径が120~250φの矩形独立波ケーブル保護管で、波形状のピッチが35~70mmの範囲で、前記山部と谷部の高さの差の外径に対する割合が6%以上10%以下としたことを特徴とする硬質ポリ塩化ビニル樹脂製の円形断面を有する矩形独立波ケーブル保護管。
【選択図】図1


特許請求の範囲【請求項1】
硬質ポリ塩化ビニル樹脂製の円形断面を有する波形状の斜面部が略直角で山部と谷部が略同一長さの直線状に形成され、山部側と谷部側のピッチが略同一な矩形独立波ケーブル保護管であって、
前記ケーブル保護管の外径が120~250mmで、管の肉厚が2.0~3.5mmの範囲の所定肉厚の、材料の降伏応力が40.5MPa以上であり、
波形状全体のピッチが35~70mmの範囲で、前記山部と谷部の高さの差の外径に対する割合が6%以上10%以下とすることを特徴とする硬質ポリ塩化ビニル樹脂製の円形断面を有する矩形独立波ケーブル保護管。
続きを表示(約 2,800 文字)【請求項2】
本発明の矩形独立波ケーブル保護管において、前記ケーブル保護管の肉厚を前記ケーブル保護管の外径に応じて適宜選定することで、前記ケーブル保護管の下記式により計算した収容断面積率が59%以上73%以下の範囲の所定値に調整可能であることを特徴とする請求項1に記載の硬質ポリ塩化ビニル樹脂製の円形断面を有する矩形独立波ケーブル保護管。
収容断面積率(%)=
=(谷部内径/山部外径)

×100
【請求項3】
前記矩形独立波ケーブル保護管を形成する管の肉厚が2.0~3.5mmの範囲の所定肉厚であり、使用する材料の降伏応力が40.5MPa以上である矩形独立波ケーブル保護管において、JIS C 3653:2004 附属書 1の圧縮強度試験に規定する方法で、長さ250mmの試験片を、20℃±2℃の温度で試験機と試験片を2時間状態調節した後、2枚の鋼製の平板間に試験片を挟み、管軸と直角方向に毎分20mmの速度で、試料に圧縮荷重を加える試験を行った結果の圧縮強度としての下記式により求めた荷重に到達した時点でのケーブル保護管の撓み率が3.5%以下を満足することを特徴とする請求項1に記載の硬質ポリ塩化ビニル樹脂製の円形断面を有する矩形独立波ケーブル保護管。
ここで、圧縮試験における管の圧縮荷重は下記式を満足する必要がある。
P=213×R =213×{(D+d)/4}
P:圧縮荷重(N)
R: 管の平均半径(D+d)/4
D:管の外径(cm)
d:管の内径(cm)
この時の管外径の撓み率は、下記式により求めた。
δ=〔(D1-D2)/ D1 ×100〕
ここで、δ:外径の撓み率 (%)
D1:圧縮前の外径(mm)
D2:圧縮後の外径(mm)
【請求項4】
前記耐圧強度に加えて、ケーブル保護管の埋設時の発生応力は、埋設強度としてJISC3653付属書3に基づいて、埋設強度として埋設深さ5mにおける静荷重としての土圧と活荷重として20トン車相当の車重を加えた場合に、前記矩形独立波ケーブル保護管に発生する応力を硬質ポリ塩化ビニル樹脂の破断強度の1/3以下である計算により求めた発生応力を13.5MPa以下に抑制することが可能であることを特徴とする請求項1に記載の硬質ポリ塩化ビニル樹脂製の円形断面を有する矩形独立波ケーブル保護管。
【請求項5】
試験材長さ約4mの前記ケーブル保護管を用意し、試験治具を使用せずに、曲げが厳しい2.5mRを目標にして、円弧が中心方向に覗く角を約90°として治具を使用しないで曲げる可撓性過多を評価するための曲げ試験において、過度な可撓性を抑制することで、ケーブル保護管の管断面が1%以下の永久歪みによる扁平化を伴うように曲げ変形されることを特徴とする請求項1に記載の硬質ポリ塩化ビニル樹脂製の円形断面を有する矩形独立波ケーブル保護管。
【請求項6】
前記ケーブル保護管の直線状の山部の中央に、前記ケーブル保護管を切断するための幅1-3mm×深さ2mm以下の切断案内溝を設けることを特徴とする請求項1に記載の矩形独立波ケーブル保護管。
【請求項7】
前記切断された山部に隣接する谷部にゴム製の係止リングを装着し、前記谷部に隣接する管奥側の谷部にゴム製の環状の止水リングを設けることで、ケーブル保護管の端部に雄継手構造を形成することが可能なことを特徴とする請求項1から請求項6のいずれかに記載の硬質ポリ塩化ビニル樹脂製の円形断面を有する矩形独立波ケーブル保護管。
【請求項8】
前記矩形独立波ケーブル保護管の波形状の(1/2)ピッチが20mm以上であり、前記切断された山部に隣接する谷部にプラスチック製の羽構造の係止片を有する環状または略C字状の抜け止め樹脂リングを装着し、前記谷部に隣接する管奥側の谷部にゴム製の止水リングを設けることで、ケーブル保護管の端部に雄継手構造を形成することが可能なことを特徴とする請求項1から請求項6のいずれかに記載の硬質ポリ塩化ビニル樹脂製の円形断面を有する矩形独立波ケーブル保護管。
【請求項9】
硬質ポリ塩化ビニル樹脂製の円形断面を有する波形状の斜面部が略直角で山部と谷部が略同一長さの直線状に形成され、山部側と谷部側のピッチが略同一な矩形独立波ケーブル保護管の製造方法であって、
連続押出ブロー成形により、
前記ケーブル保護管の外径が120~250mmで、管の肉厚が2.0~3.5mmの範囲の所定肉厚の、材料の降伏応力が40.5MPa以上であり、
波形状全体のピッチが35~70mmの範囲で、前記山部と谷部の高さの差の外径に対する割合が6%以上10%以下とすることを特徴とする硬質ポリ塩化ビニル樹脂製の円形断面を有する矩形独立波ケーブル保護管を製造する製造方法。
【請求項10】
ケーブルを内挿するためのケーブル保護管であって、当該ケーブル保護管は長軸方向に谷部と山部とが繰り返し形成され、山部頂部および谷部底部は、その軸方向での断面において保護管の軸方向に平行な直線状に形成され、山部頂部及び谷部底部がケーブル保護管の軸方向の中心に対し同心円をなし、周方向に平行な平面が延び、各山部および各谷部が矩形独立波としてケーブル保護管の軸方向に配列されており、
前記山部と谷部の高さの差の外径に対する割合が6%以上10%以下とする
前記ケーブル保護管の外径が120~250mmで、
JIS C 3653:2004 附属書 1の圧縮強度試験に規定する方法で、長さ250mmの試験片を、20℃±2℃の温度で試験機と試験片を2時間状態調節した後、2枚の鋼製の平板間に試験片を挟み、管軸と直角方向に毎分20mmの速度で、試料に圧縮荷重を加える試験を行った結果の圧縮強度としての下記式により求めた荷重に到達した時点でのケーブル保護管の撓み率が3.5%以下を満足することを特徴とする硬質ポリ塩化ビニル樹脂製の円形断面を有する矩形独立波ケーブル保護管。
ここで、圧縮試験における管の圧縮荷重は下記式を満足する必要がある。
P=213×R =213×{(D+d)/4}
P:圧縮荷重(N)
R: 管の平均半径(D+d)/4
D:管の外径(cm)
d:管の内径(cm)
この時の管外径の撓み率は、下記式により求めた。
δ=〔(D1-D2)/ D1 ×100〕
ここで、δ:外径の撓み率 (%)
D1:圧縮前の外径(mm)
D2:圧縮後の外径(mm)
(【請求項11】以降は省略されています)

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、山部高さと谷部高さの差とピッチを調整した矩形独立波ケーブル保護管およびその使用方法に関する。
続きを表示(約 2,100 文字)【背景技術】
【0002】
これまで、特高圧ケーブル保護管には、CCVP、ECVP管は、直線部には、直管を、曲がり部には5mR管、10mR管の直管を曲げ成形した曲がり管を使用する方法が主として適用されてきた。このような肉圧が均一な直管または曲がり管を管継手で接続する構造が用いられてきた。このような場合には、波付け管のように波付け加工により、管断面の圧縮強度を向上させることができないことから、素管の肉厚が厚くなり、ケーブル保護管の部材重量が重く、作業性やコストの点では問題があったものの、高圧ケーブル市場では、これまで通線性と管耐圧強度への配慮から波付け加工を行わない一定肉厚の直管及び曲がり管を継ぎ手部材で接続することが主として行われてきた。
【0003】
これに対して、可撓ケーブル保護管には、高密度ポリエチレンなどのポリオレフィンを使用したケーブル保護管と主として硬質塩化ビニル樹脂を使用したケーブル保護管がある。例えば、比較的口径の大きなケーブル保護管の場合には、ケーブル保護管を地中埋設した場合の耐圧強度と曲がり敷設を考慮して可撓性の2つの特性を確保することを目的として、ケーブル保護管の山高さを大きくして圧縮強度を高く、可撓性を高くすることが行われてきた。
【0004】
ここで、特高圧ケーブルなどに、硬質塩化ビニル樹脂製波付け可撓管をケーブル保護管として使用する場合には、土埋め等のし易さから、独立波ケーブル保護管の使用が期待されている。この場合に耐圧強度を確保するために、ケーブル保護管の谷部に対する山部高さを高くすることで、ケーブル保護管の耐圧強度は向上するとともにその結果、ケーブル保護管の山部と谷部を繋ぐ、斜面部の長さを長くすることになるため、可撓性も向上するものと考えられる。
【0005】
一方、これに対して可撓管を使用すると曲がり管を使用しなくても、施工が可能な利点があるが、従来の可撓管の場合には、5mR以上の過度な曲がりが発生しやすく、ケーブル通線時に曲がり部においてケーブルが管谷部内面に接触して曲り部のケーブル側圧が高くなり、ケーブルの引き抜き張力が増加しケーブルが通線しにくくなる問題がある。
【0006】
ここで、耐圧強度を向上させるために、山部と谷部を高さの差を十分確保すると、可撓性が過剰になり曲がり部の通線性が低下して、前記のような通線作業時に問題が生じることがあることが分かった。特に、外径120φ以上のケーブル保護管の場合には、複数本のケーブルの通線時に問題が生じることが多い。以上の他、ハンドホールの接続部において管体の自重によって、管体が上下方向に折れ曲がり、ケーブルの挿通抵抗が大きくなり、ケーブルの挿通作業が困難になることやケーブル通線時に使用するプーリングアイ等の治具挿通が困難になるという課題が生じる可能性がある。
【0007】
波付け可撓ケーブル保護管としては、可撓性を向上させるため、独立波形状の矩形波ケーブル保護管として、山部側のみ直線状の平坦部を有し、谷部側をU字形状、または山部側に比べて谷部側の平坦部を短い波形状とする構造を取る場合が殆どであり、この場合には、耐圧強度は十分であるが、可撓性が過剰であり、これらの波形状では可撓性が過多による通線性の低下の問題が生じる可能性があるが、これまではこの問題に関してはそれほど注目されてこなかった。
【0008】
特許公報に当たると、特許文献1には、隣接する山部間を繋ぎ山部方向に突出するリブを谷部上に設けることで、管体の剛性を高め、さらに可撓性を抑制することで、通線性を向上させる合成樹脂製管体が開示されている。この際、ケーブル保護管に山部間をつないで谷部上に設けるリブは、円周方向に90°間隔に4本設ける必要がある。この場合には、金型構造が複雑になり、金型代金が高くなる問題点がある。また、この方法の場合には、リブによるケーブル保護管断面の可撓性を抑制することはできるが、リブ内面の両側にケーブルが接触することで通線時の摩擦抵抗が増加し、しかもケーブル保護管の収容断面積を拡張することには繋がらない。
【0009】
特許文献2には、外観の形状が山部と谷部に直線状部を有し、さらに山部と谷部に直線状部の長さが略同一なコルゲート2重管が開示されている。内管を形成する樹脂に可撓性付与剤を使用して、耐圧強度と可撓性を付与したコルゲート2重管が記載されているが、この発明は可撓性の制御を波形状によって行うものではない。
【0010】
特許文献3は、所定強度の硬質塩化ビニルの代わりに、軟質塩ビを使用しうるもので、軟質塩ビ使用による剛性の低下を、可撓管の内径を小さく肉厚を厚くすることで管内側の扁平化を防止する合成樹脂製ケーブル保護管の発明である。この発明は、波形状を制御するのでなく、単に管内径を小さく肉厚を厚くして、さらに使用する材料強度を低下させたものである。
(【0011】以降は省略されています)

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