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公開番号
2025028248
公報種別
公開特許公報(A)
公開日
2025-02-28
出願番号
2024220370,2022003015
出願日
2024-12-16,2022-01-12
発明の名称
船舶推進機の冷却装置
出願人
スズキ株式会社
代理人
個人
,
個人
,
個人
主分類
B63H
21/38 20060101AFI20250220BHJP(船舶またはその他の水上浮揚構造物;関連艤装品)
要約
【課題】冷却水の流れの悪化を抑制しつつ、微細物体を捕集する捕集器のメンテナンスの容易化を図る。
【解決手段】船外機の冷却装置における排水通路の上流部と下流部27Bとの間には、排水通路内を流れる冷却水中の微細物体を捕集する捕集器と、捕集器をバイパスするバイパス管57とが互いに並列に設けられ、捕集器のケースと排水通路の下流部27Bとの間を接続する接続ホース54は上側曲がり部54Aおよび下側曲がり部54Bを有し、接続ホース54およびバイパス管57を上方から見たとき、接続ホース54において上側曲がり部54Aから下側曲がり部54Bにかけての部分の軸線Nは、接続ホース54の上端部の軸心Uおよびバイパス管57の軸心Vの双方を通る直線Tと交わる。
【選択図】図8
特許請求の範囲
【請求項1】
船舶推進機に設けられ、前記船舶推進機外の水を前記船舶推進機内に取り込み、当該取り込んだ水を冷却水として前記船舶推進機の動力源の周囲または内部に流すことにより前記動力源を冷却し、前記動力源の周囲または内部を流れた後の冷却水を前記船舶推進機外に排出する船舶推進機の冷却装置であって、
前記動力源の周囲または内部を流れた後の冷却水を前記船舶推進機外へ排出するための排水通路と、
前記排水通路の上流部と下流部との間に接続され、前記排水通路の上流部から前記排水通路の下流部に向かって流れる冷却水に含まれる微細物体を捕集する捕集器と、
前記排水通路の上流部と下流部との間に前記捕集器と並列に接続されたバイパス通路とを備え、
前記捕集器は、
前記微細物体を捕え、冷却水を通過させる捕集器本体と、
上部と下部とに分割可能に形成され、前記捕集器本体を収容し、前記上部が前記排水通路の上流部に接続されたケースと、
可撓性を有し、上端部が前記ケースの下部に接続され、下端部が前記排水通路の下流部に接続された接続管とを備え、
前記接続管の上端部と下端部との間には第1の曲がり部が設けられ、
前記接続管の前記第1の曲がり部と下端部との間には第2の曲がり部が設けられ、
前記接続管は、その上端部から前記ケースの上下方向に伸長した軸線に沿うように下方に伸長し、その後、前記第1の曲がり部において前記軸線から離れる方向に曲がり、その後、前記第2の曲がり部において前記軸線に近づく方向に曲がり、
前記接続管および前記バイパス通路を上方から見たとき、前記接続管において前記第1の曲がり部から前記第2の曲がり部にかけての部分の軸線は、前記接続管の上端部の軸心および前記バイパス通路の軸心の双方を通る直線と交わることを特徴とする船舶推進機の冷却装置。
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【請求項2】
前記排水通路の上流部を前記捕集器および前記バイパス通路に並列に接続する分岐管を備え、前記分岐管は前記ケースの上部と一体形成されていることを特徴とする請求項1に記載の船舶推進機の冷却装置。
【請求項3】
前記ケースの下部と前記接続管とを互いに接続する接続管部を備え、前記接続管部は前記ケースの下部と一体形成されていることを特徴とする請求項1または2に記載の船舶推進機の冷却装置。
【請求項4】
前記捕集器および前記バイパス通路は前記動力源の後部側方に配置され、前記バイパス通路は前記捕集器の前方に配置され、前記接続管において前記第1の曲がり部から前記第2の曲がり部にかけての部分は、前記動力源の左右方向中央側に向かって伸長していることを特徴とする請求項1ないし3のいずれかに記載の船舶推進機の冷却装置。
【請求項5】
前記接続管は前記動力源の後端よりも後ろ側にはみ出していないことを特徴とする請求項1ないし4のいずれかに記載の船舶推進機の冷却装置。
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、海水、湖水等の水中に拡散した微細な物体を捕集する機能を備えた船舶推進機の冷却装置に関する。
続きを表示(約 2,600 文字)
【背景技術】
【0002】
近年、マイクロプラスチック等の微細なゴミが海水、湖水、河川水等の水中に拡散することによって起こる海、湖、河川等の汚染が問題となっている。また、養殖に用いられた餌の滓等が海水、湖水、河川水等の水中に拡散することによって海、湖、河川等が汚染されることが知られている。このような汚染を抑制すべく、マイクロプラスチック等の微細なゴミ、餌の滓等(以下、これらを「微細物体」という。)を捕集して回収することが望まれている。
【0003】
下記の特許文献1には、微細物体を捕集する機能を備えた冷却装置が搭載された船外機が記載されている。当該冷却装置は、ポンプを利用して、海水または湖水等の水を船外機内に取り込み、取り込んだ水を、冷却水として、船外機のエンジンに設けられたウォータジャケットに供給する。ウォータジャケットに供給された冷却水は、ウォータジャケット内を流通し、これによりエンジンが冷却される。また、ウォータジャケット内を流通した後の冷却水は、排水パイプ内を流れ、排水パイプの途中に設けられたろ過装置内を通過し、その後、船外機外へ排出される。冷却水がろ過装置内を通過することにより、冷却水中の微細物体がろ過装置により捕捉され、冷却水から除去される。このように、当該冷却装置によれば、海水または湖水等を船外機内に取り込み、取り込んだ海水または湖水等に含まれる微細物体をろ過装置により捕集することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
特開2020-163872号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
図9(A)は、特許文献1の図3に図示された冷却装置における排水パイプおよびろ過装置を示している。図9(A)において、133は排水パイプであり、135はろ過装置である。また、図9(B)は、図9(A)中の排水パイプ133およびろ過装置135を、図9(A)中の矢印Sが示す方向から見た状態を示している。また、図9(A)および図9(B)中において、矢印Xは、排水パイプ133およびろ過装置135内における冷却水の流れる方向を示している。図9(B)に示すように、特許文献1の冷却装置においては、冷却水がろ過装置135内を大きく屈曲しながら流れるため、冷却水の流路の圧力損失が増加し、冷却水の流れが悪くなるおそれがある。
【0006】
そこで、冷却水の流路の圧力損失の増加を抑えるために、図10に示すように、ウォータジャケット内を流通した後の冷却水を船外機の排水口へ送水する排水通路を上側排水通路部201と下側排水通路部202とに分割し、ろ過装置203を、上側排水通路部201と下側排水通路部202との間に、上側排水通路部201および下側排水通路部202と同軸状に配置する方法が考えられる。この方法によれば、図10中の矢印Yが示すように、冷却水が上側排水通路部201内、ろ過装置203内、および下側排水通路部202内を直線状に流れるため、冷却水の流路の圧力損失の増加を抑えることができ、冷却水の流れを良くすることができる。
【0007】
しかしながら、ろ過装置203を、上側排水通路部201と下側排水通路部202との間にこれらと同軸状に配置した場合、上側排水通路部201と下側排水通路部202との間からろ過装置203を取り外すことが困難となり、ろ過装置203のメンテナンス(例えばフィルタに蓄積された微細物体の除去等)がやり難くなるという問題が生じる。
【0008】
すなわち、上側排水通路部201の下端部はろ過装置203の上部に挿入され、嵌合されており、下側排水通路部202の上端部はろ過装置203の下部に挿入され、嵌合されている。そのため、上側排水通路部201と下側排水通路部202との間からろ過装置203を取り外すためには、例えば、上側排水通路部201の下端部に対してろ過装置203を下方に移動させて上側排水通路部201とろ過装置203とを分離させることができるようにし、または下側排水通路部202の上端部に対してろ過装置203を上方に移動させて下側排水通路部202とろ過装置203とを分離させることができるようにするなど、ろ過装置203を上側排水通路部201または下側排水通路部202に対して上下方向に移動させることができるようにする必要がある。しかしながら、上側排水通路部201および下側排水通路部202が剛性の高いパイプまたはホース等である場合には、上側排水通路部201と下側排水通路部202との間に挟まれているろ過装置203を上方にも下方にも移動させることが困難である。それゆえ、上側排水通路部201と下側排水通路部202との間からろ過装置203を取り外すことは困難である。
【0009】
この点、上側排水通路部201または下側排水通路部202として、剛性の低いゴムホース等を用いるようにすれば、そのゴムホースを手で曲げることにより、ろ過装置203を上側排水通路部201と下側排水通路部202との間から容易に取り外すことができるようになる。しかしながら、上側排水通路部201および下側排水通路部202については、振動、衝撃または熱等に対する耐久性を高める必要がある。そのため、上側排水通路部201または下側排水通路部202としてゴムホースを用いる場合でも、例えば強化繊維入りのゴムホース、または肉厚の厚いゴムホースを用いる必要があり、その結果、ゴムホースの剛性が高くなる。すなわち、上側排水通路部201および下側排水通路部202の耐久性を高める必要に応じるために、上側排水通路部201または下側排水通路部202として、手で容易に曲げることができるような剛性の低いゴムホース等を用いることは困難である。
【0010】
本発明は例えば上述したような問題に鑑みなされたものであり、本発明の目的は、冷却水の流れの悪化を抑制しつつ、微細物体を捕集する捕集器(ろ過装置)のメンテナンスの容易化を図ることができる船舶推進機の冷却装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
(【0011】以降は省略されています)
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