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公開番号2024022687
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-02-19
出願番号2022133682
出願日2022-08-06
発明の名称船舶用プロペラ
出願人個人
代理人
主分類B63H 1/18 20060101AFI20240209BHJP(船舶またはその他の水上浮揚構造物;関連艤装品)
要約【課題】 特にプロペラの高速回転中に回転翼の後進面にできる非常に低い水圧域を飽和蒸気圧以下とならないように、キャビテーション初生直前のキャビテーションが発生し難い水圧まで高めて、キャビテーションの発生を阻止するプロペラを提供すること。
【解決手段】 各回転翼の後進面においてプロペラの高速回転時に発生しやすい多様なキャビテーションを効果的に阻止することが可能な範囲箇所それぞれに単数又は複数の流出口を開口する。流出口とそれぞれの連通孔又はスリットによって連通する流入口を各回転翼の前進面に開口する。
【選択図】図1
特許請求の範囲【請求項1】
回転中心軸を有するボス部の外周から半径方向に延びる所要数の回転翼を備える船舶用のプロペラにおいて、
各回転翼の後進面にプロペラの高速回転時に発生しやすい多様なキャビテーションを効果的に阻止することが可能な想定範囲箇所それぞれに単数又は複数の流出口を開口して設けるとともに、
単数又は複数開口した前記流出口とそれぞれの連通孔又はスリットによって連通する流入口を各回転翼の前進面にそれぞれ開口して設けて構成されていることを特徴とする船舶用のプロペラ。
続きを表示(約 1,700 文字)【請求項2】
それぞれの連通孔又はスリットによって連通し前記連通孔又はスリットの両端部に開口する流出口と流入口とにおいて、前記流出口の開口面積を、前記流入口の開口面積に対して拡径又は拡開されていることを特徴とする請求項1記載の船舶用のプロペラ。
【請求項3】
流出口と流入口とを連通するそれぞれの連通孔又はスリットの長手方向の中心線をプロペラの回転中心軸線と平行線上に配置したことを特徴とする請求項1記載の船舶用のプロペラ。
【請求項4】
各回転翼における後進面側の翼端部か又は後進面側の翼端部の前縁側と後縁側か又は双方に、各回転翼の撓りを制止するための撓り制止板又は撓り制止棒を、プロペラの回転軸中心線がドリル加工機の平面台に対して垂直方向を向くように一定の長さ突設させて一体化して設けたことを特徴とする請求項1記載の船舶用のプロペラ。
【請求項5】
それぞれの連通孔又はスリットによって連通し前記連通孔又はスリットの両端部に開口する流出口と流入口とにおいて、前記流出口の開口位置を、前記流入口の開口位置に対してプロペラ回転方向の遅れ側位置に開口して設け、前記流入口の開口位置を、前記流出口の開口位置に対してプロペラ回転方向の進み側位置に開口して設けたことを特徴とする請求項1記載の船舶用のプロペラ。
【請求項6】
それぞれの連通孔又はスリットによって連通し前記連通孔又はスリットの両端部に開口する流出口と流入口とにおいて、前記流出口の開口位置を、前記流入口の開口位置に対してプロペラ回転方向の進み側位置に開口して設け、前記流入口の開口位置を、前記流出口の開口位置に対してプロペラ回転方向の遅れ側位置に開口して設けたことを特徴とする請求項1記載の船舶用のプロペラ。
【請求項7】
それぞれの連通孔又はスリットによって連通し前記連通孔又はスリットの両端部に開口する流出口と流入口とにおいて、前記流出口の開口位置を、前記流入口の開口位置に対してプロペラ回転軸中心から遠い位置に開口して設け、前記流入口の開口位置を、前記流出口の開口位置に対してプロペラ回転軸中心に寄った位置に開口して設けたことを特徴とする請求項1記載の船舶用のプロペラ。
【請求項8】
プロペラの回転軸中心線から半径方向に向かって伸びる第1平面と、前記回転軸中心線と平行する平行線を交線として前記第1平面と直交する第2の平面上で、かつ、前記交線を長手方向の平均的な中心線とする各連通孔又は各スリットの形状くの字形に形成するとともに、前記くの字形状の屈曲部を、プロペラの回転方向遅れ側に向けて位置させて設けたことを特徴とする請求項1記載の船舶用のプロペラ。
【請求項9】
回転中心軸を有するボス部の外周から半径方向に延びる所要数の回転翼を備える船舶用のプロペラにおいて、
各回転翼における最大羽根厚部又は最大羽根厚部付近の内部に、半径方向に単数又は複数本の通水路をそれぞれ形作って設け、
前記通水路に連通して水を供給するための取水口を、前記回転翼を支持するボス部の前方外周囲面にそれぞれ設けるとともに、
前記各回転翼の前縁から後進面にかけて、プロペラの高速回転時に発生しやすい多様なキャビテーションを効果的に阻止することが可能な想定範囲箇所それぞれに単数又は複数の流出口を開口して設け、
各取水口と連通し各回転翼内部に設けた前記通水路とそれぞれの流出口間を連通孔又はスリットによってそれぞれ連通させことを特徴とする船舶用のプロペラ
【請求項10】
回転中心軸を有するボス部の外周から半径方向に延びる所要数の回転翼を備える船舶用のプロペラにおいて、
各回転翼における前縁の複数箇所に、中央先端部が前進面側から前縁を切り込み、さらに、後端部が後進面側へ掛けて切り込まれて形成するV字型形状やU字型形状などの切り欠き部を設けたことを特徴とする船舶用のプロペラ。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、船舶用プロペラの回転時において、プロペラ回転中心軸を有するボス部の外周から半径方向に延びる回転翼が水をかくことにより、プロペラ回転中心軸方向に揚力を作り、推進する力を得る船舶用プロペラに関する。
続きを表示(約 1,600 文字)【背景技術】
【0002】
船舶用プロペラは、プロペラ回転時において、回転翼に働く揚力を利用して推進力を発生させるが、高速回転時においては多様なキャビテーション現象も発生する。キャビテーション現象とは空洞現象とも呼ばれ、水の中に気体の泡が発生する現象で、高速で回転する各回転翼の前縁や先端付近など、流速が非常に速くなる部分に発生しやすく、ベルヌーイの法則から流速が速い分だけ圧力(静圧)は低くなり、それが飽和蒸気圧以下に達すると水中で気泡が発生し、これがキャビテーションである。
【0003】
そして、船の推進力には、この回転翼の後進面(背面)にできる非常に低い圧力を利用し、圧力が低いほど大きな推力が得られるが、反面、高速回転時においては多様なキャビテーションが発生しやすくなり、回転翼の後進面(背面)にキャビテーションが広がると推力が減少し、騒音・振動が発生するとともにキャビテーションで発生した気泡がプロペラ表面の近くで崩壊すると回転翼表面を腐食させてしまうこともある。
【0004】
その多様なキャビテーションに起因する船尾振動や翼面エロージョン(磨耗的腐食)の低減を図ることを目的とした船舶用プロペラの技術が特許文献1に開示されている。
【0005】
なお、日本舶用機関整備協会によると、プロペラを船尾側から見たときに、回転翼の背面側を後進面と称し、また、正面側を前進面と称すとのことにより、文中において、回転翼の背面側を後進面と呼び、また、正面側を前進面と呼ぶこととした。
【0006】
また、船舶用スクリュープロペラは、海事従事者の間では略して一般にプロペラと呼ばれることが多く、スクリューと略されることは少ない。ペラと略す業界もある。よって、以下、スクリュープロペラをプロペラと略して記す。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
特開2005-022570号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
プロペラの回転中心軸の回転数が増すに連れて発生する多様なキャビテーションをできる限り阻止するためには、回転翼のピッチを弱め、回転数の上限を規制する必要があるが、反面、船速の向上を図り辛いなどのジレンマも生じていた。さらに、プロペラ回転数の低減化を図るためにプロペラの直径の大径化を図ると、喫水の制約もあって限度がある。
【0009】
キャビテーション対策の一例として、例えば、従来、回転翼の各々のピッチ角を、翼面上でキャビテーションの発生し易い位置(Θ=0°付近)にあるときには小さくし、翼面上でキャビテーションの発生し難い位置(Θ=120°又は240°付近)にあるときには大きくする。これにより、船尾伴流の大きい水深の浅い位置におけるキャビテーションの発生を格段に抑制できるとともに、Θ=0°~180°にかけて迎角の変動幅をなだらかにでき、発生したキャビテーションも穏やかに消滅させることができる。そのため、大きな船尾振動の発生やエロージョンの発生を低減する対策方法が知られている(例えば、特許文献1参照)。このようなキャビテーション対策方法により、発生したキャビテーションを穏やかに消滅させることはできるが、プロペラの機構自体が複雑になりコストアップになるなどの問題点があった。
【0010】
そこで、本発明は、上記課題を解決するために成されたもので、特に、プロペラの高速回転中に回転翼の後進面にできる非常に低い水圧域を、飽和蒸気圧以下とならないように、キャビテーション初生直前のキャビテーションが発生し難い水圧まで高めて、多様なキャビテーションの発生を阻止することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
(【0011】以降は省略されています)

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