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公開番号2025071224
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-05-02
出願番号2025025579,2022510610
出願日2025-02-20,2021-03-24
発明の名称Cr-Si系焼結体の製造方法
出願人東ソー株式会社
代理人個人,個人,個人
主分類C04B 35/58 20060101AFI20250424BHJP(セメント;コンクリート;人造石;セラミックス;耐火物)
要約【課題】高い機械的強度を有するCr-Si系焼結体の製造方法を提供すること。
【解決手段】Cr-Si系焼結体の製造方法は、ガスアトマイズ法により、純クロム及び純シリコンから合金粉末を調製する工程と、合金粉末を50MPa以下で加圧しながら、1100~1400℃で合金粉末を焼成することにより、Cr-Si系焼結体を得る工程と、を含む。上記焼結体は、結晶質のCrSi2相及び結晶質のSi相を含む。上記焼結体中のSi相の含有量は、40質量%以上である。上記焼結体の真密度に対する上記焼結体の相対密度は、95%以上である。CrSi2相の平均結晶粒径は40μm以下であり、Si相の平均結晶粒径は30μm以下である。上記焼結体中の不純物の含有量の合計は、200質量ppm以下であり、不純物は、Mn、Fe、Mg、Ca、Sr及びBaからなる群より選ばれる少なくとも一つである。
【選択図】なし
特許請求の範囲【請求項1】
ガスアトマイズ法によって、純クロム及び純シリコンから合金粉末を調製する調製工程と、
前記合金粉末を50MPa以下の圧力で加圧しながら、1100~1400℃の焼成温度で前記合金粉末を焼成することにより、Cr及びSiを含むCr-Si系焼結体を得る焼成工程と、
を備え、
前記Cr-Si系焼結体が、結晶質のCrSi

相及び結晶質のSi相を含み、
前記Cr-Si系焼結体における前記Si相の含有量が、40質量%以上であり、
前記Cr-Si系焼結体の真密度に対する前記Cr-Si系焼結体の相対密度が、95%以上であり、
前記CrSi

相の平均結晶粒径が、40μm以下であり、
前記Si相の平均結晶粒径が、30μm以下であり、
前記Cr-Si系焼結体における不純物の含有量の合計が、200質量ppm以下であり、
前記不純物が、Mn、Fe、Mg、Ca、Sr及びBaからなる群より選ばれる少なくとも一種の元素である、
Cr-Si系焼結体の製造方法。
続きを表示(約 240 文字)【請求項2】
前記焼成工程の焼成時間は、1時間以上5時間以下である、
請求項1に記載のCr-Si系焼結体の製造方法。
【請求項3】
前記焼成工程の雰囲気は、不活性雰囲気である、
請求項1又は2に記載のCr-Si系焼結体の製造方法。
【請求項4】
前記純クロムの純度は、99.9質量%以上であり、
前記純シリコンの純度は、99.9質量%以上である、
請求項1~3のいずれか一項に記載のCr-Si系焼結体の製造方法。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明の一側面は、薄膜の形成等に用いられるCr-Si系焼結体、スパッタリングターゲット、及び薄膜の製造方法に関するものである。
続きを表示(約 2,900 文字)【背景技術】
【0002】
近年、CrSi

等のシリサイドは、温度変化に伴って変化し難い高い抵抗率(単位:Ω・cm)を有することから、半導体、太陽電池、自動車用センサー、及び家電用センサー等の多くの技術分野において薄膜として使用されている。工業的な薄膜の製造では、スパッタリング法が多用されている。しかし一般的に、シリサイドを含む組成物の機械的強度は低いため、スパッタリングターゲットの加工及び成膜中の放電の際に、シリサイドを含むスパッタリングターゲットは割れ易い。したがって、シリサイドを含む従来の組成物はスパッタリングターゲットとして使用し難い。下記特許文献1は、スパッタリングターゲットの機械的強度の向上のために、クロム(Cr)及びシリコン(Si)の結晶相を含むスパッタリングターゲットを溶射法によって製造する方法を開示している。しかし、溶射法で製造されたスパッタリングターゲットにおいてCrの含有量が少ない箇所では、機械的強度が十分に高まらない。また特許文献1に記載の方法では、シリサイドの粉末を用いた溶射法によりスパッタリングターゲットが作製されるため、スパッタリングターゲットの機械的強度が十分に高まらない。
【0003】
下記特許文献2は、Siとシリサイドを含む微細な共晶組織を有する組成物を溶融法によって製造する方法を開示している。しかし、溶融法によって製造された組成物においては、共晶組織の割合が低く多量の初晶が存在するので、組成物の機械的強度が十分に高まらない。このような組成物が大型化される場合、組成物内における冷却速度の違いに因り結晶組織の制御が困難となり、組成物における機械的強度の斑が大きくなる。
【0004】
下記特許文献3及び4も、シリサイドを含むスパッタリングターゲットを開示している。しかし特許文献3には、スパッタリングターゲット中の不純物の含有量が記載されていない。特許文献4には、スパッタリングターゲット中の酸素及び炭素其々の含有量が記載されている。または特許文献4には、スパッタリングターゲットの製造過程において、シリサイド粉末を機械的に粉砕する工程が記載されている。しかし特許文献4には、半導体膜特性を劣化させる金属不純物の含有量の記載が無い。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
日本国特開2017-82314号公報
日本国特表2013-502368号公報
日本国特開2002-173765号公報
日本国特開2003-167324号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明の一側面の目的は、Cr及びSiを含み、高い機械的強度を有するCr-Si系焼結体、当該焼結体を含むスパッタリングターゲット、及び当該スパッタリングターゲットを用いた薄膜の製造方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明者らは、化学量論組成においてクロムシリサイド(CrSi

)相及びSi相から構成され、特定量以上のSi相を含むCr-Si系焼結体の製造プロセスについて鋭意検討を行った。その結果、本発明者らは、ガスアトマイズ粉末等の急冷合金粉末を使用することにより高い機械的強度を有するCr-Si系焼結体が得られることを見出し、本発明を完成するに至った。
【0008】
すなわち、本発明の一側面に係るCr-Si系焼結体、スパッタリングターゲット、及び薄膜の製造方法は、以下の通りである。
(1)クロム(Cr)、シリコン(Si)を含むCr-Si系焼結体であり、X線回折で帰属される結晶構造がクロムシリサイド(CrSi

)、シリコン(Si)から構成され、Si相がバルク中に40質量%以上存在し、焼結体密度が95%以上であり、CrSi

相の平均粒径が40μm以下かつSi相の平均粒径が30μm以下であり、Mn+Fe+Mg+Ca+Sr+Baの合計の不純物量が200ppm以下であることを特徴とするCr-Si系焼結体。
つまり、本発明の一側面に係るCr-Si系焼結体(sintered material)は、Cr及びSiを含むCr-Si系焼結体であって、Cr-Si系焼結体が、結晶質のCrSi

相及び結晶質のSi相を含み、Cr-Si系焼結体におけるSi相の含有量が、40質量%以上であり、Cr-Si系焼結体の真密度に対するCr-Si系焼結体の相対密度が、95%以上であり、CrSi

相の平均結晶粒径が、40μm以下であり、Si相の平均結晶粒径が、30μm以下であり、Cr-Si系焼結体における不純物の含有量の合計が、200質量ppm以下であり、不純物が、マンガン(Mn)、鉄(Fe)、マグネシウム(Mg)、カルシウム(Ca)、ストロンチウム(Sr)及びバリウム(Ba)からなる群より選ばれる少なくとも一種の元素である。
(2) 抗折強度が100MPa以上であることを特徴とする(1)に記載のCr-Si系焼結体。
つまり、本発明の一側面に係るCr-Si系焼結体の抗折強度は、100MPa以上であってよい。
(3) バルク中の酸素量が1質量%以下であることを特徴とする(1)又は(2)のいずれかに記載のCr-Si系焼結体。
つまり、本発明の一側面に係るCr-Si系焼結体における酸素の含有量は、1質量%以下であってよい。
(4) (1)~(3)のいずれかに記載のCr-Si系焼結体からなることを特徴とするスパッタリングターゲット。
つまり、本発明の一側面に係るスパッタリングターゲットは、上記のCr-Si系焼結体を含む。
(5) (4)に記載のスパッタリングターゲットを用いてスパッタリングすることを特徴とする薄膜の製造方法。
つまり、本発明の一側面に係る薄膜の製造方法は、上記のスパッタリングターゲットを用いたスパッタリングにより、薄膜を形成する工程を備える。
【発明の効果】
【0009】
本発明の一側面によれば、Cr及びSiを含み、高い機械的強度を有するCr-Si系焼結体、当該焼結体を含むスパッタリングターゲット、及び当該スパッタリングターゲットを用いた薄膜の製造方法が提供される。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下では、本発明の好適な実施形態が説明される。本発明は下記実施形態に限定されるものではない。以下に記載の「質量%」は、重量%(wt%)と言い換えられてよい。以下に記載のCr-Si系焼結体は、バルクと言い換えられてよい。
(【0011】以降は省略されています)

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