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公開番号2025033681
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-03-13
出願番号2023139570
出願日2023-08-30
発明の名称数値制御装置、制御方法、及びプログラム
出願人ブラザー工業株式会社
代理人個人,個人
主分類B23Q 3/155 20060101AFI20250306BHJP(工作機械;他に分類されない金属加工)
要約【課題】積載条件が変更された場合に、その変更された積載条件に応じた時定数を自動で推定して工具マガジンの旋回動作に反映できる数値制御装置、制御方法、及びプログラムを提供する。
【解決手段】制御部は積載条件に応じて演算した時定数T1で工具マガジンの旋回動作を行う。制御部は工具の積載状況の変化により積載条件に変更があったか判断する(S11~S13)。積載条件に変更があった場合(S11:YES、S12:YES、S13:YES)、制御部は旋回動作時における時定数を基準時定数tbに変更する。基準時定数tbはマガジンモータが出力可能な最大トルクを超えることなく動作できる時定数である。制御部はNCプログラム実行中に旋回動作を基準時定数tbで実行した結果に基づき、工具マガジンのイナーシャと偏荷重を推定し、推定結果を記憶部に記憶された積載条件に反映させる。
【選択図】図8
特許請求の範囲【請求項1】
工具を積載可能であり、モータの駆動によって旋回動作することにより前記工具を所定位置へ搬送する工具マガジンを備える工作機械に対し、前記モータへの指令を出力する数値制御装置であって、
前記工具マガジンの旋回軸回りのイナーシャと偏荷重によって規定される積載条件を記憶する記憶部と、
前記記憶部に記憶された前記積載条件に応じて前記工具マガジンの前記旋回動作時における前記モータの加減速の時定数を演算する演算部と、
前記演算部が演算した前記時定数で前記工具マガジンの前記旋回動作を実行する旋回実行部と、
前記積載条件に変更があったか判断する変更判断部と、
前記変更判断部が前記積載条件に変更があったと判断した場合、前記旋回動作時における前記時定数を、前記工具マガジンにおける前記工具の積載状態が基準積載状態の場合において前記モータが動作できる基準時定数に変更する変更部と、
NCプログラム実行中において前記旋回動作を前記基準時定数で実行した結果に基づき、前記工具マガジンの前記イナーシャと前記偏荷重を推定する推定部と、
前記推定部の推定結果を前記記憶部に記憶された前記積載条件に反映させる反映部と
を備えたことを特徴とする数値制御装置。
続きを表示(約 2,000 文字)【請求項2】
複数のステップからなり、前記工具マガジンを旋回動作させて前記所定位置へ搬送した前記工具を前記工作機械の主軸に装着するATC動作を手動運転で1ステップ毎に実行する工具交換単動を実行したか判断する第1判断部を備え、
前記変更判断部は、前記第1判断部が前記工具交換単動を実行したと判断した場合、前記積載条件に変更があったと判断すること
を特徴とする請求項1に記載の数値制御装置。
【請求項3】
前記ATC動作は、
前記主軸を前記工作機械の加工領域から前記主軸に平行なZ軸方向のZ軸原点に移動する第1動作と、
前記第1動作後、前記主軸を前記Z軸原点から前記Z軸方向に沿って前記加工領域とは反対側のATC領域のATC原点まで移動させる第2動作と、
前記第2動作後、前記工具マガジンを前記旋回軸回りに旋回動作させ、所定の工具を前記主軸と相対する工具交換位置に割出す第3動作と、
前記第3動作後、前記主軸を前記ATC原点から前記Z軸方向に沿って移動させ、前記工具交換位置に割出した前記所定の工具を前記主軸に装着し、前記Z軸原点まで移動させる第4動作と
を備え、
前記第1判断部は、前記工具交換単動のうち前記第2動作、前記第3動作、及び前記第4動作が実行されたか判断すること
を特徴とする請求項2に記載の数値制御装置。
【請求項4】
NCプログラムを構成する1行ずつの指令で前記工作機械を動作させるMDI運転において、前記工具マガジンを旋回動作させて前記所定位置へ搬送した前記工具を前記工作機械の主軸に装着するATC動作を実行したか判断する第2判断部を備え、
前記変更判断部は、前記第2判断部が前記MDI運転において前記ATC動作を実行したと判断した場合、前記積載条件に変更があったと判断すること
を特徴とする請求項1に記載の数値制御装置。
【請求項5】
前記工具マガジンの操作を受け付けて実行可能な工具アプリにおいて、前記工具マガジンを特定の位置に割り出す割り出し動作を実行したか判断する第3判断部を備え、
前記変更判断部は、前記第3判断部が前記割り出し動作を実行したと判断した場合、前記積載条件に変更があったと判断すること
を特徴とする請求項1に記載の数値制御装置。
【請求項6】
前記工具マガジンの外周部に設けられる複数のポットの夫々に割り当てる前記工具の情報である割り当て情報を記憶する割り当て情報記憶部と、
前記割り当て情報記憶部に記憶された前記割り当て情報が変更されたか判断する第4判断部と
を備え、
前記変更判断部は、前記第4判断部が前記割り当て情報は変更されたと判断した場合、前記積載条件に変更があったと判断すること
を特徴とする請求項1に記載の数値制御装置。
【請求項7】
前記工具マガジンの外周部に設けられる複数のポットの夫々に割り当てられた前記工具の情報である工具情報を記憶する工具情報記憶部を備え、
前記工具情報記憶部に記憶された前記工具情報が変更されたか判断する第5判断部を備え、
前記変更判断部は、前記第5判断部が前記工具情報は変更されたと判断した場合、前記積載条件に変更があったと判断すること
を特徴とする請求項1に記載の数値制御装置。
【請求項8】
前記推定部は、前記NCプログラム実行中において、前記旋回実行部により前記時定数で前記工具マガジンを旋回動作させて、前記所定位置へ搬送した前記工具を前記工作機械の主軸に装着するATC動作を実行した結果に基づき前記イナーシャと前記偏荷重を推定すること
を特徴とする請求項1に記載の数値制御装置。
【請求項9】
前記NCプログラム実行中に前記旋回実行部により前記ATC動作を実行した際、前記NCプログラム内において前記工具マガジンの前記旋回軸回りの累計往復移動量が第1所定量以上、若しくは累計片道移動量が第2所定量以上である推定実施条件を満たすか判断する推定実施判断部を備え、
前記推定部は、前記推定実施判断部が前記推定実施条件を満たすと判断した場合、前記ATC動作の実行結果に基づき前記イナーシャと前記偏荷重を推定すること
を特徴とする請求項8に記載の数値制御装置。
【請求項10】
前記推定部の前記推定結果の値が前記記憶部に記憶された前記積載条件の値以下か判断する推定結果判断部を備え、
前記反映部は、前記推定結果判断部が前記推定結果の値は前記記憶部に記憶された前記積載条件の値以下と判断した場合、前記推定部の前記推定結果を前記記憶部に記憶された前記積載条件に反映させること
を特徴とする請求項8に記載の数値制御装置。
(【請求項11】以降は省略されています)

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、数値制御装置、制御方法、及びプログラムに関する。
続きを表示(約 2,800 文字)【背景技術】
【0002】
工具を積載する工具マガジンを備えた工作機械において、工具マガジンの旋回軸周りのイナーシャを算出し、算出したイナーシャに応じて工具マガジンの旋回速度を変更するものが知られている。特許文献1には、ユーザの操作により工具マガジンの動作速度を調整できる工作機械が開示されている。工作機械は工具マガジンの動作速度をユーザが所望する動作速度に調整できる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
特許第6603282号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1の工作機械において、工具の付替え等によって積載条件(イナーシャと偏荷重)が変更された場合、動作速度の調整を再実施してイナーシャや偏荷重を更新する必要がある。故に頻繁に積載条件が変わるような運用をしているユーザの場合、その都度機械の操作で調整を実施する必要があり手間である。調整の再実施を忘れた場合、工作機械は誤った条件で動作してしまう可能性がある。その結果、減速機の寿命悪化やトルク不足によるエラーでプログラム動作停止を引き起こす可能性がある。
【0005】
本発明の目的は、積載条件が変更された場合に、その変更された積載条件に応じた時定数を自動で推定して工具マガジンの旋回動作に反映できる数値制御装置、制御方法、及びプログラムを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
請求項1の数値制御装置は、工具を積載可能であり、モータの駆動によって旋回動作することにより前記工具を所定位置へ搬送する工具マガジンを備える工作機械に対し、前記モータへの指令を出力する数値制御装置であって、前記工具マガジンの旋回軸回りのイナーシャと偏荷重によって規定される積載条件を記憶する記憶部と、前記記憶部に記憶された前記積載条件に応じて前記工具マガジンの前記旋回動作時における前記モータの加減速の時定数を演算する演算部と、前記演算部が演算した前記時定数で前記工具マガジンの前記旋回動作を実行する旋回実行部と、前記積載条件に変更があったか判断する変更判断部と、前記変更判断部が前記積載条件に変更があったと判断した場合、前記旋回動作時における前記時定数を、前記工具マガジンにおける前記工具の積載状態が基準積載状態の場合において前記モータが動作できる基準時定数に変更する変更部と、NCプログラム実行中において前記旋回動作を前記基準時定数で実行した結果に基づき、前記工具マガジンの前記イナーシャと前記偏荷重を推定する推定部と、前記推定部の推定結果を前記記憶部に記憶された前記積載条件に反映させる反映部とを備えたことを特徴とする。工具の積載状況の変化により、イナーシャ及び偏荷重等の積載条件に変更が生じる。数値制御装置は積載条件に変更が生じたと判断した場合、基準時定数で旋回動作を実行する。数値制御装置はその結果に基づきイナーシャと偏荷重を自動で推定し、その結果を積載条件に反映させることができる。これにより、数値制御装置は次の工具マガジンの旋回動作時において、推定結果が反映された積載条件でモータの加減速の時定数を演算する。よって、数値制御装置は工具マガジンの現在の積載条件に合わせて、工具マガジンの旋回動作時の加減速を最適に調整できる。さらに数値制御装置は、工具マガジンにおける工具付替え後の推定実施を忘れたことによる最適でない加速度での動作を防止できる。これにより数値制御装置は工作機械の故障や、モータのトルク不足によるエラーを防止できる。
【0007】
請求項2の数値制御装置は、複数のステップからなり、前記工具マガジンを旋回動作させて前記所定位置へ搬送した前記工具を前記工作機械の主軸に装着するATC動作を手動運転で1ステップ毎に実行する工具交換単動を実行したか判断する第1判断部を備え、
前記変更判断部は、前記第1判断部が前記工具交換単動を実行したと判断した場合、前記積載条件に変更があったと判断してもよい。工具交換単動が実行された場合、ユーザが工具を付替えるために操作を行った可能性が高い。よって数値制御装置は積載条件に変更があったと判断できる。
【0008】
請求項3の数値制御装置の前記ATC動作は、前記主軸を前記工作機械の加工領域から前記主軸に平行なZ軸方向のZ軸原点に移動する第1動作と、前記第1動作後、前記主軸を前記Z軸原点から前記Z軸方向に沿って前記加工領域とは反対側のATC領域のATC原点まで移動させる第2動作と、前記第2動作後、前記工具マガジンを前記旋回軸回りに旋回動作させ、所定の工具を前記主軸と相対する工具交換位置に割出す第3動作と、前記第3動作後、前記主軸を前記ATC原点から前記Z軸方向に沿って移動させ、前記工具交換位置に割出した前記所定の工具を前記主軸に装着し、前記Z軸原点まで移動させる第4動作とを備え、前記第1判断部は、前記工具交換単動のうち前記第2動作、前記第3動作、及び前記第4動作が実行されたか判断してもよい。第1動作は主軸をZ軸原点に移動させたいだけの場合でも実施される可能性がある。故に第1判断部は工具交換単動のうち第2動作、第3動作、及び第4動作が実行されたか判断する。これにより、工具交換単動のうち主軸をZ軸原点に移動させたいだけの場合を除外できるので、ユーザが工具を付替えるために行った操作を精度よく認識できる。
【0009】
請求項4の数値制御装置は、NCプログラムを構成する1行ずつの指令で前記工作機械を動作させるMDI運転において、前記工具マガジンを旋回動作させて前記所定位置へ搬送した前記工具を前記工作機械の主軸に装着するATC動作を実行したか判断する第2判断部を備え、前記変更判断部は、前記第2判断部が前記MDI運転において前記ATC動作を実行したと判断した場合、前記積載条件に変更があったと判断してもよい。MDI運転でATC動作が実行された場合、ユーザが工具を付替えるために操作を行った可能性が高い。よって数値制御装置は積載条件に変更があったと判断できる。
【0010】
請求項5の数値制御装置は、前記工具マガジンの操作を受け付けて実行可能な工具アプリにおいて、前記工具マガジンを特定の位置に割り出す割り出し動作を実行したか判断する第3判断部を備え、前記変更判断部は、前記第3判断部が前記割り出し動作を実行したと判断した場合、前記積載条件に変更があったと判断してもよい。工具アプリで旋回動作が実行された場合、ユーザが工具を付替えるために操作を行った可能性が高い。よって数値制御装置は積載条件に変更があったと判断できる。
(【0011】以降は省略されています)

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