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公開番号2024071033
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-05-24
出願番号2022181751
出願日2022-11-14
発明の名称真空成形方法
出願人トヨタ自動車株式会社
代理人個人
主分類B29C 51/42 20060101AFI20240517BHJP(プラスチックの加工;可塑状態の物質の加工一般)
要約【課題】ドローダウン量を低減しつつ、樹脂シートのうち金型の形状が転写される転写領域において適切な温度での加熱が可能な真空成形方法を提供すること。
【解決手段】本開示に係る真空成形方法は、加熱された樹脂シートを真空引きによって金型に密着させ、金型の形状を樹脂シートに転写することによって樹脂成形品を成形する真空成形方法であって、樹脂シートの少なくとも片面側に配置された、複数に分割され各々が独立して加熱温度を設定可能な複数の分割加熱部を備える加熱装置を用いて樹脂シートを加熱する工程を備え、樹脂シートのうち金型の形状が転写される転写領域の少なくとも一部に配置された分割加熱部は、樹脂シートのガラス転移温度以上の温度で転写領域を加熱し、樹脂シートのうち金型の形状が転写されない非転写領域に配置された分割加熱部は、樹脂シートのガラス転移温度未満の温度で非転写領域を加熱するか又は非転写領域を加熱しない。
【選択図】図1
特許請求の範囲【請求項1】
加熱された樹脂シートを真空引きによって金型に密着させ、前記金型の形状を前記樹脂シートに転写することによって樹脂成形品を成形する真空成形方法であって、
前記樹脂シートの少なくとも片面側に配置された、複数に分割され各々が独立して加熱温度を設定可能な複数の分割加熱部を備える加熱装置を用いて前記樹脂シートを加熱する工程を備え、
前記樹脂シートのうち前記金型の形状が転写される転写領域の少なくとも一部に配置された前記分割加熱部は、前記樹脂シートのガラス転移温度以上の温度で前記転写領域を加熱し、
前記樹脂シートのうち前記金型の形状が転写されない非転写領域に配置された前記分割加熱部は、前記樹脂シートのガラス転移温度未満の温度で前記非転写領域を加熱するか又は前記非転写領域を加熱しない、
真空成形方法。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本開示は真空成形方法に関する。
続きを表示(約 2,400 文字)【背景技術】
【0002】
加熱された樹脂シートを真空引きによって金型に密着させ、金型の形状を樹脂シートに転写することによって樹脂成形品を成形する真空成形方法が知られている。特許文献1には、熱可塑性樹脂シートを使用した真空成形体の製造方法が開示されている。特に、赤外線輻射ヒーターを用いて熱可塑性樹脂シートを加熱し、ヒーターと熱可塑性樹脂シートとの間に赤外線反射材を配置してドローダウンを低減する方法が開示されている。特許文献2には、微細凹凸絞形状を表面に有する真空成形品の製造方法が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
特開2011-189620号公報
特開2007-182035号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
赤外線反射材等を用いない場合、ドローダウンが発生する。ここでドローダウンについて図3を用いて説明する。図3(a)は、従来の真空成形装置100と、当該真空成形装置100が備える従来の加熱装置110によって加熱された樹脂シート200を示す正面図である。図3(b),(c)は、従来の加熱装置110によって加熱された樹脂シート200を示す斜視図である。図3(a)に示すように、従来の真空成形装置100上には金型M1,M2が配置されている。従来の真空成形方法では、金型M1,M2の形状を矩形状の1枚の樹脂シート200に転写し、2個の成形品または金型M1,M2の形状を備える2種類の部品を備える成形品を真空成形する。
【0005】
図3(b)に示すように、樹脂シート200の片面側(z軸正側)に配置された従来の加熱装置110は、樹脂シート200のうち金型M1,M2の形状が転写される転写領域と、転写されない非転写領域との両方を含む、樹脂シート200全体を加熱する。図3(b)では、加熱装置110の加熱温度が樹脂シート200のガラス転移温度以上の温度に設定されている高温部111を右上がり斜線で示す。高温部111を囲むように配置された低温部112は、設定温度が樹脂シート200のガラス転移温度未満の温度に設定されているか、加熱機能を備えない部分である。図3(b)では、高温部111から樹脂シート200へ熱が伝わる様子を複数の下向きの白抜き矢印で示す。樹脂シート200のうち、加熱装置110の高温部111によって樹脂シート200のガラス転移温度以上に加熱された高温領域201を右上がり太細線で示す。低温領域202は、加熱装置110の低温部112から樹脂シート200のガラス転移温度未満の熱が伝わったか、加熱されていない領域である。
【0006】
図3(a)に示したように、図3(b)及び図3(c)の矩形状の樹脂シート200のx軸正側及び負側のy軸に沿った辺はクランプ101によって保持されているが、中央部分は保持されていない。よって、図3(a)及び図3(c)に示すように、クランプ101で保持した樹脂シート200のうち、金型M1,M2の形状が転写される転写領域と転写されない非転写領域の両方を含む全体を樹脂シート200のガラス転移温度以上の温度で加熱すると、樹脂シート200は軟化し、自重で中央部分が重力方向(z軸負方向)にたわむ変形(垂下)が生じる。これが「ドローダウン」である。ドローダウン量が増大するほど成形性が低下し、ドローダウン量が減少するほど成形性が向上する。発明者らは、ドローダウン量を低減するために加熱温度を低くすると樹脂シートの変形が抑制され、金型の形状が樹脂シートに正確に転写されないという問題を見出した。
【0007】
本開示は、上記の問題を鑑みてなされたものであり、ドローダウン量を低減しつつ、樹脂シートのうち金型の形状が転写される転写領域において適切な温度での加熱が可能な真空成形方法を提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本開示に係る真空成形方法は、加熱された樹脂シートを真空引きによって金型に密着させ、金型の形状を樹脂シートに転写することによって樹脂成形品を成形する真空成形方法であって、樹脂シートの少なくとも片面側に配置された、複数に分割され各々が独立して加熱温度を設定可能な複数の分割加熱部を備える加熱装置を用いて樹脂シートを加熱する工程を備え、樹脂シートのうち金型の形状が転写される転写領域の少なくとも一部に配置された分割加熱部は、樹脂シートのガラス転移温度以上の温度で転写領域を加熱し、樹脂シートのうち金型の形状が転写されない非転写領域に配置された分割加熱部は、樹脂シートのガラス転移温度未満の温度で非転写領域を加熱するか又は非転写領域を加熱しない。
【0009】
本開示に係る真空成形方法では、樹脂シートのうち金型の形状が転写される転写領域の少なくとも一部に配置された分割加熱部は、樹脂シートのガラス転移温度以上の温度で転写領域を加熱し、樹脂シートのうち金型の形状が転写されない非転写領域に配置された分割加熱部は、樹脂シートのガラス転移温度未満の温度で非転写領域を加熱するか又は非転写領域を加熱しない。加熱温度が樹脂シートのガラス転移温度未満か又は加熱されない非転写領域では樹脂シートの軟化が抑制される。すなわち、ドローダウン量が低減される。よって、ドローダウン量を低減しつつ、樹脂シートのうち金型の形状が転写される転写領域において適切な温度での加熱が可能な真空成形方法を提供できる。
【発明の効果】
【0010】
本開示により、ドローダウン量を低減しつつ、樹脂シートのうち金型の形状が転写される転写領域において適切な温度での加熱が可能な真空成形方法を提供できる。
【図面の簡単な説明】
(【0011】以降は省略されています)

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