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公開番号
2025014861
公報種別
公開特許公報(A)
公開日
2025-01-30
出願番号
2023117785
出願日
2023-07-19
発明の名称
アブラナ科植物の利用
出願人
寿本舗株式会社
代理人
弁理士法人 快友国際特許事務所
主分類
C07C
333/20 20060101AFI20250123BHJP(有機化学)
要約
【解決手段】イソチオシアネート化合物とチオール基含有化合物とが、ジチオカルバメート構造により結合した結合体を製造する方法において、アブラナ科植物の植物個体又はその一部の破砕物とチオール基含有化合物とを含有する懸濁液又はこの懸濁液を固液分離して得られる反応用混合液を準備する準備工程と、反応用混合液においてイソチオシアネート-チオール基含有化合物結合体を生成させる生成工程と、を備えるようにする。こうすることで、イソチオシアネート-チオール基含有化合物結合体を効率的に取得できる。
【選択図】なし
特許請求の範囲
【請求項1】
イソチオシアネート化合物とチオール基含有化合物とが、ジチオカルバメート構造により結合した結合体の製造方法であって、
アブラナ科植物の植物個体又はその一部の破砕物と前記チオール基含有化合物とを含有する懸濁液又はこの懸濁液を固液分離して得られる反応用混合液を準備する準備工程と、
前記反応用混合液においてイソチオシアネート-チオール基含有化合物結合体を生成させる生成工程と、
を備える、方法。
続きを表示(約 660 文字)
【請求項2】
前記準備工程は、前記チオール基含有化合物の存在下で前記アブラナ科植物の植物個体又はその一部を破砕して前記懸濁液を得ることを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記チオール基含有化合物は、システイン、グルタチオン及びγ-グルタミルシステインからなる群から選択される1種又は2種以上の化合物である、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記準備工程は、前記チオール基含有化合物を含有する酵母エキスを用いる、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
前記生成工程を、1℃以上50℃以下で行う、請求項1に記載の方法。
【請求項6】
前記アブラナ科植物は、アブラナ科アブラナ属植物及びアブラナ科ワサビ属植物から選択される、請求項1に記載の方法。
【請求項7】
前記アブラナ科植物は、Brassica oleraceaである、請求項6に記載の方法。
【請求項8】
前記アブラナ科植物の一部は、Brassica oleraceaの葉及び/又は茎である、請求項7に記載の方法。
【請求項9】
前記アブラナ科植物は、Eutrema japonicumである、請求項1に記載の方法。
【請求項10】
前記アブラナ科植物の一部は、Eutrema japonicumの葉、花、葉柄及び根からなる群から選択される1種又は2種以上である、請求項9に記載の方法。
(【請求項11】以降は省略されています)
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本明細書は、アブラナ科植物の利用に関する。
続きを表示(約 1,300 文字)
【背景技術】
【0002】
ブロッコリー、ワサビなどのアブラナ科植物は、食用植物として有用である。また、アブラナ科植物は、解毒作用、免疫賦活化などを惹起するイソチオシアネート化合物の前駆体であるグルコシノレートを含有することが知られている。グルコシノレートが、破砕などにより植物自身が保有するミロシナーゼによってグルコースを解離させてイソチオシアネート化合物に変換される。
【0003】
イソチオシアネートは、不安定な化合物である。ここで、特許文献1には、アブラナ科植物の一種であるルッコラの種子の磨砕物とシステインなどのチオール基含有化合物を含有する酵母エキスとを反応させて、イソチオシアネートとチオール基含有化合物とがジチオカルバメート構造で結合させて安定化することが記載されている。また、特許文献1には、この化合物を、B16メラノーマに供給して培養することで、この細胞内にグルタチオン生成促進効果が認められたことも記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
国際公開第2015/002279号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
イソチオシアネートは、種子に高度に含有されていることが知られているものの、種子は、繁殖材料であり、その全部が食用植物を栽培するための有用な資源である。
【0006】
特許文献1では、ルッコラ種子を磨砕した後、これに水を加え、さらに、酵母エキス粉末又は酵母エキス溶液を加えて、25℃で3時間静置して、エルシン-チオール基含有化合物結合体を生成させることが記載されている。
【0007】
しかしながら、根、茎、葉等を備えるひとまとまりを構成する植物個体に育成されたアブラナ科植物において、その一部分を破砕等してチオール基含有化合物を反応させたとしても、イソチオシアネート-チオール基含有化合物結合体が得られるかどうかを当業者といえども予測できなかった。種子を用いた反応とは、反応時の組成が異なるためである。また、こうした植物個体から効率的に結合体を生成する方法も明らかではなかった。
【0008】
一方、栽培された食用植物は、一般に、その非可食部分が廃棄されることが多いほか、需給関係によっては食用植物自体が廃棄される。これらの廃棄されている未利用資源を有効に利用するには至っていない。
【0009】
本明細書は、アブラナ科植物の未利用部分等を資源化して有効利用する技術を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明者らは、廃棄されることがあるアブラナ科植物の植物個体の未利用部分に着目した。そこで、アブラナ科植物の植物個体中のグルコシノレートをイソチオシアネート-チオール基含有化合物結合体とする方法を種々検討した結果、上記結合体を効率的に得られる方法を知得した。これにより、アブラナ科植物の未利用部分等を、機能性成分であるグルコシノレートないしイソチオシアネートとして有効に資源化できることがわかった。本明細書は、こうした知見に基づき、以下の手段を提供する。
(【0011】以降は省略されています)
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