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公開番号2025036034
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-03-14
出願番号2024035538
出願日2024-03-08
発明の名称ブレース取付金具
出願人日軽パネルシステム株式会社
代理人個人
主分類E04B 9/18 20060101AFI20250306BHJP(建築物)
要約【課題】補強強度を向上させることができ、かつ躯体に吊り下げられた吊り天井に組み付け可能なブレース取付金具を提供する。
【解決手段】躯体3から垂下した支持部材4によって吊り下げられた吊り天井の補強部材であるブレース2の一方の端部を躯体3に取り付けるブレース取付金具1であって、躯体3に固定される所定の長さを有する固定部10と、固定部10の幅方向における両側から垂下した側壁部11,12とを有するベース部材7と、ベース部材7に回動可能に連結されかつブレース2の一方の端部に固定される接続部材9とを備え、固定部10は、長手方向における一方の端部に開口しかつ支持部材4が挿入される切欠き部16を有している。
【選択図】図1
特許請求の範囲【請求項１】
躯体から垂下した支持部材によって吊り下げられた吊り天井の補強部材であるブレースの一方の端部を前記躯体に取り付けるブレース取付金具であって、
前記躯体に固定される所定の長さを有する固定部と、前記固定部の幅方向における両側から垂下した側壁部とを有するベース部材と、
前記ベース部材に回動可能に連結されかつ前記ブレースの一方の端部に固定される接続部材とを備え、
前記固定部は、長手方向における一方の端部に開口しかつ前記支持部材が挿入される切欠き部を有している
ことを特徴とするブレース取付金具。
続きを表示（約 1,200 文字）【請求項２】
請求項１に記載のブレース取付金具であって、
前記切欠き部は、前記固定部の一方の端部から所定の長さを有する挿入部と、前記挿入部の端部から前記固定部の幅方向に形成されたガイド部とによって構成されている
ことを特徴とするブレース取付金具。
【請求項３】
請求項１または２に記載のブレース取付金具であって、
前記切欠き部の端部に位置した前記支持部材を前記切欠き部との間で挟み付ける押え部材を更に備えている
ことを特徴とするブレース取付金具。
【請求項４】
請求項３に記載のブレース取付金具であって、
前記押え部材は、一方の端部に開口した押え切欠き部を備え、
前記押え部材は、前記切欠き部と前記押え切欠き部との間で前記支持部材を挟み付けるように構成されている
ことを特徴とするブレース取付金具。
【請求項５】
請求項３に記載のブレース取付金具であって、
前記押え部材は、前記ベース部材における前記側壁部を挟み付ける押え側壁部を更に備えている
ことを特徴とするブレース取付金具。
【請求項６】
請求項３に記載のブレース取付金具であって、
前記ベース部材における前記側壁部には、長手方向に向けて所定長さのスリットが形成され、
前記押え部材は、前記スリットに挿入されかつ鉛直方向で係合する係止部を備えている
ことを特徴とするブレース取付金具。
【請求項７】
請求項１に記載のブレース取付金具であって、
前記接続部材の一方の端部は、互いに対向した前記側壁部の間に介在し、
前記側壁部は、貫通孔を有し、
前記側壁部のうちの一方側から挿入しかつ前記側壁部のうちの他方側から突出するボルトと、
前記側壁部の他方側から突出した前記ボルトの先端に螺合するナットとを備えている
ことを特徴とするブレース取付金具。
【請求項８】
請求項７に記載のブレース取付金具であって、
互いに対向した前記側壁部の間に前記ボルトが貫通する筒状部材を備えている
ことを特徴とするブレース取付金具。
【請求項９】
請求項１に記載のブレース取付金具であって、
前記ブレースの長手方向における中心線と、前記ベース部材および前記接続部材の長手方向における中心線とが一致している
ことを特徴とするブレース取付金具。
【請求項１０】
請求項１に記載のブレース取付金具であって、
前記ベース部材は、前記支持部材に螺合したナット、または前記躯体から突出したボルトに螺合したナットによって、前記固定部を前記躯体との間で挟み付けられて固定され、
前記固定部の曲げ剛性を向上させる座金が、前記ナットと前記固定部との間に介在して設けられている
ことを特徴とするブレース取付金具。
（【請求項１１】以降は省略されています）
発明の詳細な説明【技術分野】
【０００１】
この発明は、ブレース取付金具に関するもので、詳細には、躯体から吊られた吊り天井の支持強度を向上させるブレース部材を、躯体に取り付ける金具に関するものである。
続きを表示（約 2,300 文字）【背景技術】
【０００２】
従来、水平方向に所定の間隔を空けて平行に配置された複数の野縁と、水平方向で野縁に直交するように配置された野縁受けとにパネルを固定した天井を、躯体に固定されると共に躯体から垂下して設けられた吊りボルトに固定することにより、天井を吊り下げた吊り天井が知られている。このような吊り天井は、水平方向の拘束力が小さいため、地震時に横揺れする。そのため、特許文献１や特許文献２には、吊り天井の横揺れを抑制するために、躯体や吊りボルトと、野縁、野縁受け、あるいはパネルとを鉛直方向に対して傾斜したブレースによって固定している。
【０００３】
また、特許文献１には、ブレースの組み付け作業性を向上させるために、ブレースの傾斜角度を変更することができる上部金具を介して、ブレースを躯体に固定している。具体的には、上部金具は、躯体に固定される固定プレートと、その固定プレートから垂下して設けられ互いに対向して配置された一対の支持プレートと、ブレースの上端部が連結されかつ支持プレートに回動可能に支持された連結軸とによって構成されている。そして、躯体に固定された上部金具にブレースの上端部を連結した後に、野縁および野縁受けに固定された下部金具にブレースの下端部を連結するように構成されている。なお、下部金具には、吊りボルトの下端部が連結されている。
【０００４】
特許文献２には、躯体に天井を吊った状態で、ブレースを組み付けるように構成された上部金具が記載されている。この上部金具は、コ字状の第１分割体と第２分割体とをビス留めすることにより構成されていて、第１分割体には、幅方向の一方側から吊りボルトが挿入されるように幅方向の外側に開口したＵ字状の切欠き部が形成され、第２分割体には、長手方向の先端側に開口したＵ字状の切欠き部が形成されている。また、第１分割体における上面と下面とが水平に形成され、その上面と下面とを連結する側壁面が円弧状に形成されていて、その側壁面に鉛直方向に所定の長さを有する長孔が形成されている。そして、側壁面の内側に、雌ねじ部を有する座板が側壁面に沿って移動可能に設けられていて、その座板の雌ねじ部に、ブレースの上端に設けられた上部螺軸が螺着するように構成されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【０００５】
特許第６４９４４０１号公報
特許第６３２９３８１号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【０００６】
特許文献１に記載された上部金具は、ブレースの上端部が連結された連結軸が、支持プレートに回動可能に支持されているため、ブレースの傾斜角度を変更することができ、ブレースの取付位置の制約を解消することができる。その反面、上部金具を既設された吊りボルトの上部近傍に取り付ける場合には、上部金具と吊りボルトとの干渉を避けるために、不可避的に吊りボルトの上端部とブレースの上端部とが離隔することになる。すなわち、既設された吊りボルトの上端部の近傍に上部金具を取り付けることができない懸念がある。
【０００７】
また、水平方向の一方側に延出した梁材から吊りボルトを垂下して設けている場合には、吊り天井の横揺れを抑制するためのブレースは、水平方向において梁材の長手方向に直交するように取り付けられる。すなわち、躯体としての梁材の幅の範囲内に吊りボルトおよび上部金具を並んで取り付けることになるため、上部金具の取り付け面積が小さい。したがって、上部金具を吊りボルトの近傍に取り付けることができない場合には、躯体に上部金具を固定すること、より具体的には、ブレースの上端部を固定することができない懸念がある。
【０００８】
また、特許文献２に記載された上部金具は、第１分割体と第２分割体とをビス留めして一体化させ、その状態で躯体に固定することになるため、躯体にブレースを組み付ける際の作業性が低下する懸念がある。さらに、特許文献２に記載された上部金具は、第１分割体の幅方向における一方側から吊りボルトを挿入するように、幅方向の外側に開口したＵ字状の切欠き部が形成されているため、第１分割体における幅方向の外縁から垂下した側壁面を形成することができず、またはそのような側壁面を形成した場合であっても、その側壁面の一部に切欠き部を形成することになる。そのため、第１分割体の長手方向における強度を向上させることができず、吊り天井の横揺れを抑制する機能を向上させるために技術的な課題がある。
【０００９】
この発明は、上記事情に鑑みてなされたもので、補強強度を向上させることができ、かつ躯体に吊り下げられた吊り天井に組み付け可能なブレース取付金具を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【００１０】
上記課題を解決するために、この発明に係るブレース取付金具は、躯体から垂下した支持部材によって吊り下げられた吊り天井の補強部材であるブレースの一方の端部を前記躯体に取り付けるブレース取付金具であって、前記躯体に固定される所定の長さを有する固定部と、前記固定部の幅方向における両側から垂下した側壁部とを有するベース部材と、前記ベース部材に回動可能に連結されかつ前記ブレースの一方の端部に固定される接続部材とを備え、前記固定部は、長手方向における一方の端部に開口しかつ前記支持部材が挿入される切欠き部を有していることを特徴とする（請求項１）。
（【００１１】以降は省略されています）

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