TOP特許意匠商標
特許ウォッチ Twitter
公開番号2025047361
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-04-03
出願番号2023155815
出願日2023-09-21
発明の名称嵌脱コネクタ
出願人イナバゴム株式会社,国立大学法人鳥取大学,地方独立行政法人鳥取県産業技術センター
代理人個人
主分類A61M 39/10 20060101AFI20250326BHJP(医学または獣医学;衛生学)
要約【課題】非常に大きな力が輸液ラインや採尿ラインに加わった際には、刺入部で抜けるのではなく、輸液ラインや採尿ラインにおける接続箇所で抜けることにより、患者に対する再刺入や肉体的な損傷を低減することのできる嵌脱コネクタを提供することを目的とする。
【解決手段】患者側に刺入される刺入部25を有する刺入側セット2と、輸液バッグ或いは採尿バッグを有するバッグ側セット1と、を接続する際に用いる嵌脱コネクタ3であって、嵌脱コネクタ3は、オスコネクタ7とメスコネクタ6からなり、オスコネクタ7とメスコネクタ6とは、挿入方向と反対の離脱方向に所定の力が加わることによって離脱する。
【選択図】 図4
特許請求の範囲【請求項1】
患者側に刺入される刺入部を有する刺入側セットと、輸液バッグ或いは採尿バッグを有するバッグ側セットと、を接続する際に用いる嵌脱コネクタであって、
前記嵌脱コネクタは、オスコネクタとメスコネクタからなり、
前記オスコネクタと前記メスコネクタとは、挿入方向と反対の離脱方向に所定の力が加わることによって離脱することを特徴とする嵌脱コネクタ。
続きを表示(約 780 文字)【請求項2】
前記所定の力は、3~45Nであることを特徴とする請求項1に記載する嵌脱コネクタ。
【請求項3】
前記オスコネクタと前記メスコネクタは、
一方が硬質材料からなる硬質接続部を有し、他方が弾性材料からなる弾性接続部を有して挿抜されるとともに、
前記オスコネクタと前記メスコネクタは、当接位置決め部を有することを特徴とする請求項1に記載する嵌脱コネクタ。
【請求項4】
前記オスコネクタと前記メスコネクタは、
一方が硬質材料からなる硬質接続部を有し、他方が弾性材料からなる弾性接続部を有して挿抜されるとともに、
前記硬質接続部と前記弾性接続部には、係合する凸部と凹部が形成されていることを特徴とする請求項1に記載する嵌脱コネクタ。
【請求項5】
前記オスコネクタと前記メスコネクタは、流路に対する逆止弁をそれぞれ有することを特徴とする請求項1に記載する嵌脱コネクタ。
【請求項6】
前記オスコネクタと前記メスコネクタの一方には、刺入側セットへ取り付ける挿入側取付部が、他方には、バッグ側セットへ取り付けるバッグ側取付部が、設けられていることを特徴とする請求項1に記載する嵌脱コネクタ。
【請求項7】
患者側に刺入される刺入部を有する刺入側セットと、
輸液バッグ或いは採尿バッグを有するバッグ側セットと、
前記刺入側セットと前記バッグ側セットとを接続する一対の嵌脱コネクタと、からなる液体ラインにおいて、
前記一対の嵌脱コネクタは、オスコネクタとメスコネクタからなり、
前記オスコネクタと前記メスコネクタとは、挿入方向と反対の離脱方向に所定の力が加わることによって離脱することを特徴とする液体ライン。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、嵌脱コネクタ及び液体ラインに関する。詳しくは、患者側に刺入される刺入部を有する刺入側セットと、輸液バッグ或いは採尿バッグを有するバッグ側セットと、を接続する際に用いる嵌脱コネクタであって、嵌脱コネクタは、オスコネクタとメスコネクタからなる嵌脱コネクタ及びこのような嵌脱コネクタを備えた液体ラインに関する。
続きを表示(約 2,500 文字)【背景技術】
【0002】
輸液ラインにおいては、チューブ同士を接続するコネクタが用いられている。例えば、非特許文献1のように、直接静脈に刺入部(翼状針や静脈内留置針など)を刺入する場合には輸液バッグと刺入部の間にコネクタが用いられている。また、非特許文献2のように、抗癌剤や高カロリー輸液(食事の代わりの栄養液)の輸液時に使用されるCVポート(非特許文献2参照)では、血管内にカテーテルを留置して、そのカテーテルの一端のポートに針を刺入するが、この場合も輸液バッグと刺入部の間にコネクタが用いられている。
【0003】
また、点滴のみならず、尿道カテーテルにおいては、膀胱側の尿道留置カテーテルと採尿バッグ側の導尿チューブの間にコネクタが用いられている(非特許文献3、非特許文献4参照)。
このように輸液ラインや採尿ラインのように液体の流れる液体ラインでは、一般的にコネクタが用いられている。
【0004】
従来、接続箇所に用いる嵌脱コネクタは、緩みが生じたり、接続が外れしまったりすると輸液時の安全性が確保できないという思想の下、ライン途中で外れないようにするため(いわゆる「クローズドシステム」を実現するため)、コネクタに求められる機能としては、如何にして緩みを防ぐかということや、接続が外れないか、というような強固な接続機能であった。このようなコネクタは、ルアーロック型と呼ばれるようなネジを捻って固定するような強固な接続機能を実現したものとなっていた。例えば、特許文献1には、螺合による接続のため、回転が生じないと接続が外れないコネクタが記されている。また、非特許文献5には、外力による爪のロックを外して、回転が生じないと接続が外れないコネクタであるツインシールド(登録商標)が記されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
特開2005-466号公報
【非特許文献】
【0006】
輸液製剤協会 用語説明 輸液ライン(点滴ライン)、[令和5年7月10日検索]、インターネット〈https://www.yueki.com/faq/words37/index.html〉
山王病院 PICCについて、[令和5年7月10日検索]、インターネット〈https://www.sannoclc.or.jp/hospital/patient/department/shoukaki_c/pdf/picc2.pdf〉
日本環境感染学会 尿道カテーテル関連尿路感染予防、[令和5年7月10日検索]、インターネット〈http://www.kankyokansen.org/other/edu_pdf/3-3_06.pdf〉
ナースプラス 尿道カテーテルQ&A、[令和5年7月10日検索]、インターネット〈https://kango.mynavi.jp/contents/nurseplus/workstyle/20200522-16750/〉
株式会社ジェイ・エム・エス JMSニードルレスアクセスポート、[令和5年7月10日検索]、インターネット〈https://medical.jms.cc/pdf/B097_twinshield_catalog.pdf〉
日本赤十字医療センター 抜去あるある事例集、[令和5年7月10日検索]、インターネット〈https://www.carecom.jp/smile/pdf/pamphlet_case-008.pdf〉
今日の臨床サポート 尿道損傷(自己抜去の対応含む)、[令和5年7月10日検索]、インターネット〈https://clinicalsup.jp/jpoc/contentpage.aspx?diseaseid=1340〉
3Mジャパン カテーテル固定用ドレッシング、[令和5年7月10日検索]、インターネット〈https://www.3mcompany.jp/3M/ja_JP/medical-jp/dressings/tegaderm/〉
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
非特許文献6のように、病院内で点滴を行っている患者の中には、せん妄患者や高齢者も多く、輸液ラインや尿道カテーテルの自己抜去が問題となっている。また、せん妄患者や高齢者でなくても、高カロリー輸液や抗癌剤のFOLFIRI(フォルフィリ)療法は数日継続して行われるので、睡眠中のライン抜去も問題となっている。また、手術後の貯留した液体の排出や縫合部の漏れのモニタリングを行う為のドレナージと呼ばれるような治療も数日継続して行われる。
また、非特許文献7のように、尿道カテーテルでも高齢者や乳幼児に自己抜去が認められる。
【0008】
このように自己抜去等で抜けてしまうと、再度の刺入(もう一度針の刺入)が必要となるが、再刺入は患者に大きな苦痛を与えることになる。また抜けたことによる出血は患者への肉体的な損傷となる。尿道カテーテルにおいては尿道損傷のような肉体的な損傷のおそれもある。そして、このような自己抜去によるリスクは、留置期間の長期化に伴い増大することになる。
【0009】
また、通常、カテーテルは刺入部でドレッシング材のような粘着性の被覆保護材(例えば、非特許文献8参照)で人体に固定されているが、自己抜去の際には、このカテーテルの刺入部で抜けが生じることから、体液の流出や、薬液の流出が生じてしまう。
【0010】
このような体液の流出や薬液の流出が生じると、清掃する必要があるが、とくに夜間のように院内での作業従事者が少ない場合や、風船の携帯型注入器(インフューザー)を使用して自宅で数日行う継続輸液の場合には負担が大きくなってしまう。
(【0011】以降は省略されています)

特許ウォッチbot のツイートを見る
この特許をJ-PlatPatで参照する
Flag Counter

関連特許