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公開番号2025025727
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-02-21
出願番号2023130807
出願日2023-08-10
発明の名称船舶推進システムおよびその制御方法、船舶
出願人ヤマハ発動機株式会社
代理人個人,個人
主分類B63H 25/04 20060101AFI20250214BHJP(船舶またはその他の水上浮揚構造物;関連艤装品)
要約【課題】推進機による推進開始の遅延を小さくする。
【解決手段】コントローラ70は、トローリングモータ5を利用可能な操船モードを指定した使用開始指示が受け付けられたことに応じて、トローリングモータ5を使用位置に移動させる処理を開始すると共に、最新の操船指示内容を取得する。そしてコントローラ70は、使用開始指示において指定された操船モードと最新の操船指示内容とに基づいてトローリングモータ5の向きを決定し、トローリングモータ5の向きを決定された向きとなるように転舵する処理を、使用位置へのトローリングモータ5の移動完了前に開始する。
【選択図】図7
特許請求の範囲【請求項1】
使用位置と収納位置とに移動可能で、転舵動作により向きを変更可能な推進機と、
前記推進機を利用可能な複数の操船モードのうち実行する操船モードを指定した使用開始指示を受け付ける受け付け部と、
前記使用開始指示が受け付けられたことに応じて前記推進機を前記使用位置に移動させる制御部と、
前記使用開始指示が受け付けられたことに応じて、最新の操船指示内容を取得する取得部と、
前記使用開始指示において指定された操船モードと前記最新の操船指示内容とに基づいて、前記推進機の向きを決定する決定部と、を有し、
前記制御部は、前記使用開始指示が受け付けられたことに応じて前記推進機を前記使用位置に移動させる際、前記推進機の向きを前記決定された向きとなるように転舵する処理を、前記使用位置への前記推進機の移動完了前に開始する、船舶推進システム。
続きを表示(約 1,400 文字)【請求項2】
前記複数の操船モードには、ジョイスティックの操作に基づき前記推進機を制御するジョイスティックモードが含まれ、
前記決定部は、前記ジョイスティックモードが指定された場合は、前記推進機の向きを、前記ジョイスティックの最新の操作に応じた向きに決定する、請求項1に記載の船舶推進システム。
【請求項3】
前記複数の操船モードには、船体に対して横方向への推進力を与えるよう指示するための第1操作指示部と、前記船体に対して前後方向の推進力を与えるよう指示するための第2操作指示部と、を少なくとも含む複数の操作指示部を備えるステアリングホイールの操作に基づき前記推進機を制御するステアリングホイール操船モードが含まれ、
前記決定部は、前記ステアリングホイール操船モードが指定された場合は、前記推進機の向きを、前記複数の操作指示部の最新の操作に応じた向きに決定する、請求項1または2に記載の船舶推進システム。
【請求項4】
前記複数の操船モードには、維持する船体の位置または維持する船体の方位を指定する自動操船モードが含まれ、
前記決定部は、前記自動操船モードが指定された場合は、前記推進機の向きを、指定された前記位置または前記方位に応じた向きに決定する、請求項1乃至3のいずれか1項に記載の船舶推進システム。
【請求項5】
前記複数の操船モードには、船体の目標位置または船体の目標方位を指定する自動操船モードが含まれ、
前記決定部は、前記自動操船モードが指定された場合は、前記推進機の向きを、指定された前記目標位置または前記目標方位に応じた向きに決定する、請求項1乃至3のいずれか1項に記載の船舶推進システム。
【請求項6】
前記制御部は、前記指定された操船モードの実行中であっても、船速が所定速度を超えた場合は、前記推進機を前記収納位置の方向へ強制的に移動させることで前記使用位置から待避させる、請求項1乃至5のいずれか1項に記載の船舶推進システム。
【請求項7】
前記制御部は、前記推進機を前記使用位置から待避させた後、前記船速が前記所定速度以下となり且つ、前記複数の操船モードのいずれかが指定された状態である場合は、前記推進機を再び前記使用位置に移動させる、請求項6に記載の船舶推進システム。
【請求項8】
前記制御部が前記推進機を再び前記使用位置に移動させる際、
前記取得部は、最新の操船指示内容を取得し、
前記決定部は、前記指定された操船モードと前記最新の操船指示内容とに基づいて前記推進機の向きを決定し、
前記制御部は、前記推進機の向きを前記決定された向きとなるように転舵する処理を、前記使用位置への前記推進機の移動完了前に開始する、請求項7に記載の船舶推進システム。
【請求項9】
前記決定部は、前記最新の操船指示内容が取得されなかった場合は、前記推進機の向きを所定の向きに決定する、請求項1乃至8のいずれか1項に記載の船舶推進システム。
【請求項10】
前記制御部は、前記指定された操船モードの終了が指示されたことに応じて前記推進機を前記収納位置に移動させる、請求項1乃至9のいずれか1項に記載の船舶推進システム。
(【請求項11】以降は省略されています)

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、船舶推進システムおよびその制御方法、船舶に関する。
続きを表示(約 1,600 文字)【背景技術】
【0002】
トローリングモータを備える船舶推進システムにおいて、トローリングモータを電動等によって使用位置と収納位置とに移動させることが可能なシステムが知られている(特許文献1、2、3)。
【0003】
一般に、トローリングモータの推進力を用いて操船する際、トローリングモータが、使用位置に降ろされ且つ、転舵動作により操船指示に応じた向き(転舵角度)に転舵された後に、所望する大きさおよび方向の推進力が得られるようになる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
米国特許第6447347号明細書
米国特許第3965844号明細書
米国特許第3980039号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、通常、トローリングモータが使用位置に降ろされる際の転舵角度は一律に定まっている。そのため、トローリングモータが使用位置に降ろされた直後は、操船者または制御部の意図に対応したトローリングモータの向きとトローリングモータの実際の向きとの乖離が大きくなる場合がある。上記乖離が大きすぎると、操船指示に応じた向きにトローリングモータが移動するまでの間、所望する大きさおよび方向の推進力が得られない。従って、実質的に、トローリングモータによる推進開始が遅延する場合がある。
【0006】
本発明は、推進機による推進開始の遅延を小さくすることができる船舶推進システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
この発明の一態様による船舶推進システムは、使用位置と収納位置とに移動可能で、転舵動作により向きを変更可能な推進機と、前記推進機を利用可能な複数の操船モードのうち実行する操船モードを指定した使用開始指示を受け付ける受け付け部と、前記使用開始指示が受け付けられたことに応じて前記推進機を前記使用位置に移動させる制御部と、前記使用開始指示が受け付けられたことに応じて、最新の操船指示内容を取得する取得部と、前記使用開始指示において指定された操船モードと前記最新の操船指示内容とに基づいて、前記推進機の向きを決定する決定部と、を有し、前記制御部は、前記使用開始指示が受け付けられたことに応じて前記推進機を前記使用位置に移動させる際、前記推進機の向きを前記決定された向きとなるように転舵する処理を、前記使用位置への前記推進機の移動完了前に開始する。
【0008】
この構成によれば、推進機を利用可能な複数の操船モードのうち実行する操船モードを指定した使用開始指示が受け付けられたことに応じて、推進機が使用位置に移動され且つ、最新の操船指示内容が取得され、使用開始指示において指定された操船モードと最新の操船指示内容とに基づいて推進機の向きが決定される。使用開始指示が受け付けられたことに応じて推進機が使用位置に移動される際、推進機の向きを決定された向きとなるように転舵する処理が、使用位置への推進機の移動完了前に開始される。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、推進機による推進開始の遅延を小さくすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
船舶推進システムが適用される船舶の模式的な上面図である。
船舶の船首部分および船尾部分の模式的な側面図である。
トローリングモータが収納位置に位置する状態での船舶の前部の模式的な側面図である。
ジョイスティックの斜視図である。
ステアリングをほぼ正面から見た図である。
船舶推進システムのブロック図である。
昇降・転舵処理のフローチャートである。
昇降・転舵処理のフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
(【0011】以降は省略されています)

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