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公開番号
2025062003
公報種別
公開特許公報(A)
公開日
2025-04-11
出願番号
2025014881,2023562322
出願日
2025-01-31,2022-04-12
発明の名称
エステル官能基を含む高分子の解重合によってテレフタレート誘導体を製造する方法
出願人
コリア リサーチ インスティチュート オブ ケミカル テクノロジー
,
KOREA RESEARCH INSTITUTE OF CHEMICAL TECHNOLOGY
代理人
個人
主分類
C07C
67/03 20060101AFI20250403BHJP(有機化学)
要約
【課題】廃PET原料を解重合して再重合することで再利用する効率的な方法を提供する。
【解決手段】好ましい実施形態において、廃PET原料を、メタノールなどの極性非プロトン性溶媒と、炭酸カリウム(K
2
CO
3
)との存在下に、特定範囲のガス空間速度で窒素などを流すことにより分解することで、DMT(ジメチルテレフタレート)を得る。また、さらに、炭酸カリウム(K
2
CO
3
)などを用いて、ビス-(2-ヒドロキシエチル)テレフタレート(bis(2-hydroxyethyl)terephthalate、BHET)などを製造する。
【選択図】図1
特許請求の範囲
【請求項1】
テレフタル酸ジメチルからテレフタレート誘導体を製造する方法であって、
(a)テレフタル酸ジメチルに一価及び/又は多価のアルコールをエステル交換のため
の反応物として添加し、アルカリ炭酸塩、アルカリ水酸化物、アルカリアルコキシド、ア
ルカリ土類金属酸化物及びグアニジン系有機化合物よりなる群から選択された少なくとも
1種のエステル交換反応用触媒の存在下に、キャリアガスの流れを加えながら、エステル
交換反応を行う段階と、
(b)前記反応で製造されたテレフタレート誘導体を分離して得る段階と、を含むこと
を特徴とする、テレフタル酸ジメチルからテレフタレート誘導体を製造する方法。
続きを表示(約 2,000 文字)
【請求項2】
前記(a)段階のテレフタル酸ジメチル1モル当たり、エステル交換反応用触媒は0.
00005~1.0モルの範囲であることを特徴とする、請求項1に記載のテレフタル酸
ジメチルからテレフタレート誘導体を製造する方法。
【請求項3】
前記(a)段階におけるアルコールはエチレングリコールであることを特徴とする、請
求項1に記載のテレフタル酸ジメチルからテレフタレート誘導体を製造する方法。
【請求項4】
エステル官能基を含む高分子の解重合によってテレフタレート誘導体を製造する方法で
あって、
(A)エステル官能基を含む高分子にアルコール、極性非プロトン性溶媒及び炭酸カリ
ウム(K
2
CO
3
)を投入して解重合する段階と、
(B)前記(A)段階で得られた解重合結果物に、キャリアガスの流れを加えながら、
エステル交換反応を行う段階と、
(C)前記反応で製造されたテレフタレート誘導体を分離して得る段階と、を含むこと
を特徴とする、エステル官能基を含む高分子の解重合によってテレフタレート誘導体を製
造する方法。
【請求項5】
前記(A)段階後、前記解重合結果物から一部の化合物を外部に分離する段階をさらに
含むことを特徴とする、請求項4に記載のエステル官能基を含む高分子の解重合によって
テレフタレート誘導体を製造する方法。
【請求項6】
前記外部に分離される一部の化合物は、未反応のエステル官能基を含む高分子、不溶性
触媒、極性非プロトン性溶媒及び反応副生成物の中から選択された少なくとも1種を含む
ことを特徴とする、請求項5に記載のエステル官能基を含む高分子の解重合によってテレ
フタレート誘導体を製造する方法。
【請求項7】
前記(A)段階の極性非プロトン性溶媒は、エステル官能基を含む高分子の解重合反応
に参加しない不活性であり、アルコールに対する触媒の溶解度を下げることができる溶媒
であり、前記有機化合物の骨格構造は、鎖状及び/又は環状の化合物であって、前記有機
化合物にハロゲン元素、酸素及び窒素の少なくとも1種が結合したものであることを特徴
とする、請求項4に記載のエステル官能基を含む高分子の解重合によってテレフタレート
誘導体を製造する方法。
【請求項8】
前記(A)段階の極性非プロトン性溶媒は、トルエン、キシレン、アセトン、メチルエ
チルケトン、メチルイソブチルケトン、アセトニトリル、プロピオニトリル、アミノプロ
ピオニトリル、メチルアミノプロピオニトリル、イミノジプロピオニトリル、ブチロニト
リル、メチルブテンニトリル、ブタネンニトリル、メチルエチルエーテル、ジエチルエー
テル、エチルフェニルエーテル、ジメトキシベンゼン、トリメトキシベンゼン、メトキシ
フェノール、テトラヒドロフラン、メチルテトラヒドロフラン、ジオキサン、クロロメタ
ン、ジクロロメタン、クロロホルム、テトラクロロメタン、クロロベンゼン、ジクロロベ
ンゼン、及びトリクロロベンゼンの中から選択された少なくとも1種であることを特徴と
する、請求項4に記載のエステル官能基を含む高分子の解重合によってテレフタレート誘
導体を製造する方法。
【請求項9】
前記(A)段階において、エステル官能基を含む高分子原料の繰り返し単位のモル数に
対する、前記アルコールのモル数及び前記極性非プロトン性溶媒のモル数は、エステル官
能基を含む高分子原料の繰り返し単位のモル数対比0.1~5,000倍の割合範囲であ
ることを特徴とする、請求項4に記載のエステル官能基を含む高分子の解重合によってテ
レフタレート誘導体を製造する方法。
【請求項10】
前記(B)段階でエステル交換反応を行う前に、(A)段階での解重合結果物にエステ
ル交換のための反応物として一価及び/又は多価アルコール反応物及び/又は;アルカリ
炭酸塩、アルカリ水酸化物、アルカリアルコキシド、アルカリ土類金属酸化物及びグアニ
ジン(guanidine)系有機化合物よりなる群から選択された少なくとも1種のエ
ステル交換反応触媒を、解重合結果物に含まれたテレフタル酸ジメチルのモル当たり所定
範囲のモル数となるように調節することを特徴とする、請求項4に記載のエステル官能基
を含む高分子の解重合によってテレフタレート誘導体を製造する方法。
(【請求項11】以降は省略されています)
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、テレフタル酸ジメチル(dimethyl terephthalate、
DMT)からエステル交換反応によってテレフタレートに結合した官能基が他の形態に置
換された高付加誘導体を製造するエステル交換反応、及びそれによるエステル官能基を含
む高分子の効率的な解重合方法に関し、前記DMTと一価及び/又は多価のアルコールと
を原料とするエステル交換反応において、アルカリ金属炭酸塩、アルカリ水酸化物、アル
カリ金属アルコキシド、アルカリ土類金属酸化物及びグアニジン(guanidine)
系有機化合物の中から選択された少なくとも1種を触媒として用いて、常温(25℃)乃
至適用されたアルコールの沸点以下の温度でエステル交換反応を行うことにより、高付加
テレフタレート誘導体を高収率で製造することができる効率的な転換方法、並びにこれを
メタノリシス反応と連携して前記高付加テレフタレート誘導体を高収率で得るとともにエ
ステル交換反応の工程効率及び経済性を向上させることができる、エステル官能基を含む
高分子の解重合反応工程に関する。
続きを表示(約 3,700 文字)
【背景技術】
【0002】
プラスチックは、安価で耐久性のある物質であり、成形及び加工が便利であるという利
点をもっており、様々な製品の生産に使用されている。このような利点により、プラスチ
ックは、産業と生活の各分野で消費量が数十年間劇的に増加した。しかし、管理が不適切
なプラスチック廃棄物が環境に放置されて環境汚染を引き起こしたり、小片に分解された
微小プラスチックが生態系のあちこちを漂って生物に蓄積され、その結果として微細粉塵
、飲料水、食品などを通じて再び人体に入ったりするという問題点が生じている。さらに
、このようなプラスチックの50%以上が、包装・農業用フィルム、使い捨て消費物品な
どのように単一用途の使い捨て用途として使用されるか、或いは製造後1年以内に廃棄さ
れる短期製品として使用される。
【0003】
廃棄されるほとんどのプラスチックは、自然浄化が難しい指定埋立地或いは自然生息地
にランダムに排出され、環境汚染問題の深刻性は日増しに増加している。自然分解又は生
分解可能なプラスチックも、紫外線暴露のレベル、温度、分解微生物の存在などの局所環
境要因によって数十年間存続する可能性がある。
【0004】
かかる問題を解決するために、自然状態での分解サイクルが短い新規プラスチック物質
の開発だけでなく、既存の石油系プラスチックの化学的分解からプラスチックの物理的再
生及び再加工に至るまで、プラスチックの蓄積を最小限に抑えたり、環境的影響を低減し
たりするための様々な研究が行われている。
【0005】
エステル官能基を含む高分子は、解重合(depolymerization)によっ
て単量体化が可能であり、様々な化学的反応経路が開発されてきた。分解によって生成さ
れた単量体は、理論的には初期の高分子合成に投入される原料と同等の性質を有すること
ができる。産業的にポリエステルをリサイクルするために応用されている解重合経路とし
ては、加水分解(Hydrolysis)、グリコリシス(Glycolysis)、メ
タノリシス(Methanolysis)、アンモノリシス(Ammonolysis)
などがあり、これらを組み合わせて工程別の利点を活用する複合工程に至るまで、様々な
化学的解重合方法が広く用いられている。
【0006】
上記に列挙したエステル官能基を含む高分子の解重合製造方法についてより具体的に説
明すると、加水分解の場合、酸、塩基、又は金属塩触媒の存在下に、様々な反応経路を通
じて分解が行われ得ることが知られている。酸を触媒として適用する反応の場合、高い反
応収率を得るために常に高い濃度の硫酸溶液が必要なので、工程の設計、運転及び後処理
に伴う経済性の問題などが欠点として指摘されている。塩基及び金属塩触媒を適用する反
応系の場合、分解反応速度が非常に遅く、製品純度が低く、触媒回収が難しいので非効率
的である。
【0007】
グリコリシスは、反応物としてグリコールを添加する解重合反応である。グリコリシス
の最も一般的な例としては、単量体原料の一つであるエチレングリコールを過剰に添加し
てビス-(2-ヒドロキシエチル)テレフタレート(bis(2-hydroxyeth
yl)terephthalate、BHET)を製造する工程がある。ポリエチレンテ
レフタレート(PET)高分子合成の原料の一つであるエチレングリコールを反応物とし
て使用するため、解重合反応によって製造された製品は、テレフタレートの両末端にエチ
レングリコールが既に結合した形態の化学構造を備えている。したがって、既存のテレフ
タル酸を使用する縮重合工程の原料の一部のみを代替しても、反応力学的な面で非常に有
利な結果をもたらすことができる。
【0008】
また、グリコリシス反応で得られた製品は、PETの合成原料として直接使用すること
が可能なので、別途の過剰な設備投資なしに既存のPET生産ラインの一部のみを修正し
て高分子素材の製造に適用可能であるという利点がある。グリコリシスは、反応物である
グリコールの還流条件下で行うのが一般的であり、オリゴマーから単量体に分解される段
階の速度が遅く、反応時間を遅らせても化合物間の平衡状態に至るために製品純度が低い
のでありうるのであり、最終製品である単量体を反応物から高純度又は高収率で分離する
ことが容易ではないという問題点がある。一般に、酢酸亜鉛又は酢酸リチウムなどの金属
塩が反応触媒として使用される。このような触媒を構成する金属イオンは、精製過程で完
全に除去されずに製品に残留するおそれがあり、少量でも人体有害性を有する金属が再生
単量体に含まれる可能性があって、これを再投入して生産される製品、特に食品用、医療
用及びその他の生活用品素材の再加工には活用が難しい側面がある。そして、グリコリシ
スは、高い温度で反応が行われるが、製品の回収及び精製過程は、低温の再結晶化法に従
うのが一般的であるため、エネルギー消費量が多く、生産工程の熱源供給方法による費用
と効率性が低くなるという問題点がある。
【0009】
メタノリシス工程は、過去のグローバル化学会社だけでなく、中小プラスチック産業に
至るまで実際の商用工程に広く応用された工程の一つである。前記工程によって理論的に
テレフタル酸ジメチル(dimethyl terephthalate、DMT)が最
終単量体製品として得られ、エステル交換反応が行われるにつれて、分解されたテレフタ
レートのモル数の等価に該当するエチレングリコールが遊離し得る。実際の反応では、部
分的なメタノリシス、遊離エチレングリコールとの反応平衡、及び加水分解などの副反応
によってヒドロキシエチルメチルテレフタレート(1-(2-HYdroxyethyl
)4-methyl terehthalate、HEMT)、モノメチルテレフタレー
ト(monomethyl terephthlate、MMT)などが反応生成物内に
副生しうる。メタノリシス反応の目的化合物であるDMTは、より高付加性の他の単量体
を製造するための工程又は複合混成解重合工程(例えば、メタノリシス-グリコリシス)
の中間原料として活用できる。また、相対的に他の単量体に比べて低沸点特性を持ってお
り、水素添加反応に対する選択性の制御が容易であって高付加ジオール単量体(例えば、
1,4-シクロヘキサンジメタノール)製造のための気相反応物として活用でき、再結晶
化又は蒸留工程によって精製が容易であって、高純度と高品質が要求されるPET重合の
原料としても使用できる。しかし、メタノールを反応溶媒として使用するので、高温高圧
の過酷な反応条件が必要であり、このような運転環境を満たすことが可能な反応器と耐久
性を有する関連付帯設備とを備えるために初期費用が過剰であるおそれがあり、反応物の
回収及び製品の精製のための追加単位工程が必須的なので、高い投資費が要求される可能
性がある。使用される触媒は、グリコリシス反応に一般的に使用される解重合触媒として
の酢酸亜鉛を含む酢酸マグネシウム、酢酸コバルト、二酸化鉛などの重金属が含有された
エステル交換反応触媒が代表的に使用できるが、製品内の金属残留量に起因する人体有害
性の問題及び環境問題などを誘発するおそれがある。
【0010】
エステル官能基を含む高分子の解重合反応工程は、加水分解又はアルカリ分解工程と共
にメタノリシスが広範囲に活用されたが、両反応とも、高温エネルギー多消費工程であっ
て、低温で解重合を行うと反応時間が長く、生成された製品の品質と量が制限されうる。
解重合単量体製造のための反応経路としてメタノリシスが選択された場合、単量体製品で
あるDMTの収率及び純度は、触媒の反応性と反応不純物によって大きな影響を受け、製
品に対する精製過程の負担を減らすためには効果的な副反応抑制方法と高い反応性が同時
に要求される。
(【0011】以降は省略されています)
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