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公開番号2024088819
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-07-03
出願番号2021037498
出願日2021-03-09
発明の名称成形体の製造方法
出願人帝人株式会社
代理人個人
主分類B29C 43/58 20060101AFI20240626BHJP(プラスチックの加工;可塑状態の物質の加工一般)
要約【課題】連続繊維の繊維配向が特に乱れやすくなる、曲面を含んだ三次元形状の成形型を用いた場合であっても、連続繊維の乱れを抑制し、機械物性を担保できる成形体の製造方法を提供する。
【解決手段】不連続繊維と樹脂M1を含む複合材料Aと、連続繊維と樹脂M2を含む複合材料Bとを積層して圧縮成形し、成形体を製造する方法であって、
複合材料Bの成形型への配置面Xは、曲面を含んだ三次元形状であって、前記連続繊維の束幅方向に向かって曲がっており、
成形体に含まれる連続繊維の最大厚みTmaxと、最小厚みTminの関係が、1≦Tmax/Tmin≦1.5である。
【選択図】図1
特許請求の範囲【請求項1】
不連続繊維と樹脂M1を含む複合材料Aと、連続繊維と樹脂M2を含む複合材料Bとを積層して圧縮成形し、成形体を製造する方法であって、
複合材料Bの成形型への配置面Xは、曲面を含んだ三次元形状であって、前記連続繊維の束幅方向に向かって曲がっており、
成形体に含まれる連続繊維の最大厚みTmaxと、最小厚みTminの関係が、1≦Tmax/Tmin≦1.5である。
続きを表示(約 900 文字)【請求項2】
前記配置面Xは、連続繊維の束幅方向に向かって、弧を描いた状態、又は折れた状態で曲がっている、請求項1に記載の成形体の製造方法。
【請求項3】
成形体における複合材料Aと複合材料Bとの層間せん断強度が30MPa以上である、請求項1又は2に記載の成形体の製造方法。
【請求項4】
樹脂M2が半硬化した熱硬化性樹脂であって、樹脂M2の複素粘度η2が8000Pa・s以上30000Pa・s以下である、請求項1乃至3のいずれか1項に記載の成形体の製造方法。
【請求項5】
樹脂M2が半硬化した熱硬化性樹脂であって、硬化度が50%以上である、請求項1乃至4のいずれか1項に記載の成形体の製造方法。
【請求項6】
成形の時に、樹脂M2を完全硬化して成形体を製造する、請求項4又は5に記載の成形体の製造方法。
【請求項7】
複合材料Bは潜在性硬化剤を含み、前記潜在性硬化剤は、イオン反応、加熱溶解、モレキュラーシーブ、マイクロカプセル、又はUV硬化の一群から選ばれる少なくとも1つを利用したものである、請求項4乃至6のいずれか1項に記載の成形体の製造方法。
【請求項8】
樹脂M1、及び樹脂M2が熱可塑性樹脂である、請求項1乃至3のいずれか1項に記載の成形体の製造方法。
【請求項9】
樹脂M1と樹脂M2の複素粘度が、下記の関係を満たす請求項8に記載の成形体の製造方法。
3×η1<η2<30000(Pa・s) かつ η1<500(Pa・s)
ただし、
η1(Pa・s):せん断速度2(1/s)のときの、樹脂M1の複素粘度
η2(Pa・s):せん断速度2(1/s)のときの、樹脂M2の複素粘度
である。
【請求項10】
下記式を満たす、請求項1乃至9のいずれか1項に記載の成形体の製造方法。
(繊維束の最大幅Wmax-繊維束の最小幅Wmin)/繊維束の平均幅Wave<0.25
(【請求項11】以降は省略されています)

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、複合材料Aと複合材料Bとを積層して圧縮成形し、成形体を製造する方法に関するものである。
続きを表示(約 2,200 文字)【背景技術】
【0002】
近年、不連続繊維や連続繊維で強化された成形体は、機械物性に優れており、自動車等の構造部材として注目されている。
【0003】
特許文献1では、未硬化の熱硬化性マトリックス樹脂を用いた連続強化繊維プリプレグと熱可塑性樹脂シートを用い、熱可塑性樹脂シート特有の粘度範囲に合わせた金型温度に設定して成形した成形体の製造方法が記載されている。
【0004】
特許文献2では、シートモールディングコンパウド層と連続繊維による強化層との間に繊維が互いに交差する構造を有するバリア層を設けて成形した成形体が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
特開2008-230236号公報
国際公開第2018/101245号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、特許文献1に記載の連続繊維強化プリプレグは、プリプレグに含まれる熱硬化性樹脂の硬化度が10%以下と低いため、その他の材料(例えば不連続繊維強化複合材料)とともに圧縮成形すると、その他の材料の流動方向にプリプレグに含まれる連続繊維が追従してしまう。この結果、連続繊維が乱れてしまい、成形体となったときに、高い物性を保つことができない。
【0007】
また、特許文献2に記載の複合材料は、シートモールディングコンパウンド層と連続繊維による強化層との間にバリア層を設けているため、成形体を製造するにあたって、本来必要のない層が必要となり、積層の手間が増える。更に、3つの層間での層間せん断強度の確保に問題が生じるし、層間の収縮率の違いによって得られた成形体が反ってしまう課題が生じる。
【0008】
そこで本発明の目的は、連続繊維の繊維配向が特に乱れやすくなる、曲面を含んだ三次元形状の成形型を用いた場合であっても、連続繊維の乱れを抑制し、機械物性を担保できる成形体の製造方法を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記課題を解決するために、本発明は以下の手段を提供する。
1.不連続繊維と樹脂M1を含む複合材料Aと、連続繊維と樹脂M2を含む複合材料Bとを積層して圧縮成形し、成形体を製造する方法であって、
複合材料Bの成形型への配置面Xは、曲面を含んだ三次元形状であって、前記連続繊維の束幅方向に向かって曲がっており、
成形体に含まれる連続繊維の最大厚みTmaxと、最小厚みTminの関係が、1≦Tmax/Tmin≦1.5である。
2.前記配置面Xは、連続繊維の束幅方向に向かって、弧を描いた状態、又は折れた状態
で曲がっている、前記1.に記載の成形体の製造方法。
3.成形体における複合材料Aと複合材料Bとの層間せん断強度が30MPa以上である、前記1.又は2.に記載の成形体の製造方法。
4.樹脂M2が半硬化した熱硬化性樹脂であって、樹脂M2の複素粘度η2が8000Pa・s以上30000Pa・s以下である、前記1.乃至3.のいずれか1項に記載の成形体の製造方法。
5.樹脂M2が半硬化した熱硬化性樹脂であって、硬化度が50%以上である、前記1.乃至4.のいずれか1項に記載の成形体の製造方法。
6.成形の時に、樹脂M2を完全硬化して成形体を製造する、前記4.又は5.に記載の成形体の製造方法。
7.複合材料Bは潜在性硬化剤を含み、前記潜在性硬化剤は、イオン反応、加熱溶解、モレキュラーシーブ、マイクロカプセル、又はUV硬化の一群から選ばれる少なくとも1つを利用したものである、前記4.乃至6.のいずれか1項に記載の成形体の製造方法。
8.樹脂M1、及び樹脂M2が熱可塑性樹脂である、前記1.乃至3.のいずれか1項に記載の成形体の製造方法。
9.樹脂M1と樹脂M2の複素粘度が、下記の関係を満たす前記8.に記載の成形体の製造方法。
3×η1<η2<30000(Pa・s) かつ η1<500(Pa・s)
ただし、
η1(Pa・s):せん断速度2(1/s)のときの、樹脂M1の複素粘度
η2(Pa・s):せん断速度2(1/s)のときの、樹脂M2の複素粘度
である。
10.下記式を満たす、前記1.乃至9.のいずれか1項に記載の成形体の製造方法。
(繊維束の最大幅Wmax-繊維束の最小幅Wmin)/繊維束の平均幅Wave<0.25
11.複合材料Bに含まれる連続繊維は、一軸配向した連続繊維であって、複合材料Bの長手方向に配向している、前記1.乃至10.のいずれか1項に記載の成形体の製造方法。
12.複合材料Bに含まれる連続繊維は、二軸配向した連続繊維であって、複合材料Bの長手方向、及び長手方向と直交した方向に配向している、前記1.乃至10.のいずれか1項に記載の成形体の製造方法。
【発明の効果】
【0010】
不連続繊維で強化された複合材料と、連続繊維で強化された複合材料とを積層して成形したときに、連続繊維が乱れずに成形できるため、安定して高い機械物性を有する成形体を製造することができる。
【図面の簡単な説明】
(【0011】以降は省略されています)

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