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公開番号2025040869
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-03-25
出願番号2023147938
出願日2023-09-12
発明の名称ストロビルリンA類縁体化合物
出願人国立大学法人鳥取大学
代理人個人,個人,個人
主分類C07C 69/734 20060101AFI20250317BHJP(有機化学)
要約【課題】ストロビルリンAまたはXと比べて細胞増殖阻害活性、がん細胞増殖阻害活性、およびがん細胞選択性のうちの1つ以上が高められたストロビルリンA類縁体化合物を提供する
【解決手段】ストロビルリンAの骨格を有するストロビルリンA類縁体化合物であって、(a)4’位に独立して炭素数2以上のヘテロアルキルもしくはアルキル置換基またはアリール含有もしくはヘテロアリール含有置換基を有するか、(b)3’位および4’位にそれぞれ独立して炭素数1以上のヘテロアルキルもしくはアルキル置換基またはアリール含有もしくはヘテロアリール含有置換基を有するか、(c)2’ 位に独立して炭素数1以上のヘテロアルキルもしくはアルキル置換基またはアリール含有もしくはヘテロアリール含有置換基を有するか、または(d)3’位に独立して炭素数2以上のヘテロアルキルもしくはアルキル置換基またはアリール含有もしくはヘテロアリール含有置換基を有する。
【選択図】なし
特許請求の範囲【請求項1】
ストロビルリンAの骨格を有するストロビルリンA類縁体化合物であって、
(a)4’位に独立して炭素数2以上のヘテロアルキルもしくはアルキル置換基またはアリール含有もしくはヘテロアリール含有置換基を有するか、
(b)3’位および4’位にそれぞれ独立して炭素数1以上のヘテロアルキルもしくはアルキル置換基またはアリール含有もしくはヘテロアリール含有置換基を有するか、
(c)2’ 位に独立して炭素数1以上のヘテロアルキルもしくはアルキル置換基またはアリール含有もしくはヘテロアリール含有置換基を有するか、または
(d)3’位に独立して炭素数2以上のヘテロアルキルもしくはアルキル置換基またはアリール含有もしくはヘテロアリール含有置換基を有する、
化合物。
続きを表示(約 1,100 文字)【請求項2】
前記ヘテロアルキルもしくはアルキル置換基は炭素数14以下のヘテロアルキルもしくはアルキル基である、請求項1に記載の化合物。
【請求項3】
前記ヘテロアルキルはアルキルオキシである、請求項2に記載の化合物。
【請求項4】
前記アリール含有もしくはヘテロアリール含有置換基はアリールオキシ、ヘテロアリールオキシ、アリールアルキル、ヘテロアリールアルキル、アリール、またはヘテロアリール基である、請求項1に記載の化合物。
【請求項5】
4’位に独立して炭素数14以下のアルキルオキシもしくはアルキル置換基またはアリールオキシ、アリールアルキル、もしくはアリール置換基を有する、請求項1に記載の化合物。
【請求項6】
以下のものからなる群から選択される、
JPEG
2025040869000015.jpg
79
164
請求項1に記載の化合物。
【請求項7】
G361細胞、A549細胞およびMIA PACA-2細胞からなる群から選択される少なくとも一つの細胞に対する細胞毒性、および/または、NB1RGB細胞に対する前記少なくとも一つの細胞の選択性インデックス(SI)が、ストロビルリンAまたはストロビルリンXにおける対応する値より大きい、請求項1に記載の化合物。
【請求項8】
請求項1~7のいずれか一項に記載の化合物を含むがん治療用の医薬組成物。
【請求項9】
前記がんが、メラノーマ、肺がん、または膵臓がんである、請求項8に記載の医薬組成物。
【請求項10】
ストロビルリンAの骨格を有する化合物の製造方法であって、
一般式(I)
JPEG
2025040869000016.jpg
26
164
(式中、R
1
、R
2
、R
3
はそれぞれ独立に、水素、または非アルデヒド置換基である)
のベンズアルデヒドを前駆体として、
一般式(II)
JPEG
2025040869000017.jpg
32
164
の中間体を合成すること、
および、前記中間体から、
一般式(III)
JPEG
2025040869000018.jpg
36
164
の化合物を合成することを含む、製造方法。
(【請求項11】以降は省略されています)

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本開示は、ストロビルリンAの骨格を有するストロビルリンA類縁体化合物に関する。
続きを表示(約 2,800 文字)【背景技術】
【0002】
がんは、罹患率の高さおよび重病になる可能性の大きさから、人間にとって最も恐るべき疾患の1つであり、特に日本人にとっては死因の第1位を占めるものである。がんの新たな治療薬や治療方法の開発が常に求められている。また、がんは人間に限られた病気ではない。獣医療においても、近年、伴侶動物の高齢化に伴いがんの症例が増えてきている。
【0003】
がん治療薬の世界市場規模は年々拡大し続けており、数年以内に3000億米ドルに達すると見積もられている。様々な化学療法剤が開発されてきているが、例えば免疫チェックポイントに作用する抗体医薬などに代表されるように薬価が極めて高いものが多く、医療保険制度に対する大きな負担にもなっている。従って、比較的安価な低分子医薬、特に天然物質に関連する低分子医薬に対する期待と需要は依然として大きい。
【0004】
これまでに、カビなどの菌類から様々な有用生理活性物質が発見されてきた。しかしながら、きのこが有する生理活性物質については、きのこ全般の遍在性および多様性にも関わらず研究例が相対的に少ない。きのこは比較的未開拓の資源であると言え、きのこには多くの有用物質が秘められている可能性がある。
【0005】
本発明者らによる先行研究(特許文献1)において、きのこ抽出物ライブラリーを用いて、がん細胞に対する増殖抑制効果を有する化合物の探索が行われた。その結果、ヌメリツバタケモドキの菌糸体および培養液ろ液の抽出物に含まれる、ストロビルリンAおよびストロビルリンXが、がん細胞に対する増殖阻害効果を有することが判明した。また、細胞増殖阻害に関し、ストロビルリンXはストロビルリンAよりも、がん細胞に対する選択性が高かった。しかしながら、ストロビルリンのがん細胞に対する増殖阻害効果およびがん細胞選択性にどのような化学構造が寄与できるのかはまったく理解されていない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
特開2022-090502号公報
【発明の概要】
【0007】
本発明者らは、ストロビルリンAのベンゼン環に様々な置換基を導入することに適した合成方法を開発した。その成果に少なくとも部分的に基づき、本開示は、ストロビルリンAの骨格を有する新規ストロビルリンA類縁体化合物およびそれを含む組成物を提供する。本開示は特に、ストロビルリンAまたはXと比べて細胞増殖阻害活性、がん細胞増殖阻害活性、およびがん細胞選択性のうちの1つ以上が高められたストロビルリンA類縁体化合物ならびにそれらを含む組成物を提供する。
【0008】
本開示は少なくとも以下の実施形態を含む。
[項1]
ストロビルリンAの骨格を有するストロビルリンA類縁体化合物であって、
(a)4’位に独立して炭素数2以上のヘテロアルキルもしくはアルキル置換基またはアリール含有もしくはヘテロアリール含有置換基を有するか、
(b)3’位および4’位にそれぞれ独立して炭素数1以上のヘテロアルキルもしくはアルキル置換基またはアリール含有もしくはヘテロアリール含有置換基を有するか、
(c)2’ 位に独立して炭素数1以上のヘテロアルキルもしくはアルキル置換基またはアリール含有もしくはヘテロアリール含有置換基を有するか、または
(d)3’位に独立して炭素数2以上のヘテロアルキルもしくはアルキル置換基またはアリール含有もしくはヘテロアリール含有置換基を有する、
化合物。
[項2]
前記ヘテロアルキルもしくはアルキル置換基は炭素数14以下のヘテロアルキルもしくはアルキル基である、項1に記載の化合物。
[項3]
前記ヘテロアルキルはアルキルオキシである、項1または2に記載の化合物。
[項4]
前記アリール含有もしくはヘテロアリール含有置換基はアリールオキシ、ヘテロアリールオキシ、アリールアルキル、ヘテロアリールアルキル、アリール、またはヘテロアリール基である、項1~3のいずれかに記載の化合物。
[項5]
4’位に独立して炭素数14以下のアルキルオキシもしくはアルキル置換基またはアリールオキシ、アリールアルキル、もしくはアリール置換基を有する、項1~4のいずれかに記載の化合物。
[項6]
以下のものからなる群から選択される、
JPEG
2025040869000001.jpg
79
165
項1~5のいずれかに記載の化合物。
[項7]
G361細胞、A549細胞およびMIA PACA-2細胞からなる群から選択される少なくとも一つの細胞に対する細胞毒性、および/または、NB1RGB細胞に対する前記少なくとも一つの細胞の選択性インデックス(SI)が、ストロビルリンAまたはストロビルリンXにおける対応する値より大きい、項1~6のいずれかに記載の化合物。
[項8]
項1~7のいずれか一項に記載の化合物を含むがん治療用の医薬組成物。
[項9]
前記がんが、メラノーマ、肺がん、または膵臓がんである、項8に記載の医薬組成物。
[項10]
ストロビルリンAの骨格を有する化合物の製造方法であって、
一般式(I)
JPEG
2025040869000002.jpg
27
165
(式中、R
1
、R
2
、R
3
はそれぞれ独立に、水素、または非アルデヒド置換基である)
のベンズアルデヒドを前駆体として、
一般式(II)
JPEG
2025040869000003.jpg
32
165
の中間体を合成すること、
および、前記中間体から、
一般式(III)
JPEG
2025040869000004.jpg
35
165
の化合物を合成することを含む、方法。
[項11]
項1~7のいずれかに記載の化合物を製造する、項10に記載の方法。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1は、膵臓がん細胞および肺がん細胞に対する試験化合物の増殖阻害活性を示す。Et:4’-エチルSA、PeO:4’-ペンチロキシSA、EtO:4’-エトキシSA、PhO:4’-フェノキシSA、Bn:4’-ベンジルSA。
【発明を実施するための形態】
【0010】
<ストロビルリンA類縁体化合物>
(【0011】以降は省略されています)

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