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公開番号2025019424
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-02-07
出願番号2023123032
出願日2023-07-28
発明の名称1,2-ジクロロエタンの製造方法
出願人東ソー株式会社
代理人
主分類C07C 17/02 20060101AFI20250131BHJP(有機化学)
要約【課題】 触媒が充填された反応器において、水蒸気圧と反応温度の条件により発生する露点腐食を抑制し、安定・安全な最適条件にて運転が可能となる1,2-ジクロロエタンの製造方法を提供する。
【解決手段】 オキシ塩素化触媒反応プロセスにて、少なくともエチレン、塩化水素および酸素から1,2-ジクロロエタンを製造する際に、オキシ塩素化触媒反応を少なくとも温度と水蒸気圧にて制御可能な反応器にて行い、オキシ塩素化触媒存在下における反応温度-水蒸気圧-反応器材質腐食速度の関係より許容腐食速度以下となる反応温度と水蒸気圧の条件を見積もり、該条件にて制御を行う1,2-ジクロロエタンの製造方法。
【選択図】 図1
特許請求の範囲【請求項1】
オキシ塩素化触媒反応プロセスにて、少なくともエチレン、塩化水素および酸素から1,2-ジクロロエタンを製造する際に、オキシ塩素化触媒反応を少なくとも温度と水蒸気圧にて制御可能な反応器にて行い、オキシ塩素化触媒存在下での反応温度-水蒸気圧-反応器材質腐食速度の関係より許容腐食速度以下となる反応温度と水蒸気圧の条件を見積もり、該条件にて制御を行うことを特徴とする1,2-ジクロロエタンの製造方法。
続きを表示(約 390 文字)【請求項2】
反応器が固定床流通式反応塔であることを特徴とする請求項1に記載の1,2-ジクロロエタンの製造方法。
【請求項3】
反応器が、オキシ塩素化触媒の充填用としてステンレス鋼管を有する反応器であることを特徴とする請求項1に記載の1,2-ジクロロエタンの製造方法。
【請求項4】
反応器が、オキシ塩素化触媒の充填用として、SUS304製管、SUS310製管及びSUS316製管のいずれかより選択されるものを有する反応器であることを特徴とする請求項1に記載の1,2-ジクロロエタンの製造方法。
【請求項5】
オキシ塩素化触媒が、円筒形状を有し、塩化銅とアルカリ金属、アルカリ土類金属の少なくとも一つの塩化物を含むアルミナ担持オキシ塩素化触媒であることを特徴とする請求項1に記載の1,2-ジクロロエタンの製造方法。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、エチレンから塩化ビニルモノマーの原料として有用な1,2-ジクロロエタンの製造方法に関するものであり、更に詳しくは反応器の許容腐食速度以下となる反応条件を見積もり、腐食による悪影響を抑制した安定・安全な1,2-ジクロロエタンの製造方法に関するものである。
続きを表示(約 1,400 文字)【背景技術】
【0002】
塩化ビニルモノマーの製造法のうち、バランスド・オキシクロリネーション・プロセスと呼ばれる方法、即ち、(1)エチレンの直接塩素化反応による1,2-ジクロロエタンの製造、(2)1,2-ジクロロエタンの熱分解反応による塩化ビニルモノマーの製造、および(3)エチレンのオキシ塩素化反応による1,2-ジクロロエタンの製造、からなるプロセスが石油化学工業で広く採用されている。
【0003】
このうち、エチレンのオキシ塩素化反応による1,2-ジクロロエタンの製造方法は、1,2-ジクロロエタンの熱分解反応で副生した塩化水素をリサイクルして利用することから重要なプロセスとして位置づけられている。
【0004】
エチレンのオキシ塩素化反応は、酸素原料として空気を用いる空気法、空気に少量の分子状酸素を用いる酸素富化法、および酸素原料として分子状酸素を用いる酸素法が知られている。これらの分子状酸素と塩化水素およびエチレンから1,2-ジクロロエタンを生成するとともに水が副生する。この副生水と原料の塩化水素が共存することによって反応管、下流側の金属管には定常的な腐食が生じ、定期的な更新による対策が一般的なものではあるが、場合によっては予期せぬ露点腐食を起こすことがある。
【0005】
そこで、従来の運転としては、主として触媒を充填した反応管の温度管理を行うことによって露点以下とならない条件を維持する運転管理を行っていた。具体的には通常の運転において、想定される反応管での水蒸気圧の最大値における露点温度を見積もり、その露点温度以上の高い温度に維持することで露点腐食の発生抑止を行っていた。
【0006】
また、腐食を防止した1,2-ジクロロエタンの製造方法としては、例えば1,2-ジクロロエタンを製造する際の回収塔または低沸点成分蒸留塔から出る蒸気および/または蒸気凝縮液を塩基作用物質で中和し塩化水素を除き、精製する方法(例えば特許文献1参照。)等が提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
特開2000-229895号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかし、触媒を充填している反応管では反応熱によりその温度は一様ではない。更に、水蒸気を構成する水は反応により生成する副生水であることから、反応の進行度合いによって水蒸気圧は変化する上に、運転条件は生産計画に基づいて変更され、触媒性能についても経時的に変化していくため、水蒸気圧は常に一定というものではない。
【0009】
したがって、水蒸気圧の最大値における露点温度では、露点温度以上の高い温度を反応管全域で維持することが困難となる場合、生産計画を変更せざるを得なくなり、生産性の低下を引き起こす。また、過大な水蒸気圧の見積もりで運転すると、省力化運転が可能な範囲においても過大な温度管理による非効率な運転を余儀なくされ、経済性は低下する。
【0010】
また、触媒を充填した反応管における露点腐食は、触媒の影響を考慮する必要があるが、触媒存在下における温度と水蒸気圧が腐食速度に与える影響の詳細を明らかにした検討等の報告はなされていない。
(【0011】以降は省略されています)

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