TOP特許意匠商標
特許ウォッチ Twitter
公開番号2025031635
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-03-07
出願番号2024138896
出願日2024-08-20
発明の名称熱可塑性樹脂複合成形体の製造方法
出願人東レ・セラニーズ株式会社
代理人個人
主分類B29C 45/14 20060101AFI20250228BHJP(プラスチックの加工;可塑状態の物質の加工一般)
要約【課題】異種材料間の接合性が高く、長期間の環境処理後も気密性に優れた複合成形体の製造方法を提供する。
【解決手段】熱可塑性エラストマー樹脂組成物(Y)が、結晶性芳香族ポリエステル単位および脂肪族ポリエーテル単位および/または脂肪族ポリエステル単位を含有し、融点が210℃未満のポリエステルブロック共重合体66~98.98質量%、ポリビニルアルコール樹脂1~30質量%、シランカップリング剤と酸化防止剤を含有し、工程A:成形する金型に金属部材(Z)をインサートし、金型に熱可塑性エラストマー樹脂組成物(Y)を射出成形して被う工程、工程B:工程Aで得た成形品を金型にインサートし、金型に熱可塑性樹脂(X)を射出成形して熱可塑性樹脂(X)で被う工程、工程C:工程Bで得た成形品を、熱可塑性エラストマー樹脂組成物(Y)の融点+21℃~融点+50℃で加熱処理を行う工程、を有する熱可塑性樹脂複合成形体の製造方法。
【選択図】なし
特許請求の範囲【請求項1】
金属部材(Z)と熱可塑性樹脂(X)との間に、熱可塑性エラストマー樹脂組成物(Y)が、金属部材(Z)の少なくとも一部において全周を被った形状で介在した熱可塑性樹脂複合成形体の製造方法であって、熱可塑性エラストマー樹脂組成物(Y)が、結晶性芳香族ポリエステル単位からなるハードセグメント(a1)、および、脂肪族ポリエーテル単位および/または脂肪族ポリエステル単位からなるソフトセグメント(a2)を含有し、融点が210℃未満のポリエステルブロック共重合体(A)66~98.98質量%、ポリビニルアルコール樹脂(B)1~30質量%、シランカップリング剤(C)0.01~5.0質量%と酸化防止剤(D)0.01~5.0質量%を含有し、
(工程A)熱可塑性エラストマー樹脂組成物(Y)が金属部材(Z)を被った成形品を成形する金型に、金属部材(Z)をインサートし、該金型に熱可塑性エラストマー樹脂組成物(Y)を射出成形し、金属部材(Z)を熱可塑性エラストマー樹脂組成物(Y)で被う工程、
(工程B)さらに(工程A)で得た成形品を成形する金型にインサートし、該金型に熱可塑性樹脂(X)を射出成形し、熱可塑性エラストマー組成物(Y)が金属部材(Z)を被った成形品を熱可塑性樹脂(X)で被う工程、
(工程C)さらに熱可塑性樹脂(X)が金属部材(Z)と熱可塑性エラストマー組成物(Y)を被った成形品を、熱可塑性エラストマー樹脂組成物(Y)の融点+21℃~融点+50℃で加熱処理を行う工程、を有する熱可塑性樹脂複合成形体の製造方法。
続きを表示(約 370 文字)【請求項2】
熱可塑性エラストマー樹脂組成物(Y)の結晶性芳香族ポリエステル単位からなるハードセグメント(a1)が、テレフタル酸および/またはジメチルテレフタレートと1,4-ブタンジオールとから誘導されるポリブチレンテレフタレート単位と、イソフタル酸および/またはジメチルイソフタレートと1,4-ブタンジオールとから誘導されるポリブチレンイソフタレート単位とからなる請求項1に記載の熱可塑性樹脂複合成形体の製造方法。
【請求項3】
熱可塑性樹脂(X)が、ポリフェニレンサルファイド樹脂、ポリエチレンテレフタレート樹脂、ポリブチレンテレフタレート樹脂、ポリカーボネート樹脂、液晶ポリエステル樹脂、ポリアミド樹脂からなる群の中から少なくとも1種の樹脂を主成分とする請求項1に記載の熱可塑性樹脂複合成形体の製造方法。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、金属部材がインサートされた熱可塑性樹脂複合成形体の製造方法に関し、特に、金属と熱可塑性樹脂との気密性に優れた熱可塑性樹脂複合成形体の製造方法を提供する。
続きを表示(約 2,500 文字)【背景技術】
【0002】
携帯電話、ノートパソコン、タブレット等に代表される携帯用電子機器においては、電子機器内部への湿気や水の浸入を防止する気密性及び防水性が必要とされている。また、自動車等の車両にも電子機器、センサー、コネクタ等が多く搭載されており、防水、防油、防塵等の気密性が必要とされている。
【0003】
携帯用電子機器においては小型・軽量化、低コスト化、形状の自由度等の点から熱可塑性樹脂が多く使用されていたが、更なる強度や剛性の向上の手法としてアルミニウム合金などの軽金属が筐体の一部の材料として使用されている。また、センサーやコネクタ類においても金属端子部と熱可塑性樹脂との界面から水、オイルが浸入することが懸念されている。
【0004】
そこで、特許文献1にはインサートされる金属表面をアルカリ性または酸性溶液で処理した後、更にシランカップリング剤で処理した金属を射出成形用金型にインサートする方法が、特許文献2には金属部材の表面に接合界面の気密性を必要とする方向と公差する方向に溝加工を施し、射出成形等で溶融した熱可塑性樹脂と接合する方法が、特許文献3にはコネクタが形成されて接合する面を粗面化、又は窒素含有化合物を吸着させて無数の凹凸又は多孔性層を形成させた面に射出成形することにより熱可塑性樹脂と一体化させる方法が提案されている。特許文献4は金属と熱可塑性樹脂組成物の間に熱可塑性エラストマー樹脂組成物を介在させることで気密性を得ることが可能な熱可塑性樹脂複合成形体が提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
特開2003-103562号公報
特開2011-240685号公報
特開2012-179709号公報
特許第6420094号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、特許文献1~3の方法ではインサート金属の表面に特別な処理を施す事になり作業が煩雑で生産性が低いばかりか、接触面積を大きくするのみで気密性を十分に得る事は不可能といった課題があった。また、特許文献4では金属表面に特別な処理を施す必要がなく、短期間の環境処理後も安定した気密性を得ることが可能であることが示されている。
【0007】
本発明は、上述した従来技術における問題点の解決を課題として鋭意検討した結果達成されたものである。すなわち、本発明は、インサート金属の表面に特別な処理を必要とせずに異種材料間の接合性が高く、より長期間の環境処理後も気密性に優れた、熱可塑性樹脂複合成形体の製造方法を提供することを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
即ち、本発明によれば[1]~[3]を構成するものである。
[1] 金属部材(Z)と熱可塑性樹脂(X)との間に、熱可塑性エラストマー樹脂組成物(Y)が、金属部材(Z)の少なくとも一部において全周を被った形状で介在した熱可塑性樹脂複合成形体の製造方法であって、熱可塑性エラストマー樹脂組成物(Y)が、結晶性芳香族ポリエステル単位からなるハードセグメント(a1)、および、脂肪族ポリエーテル単位および/または脂肪族ポリエステル単位からなるソフトセグメント(a2)を含有し、融点が210℃未満のポリエステルブロック共重合体(A)66~98.98質量%、ポリビニルアルコール樹脂(B)1~30質量%、シランカップリング剤(C)0.01~5.0質量%と酸化防止剤(D)0.01~5.0質量%を含有し、
(工程A)熱可塑性エラストマー樹脂組成物(Y)が金属部材(Z)を被った成形品を成形する金型に、金属部材(Z)をインサートし、該金型に熱可塑性エラストマー樹脂組成物(Y)を射出成形し、金属部材(Z)を熱可塑性エラストマー樹脂組成物(Y)で被う工程、
(工程B)さらに(工程A)で得た成形品を熱可塑性樹脂(X)が金属部材(Z)と熱可塑性エラストマー組成物(Y)を被った成形品を成形する金型にインサートし、該金型に熱可塑性樹脂(X)を射出成形し、熱可塑性エラストマー組成物(Y)が金属部材(Z)を被った成形品を熱可塑性樹脂(X)で被う工程、
(工程C)さらに熱可塑性樹脂(X)が金属部材(Z)と熱可塑性エラストマー組成物(Y)を被った成形品を、熱可塑性エラストマー樹脂組成物(Y)の融点+21℃~融点+50℃で加熱処理を行う工程、を有する熱可塑性樹脂複合成形体の製造方法。
[2] 熱可塑性エラストマー樹脂組成物(Y)の結晶性芳香族ポリエステル単位からなるハードセグメント(a1)が、テレフタル酸および/またはジメチルテレフタレートと1,4-ブタンジオールとから誘導されるポリブチレンテレフタレート単位と、イソフタル酸および/またはジメチルイソフタレートと1,4-ブタンジオールとから誘導されるポリブチレンイソフタレート単位とからなる請求項1に記載の熱可塑性樹脂複合成形体の製造方法。
[3] 熱可塑性樹脂(X)が、ポリフェニレンサルファイド樹脂、ポリエチレンテレフタレート樹脂、ポリブチレンテレフタレート樹脂、ポリカーボネート樹脂、液晶ポリエステル樹脂、ポリアミド樹脂からなる群の中から少なくとも1種の樹脂を主成分とする請求項1に記載の熱可塑性樹脂複合成形体の製造方法。
【発明の効果】
【0009】
本発明の熱可塑性樹脂複合成形体の製造方法は、異種材料間がしっかりと接合しており、長期間の環境処理後も気密性に優れている。
【0010】
本発明の熱可塑性樹脂複合成形体は、金属部材と熱可塑性樹脂組成物からなる成形体との間の気密性が十分に得られることから、自動車部品、電機機器、電気電子部品、工業用品等での防水、防油や粉塵などのシール性が必要とされる部品として好適に使用することができる。
(【0011】以降は省略されています)

この特許をJ-PlatPatで参照する
Flag Counter

関連特許

東レ株式会社
吹出しノズル
3か月前
東レ株式会社
溶融紡糸設備
8か月前
東レ株式会社
プリプレグテープ
5か月前
CKD株式会社
型用台車
2か月前
シーメット株式会社
光造形装置
2か月前
グンゼ株式会社
ピン
2か月前
個人
射出ミキシングノズル
5か月前
株式会社日本製鋼所
押出機
5か月前
個人
樹脂可塑化方法及び装置
1か月前
株式会社FTS
ロッド
1か月前
帝人株式会社
成形体の製造方法
8か月前
トヨタ自動車株式会社
射出装置
2日前
株式会社シロハチ
真空チャンバ
4か月前
株式会社FTS
成形装置
2か月前
株式会社リコー
シート剥離装置
7か月前
東レ株式会社
一体化成形品の製造方法
6か月前
TOWA株式会社
成形型清掃用のブラシ
5か月前
株式会社神戸製鋼所
混練機
24日前
三菱自動車工業株式会社
予熱装置
5か月前
株式会社FTS
セパレータ
1か月前
株式会社日本製鋼所
押出成形装置
5か月前
株式会社日本製鋼所
押出成形装置
5か月前
株式会社リコー
画像形成システム
3か月前
トヨタ自動車株式会社
真空成形装置
10か月前
株式会社リコー
シート処理システム
7か月前
株式会社ニフコ
樹脂製品の製造方法
4か月前
東レ株式会社
溶融押出装置および押出方法
1か月前
日東工業株式会社
インサート成形機
3か月前
トヨタ自動車株式会社
真空成形方法
9か月前
株式会社リコー
シート処理システム
6か月前
個人
ノズルおよび熱風溶接機
2か月前
小林工業株式会社
振動溶着機
8か月前
KTX株式会社
シェル型の作製方法
8か月前
トヨタ自動車株式会社
3Dプリンタ
3か月前
株式会社イクスフロー
成形装置
11か月前
株式会社日本製鋼所
射出成形機
3か月前
続きを見る