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公開番号2024031212
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-03-07
出願番号2022134633
出願日2022-08-26
発明の名称外付けスラスタ装置
出願人サームトロン株式会社
代理人個人
主分類B63H 25/42 20060101AFI20240229BHJP(船舶またはその他の水上浮揚構造物;関連艤装品)
要約【課題】 船舶を横移動させるための安全、安価な外付けスラスタを提供する。
【解決手段】 本発明はスラスタ104をアーム上部格納状態時のアーム位置113の様に喫水線116より高いドライな空間でこれを保持し、使用時にはヒンジ要素117を中心とし、回転方向114の様に、回転させ、スタンバイ状態時のアーム位置115の様に水中に移動設置し、スラスタ104の構成要素である電動機に電力を供給し、電動機回転軸に取り付けられたプロペラを回転させ、横方向の推力を発生させる手法、および水中への移動手段を採る。
【選択図】図2
特許請求の範囲【請求項1】
ヒンジ要素を持つ船体取り付け部品と、アームと、アームの一端に取り付けられたスラスタとから成り、
該船体取り付け部品は、船舶の船首及または船尾に固定され、
アームの他端は、該ヒンジ要素に接続し、
スラスタは、電動機と該電動機により回転するプロペラとから成り、
スラスタは、該ヒンジ要素を中心とした回転により、位置を変更可能であり、
該スラスタを使用する場合には、
該スラスタを該船舶の喫水線よりも低い位置に移動させ、該プロペラを回転させ、該船舶の進行方向と異なる方向への推力を得、
該スラスタを使用しない場合には、該スラスタを該船舶の喫水線よりも高い位置のドライな空間に移動し、保持することを特徴とする外付けスラスタ装置。
続きを表示(約 700 文字)【請求項2】
船体取り付け部品と、伸縮可能なスライダと、スライダの一端に取り付けられたスラスタとから成り、
該船体取り付け部品は、船舶の船首及または船尾に固定され、
該スライダの他端は、該船体取り付け部品に接続し、
該スラスタは、電動機と該電動機により回転するプロペラとから成り、
該スラスタは、該スライダの伸縮により、位置を変更可能であり、
該スラスタを使用する場合には、
該スラスタを船舶の喫水線よりも低い位置に移動させ、プロペラを回転させ、船舶の進行方向と異なる方向への推力を得、
スラスタを使用しないする場合には、スラスタを船舶の喫水線よりも高い位置のドライな空間に移動し、保持することを特徴とする外付けスラスタ装置。
【請求項3】
前記船舶の船首あるいは船尾に、または前記船舶の船首及および船尾2箇所に、前記外付けスラスタ装置を設け、
前記スラスタには水平に回転させる機構が設けられ、
ジョイスティックにより、前記スラスタを回転させ、前記スラスタの推進方向を任意の方向に向け、
前記スラスタの推力により、船体を任意の方向に移動させることができることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の外付けスラスタ装置。
【請求項4】
(スライダ方式の追加事項)
スライダの一端の船舶の側面に接触する側には、横振れ防止フィンが船体側面に沿う形で延出しており、
船舶の喫水線の位置に応じた位置に、スラスタを配置できることを特徴とする請求項2に記載の外付けスラスタ装置。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、船舶に取り付けた外付けスラスタに関する。
続きを表示(約 1,600 文字)【背景技術】
【0002】
従来から大型船舶には、船舶を横方向に動かすための動力装置である「サイドスラスタ」と呼ばれる装置が付けられている事が多い。接岸や離岸の際に使用することで、時間や手間を省くと共に、安全を確保することを目的に付けられる。また、近年では、レジャー目的の船舶にもサイドスラスタの有効性が認められ、装備する船舶が増えてきている。
【0003】
船舶を着岸あるいは離岸させる場合、船舶に備えられている推進機のみで行う事は容易ではない。特に横風、強風下では、船首は風下に押し流され、岸壁に衝突したり港内に停泊している他の船舶に衝突したりする危険がある。
このため、船首や船尾に、通常の推進方向に対し右方向または左方向へ直角に推力を加えるサイドスラスタと呼ばれる動力を利用した機構を備え付けることが有効である。
【0004】
かかるサイドスラスタのうち、船首に設けたのをバウスラスタ、船尾に設けたものをスターンスラスタと呼ぶ。
船尾には通常、舵を備えているため、船尾を左右に動かす事はそれほど困難なことではなく、よって小型の船舶の場合は、バウスラスタのみを設置し、スターンスラスタを備えない場合も多い。
【0005】
その一方で、小型の船舶でも特にレジャーボートであるモータークルーザやセーリングクルーザなどでは、単独操縦や少人数での操縦がほとんどであるため、入港時に所望の係留場所に係留する際の操船が難しく、サイドスラスタを付ける船舶が増えている。
【0006】
新造船時および中古の船体105に後付けでサイドスラスタをつける場合、図1に示すように、通常はトンネルスラスタと呼ばれるスラスタを取りつける。
このスラスタは、船首近くの喫水線116より下部の水中に、船舶の進行方向と直角に貫通した穴、すなわちトンネル103を開け、この穴の中央付近にプロペラ101aを配置し、トンネル103外に配置した電動機102aでこれを回転させる構造である。
【0007】
電動機102aの回転は、傘歯車を介してプロペラ101aに伝達され、水流を発生し、その反作用として船舶の進行方向に対し横方向の推力を得る。また、回転の正転・反転を切り替えることにより、推力の方向を切り替えることができる。
この装置を使用することにより、船体105の船首は横移動することができる。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0008】
カナダ国 SIDE SHIFT社 モノハルスラスターズ(https://shop.sideshift.com/)
KAWASAKI サイドスラスタ(https://www.khi.co.jp/mobility/marine/machinery/side.html)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
トンネルスラスタの設置で問題になるのが、新造船もそうであるが、特に中古船に後付けで設置する場合、船舶の船首部における喫水線116より下部の水中にトンネル103を開口することが必要な点である。
【0010】
トンネル103の穴開け作業は、船体105の材質が金属やガラス繊維強化プラスチックであることに係わらず容易ではなく、その内部にプロペラ101aと電動機102a、およびトンネル103になる太いパイプを取り付けるのには、数日の作業を要して煩雑である。その為、作業時間に応じた高額な費用も発生する。
さらに、後付けの場合、作業員の技量不足などで、追加工事を行ったトンネル103と船体105との接合部に、施工不良が発生するおそれも想定し得る。
(【0011】以降は省略されています)

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