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公開番号2024161692
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-11-20
出願番号2023076598
出願日2023-05-08
発明の名称レース艇
出願人ヤマト発動機株式会社
代理人個人,個人,個人
主分類B63B 5/24 20060101AFI20241113BHJP(船舶またはその他の水上浮揚構造物;関連艤装品)
要約【課題】従来の木質構造のレース艇からFRP(繊維強化プラスチック)等によるレース艇とすることで、複数の空間に区画されて水密性が高まり、転覆時におけるバウ上げ動作を実現し難くなるという課題があった。
【解決手段】
本発明のレース艇10は、ハル部31と、ストリンガー部32と、デッキ部22とを有する船体11を備える。そして、船体11の内部の第1の空間41は、ストリンガー部32に形成された第1の注水開口部33を介して操縦空間16と連通状態となると共に、第1の空間41は、ストリンガー部32に形成された第1の空気抜き開口部35を介して第2の空間44と連通状態となる。この構造により、船体11としての剛性を維持すると共に、レース艇10の転覆時における船体11の内部から外部空間への空気の放出が実現される。その結果、レース艇10の転覆後に水が急速に船体11の内部に浸入することで、速やかなバウ上げ動作が実現され、後続艇との接触事故等が防止される。
【選択図】図2
特許請求の範囲【請求項1】
ハル部と、
前記ハル部の上面を塞いで配設されるデッキ部と、
前記デッキ部の一部を開口して形成され、外部空間と連通する操縦空間と、
前記ハル部と前記デッキ部との間に配設され、前記操縦空間をその間に挟むように前記ハル部の船尾側から船首側へと延在すると共に、その内部に第1の空間を有するストリンガー部と、
前記操縦空間より前記船首側であり、前記ハル部と前記デッキ部との間に形成される第2の空間と、
前記デッキ部に形成され、前記操縦空間と前記船首との間に前記第2の空間と前記外部空間とを連通させるデッキエアホールと、を備え、
前記ストリンガー部には、
前記第1の空間と前記操縦空間とを連通させる第1の注水開口部と、
前記第1の空間と前記第2の空間とを連通させる第1の空気抜き開口部と、が形成されることを特徴とするレース艇。
続きを表示(約 1,200 文字)【請求項2】
前記操縦空間を囲むように前記デッキ部に配設されるコーミング部を備え、
前記コーミング部には、前記外部空間と連通する第1の開口部が形成されると共に、前記コーミング部と前記ストリンガー部の内壁部との間には前記操縦空間と連通する隙間が形成され、
前記第2の空間は、前記操縦空間と連通することを特徴とする請求項1に記載のレース艇。
【請求項3】
前記ストリンガー部は、その延在方向において、前記デッキエアホールより前記船首側の端部に第2の開口部を有し、
前記第2の開口部は、前記第1の空気抜き開口部であることを特徴とする請求項1または請求項2に記載のレース艇。
【請求項4】
前記ストリンガー部は、前記ハル部の前記船尾から前記船首までに渡り、上面視略V字形状に一体に形成され、
前記第1の空気抜き開口部は、前記第2の空間を区画する前記ストリンガー部に形成されることを特徴とする請求項1または請求項2に記載のレース艇。
【請求項5】
前記ハル部、前記ストリンガー部の外壁部及び前記デッキ部にて囲まれた第3の空間と、を更に備え、
前記ストリンガー部は、前記ハル部の上面に立設される前記内壁部及び前記外壁部と、前記内壁部と前記外壁部の上面側に位置する天面部と、を有し、
少なくとも前記操縦空間の両側に位置する前記ストリンガー部の前記外壁部には、前記第1の空間と前記第3の空間とを連通させる第2の注水開口部が形成され、
少なくとも前記第2の空間の両側に位置する前記ストリンガー部の前記外壁部には、前記第1の空間と前記第3の空間とを連通させる第2の空気抜き開口部が形成されることを特徴とする請求項1または請求項2に記載のレース艇。
【請求項6】
前記ハル部、前記ストリンガー部の外壁部及び前記デッキ部にて囲まれた第3の空間と、を更に備え、
前記ストリンガー部は、前記ハル部の上面に立設される前記内壁部及び前記外壁部と、前記内壁部と前記外壁部の上面側に位置する天面部と、を有し、
少なくとも前記操縦空間の両側には、前記天面部と前記デッキ部との間に注水路が形成され、
前記注水路は、前記第3の空間と前記操縦空間とを連通させることを特徴とする請求項1または請求項2に記載のレース艇。
【請求項7】
前記デッキ部の上面に前記デッキエアホールを覆うように配設されるカウリング部と、を更に備え、
前記カウリング部の内側の前記デッキ部の上面には、補助浮力体が、前記デッキエアホールの近傍に配設され、
前記カウリング部には、前記デッキエアホールよりも前記船首側にカウルエアホールが形成されることを特徴とする請求項1または請求項2に記載のレース艇。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、レース艇に関する。
続きを表示(約 1,700 文字)【背景技術】
【0002】
特許文献1には、転覆後に速やかにレース艇の先端のバウを水面上に直立させるレース艇の構造が開示されている。ボートレース場では、競走水面に300mの間隔で設けられた第1ターンマークと第2ターンマークを6隻のレース艇が1周約35秒で3周回一斉に航走する。そして、コースの直線区間では、レース艇の最高速度は約80km/hに達する。
【0003】
レース中には、上記高速状態を維持したまま、第1ターンマークや第2ターンマークに向かって突入し、180度ターンするため、そのターンする際にレース艇のバランスを失い、他のレース艇と接触し転覆する場合がある。また、上記ターンの際に、向かい風や他のレース艇の起こす波等により煽られて転覆する場合もある。
【0004】
転覆したレース艇やレース艇から放り出された選手に他のレース艇が衝突する等の2重事故の防止を目的に、他のレース艇にいち早く転覆を知らせるため、レース艇には、転覆後速やかにバウを水面上に直立させる工夫が成される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
特許第3435649号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
レース艇では、転覆後速やかにバウを水面上に直立させるため、デッキ部にデッキエアホールという開口部が形成されると共に、カウリング部にはカウルエアホールという開口部が形成される。この構造により、レース艇では、レース艇内部の空気が、デッキエアホールとカウルエアホールを介して速やかに抜かれることで、レース艇の内部に急速に水が浸入する。このとき、レース艇の船尾に設置された船外機等が水中へと引き入れられることで、レース艇本体が直立し、バウが水面上へと突出する。
【0007】
引用文献1の図1に示すように、従来のレース艇は、木質構造であり、レース艇としての剛性を高めるため、セミモノコック構造に形成される。この構造により、レース艇の内部空間が連通状態であり、レース艇内部の空気が、デッキエアホールとカウルエアホールを介して容易に外部へと抜かれた。
【0008】
しかしながら、昨今の環境問題等により、多量の木材を使用するレース艇の構造が、FRP(繊維強化プラスチック)等を使用した構造へと置き換わることが想定される。この場合には、レース艇の内部には、板状体から成形加工されたストリンガー部を用いて、従来の木質構造と同等の剛性を維持するため、レース艇の内部空間を上記木質構造のように連通状態とすることが難しい。その結果、単に、レース艇にデッキエアホールとカウルエアホールを形成したのみでは、レース艇の内部の空気が外部へと放出され難く、レース艇の内部への水の浸入を妨げることで、レース艇の転覆後速やかな上記バウ上げ動作が実現され難いという課題がある。
【0009】
本発明は、上記の事情に鑑みてなされたものであり、船体の各所に注水開口部及び空気抜き開口部を配設することで、その転覆時に船体の内部へと急速に水を浸入させ、速やかなバウ上げ動作を実現するレース艇を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明のレース艇では、ハル部と、前記ハル部の上面を塞いで配設されるデッキ部と、前記デッキ部の一部を開口して形成され、外部空間と連通する操縦空間と、前記ハル部と前記デッキ部との間に配設され、前記操縦空間をその間に挟むように前記ハル部の船尾側から船首側へと延在すると共に、その内部に第1の空間を有するストリンガー部と、前記操縦空間より前記船首側であり、前記ハル部と前記デッキ部との間に形成される第2の空間と、前記デッキ部に形成され、前記操縦空間と前記船首との間に前記第2の空間と前記外部空間とを連通させるデッキエアホールと、を備え、前記ストリンガー部には、前記第1の空間と前記操縦空間とを連通させる第1の注水開口部と、前記第1の空間と前記第2の空間とを連通させる第1の空気抜き開口部と、が形成されることを特徴とする。
(【0011】以降は省略されています)

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