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公開番号
2024082699
公報種別
公開特許公報(A)
公開日
2024-06-20
出願番号
2022196723
出願日
2022-12-09
発明の名称
振動溶着機
出願人
小林工業株式会社
代理人
個人
,
個人
主分類
B29C
65/06 20060101AFI20240613BHJP(プラスチックの加工;可塑状態の物質の加工一般)
要約
【課題】溶着途中における振動周波数/振幅の調整を可能にし、それによって、溶着中の粉や髭バリの発生を防止できる振動溶着機を提供すること。
【解決手段】被溶着対象物Aを被溶着対象物Bに当接させながら加圧し、上記被溶着対象物Bに振動を付与することにより、上記被溶着対象物Aと被溶着対象物Bを溶着させる振動溶着機において、上記被溶着対象物Bに振動を付与するための駆動源としてボイスコイルモータを使用したものであり、溶着途中で振動の周波数、振幅を調整することができ、それによって、溶着中の粉や髭バリの発生を防止することができる。
【選択図】図1
特許請求の範囲
【請求項1】
被溶着対象物Aを被溶着対象物Bに当接させながら加圧し、上記被溶着対象物Bに振動を付与することにより、上記被溶着対象物Aと被溶着対象物Bを溶着させる振動溶着機において、
上記被溶着対象物Bに振動を付与するための駆動源としてボイスコイルモータを使用したことを特徴とする振動溶着機。
続きを表示(約 1,100 文字)
【請求項2】
請求項1記載の振動溶着機において、
上記被溶着対象物Aを保持する被溶着対象物A保持部と、
上記被溶着対象物Bを保持する被溶着対象物B保持部と、
上記被溶着対象物A保持部を上記被溶着対象物B保持部方向に移動させて加圧する加圧手段と、
上記被溶着対象物B保持部に任意の振動数、振幅の振動を付与する上記ボイスコイルモータと、
上記加圧手段と上記ボイスコイルモータを制御する制御手段と、
を具備したことを特徴とする振動溶着機。
【請求項3】
請求項2記載の振動溶着機において、
上記制御手段は溶着初期から終期にかけて上記加圧手段による加圧の強弱を制御するとともに、上記ボイスコイルモータによる振動の周波数と振幅を制御するものであることを特徴とする振動溶着機。
【請求項4】
請求項3記載の振動溶着機において、
上記制御手段は上記加圧手段による加圧の強弱を複数段階で切り替えるとともに、上記ボイスコイルモータによる振動の周波数と振幅を複数段階に切り替えることを特徴とする振動溶着機。
【請求項5】
請求項3記載の振動溶着機において、
上記制御手段は上記被溶着対象物Aと被溶着対象物Bの距離に応じて複数段階に切り替えることを特徴とする振動溶着機。
【請求項6】
請求項3記載の振動溶着機において、
上記制御手段は溶着開始からの時間に応じて複数段階に切り替えることを特徴とする振動溶着機。
【請求項7】
請求項2記載の振動溶着機において、
上記被溶着対象物B保持部は直動ガイド機構によって支持されていて、
上記直動ガイド機構はオイルバス内に設置されている又はグリースが供給される構成になっていることを特徴とする振動溶着機。
【請求項8】
請求項7記載の振動溶着機において、
溶着作業の合間に上記ボイスコイルモータによる振幅の大きな振動動作を行なって上記直動ガイド機構の潤滑を改善することを特徴とする振動溶着機。
【請求項9】
請求項7記載の振動溶着機において、
上記直動ガイド機構は球循環リニア軸受であることを特徴とする振動溶着機。
【請求項10】
請求項2記載の振動溶着機において、
上記ボイスコイルモータは電磁石又は永久磁石を備えていて、そこには温度センサが内装されていることを特徴とする振動溶着機。
(【請求項11】以降は省略されています)
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、振動溶着機に係り、特に、溶着途中における振動周波数/振幅の調整を可能にし、それによって、溶着中の粉や髭バリの発生を防止できるように工夫したものに関する。
続きを表示(約 5,000 文字)
【背景技術】
【0002】
従来の振動溶着機の構成を開示するものとして、例えば、特許文献1がある。この特許文献1に記載されたボンディング装置は概略次のような構成になっている。まず、装置フレームがあり、この装置フレームの上には基板が設置されている。上記基板上に部品を溶着する。すなわち、接合ヘッドによって上記部品に超音波を印加しながら加圧することにより、上記部品を上記基板上に溶着する。
【0003】
又、その他にも、電磁石と共振スプリングによって振動を発生させる振動溶着機も存在している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
特開2006-86345号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上記従来の構成には次のような問題があった。
まず、超音波溶着機の場合には平面形状の溶着にその用途が限定されてしまうという問題があった。
これに対して、電磁石と共振スプリングによって振動を発生させる振動溶着機の場合には、三次元形状の自由曲面の溶着が可能であるが、使用する治具重量によって振動周波数が一義的に決定されてしまう。一方で溶着時の粉や髭バリの発生を抑えるためには溶着途中において振動周波数/振幅の調整が必要となる。上記電磁石と共振スプリングによって振動を発生させる振動溶着機の場合には、そのような調整作業ができないという問題があった。
因みに、粉や髭バリが発生した場合には後処理が必要になってしまう。
又、電磁石と共振スプリングによって振動を発生させる振動溶着機の場合には、振動方向の角度制限があるため製品形状に制約があるという問題もあった。
又、電磁石と共振スプリングによって振動を発生させる振動溶着機の場合には、振動方向両側に電磁石を配置しなければならず装置が大型化してしまうという問題もあった。
【0006】
本発明はこのような点に基づいてなされたものでその目的とするところは、溶着途中における振動周波数/振幅の調整を可能にし、それによって、溶着中の粉や髭バリの発生を防止できる振動溶着機を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するべく本願発明の請求項1による振動溶着機は、被溶着対象物Aを被溶着対象物Bに当接させながら加圧し、上記被溶着対象物Bに振動を付与することにより、上記被溶着対象物Aと被溶着対象物Bを溶着させる振動溶着機において、上記被溶着対象物Bに振動を付与するための駆動源としてボイスコイルモータを使用したことを特徴とするものである。
又、請求項2による振動溶着機は、請求項1記載の振動溶着機において、上記被溶着対象物Aを保持する被溶着対象物A保持部と、上記被溶着対象物Bを保持する被溶着対象物B保持部と、上記被溶着対象物A保持部を上記被溶着対象物B保持部方向に移動させて加圧する加圧手段と、上記被溶着対象物B保持部に任意の振動数、振幅の振動を付与する上記ボイスコイルモータと、上記加圧手段と上記ボイスコイルモータを制御する制御手段と、を具備したことを特徴とするものである。
又、請求項3による振動溶着機は、請求項2記載の振動溶着機において、上記制御手段は溶着初期から終期にかけて上記加圧手段による加圧の強弱を制御するとともに、上記ボイスコイルモータによる振動の周波数と振幅を制御するものであることを特徴とするものである。
又、請求項4による振動溶着機は、請求項3記載の振動溶着機において、上記制御手段は上記加圧手段による加圧の強弱を複数段階で切り替えるとともに、上記ボイスコイルモータによる振動の周波数と振幅を複数段階に切り替えることを特徴とするものである。
又、請求項5による振動溶着機は、請求項3記載の振動溶着機において、上記制御手段は上記被溶着対象物Aと被溶着対象物Bの距離に応じて複数段階に切り替えることを特徴とするものである。
又、請求項6による振動溶着機は、請求項3記載の振動溶着機において、上記制御手段は溶着開始からの時間に応じて複数段階に切り替えることを特徴とするものである。
又、請求項7による振動溶着機は、請求項2記載の振動溶着機において、上記被溶着対象物B保持部は直動ガイド機構によって支持されていて、上記直動ガイド機構はオイルバス内に設置されている又はグリースが供給される構成になっていることを特徴とするものである。
又、請求項8による振動溶着機は、請求項7記載の振動溶着機において、溶着作業の合間に上記ボイスコイルモータによる振幅の大きな振動動作を行なって上記直動ガイド機構の潤滑を改善することを特徴とするものである。
又、請求項9による振動溶着機は、請求項7記載の振動溶着機において、上記直動ガイド機構は球循環リニア軸受であることを特徴とするものである。
又、請求項10による振動溶着機は、請求項2記載の振動溶着機において、上記ボイスコイルモータは電磁石又は永久磁石を備えていて、そこには温度センサが内装されていることを特徴とするものである。
又、請求項11による振動溶着機は、請求項2記載の振動溶着機において、上記ボイスコルモータには冷却ファンが設けられていることを特徴とするものである。
【発明の効果】
【0008】
以上述べたように本願発明の請求項1による振動溶着機によると、被溶着対象物Aを被溶着対象物Bに当接させながら加圧し、上記被溶着対象物Bに振動を付与することにより、上記被溶着対象物Aと被溶着対象物Bを溶着させる振動溶着機において、上記被溶着対象物Bに振動を付与するための駆動源としてボイスコイルモータを使用した構成になっているので、溶着途中で振動の周波数、振幅を調製することができ、それによって、溶着中の粉や髭バリの発生を防止することができる。
又、請求項2による振動溶着機らによると、請求項1記載の振動溶着機において、上記被溶着対象物Aを保持する被溶着対象物A保持部と、上記被溶着対象物Bを保持する被溶着対象物B保持部と、上記被溶着対象物A保持部を上記被溶着対象物B保持部方向に移動させて加圧する加圧手段と、上記被溶着対象物B保持部に任意の振動数、振幅の振動を付与する上記ボイスコイルモータと、上記加圧手段と上記ボイスコイルモータを制御する制御手段と、を具備した構成になっているので、溶着途中で振動の周波数、振幅を調製することができ、それによって、溶着中の粉や髭バリの発生を防止することができる。
又、請求項3による振動溶着機によると、請求項2記載の振動溶着機において、上記制御手段は溶着初期から終期にかけて上記加圧手段による加圧の強弱を制御するとともに、上記ボイスコイルモータによる振動の周波数と振幅を制御するものであるので、溶着途中で振動の周波数、振幅を調製することができ、それによって、溶着中の粉や髭バリの発生を防止することができる。
又、請求項4による振動溶着機によると、請求項3記載の振動溶着機において、上記制御手段は上記加圧手段による加圧の強弱を複数段階で切り替えるとともに、上記ボイスコイルモータによる振動の周波数と振幅を複数段階に切り替える構成になっているので、溶着途中で振動の周波数、振幅を調製することができ、それによって、溶着中の粉や髭バリの発生を防止することができる。
又、請求項5による振動溶着機によると、請求項3記載の振動溶着機において、上記制御手段は上記被溶着対象物Aと被溶着対象物Bの距離に応じて複数段階に切り替える構成であるので、溶着途中で振動の周波数、振幅を調製することができ、それによって、溶着中の粉や髭バリの発生を防止することができる。
又、請求項6による振動溶着機によると、請求項3記載の振動溶着機において、上記制御手段は溶着開始からの時間に応じて複数段階に切り替える構成であるので、溶着途中で振動の周波数、振幅を調整することができ、それによって、溶着中の粉や髭バリの発生を防止することができる。
又、請求項7による振動溶着機によると、請求項2記載の振動溶着機において、上記被溶着対象物B保持部は直動ガイド機構によって支持されていて、上記直動ガイド機構はオイルバス内に設置されている又はグリースが供給される構成になっているので、円滑な振動を提供することができる。
又、請求項8による振動溶着機によると、請求項7記載の振動溶着機において、溶着作業の合間に上記ボイスコイルモータによる振幅の大きな振動動作を行なって上記直動ガイド機構の潤滑を改善する構成になっているので、円滑な振動を提供することができる。
又、請求項9による振動溶着機によると、請求項7記載の振動溶着機において、上記直動ガイド機構は球循環リニア軸受であるので、加圧動作を円滑なものとすることができる。
又、請求項10による振動溶着機によると、請求項2記載の振動溶着機において、上記ボイスコイルモータは電磁石又は永久磁石を備えていて、そこには温度センサが内装されているので、温度センサからの信号に基づいて安全な運転を行うことができる。
又、請求項11による振動溶着機によると、請求項2記載の振動溶着機において、上記ボイスコルモータには冷却ファンが設けられているので、温度センサからの信号に基づいて安全な運転を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
本発明の第1の実施の形態を示す図で、振動溶着機の全体を示す斜視図である。
本発明の第1の実施の形態を示す図で、振動溶着機の上部の構成を示す側面図である。
本発明の第1の実施の形態を示す図で、振動溶着機の一部を示す斜視図である。
本発明の第1の実施の形態を示す図で、振動溶着機の一部を示す側断面図である。
本発明の第1の実施の形態を示す図で、図5(a)は被溶着対象物A保持部と被溶着対象物B保持部を示す側面図、図5(b)は図5(a)のb-b矢視図、図5(c)は図5(a)のc-c矢視図である。
本発明の第1の実施の形態を示す図で、ボイスコイルモータの構造を示す模式図である。
本発明の第1の実施の形態を示す図で、振動溶着機の全体を示すブロック図である。
本発明の第1の実施の形態を示す図で、制御手段の構成を示すブロック図である。
本発明の第1の実施の形態を示す図で、作業、操作、動作を工程順に示すフローチャートである。
本発明の第1の実施の形態を示す図で、図10(a)は被溶着物Aと被溶着物Bの具体例を示す正面図、図10(b)は被溶着物Aと被溶着物Bが溶着されて製品化された状態を示す正面図である。
本発明の第1の実施の形態を示す図で、図11(a)は被溶着対象物A、被溶着対象物Bをセットした状態を示す側面図、図11(b)は振動溶着時の状態を示す側面図、図11(c)は溶着完了時の状態を示す側面図である。
本発明の第1の実施の形態を示す図で、制御手段による情報処理を示すフローチャートである。
本発明の第1の実施の形態を示す図で、制御手段による情報処理を示すフローチャートである。
本発明の第1の実施の形態を示す図で、制御手段による情報処理を示すフローチャートである。
本発明の第2の実施の形態を示す図で、図15(a)はボイスコイルモータの正面図、図15(b)は図13(a)のb-b断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、図1乃至図14を参照して本発明の第1の実施の形態を説明する。図1に示すように、この一実施の形態による振動溶着機1には、下部フレーム3があり、この下部フレーム3の上には上部フレーム5が設置されている。
(【0011】以降は省略されています)
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