TOP特許意匠商標
特許ウォッチ Twitter
公開番号2025055384
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-04-08
出願番号2023164705
出願日2023-09-27
発明の名称腸で発現するコレステロール輸送体をヒトの輸送体と入れ換えた線虫
出願人国立大学法人鳥取大学
代理人個人,個人
主分類A01K 67/60 20250101AFI20250401BHJP(農業;林業;畜産;狩猟;捕獲;漁業)
要約【課題】ヒトの腸でのコレステロール吸収を模した試験を簡便、安価かつ迅速に行う。
【解決手段】線虫の腸で発現しているコレステロール輸送体NCR-1の代わりに、ヒトの腸で発現するコレステロール輸送体NPC1L1を腸で発現させた線虫、該線虫の製造方法、ならびに該線虫を用いる、試料のコレステロール吸収阻害能を調べる方法。
【選択図】なし
特許請求の範囲【請求項1】
線虫の腸で発現するコレステロール輸送体の代わりにヒトの腸で発現するコレステロール輸送体を腸で発現させた線虫。
続きを表示(約 570 文字)【請求項2】
線虫のコレステロール輸送体がNCR-1であり、ヒトのコレステロール輸送体がNPC1L1である、請求項1記載の線虫。
【請求項3】
NPC1L1が頂端側で発現している、請求項2記載の線虫。
【請求項4】
下記工程:
(a)線虫において、腸で発現するコレステロール輸送体を破壊し、次いで
(b)ヒトの腸で発現するコレステロール輸送体を線虫の腸で発現させる
を含む、線虫の腸で発現するコレステロール輸送体の代わりにヒトの腸で発現するコレステロール輸送体を腸で発現させた線虫の製造方法。
【請求項5】
線虫のコレステロール輸送体がNCR-1であり、ヒトのコレステロール輸送体がNPC1L1である、請求項4記載の方法。
【請求項6】
NPC1L1が頂端側で発現している、請求項5記載の方法。
【請求項7】
請求項1~3のいずれか1項記載の線虫を試料およびコレステロールと接触させ、次いで、線虫に取り込まれたコレステロール量を測定することを含む、試料のコレステロール吸収阻害能を評価する方法。
【請求項8】
請求項1~3のいずれか1項記載の線虫を含む、試料のコレステロール吸収阻害能を評価するためのキット。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、遺伝子組換え線虫に関する。詳細には、本発明は、ヒトの腸で発現するコレステロール輸送体を腸で発現させた線虫に関する。より詳細には、線虫の腸で発現しているコレステロール輸送体NCR-1の代わりに、ヒトの腸で発現するコレステロール輸送体NPC1L1を腸で発現させた線虫に関する。さらに本発明は、該線虫の製造方法、ならびに該線虫を用いる、試料のコレステロール吸収阻害能を評価する方法等に関する。
続きを表示(約 2,500 文字)【背景技術】
【0002】
超高齢社会に位置する我が国では、老後のQOLの著しい阻害要因となる高脂血症の患者数(220万人)が急激に増加しており、医学・薬学のみならず機能性食品分野においても「体内へのコレステロール吸収を阻害する」機能は重要な標的領域の1つとして認識されており、関連する研究例も多い(例えば特許文献1、非特許文献1参照)。一方、健康食品市場の中で機能性表示食品は年平均10%以上の成長率を示しているが、血中のコレステロール低下作用を謳う商品の数は伸び悩んでいる。この要因として、個体レベルでのコレステロール吸収阻害・低下作用の評価系が既存サービスでは存在しないこと、また類似する機能評価(脂肪蓄積試験)サービスでは長期にわたる試験期間(約3ヶ月)ならびに高額な料金(約100万円/1検体)が欠点となり、新たな機能性食品や医薬品の開発が妨げられている。機能性食品や医薬品の開発のみならず、健康寿命を阻害する生活習慣病の予防法・治療法の開発に寄与するために、簡便、安価かつ迅速にコレステロール吸収阻害機能を検討できる評価系の開発の社会学的意義は極めて大きい。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
国際出願公開公報WO2005/069900パンフレット
【非特許文献】
【0004】
S. Nashimoto et al., BBA - Biomembranes 1863 (2021) 183508 A new system to evaluate characteristics of Niemann-Pick C1 Like 1-mediated cholesterol transport using Xenopus laevis oocytes https://doi.org/10.1016/j.bbamem.2020.183508 Received 18 April 2020; Received in revised form 17 October 2020; Accepted 8 November 2020 Available online 11 November 2020
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
簡便に安価かつ迅速に、試料の体内へのコレステロール吸収を阻害する機能を評価する生物デバイスの開発が望まれていた。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明者らは上記課題を解決せんと鋭意研究を重ね、線虫の腸で発現するコレステロール輸送体の代わりにヒトの腸で発現するコレステロール輸送体を組み込んだ線虫を作成した。そして、驚くべきことに、ヒトのコレステロー輸送体が、線虫の輸送介在タンパク質によって線虫の腸の頂端側に局在化されることを見いだした。この知見に基づいて、本発明者らは本発明を完成させた。
【0007】
すなわち、本発明は以下のものを提供する。
(1)線虫の腸で発現するコレステロール輸送体の代わりにヒトの腸で発現するコレステロール輸送体を腸で発現させた線虫。
(2)線虫のコレステロール輸送体がNCR-1であり、ヒトのコレステロール輸送体がNPC1L1である、(1)記載の線虫。
(3)NPC1L1が頂端側で発現している、(2)記載の線虫。
(4)下記工程:
(a)線虫において、腸で発現するコレステロール輸送体を破壊し、次いで
(b)ヒトの腸で発現するコレステロール輸送体を線虫の腸で発現させる
を含む、線虫の腸で発現するコレステロール輸送体の代わりにヒトの腸で発現するコレステロール輸送体を腸で発現させた線虫の製造方法。
(5)線虫のコレステロール輸送体がNCR-1であり、ヒトのコレステロール輸送体がNPC1L1である、(4)記載の方法。
(6)NPC1L1が頂端側で発現している、(5)記載の方法。
(7)(1)~(3)のいずれか記載の線虫を試料およびコレステロールと接触させ、次いで、線虫に取り込まれたコレステロール量を測定することを含む、試料のコレステロール吸収阻害能を評価する方法。
(8)(1)~(3)のいずれか記載の線虫を含む、試料のコレステロール吸収阻害能を評価するためのキット。
【発明の効果】
【0008】
本発明の線虫は、腸に、詳細には頂端側にヒトのコレステロール輸送体NPC1L1を発現しているので、ヒトの腸でのコレステロール吸収を模した試験を簡便、安価かつ迅速に行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1は、線虫の腸でヒト・コレステロール輸送体NPC1L1を発現させるプラスミドの構造を示す模式図である。
図2は、作出した線虫のコレステロール輸送能を検証した結果を示す。上パネルは、線虫体内の脂肪滴(Lipi-Green染色)をレーザースキャン顕微鏡で観察した結果を示す。WTは野生株の像、ncr-1 KOはncr-1遺伝子破壊株の像、ncr-1 KO; ges-1p::npc1l1 cDNAはコレステロール輸送体レスキュー株の像、ges-1p::npc1l1 cDNAはコレステロール輸送体過剰発現株の像を示す。下パネルのバーは、左から野生株、ncr-1遺伝子破壊株、コレステロール輸送体レスキュー株、コレステロール輸送体過剰発現株の休眠率を示す。
図3は、線虫の腸で発現させたヒト・コレステロール輸送体に対するエゼチミブの影響を調べた結果を示す共焦点レーザースキャン顕微鏡写真である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
本発明は、第1の態様において、線虫の腸で発現するコレステロール輸送体の代わりにヒトの腸で発現するコレステロール輸送体を腸で発現させた線虫を提供する。
(【0011】以降は省略されています)

特許ウォッチbot のツイートを見る
この特許をJ-PlatPat(特許庁公式サイト)で参照する

関連特許

国立大学法人鳥取大学
マイクロピペットシステム
6か月前
国立大学法人鳥取大学
マイクロピペット用保持構造
1か月前
イナバゴム株式会社
嵌脱コネクタ
6か月前
日軽金アクト株式会社
垂直軸風車
4か月前
国立大学法人鳥取大学
味覚検査用キットおよび味覚検査法
1か月前
国立大学法人鳥取大学
抗真菌性化合物およびそれを含む組成物
3か月前
株式会社IHI
応力の履歴を推定するための被膜
3か月前
株式会社ファンケル
赤色系無機顔料および化粧品
2か月前
国立大学法人鳥取大学
二次電池用負極材料、二次電池用負極および二次電池
2か月前
ニプロ株式会社
気管チューブ挿管補助用のスタイレット
5か月前
大同特殊鋼株式会社
リチウムイオン電池負極用Si合金
5か月前
国立大学法人鳥取大学
子宮頸癌の術後補助療法対象者を識別する予後予測マーカー
5か月前
国立大学法人鳥取大学
腸で発現するコレステロール輸送体をヒトの輸送体と入れ換えた線虫
6か月前
国立大学法人鳥取大学
抗菌性組成物及びその使用
13日前
エステー株式会社
新規なボルボネン誘導体およびこれを有効成分とする防カビ剤
4か月前
電気興業株式会社
花粉量推定システム、花粉量推定方法、および、花粉量推定プログラム
2か月前
国立研究開発法人土木研究所
コンクリート供試体用加圧治具およびこれを用いた凍結融解試験方法
5か月前
国立大学法人鳥取大学
プロテオグリカンの製造方法およびプロテオグリカン
3か月前
国立大学法人鳥取大学
過回転抑制機構を備えた垂直軸風車の空力弾性解析方法、プログラム、及び過回転抑制機構を備えた垂直軸風車の空力弾性解析システム
2か月前
個人
虫捕り器
17日前
個人
刈込鋏保持具
13日前
個人
飼育容器
27日前
個人
後付巻降ろし器
17日前
個人
イカ釣り用ヤエン
17日前
株式会社丹勝
緑化工法
14日前
株式会社シマノ
釣竿
17日前
井関農機株式会社
作業車両
17日前
井関農機株式会社
作業車両
15日前
井関農機株式会社
作業車両
7日前
井関農機株式会社
作業車両
17日前
井関農機株式会社
作業車両
7日前
個人
四足動物用装着具
今日
個人
水耕栽培システム
27日前
大栄工業株式会社
捕獲器
7日前
井関農機株式会社
作業車両
今日
井関農機株式会社
作業車両
13日前
続きを見る