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公開番号
2025024880
公報種別
公開特許公報(A)
公開日
2025-02-21
出願番号
2023129241
出願日
2023-08-08
発明の名称
細菌鞭毛運動抑制剤
出願人
国立大学法人鳥取大学
代理人
個人
,
個人
,
個人
主分類
A61K
31/353 20060101AFI20250214BHJP(医学または獣医学;衛生学)
要約
【課題】細菌鞭毛運動を抑制する組成物および方法を提供する。
【解決手段】ラタンニンを活性成分として含む細菌鞭毛運動抑制剤、およびをそれ含む医薬組成物が提供される。生体外の環境に存在する細菌をラタンニンに接触させることを含む、細菌の鞭毛運動を抑制する方法も提供される。
【選択図】図1
特許請求の範囲
【請求項1】
ラタンニンを活性成分として含む、細菌鞭毛運動抑制剤。
続きを表示(約 650 文字)
【請求項2】
固形製剤であってラタンニンの含有量が10質量%以上であるか、または、水性製剤であって水溶成分中のラタンニンの含有量が10質量%以上である、請求項1に記載の細菌鞭毛運動抑制剤。
【請求項3】
前記細菌鞭毛運動抑制剤は前記ラタンニンを含有する植物抽出物を含み、前記ラタンニン1質量部に対し、ラタンニンではない前記植物抽出物成分の含有量が0質量部以上、9質量部以下である、請求項1に記載の細菌鞭毛運動抑制剤。
【請求項4】
前記細菌鞭毛運動抑制剤は水性製剤であり、前記水性製剤中のラタンニンの水溶濃度が0.1mg/ml以上である、請求項1に記載の細菌鞭毛運動抑制剤。
【請求項5】
前記細菌鞭毛運動抑制剤はラタンニンを少なくとも20mg含む、請求項1に記載の細菌鞭毛運動抑制剤。
【請求項6】
請求項1~5のいずれか一項に記載の細菌鞭毛運動抑制剤を含む医薬組成物。
【請求項7】
経口投与製剤である、請求項6に記載の医薬組成物。
【請求項8】
単回投薬量あたりのラタンニンの含有量が20mg以上である、請求項6に記載の医薬組成物。
【請求項9】
細菌鞭毛運動を抑制することにより細菌感染症の予防または治療をするための、請求項6に記載の医薬組成物。
【請求項10】
生体外の環境に存在する細菌をラタンニンに接触させることを含む、細菌の鞭毛運動を抑制する方法。
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本開示は、細菌鞭毛運動を抑制する組成物および方法に関する。
続きを表示(約 3,000 文字)
【背景技術】
【0002】
細菌を不活化することは、環境衛生、医学、獣医学、および耕種だけでなく広く畜産業や水産業を含む農業等、様々な分野で有用性を見出す。つまり一般に抗細菌剤は高い産業的有用性を有する。
【0003】
従来のほとんどの抗細菌剤は、代謝、タンパク質合成、DNA合成、細胞壁等の、細菌の生命維持に必要な機能または構造を標的にし、細菌の成長および生存を阻害することにより作用する。細菌は高頻度の突然変異または外来遺伝子獲得によって様々な形質を獲得することができる。抗細菌剤が存在する環境では、強い選択圧のなか、抗細菌剤耐性を獲得した細菌が生き残って優先的に拡大し得る。薬剤耐性菌の出現および増加が問題となる中、新しい標的分子や候補薬剤を見つけることは容易ではなく、また開発コストが収益に見合わないことから、抗細菌剤の開発は世界的に停滞している。
【0004】
抗細菌活性を含有する植物材料も多数知られている。その一例として、非特許文献1は、タデ科ダイオウ属の一種であるルバーブが抗細菌作用を有することを記載しており、その作用機序が、細菌細胞壁構造を破壊し細胞膜の浸透性を変化させることにより増殖を阻害することであることを記載している。ダイオウ属の植物は生薬「大黄」の原料としても知られている。非特許文献2は、モデル感染実験における大黄の投与により、大腸に定着(colonization)する腸管出血性大腸菌(Enterohemorrhagic Escherichia coli:EHEC)が有意に減少し、感染マウスの生存率を高めたことを記載している。ルバーブは、特に一つの成分が主要部分を占めるのではなく非常に多数の微量成分の複雑な集合から構成されていると見られる(非特許文献3)。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0005】
Xiang et al., Chin Med (2020) 15:88
Amran et al., Microbial Pathogenesis 65 (2013) 57-62
Chen et al. Chinese Medicine (2022) 17:50
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本開示は、細菌鞭毛運動を抑制する組成物および方法を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明者らは、ラタンニン(Rhatannin)と呼ばれる既知の物質が、驚くべきことに、細菌を殺さずにその鞭毛運動を抑制できることを発見した。この発見により、鞭毛を標的として作用するという全く新しいタイプの抗細菌剤の提供が可能になった。本開示は以下の実施形態を含む。
[1]
ラタンニンを活性成分として含む、細菌鞭毛運動抑制剤。
[2]
固形製剤であってラタンニンの含有量が10質量%以上であるか、または、水性製剤であって水溶成分中のラタンニンの含有量が10質量%以上である 、[1]に記載の細菌鞭毛運動抑制剤。
[3]
前記細菌鞭毛運動抑制剤は前記ラタンニンを含有する植物抽出物を含み、前記ラタンニン1質量部に対し、ラタンニンではない前記植物抽出物成分の含有量が0質量部以上、9質量部以下である 、[1]または[2]に記載の細菌鞭毛運動抑制剤。
[4]
前記細菌鞭毛運動抑制剤は水性製剤であり、前記水性製剤中のラタンニンの水溶濃度が0.1mg/ml以上である 、[1]~[3]のいずれかに記載の細菌鞭毛運動抑制剤。
[5]
前記細菌鞭毛運動抑制剤はラタンニンを少なくとも20mg含む、[1]~[4]のいずれかに記載の細菌鞭毛運動抑制剤。
[6]
[1]~[5]のいずれか一項に記載の細菌鞭毛運動抑制剤を含む医薬組成物。
[7]
経口投与製剤である、[6]に記載の医薬組成物。
[8]
単回投薬量あたりのラタンニンの含有量が20mg以上である 、[6]または[7]に記載の医薬組成物。
[9]
細菌鞭毛運動を抑制することにより細菌感染症の予防または治療をするための、[6]~[8]のいずれかに記載の医薬組成物。
[10]
生体外の環境に存在する細菌をラタンニンに接触させることを含む、細菌の鞭毛運動を抑制する方法。
[11]
前記ラタンニンが、[1]~[5]のいずれか一項に記載の細菌鞭毛運動抑制剤の形態で提供される、[10]に記載の方法。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1は、ラタンニンによる多様な細菌の鞭毛運動率の抑制を示す実験結果である。
図2は、ラタンニンによる細菌増殖抑制作用の低さまたは欠如を示す実験結果である。
図3は、ラタンニンの投与によって、腸管出血性大腸菌に感染したマウスの生存率が著しく改善することを示す実験結果である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
当業者によく知られているように、細菌の典型的な運動性は鞭毛の回転によって駆動される。細菌の運動性は例えば、病原性細菌が感染部位へ移行して病原性を発揮するために必要である。本発明者らは、ラタンニンが広範な細菌の鞭毛運動を抑制する効果を有することを発見した。ラタンニンは鞭毛に特異的に作用して、細菌を(少なくとも直接的には)殺さずにその運動だけを抑制すると見られた。顕微鏡下で、活発な鞭毛運動により遊泳している細菌に精製ラタンニンを投与すると、生存したままの細菌の鞭毛運動および遊泳がきわめて明確に抑制されることを観察することができた。その効果は特定の細菌に限定されず広範な細菌種において確認された。
【0010】
ラタンニン自体は過去に記述された物質であり、少なくともダイオウ属の植物中に見いだされる、縮合型タンニンの一種である。例えば他のタデ科植物など、ダイオウ属植物以外の生物にラタンニンが存在する可能性も排除されない。Nonaka et al. Chem. Pharm. Bull. 29(10) 2862-2870 (1981)は、ルバーブにおけるラタンニンの同定、その構造、およびその精製方法を記載している。Nonaka et al.に記載されているように、ラタンニンは、ルバーブ根茎試料のアセトン不溶画分からメタノール抽出を行い、そのメタノール抽出液から酢酸エチル-水で抽出を行って得た水層抽出液をSephadex LH-20カラムクロマトグラフィーに供してメタノール溶出液を得、それをさらにSephadex LH-20カラムクロマトグラフィーに供して得られるメタノール溶出液中の溶解物として得ることができる物質である。Nonaka et al.は、チオール分解法により、ラタンニンがガロイル化および非ガロイル化の(エピ)カテキン(より具体的には3-O-ガロイル-(-)-エピカテキン、(+)-カテキン等)の縮合体ポリマーであることを示している。一側面において本開示は、ラタンニンを活性成分として含む細菌鞭毛運動抑制剤を提供する。
(【0011】以降は省略されています)
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