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公開番号
2025050172
公報種別
公開特許公報(A)
公開日
2025-04-04
出願番号
2023158821
出願日
2023-09-22
発明の名称
振動抑制装置
出願人
株式会社免制震ディバイス
代理人
個人
,
個人
,
個人
,
個人
,
個人
主分類
F16F
15/023 20060101AFI20250327BHJP(機械要素または単位;機械または装置の効果的機能を生じ維持するための一般的手段)
要約
【課題】粘性体室内の圧力の過大化を防止し、シール材の損傷を防止するとともに、せん断変形の繰り返しによる粘性体のせん断抵抗の低下を抑制できる振動抑制装置を提供する。
【解決手段】本発明の振動抑制装置では、制振対象の振動に伴って発生する第1及び第2部位間の相対変位をボールねじ2のねじ軸2a及びナット2bに連結された外筒3と内筒4の相対回転に変換し、両筒3、4の間の粘性体室5に充填された粘性体VBのせん断抵抗によって、振動抑制効果が発揮される。アキュムレータ6は、粘性体室5内の圧力の一部を蓄えるための蓄圧室34と、粘性体室5及び蓄圧室34に連通する第1及び第2連通路31、32と、第1連通路31に設けられ、粘性体室5内の圧力がリリーフ圧力Prfに達したときに開弁するリリーブ弁37と、第2連通路32に設けられ、粘性体室5から蓄圧室34側への粘性体VBの流れを阻止する逆止弁38を有する。
【選択図】図1
特許請求の範囲
【請求項1】
制振対象の振動を抑制するために、振動時に相対変位する前記制振対象を含む系内の第1部位と第2部位の間に設けられる振動抑制装置であって、
前記第1部位に連結されるねじ軸、及び当該ねじ軸にボールを介して螺合し、当該ねじ軸の直線運動を回転運動に変換するナットを有するボールねじと、
外筒と、
当該外筒の内側に配置され、当該外筒との間に粘性体室を画成する内筒と、
前記粘性体室に充填された粘性体と、
前記粘性体室内に前記粘性体を密封するためのシール材と、を備え、
前記外筒及び前記内筒の一方は前記第2部位に連結され、前記外筒及び前記内筒の他方は前記ナットに連結されており、
当該振動抑制装置は、前記粘性体室内の粘性体の圧力の一部を蓄えるためのアキュムレータをさらに備え、
当該アキュムレータは、
前記粘性体室に連通するケーシングと、
当該ケーシング内に摺動自在に設けられ、当該ケーシング内の前記粘性体室側に蓄圧室を画成するピストンと、
当該ピストンを前記蓄圧室側に付勢するセットばねと、
前記粘性体室側及び前記蓄圧室に連通する、互いに並列の第1連通路及び第2連通路と、
前記第1連通路に設けられ、前記粘性体室内の圧力が所定のリリーフ圧力に達したときに開弁し、前記粘性体室内の圧力を前記蓄圧室に逃がすリリーブ弁と、
前記第2連通路に設けられ、前記粘性体室から前記蓄圧室側への粘性体の流れを阻止する逆止弁と、を有することを特徴とする振動抑制装置。
続きを表示(約 1,100 文字)
【請求項2】
前記アキュムレータが前記内筒の内部に配置されていることを特徴とする、請求項1に記載の振動抑制装置。
【請求項3】
前記第1連通路は、一端部が前記粘性体室の異なる位置に接続され、他端部が前記蓄圧室の異なる位置に接続された、互いに並列の複数の第1連通路で構成され、当該複数の第1連通路にそれぞれ前記リリーフ弁が設けられていることを特徴とする、請求項1に記載の振動抑制装置。
【請求項4】
前記シール材は、前記粘性体室の軸線方向の両端部に設けられた一対のシール材で構成され、前記複数の第1連通路は、前記一端部が前記粘性体室の前記一対のシール材に近い位置にそれぞれ接続された2つの第1連通路で構成されていることを特徴とする、請求項3に記載の振動抑制装置。
【請求項5】
前記第1連通路及び前記第2連通路は、それらの一端部において前記粘性体室の互いに異なる位置に接続されるとともに、他端部において接続された共通の第3連通路を介して、前記蓄圧室に連通していることを特徴とする、請求項1に記載の振動抑制装置。
【請求項6】
前記粘性体室内の粘性体に所定の初期圧力を付与するための加圧機構をさらに備えることを特徴とする、請求項1に記載の振動抑制装置。
【請求項7】
前記第1連通路の前記リリーフ弁よりも下流側に設けられ、前記粘性体室から流入した前記粘性体を一時的に貯留する貯留室をさらに備えることを特徴とする、請求項1に記載の振動抑制装置。
【請求項8】
前記アキュムレータは、前記ケーシング内に固定され、前記ケーシング内を、前記蓄圧室を含み且つ前記ピストン及び前記セットばねが設けられる第1空間と前記粘性体室側の第2空間に仕切る中間壁と、前記第2空間内に摺動自在に設けられ、当該第2空間を前記粘性体室に連通する第1流体室と前記中間壁側の第2流体室に区画する第2ピストンと、を有し、
前記第1流体室には前記粘性体が充填され、前記第2流体室及び前記蓄圧室には前記粘性体よりも粘度が低い作動油が充填されており、
前記第1及び第2連通路は、前記中間壁を貫通し、前記第2流体室及び前記蓄圧室に連通するように形成され、前記リリーフ弁及び前記逆止弁はそれぞれ、前記第1及び第2連通路に設けられていることを特徴とする、請求項1又は2に記載の振動抑制装置。
【請求項9】
前記リリーフ弁の前記リリーフ圧力は、前記シール材の許容圧力以下に設定されていることを特徴とする、請求項1に記載の振動抑制装置。
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、ボールねじにより直線運動を回転運動に変換し、粘性体のせん断抵抗による粘性減衰効果によって、構造物や車両などの制振対象の振動を抑制する振動抑制装置に関する。
続きを表示(約 2,500 文字)
【背景技術】
【0002】
従来のこの種の振動抑制装置として、例えば特許文献1に開示されたものが知られている。この振動抑制装置は、ボールねじを利用した粘性ダンパであり、回転不能の外筒と、外筒の内側に配置され、外筒との間に環状の粘性体室を画成する回転自在の内筒と、ねじ軸、及びねじ軸にボールを介して螺合し、内筒に固定されたナットを有するボールねじと、粘性体室に充填された、シリコンオイルなどから成る粘性体と、粘性体室の軸線方向の両端部に配置され、粘性体を密封するためのシール材を備える。また、粘性体室には、空気層を有するバッファが接続されている。以上の構成の粘性ダンパにおいて、例えば、外筒は、制振対象としての建物に連結され、ねじ軸は、建物を支持する基盤に連結されている。
【0003】
この構成では、例えば地震の発生に伴って建物が振動すると、建物と基盤との相対変位がボールねじに伝達され、ねじ軸の直線運動がナットの回転運動に変換されることによって、内筒が回転し、外筒との間の粘性体室に充填された粘性体のせん断抵抗によって、建物の振動を抑制する振動抑制効果が発揮される。また、粘性体の温度変化に伴う膨張収縮による圧力変化がバッファによって吸収され、シール材の損傷などの悪影響が回避される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
特開2012-132479号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上述した従来の粘性ダンパでは、粘性体がせん断変形する際、振動エネルギが熱エネルギに変換されるため、振動が進むにつれて粘性体の温度が上昇する。このため、振動の速度が想定以上(例えば1.5m/s以上)になった場合や、振動の繰り返しによる累積変位量が想定以上(例えば50m以上)になった場合には、粘性体の温度及び圧力の上昇が過大になり、バッファでは十分に吸収できないおそれがある。その場合には、過大な粘性体の圧力がシール材の許容圧力を超える結果、シール材が損傷し、粘性体が粘性体室から漏れ出るおそれがある。
【0006】
また、シリコンオイルなどの粘性体のせん断抵抗は、せん断変形が繰り返されるのに応じて低下するという特性がある。これは、シリコンオイルなどが高分子材料であることに起因するものであり、せん断変形の繰り返しにより高分子鎖の絡み合いがほぐれるためである。このため、長周期地震動のように長時間、粘性体がせん断変形する場合には、粘性ダンパの性能が低下してしまい、振動抑制効果を十分に発揮できないおそれがある。
【0007】
本発明は、以上のような課題を解決するためになされたものであり、想定を超える地震動に対しても、粘性体室内の圧力の過大化を防止することによって、粘性体室のシール材の損傷を防止するとともに、せん断変形の繰り返しによる粘性体のせん断抵抗の低下を抑制し、振動抑制効果を良好に維持することができる振動抑制装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
この目的を達成するために、請求項1に係る発明は、制振対象の振動を抑制するために、振動時に相対変位する制振対象を含む系内の第1部位と第2部位の間に設けられる振動抑制装置であって、第1部位に連結されるねじ軸、及びねじ軸にボールを介して螺合し、ねじ軸の直線運動を回転運動に変換するナットを有するボールねじと、外筒と、外筒の内側に配置され、外筒との間に粘性体室を画成する内筒と、粘性体室に充填された粘性体と、粘性体室内に粘性体を密封するためのシール材と、を備え、外筒及び内筒の一方は第2部位に連結され、外筒及び内筒の他方はナットに連結されており、振動抑制装置は、粘性体室内の粘性体の圧力の一部を蓄えるためのアキュムレータをさらに備え、アキュムレータは、粘性体室に連通するケーシングと、ケーシング内に摺動自在に設けられ、ケーシング内の粘性体室側に蓄圧室を画成するピストンと、ピストンを蓄圧室側に付勢するセットばねと、粘性体室側及び蓄圧室に連通する、互いに並列の第1連通路及び第2連通路と、第1連通路に設けられ、粘性体室内の圧力が所定のリリーフ圧力に達したときに開弁し、粘性体室内の圧力を蓄圧室に逃がすリリーフ弁と、第2連通路に設けられ、粘性体室から蓄圧室側への粘性体の流れを阻止する逆止弁と、を有することを特徴とする。
【0009】
本発明の振動抑制装置は、ボールねじを用いた粘性ダンパで構成されており、構造物や車両などの制振対象を含む系内の第1部位と第2部位の間に設けられる。制振対象が振動すると、第1及び第2部位の間の相対変位が、ボールねじのねじ軸と外筒及び内筒の一方(例えば外筒)との間に伝達され、ボールねじで回転運動に変換されることによって、ボールねじのナットとこれに連結された外筒及び内筒の一方(例えば内筒)が外筒に対して回転する。それにより、外筒と内筒の間の粘性体室に充填された粘性体のせん断抵抗による粘性減衰効果によって、制振対象の振動を抑制する振動抑制効果が発揮される。
【0010】
また、例えば長周期地震動入力に対する制振対象の応答に伴い、振動抑制装置が長時間、作動すると、粘性体のせん断変形が繰り返される結果、粘性体の温度が上昇し、その温度膨張によって粘性体室内の圧力が上昇する。この粘性体室内の圧力が第1連通路に設けられたリリーフ弁のリリーフ圧力に達するまでは、リリーフ弁が閉弁状態に保たれることで、粘性体室内はそれまでに上昇した高い圧力状態に維持される。これにより、繰り返し変形時における、粘性体を構成する高分子鎖の絡み合いのほぐれを抑制し、粘性体のせん断抵抗の低下を抑制することによって、振動抑制効果を良好に維持することができる。
(【0011】以降は省略されています)
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