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公開番号2025028529
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-03-03
出願番号2023133384
出願日2023-08-18
発明の名称ナノポアタンパク質
出願人キッコーマン株式会社
代理人個人,個人,個人,個人
主分類C07K 14/315 20060101AFI20250221BHJP(有機化学)
要約【課題】ナノポアセンシングに使用できる、新規のナノポアタンパク質を提供すること。
【解決手段】本発明のナノポアタンパク質は、所定の変異を含むコレステロール依存性膜孔形成細胞溶解毒素(CDC)ファミリータンパク質の変異タンパク質である。
【選択図】図4A
特許請求の範囲【請求項1】
下記の(1)~(3)の少なくとも1つの変異を含むコレステロール依存性膜孔形成細胞溶解毒素(CDC)ファミリータンパク質の変異タンパク質である、ナノポアタンパク質。
(1)配列番号1に記載のアミノ酸配列における、下記の(a)~(g)のいずれか1つの置換
(a)302位のアルギニンに相当する位置にあるアミノ酸残基のフェニルアラニン、チロシン、トリプトファン、アラニン、システイン、バリン、ロイシン、イソロイシン、メチオニン若しくはプロリンへの置換
(b)配列番号48、51及び55に記載のアミノ酸配列からなるタンパク質を除くCDCファミリータンパク質に対する、242位のヒスチジンに相当する位置にあるアミノ酸残基のロイシン、フェニルアラニン、チロシン、トリプトファン、アラニン、システイン、バリン、イソロイシン、メチオニン若しくはプロリンへの置換、
(c)配列番号49、53及び15に記載のアミノ酸配列からなるタンパク質を除くCDCファミリータンパク質に対する、334位のトレオニンに相当する位置にあるアミノ酸残基のフェニルアラニン、チロシン、トリプトファン、アラニン、システイン、バリン、ロイシン、イソロイシン、メチオニン若しくはプロリンへの置換、
(d)241位のバリンに相当する位置にあるアミノ酸残基のグルタミン酸、アルギニン、ヒスチジン、リジン、アスパラギン酸、グリシン、セリン、トレオニン、アスパラギン若しくはグルタミンへの置換
(e)315位のトレオニンに相当する位置にあるアミノ酸残基のフェニルアラニン、チロシン、トリプトファン、アラニン、システイン、バリン、ロイシン、イソロイシン、メチオニン若しくはプロリンへの置換
(f)338位のアスパラギンに相当する位置にあるアミノ酸残基のフェニルアラニン、チロシン、トリプトファン、アラニン、システイン、バリン、ロイシン、イソロイシン、メチオニン若しくはプロリンへの置換
(g)339位のイソロイシンに相当する位置にあるアミノ酸残基のセリン、アルギニン、ヒスチジン、リジン、アスパラギン酸、グルタミン酸、グリシン、トレオニン、アスパラギン若しくはグルタミンへの置換
(2)配列番号1に記載のアミノ酸配列におけるN178-H200のうち、Y196-H200を含む5~23個の連続したアミノ酸、又はW514-V526のうち、T517-L518を含む2~13個の連続したアミノ酸に相当する位置にあるアミノ酸残基が欠失する変異
(3)配列番号1に記載のアミノ酸配列のC末端に、配列番号1に記載のアミノ酸配列におけるQ508-D532のうち、T517-L518を含む連続した2~25個のアミノ酸残基に相当する位置にあるアミノ酸残基を挿入する変異、又は、配列番号1に記載のアミノ酸配列のL503とP504に相当する位置にあるアミノ酸残基の間に、配列番号1に記載のアミノ酸配列におけるR480-L503のうちR495を含む1~24個の連続したアミノ酸残基に相当する位置にあるアミノ酸残基を挿入する変異
続きを表示(約 580 文字)【請求項2】
配列番号1に記載のアミノ酸配列におけるR302、H242、T334、V241、T315、N338又はI339に相当する位置にあるアミノ酸残基が、R302F、R302M、R302L、R302I、H242L、H242I、H242Y、T334V、T334I、V241T、V241S、V241K、V241E、T315V、T315I、N338L、N338F、I339T、I339S又はI339Kへの置換による変異を含む、請求項1に記載のナノポアタンパク質。
【請求項3】
配列番号1に記載のアミノ酸配列におけるR302、H242、T334、V241、T315又はI339に相当する位置にあるアミノ酸残基が、R302F、H242L、H242I、H242Y、T334V、T334I、V241E、T315V、T315I又はI339Sへの置換による変異を含む、請求項2に記載のナノポアタンパク質。
【請求項4】
請求項1~3のいずれか一項に記載のナノポアタンパク質を含む、ナノポアセンサー。
【請求項5】
請求項4に記載のナノポアセンサーを用いた、ナノポアセンシング方法。
【請求項6】
ナノポアタンパク質と、前記ナノポアタンパク質を安定化できる量の界面活性剤を含む、ナノポアタンパク質懸濁液。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、ナノポアタンパク質に関する。
続きを表示(約 4,200 文字)【背景技術】
【0002】
ナノポアを形成する膜タンパク質(ナノポアタンパク質)を用いたナノポアセンシングは、ナノポアを通過する生体分子(特にDNA)を電気的に検出する方法で、近年この方法を用いた高感度なナノポアDNAシーケンサが実用化されている。生体分子の検出は、人工細胞膜上にナノポアタンパク質を構築し、生体分子が人工細胞膜を通過する際に、膜上のナノポアがイオンの流れを阻害することを利用している。ナノポアタンパク質はその種類ごとに機能やポアサイズが異なる。ナノポアタンパク質として、ナノポアを形成する外膜タンパク質(Outer membrane protein)のOmpG及びOmpAが知られている。
【0003】
一方、インターメディリシン(Intermedilysin、ILY)はコレステロール依存性膜孔形成細胞溶解毒素ファミリー(Cholesterol Dependent Cytolysin Family、CDCファミリー)に属する膜タンパク質の一種である(非特許文献1)。ILYを含むCDCファミリーは数十nmの比較的大きなポアを形成することで知られている(非特許文献1)。CDCファミリーは、3つの立体構造、つまり水溶液中でモノマーとしてフリーで存在した場合の構造(図1(a))、他のモノマーと相互作用可能なプレポア構造(図1(b))、モノマーの一部が脂質二重膜を貫通したポア構造(図1(c))として存在することが知られている(非特許文献2、3)。CDCファミリーのポアの形成ステップとして、まずモノマーがプレポア構造をとることでモノマー同士の相互作用が可能となり、モノマーがオリゴマー化することで膜表面上にプレポアが形成される。次に、プレポア構造を形成するモノマーがポア構造にコンフォメーションを変化させ、モノマーの一部が脂質二重膜を貫通することで、ポアが形成される。
【0004】
ナノポアセンシングでは検出対象の分子の大きさ又は形状によって適切なナノポアタンパク質を用いる必要がある。非特許文献4は、バレル状(樽状)のポアを形成するOmpG構成するβストランドの本数を増減させることで、OmpGのポアサイズの改変させたことを開示している。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0005】
PeraroM. D. and Goot F. G. Nature Reviews, 2016, 14, 77-92
JohnsonS., et al., Cell Reports, 2013, 3, 1369-1377
Shah N.R. et al., Nature Comm., 2020, 11, 5818
TosakaT. and Kamiya K. ACS Appl. Nano Mater., 2022, 5,6149-6158
KawanoR.et al., PLOS ONE, 2014, 9, e102427-e102427
Ohara,M., et al., ACS Synth. Biol., 2017,6, 1427-1432
Saigo,N., et al., ACS Omega, 2019, 4, 13124-13130
YANG,Wayne, et al., Detection of CRISPR-dCas9 on DNA with solid-state nanopores, Nanoletters, 2018, 18.10: 6469-6474.
Shoji K., et al., Anal Chem, 2020, 92, 10856-10862
Kawano R., et al., Sci Rep. 2013, 3, 1995
Varongchayakul, N., et al., Chem Soc Rev. 2018, 26, 8512-8524
Moon C.P. and Fleming K. G. Proc. Natl. Acad. Sci. U.S.A., 2011, 108, 10174-10177
Farrand,A. J. et al., Proc. Natl. Acad. Sci. U.S.A., 2010, 107, 4341-4346
Dowd,K.J.et al., PLos pathogens, 2012, 8, e1002787
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は、ナノポアセンシングに使用できる、新規のナノポアタンパク質を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明らは、鋭意研究の結果、所定の変異を含むインターメディリシンの変異タンパク質が、野生型インターメディリシンよりも安定性が向上し、または、所望の大きいポアサイズが開く確率が向上することを見出し、このような変異タンパク質は実際にタンパク質の検出に用いられることも発見し、本発明を完成した。
【0008】
すなわち、本発明は、以下の各発明に関する。
【0009】
[1]
下記の(1)~(3)の少なくとも1つの変異を含むCDCファミリータンパク質の変異タンパク質である、ナノポアタンパク質。
(1)配列番号1に記載のアミノ酸配列における、下記の(a)~(g)のいずれか1つの置換
(a)302位のアルギニンに相当する位置にあるアミノ酸残基のフェニルアラニン、チロシン、トリプトファン、アラニン、システイン、バリン、ロイシン、イソロイシン、メチオニン若しくはプロリンへの置換
(b)配列番号48、51及び55に記載のアミノ酸配列からなるタンパク質を除くCDCファミリータンパク質に対する、242位のヒスチジンに相当する位置にあるアミノ酸残基のロイシン、チロシン、トリプトファン、アラニン、システイン、バリン、イソロイシン、メチオニン若しくはプロリンへの置換
(c)配列番号49、53及び15に記載のアミノ酸配列からなるタンパク質を除くCDCファミリータンパク質に対する、334位のトレオニンに相当する位置にあるアミノ酸残基のフェニルアラニン、チロシン、トリプトファン、アラニン、システイン、バリン、ロイシン、イソロイシン、メチオニン若しくはプロリンへの置換
(d)241位のバリンに相当する位置にあるアミノ酸残基のグルタミン酸、アルギニン、ヒスチジン、リジン、アスパラギン酸、グリシン、セリン、トレオニン、アスパラギン若しくはグルタミンへの置換
(e)315位のトレオニンに相当する位置にあるアミノ酸残基のフェニルアラニン、チロシン、トリプトファン、アラニン、システイン、バリン、ロイシン、イソロイシン、メチオニン若しくはプロリンへの置換
(f)338位のアスパラギンに相当する位置にあるアミノ酸残基のフェニルアラニン、チロシン、トリプトファン、アラニン、システイン、バリン、ロイシン、イソロイシン、メチオニン若しくはプロリンへの置換
(g)339位のイソロイシンに相当する位置にあるアミノ酸残基のセリン、アルギニン、ヒスチジン、リジン、アスパラギン酸、グルタミン酸、グリシン、トレオニン、アスパラギン若しくはグルタミンへの置換
(2)配列番号1に記載のアミノ酸配列におけるN178-H200のうち、Y196-H200を含む5~23個の連続したアミノ酸、又はW514-V526のうち、T517-L518を含む2~13個の連続したアミノ酸に相当する位置にあるアミノ酸残基が欠失する変異
(3)配列番号1に記載のアミノ酸配列のC末端に、配列番号1に記載のアミノ酸配列におけるQ508-D532のうち、T517-L518を含む2~25個の連続したアミノ酸残基に相当する位置にあるアミノ酸残基を挿入する変異、又は、配列番号1に記載のアミノ酸配列のL503とP504に相当する位置にあるアミノ酸残基の間に、配列番号1に記載のアミノ酸配列におけるR480-L503のうちR495を含む1~24個の連続したアミノ酸残基に相当する位置にあるアミノ酸残基を挿入する変異
[2]
配列番号1に記載のアミノ酸配列におけるR302、H242、T334、V241、T315、N338又はI339に相当する位置にあるアミノ酸残基が、R302F、R302M、R302L、R302I、H242L、H242I、H242Y、T334V、T334I、V241T、V241S、V241K、V241E、T315V、T315I、N338L、N338F、I339T、I339S又はI339Kへの置換による変異を含む、[1]に記載のナノポアタンパク質。
[3]
配列番号1に記載のアミノ酸配列におけるR302、H242、T334、V241、T315又はI339に相当する位置にあるアミノ酸残基が、R302F、H242L、H242I、H242Y、T334V、T334I、V241E、T315V、T315I又はI339Sへの置換による変異を含む、[2]に記載のナノポアタンパク質。
[4]
[1]~[3]のいずれかに記載のナノポアタンパク質を含む、ナノポアセンサー。
[5]
[1]~[2]のいずれかに記載のナノポアタンパク質、又は、[4]に記載のナノポアセンサーを用いた、ナノポアセンシング方法。
[6]
ナノポアタンパク質と、前記ナノポアタンパク質を安定化できる量の界面活性剤を含むナノポアタンパク質懸濁液。
【発明の効果】
【0010】
本発明のナノポアタンパク質は、オリゴマーを形成しやすいか、及び/又は、大きいサイズのポアを形成しやすいため、ナノポアセンシング系において好適に利用され得る。
【図面の簡単な説明】
(【0011】以降は省略されています)

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