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公開番号2025047567
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-04-03
出願番号2023156122
出願日2023-09-21
発明の名称制振構造
出願人清水建設株式会社
代理人個人,個人,個人
主分類E04H 9/02 20060101AFI20250326BHJP(建築物)
要約【課題】連結部の過大な変形を抑制できるとともに、地震荷重や風荷重が作用した場合に応答を低減できる制振構造を提供する。
【解決手段】下部構造2と上部構造3とを連結する連結部4を有し、連結部4には、下部構造2と上部構造3とを水平方向に相対変位可能に連結する免震支承41と、下部構造2と上部構造3とに接続され、下部構造2と上部構造3との相対加速度に比例して反力を生じる回転慣性質量ダンパー5と、回転慣性質量ダンパー5を可動状態と不動状態とに切り替える切替部と、が設けられ、連結部4の2次剛性は、初期状態では、下部構造2と上部構造3とが同調する最適剛性よりも高い値に設定され、下部構造2と上部構造3との相対加速度が所定値を超えるまたは所定値以上の動的な状態となると、回転慣性質量ダンパー5が生じる反力によって初期状態よりも最適剛性に近づくように設定されている。
【選択図】図1


特許請求の範囲【請求項1】
構造物における下側の下部構造と、
前記構造物における前記下部構造よりも上部側の上部構造と、
前記下部構造と前記上部構造と、を連結する連結部と、を有し、
前記連結部には、
前記下部構造と前記上部構造とを水平方向に相対変位可能に連結する免震支承と、
前記下部構造と前記上部構造とに接続され、前記下部構造と前記上部構造との相対加速度に比例して反力を生じる回転慣性質量ダンパーと、
前記回転慣性質量ダンパーを可動状態と不動状態とに切り替える切替部と、が設けられ、
前記連結部の2次剛性は、
初期状態では、前記下部構造と前記上部構造とが同調する最適剛性よりも高い値に設定され、
前記下部構造と前記上部構造との相対加速度が所定値を超えるまたは所定値以上の動的な状態となると、前記回転慣性質量ダンパーが生じる反力によって前記初期状態よりも前記最適剛性に近づくように設定されている制振構造。
続きを表示(約 520 文字)【請求項2】
前記回転慣性質量ダンパーは、
前記下部構造と前記上部構造との水平方向の相対変位によって回転し慣性質量が生じる回転錘と、
前記下部構造および前記上部構造のいずれか一方に連結され、作動油が封入されたシリンダと、
前記下部構造および前記上部構造の他方に連結され、前記シリンダ内に進退可能に挿入されたピストンロッドと、
前記ピストンロッドに取り付けられ、前記シリンダを2つの油室に区画するピストンと、
前記回転錘に同軸に連結されるとともに、前記2つの油室それぞれに連結管を介して連結され、前記連結管を流れる前記作動油の油圧によって回転する油圧モーターと、を有する請求項1に記載の制振構造。
【請求項3】
前記切替部は、前記連結管の開放および閉鎖を切り替え可能な電磁弁である請求項2に記載の制振構造。
【請求項4】
前記ピストンおよび前記連結管のいずれかには、リリーフ弁が設けられている請求項2または3に記載の制振構造。
【請求項5】
前記回転慣性質量ダンパーは、前記連結部の残留変形を復元させる復元機構を有する請求項1に記載の制振構造。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、制振構造に関する。
続きを表示(約 2,500 文字)【背景技術】
【0002】
近年、建物の上層階に積層ゴム支承やダンパー等で構成される連結部(免震層)を設け、地震や強風時に連結部よりも上方の上部構造と、連結部よりも下方の下部構造とをTMD(動吸振器)のように同調させることにより、建物全体の揺れを抑制する制振構造(ビルディングマスダンパー)が実用化されている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
特開2022-127169号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ビルディングマスダンパーは、風荷重が作用した場合にも連結部に変形が生じるため、その残留変形の復帰を行う必要がある。ビルディングマスダンパーは、下部構造と上部構造とが同調するように、連結部に定点理論に基づく最適剛性を採用すると、極めて稀に発生するような強風時に、風荷重の静的成分だけで連結部が1m程度変形する虞がある。連結部が1m程度変形すると、連結部を貫通するエレベーターの安全の確保が困難な場合がある。また、連結部に積層ゴム支承が設けられている場合は、連結部が1m程度変形すると、積層ゴムが損傷する虞がある。このため、ビルディングマスダンパーでは、TMDとしての最適剛性から3、4倍高い剛性を連結部に付与し、連結部の過大な変形を抑制している。しかしながら、連結部にTMDとしての最適剛性から3、4倍高い剛性が付与されたビルディングマスダンパーは、連結部に最適剛性を採用した場合よりも応答低減効果が減少する。
【0005】
連結部には、鉛プラグ入り積層ゴム支承や鋼材系のダンパーを併用することが多い。大地震や強風が作用して連結部が大きく変形すると、鉛プラグ入り積層ゴム支承や鋼材系のダンパーが塑性化してエネルギー吸収するが、大地震や強風が収まった後に、残留変形が生じる可能性がある。連結部に残留変形が生じると、連結部を貫通するエレベーターの運行に支障が出る虞がある。
【0006】
そこで、本発明は、連結部の過大な変形を抑制できるとともに、地震荷重や風荷重が作用した場合に応答を低減できる制振構造を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するため、本発明に係る制振構造は、構造物における下側の下部構造と、前記構造物における前記下部構造よりも上部側の上部構造と、前記下部構造と前記上部構造と、を連結する連結部と、を有し、前記連結部には、前記下部構造と前記上部構造とを水平方向に相対変位可能に連結する免震支承と、前記下部構造と前記上部構造とに接続され、前記下部構造と前記上部構造との相対加速度に比例して反力を生じる回転慣性質量ダンパーと、前記回転慣性質量ダンパーを可動状態と不動状態とに切り替える切替部と、が設けられ、前記連結部の2次剛性は、初期状態では、前記下部構造と前記上部構造とが同調する最適剛性よりも高い値に設定され、前記下部構造と前記上部構造との相対加速度が所定値を超えるまたは所定値以上の動的な状態となると、前記回転慣性質量ダンパーが生じる反力によって前記初期状態よりも前記最適剛性に近づくように設定されている。
【0008】
回転慣性質量ダンパーは、下部構造と上部構造との相対加速度に比例して反力を生じるため、外力が短い時間で変化し相対加速度が所定値を超える風荷重の動的成分や地震荷重に対しては、反力が生じるが、外力がほぼ一定で相対加速度が微少な風荷重の静的成分に対しては、反力を生じない、またはほとんど反力を生じない。
このため、本発明では、上部構造に風荷重の静的な成分が作用する静的な状態では、連結部の2次剛性が下部構造と上部構造とが同調する最適剛性よりも高い値となり、連結部の変形を抑制でき、上部構造に風荷重の動的な成分や地震荷重が作用する動的な状態では、回転慣性質量ダンパーが生じる反力によって連結部の2次剛性が下部構造と上部構造とが同調する最適剛性に近づくため、上部構造と下部構造とを同調させて、構造物の応答を低減できる。
また、本発明では、回転慣性質量ダンパーを可動状態と不動状態とに切り替える切替部を有している。このため、例えば、風荷重が作用して動的な状態になる場合でも、回転慣性質量ダンパーを不動状態にして、連結部の2次剛性を初期状態と同じ下部構造と上部構造とが同調する最適剛性よりも高い値に維持でき、連結部の変形を抑制できる。このようにすることによって、例えば、連結部を貫通してエレベーターが設けられている場合に、強風時に切替部で回転慣性質量ダンパーを不動状態に切り替えて、連結部の変形を抑制できるため、強風時にエレベーターの運行が停止することを防止できる。切替部は、下部構造と上部構造との相対変位を拘束する耐風ロックとして使用できる。
【0009】
また、本発明に係る制振構造では、前記回転慣性質量ダンパーは、 前記下部構造と前記上部構造との水平方向の相対変位によって回転し慣性質量が生じる回転錘と、前記下部構造および前記上部構造のいずれか一方に連結され、作動油が封入されたシリンダと、前記下部構造および前記上部構造の他方に連結され、前記シリンダ内に進退可能に挿入されたピストンロッドと、前記ピストンロッドに取り付けられ、前記シリンダを2つの油室に区画するピストンと、前記回転錘に同軸に連結されるとともに、前記2つの油室それぞれに連結管を介して連結され、前記連結管を流れる前記作動油の油圧によって回転する油圧モーターと、を有していてもよい。
【0010】
このような構成とすることにより、回転慣性質量ダンパーの回転錘を大きくせずとも油圧モーターで回転を増幅させることができるため、回転錘が回転することによって生じる慣性質量を大きくできる。
(【0011】以降は省略されています)

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