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公開番号2025025667
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-02-21
出願番号2023130681
出願日2023-08-10
発明の名称船舶推進システムおよび船舶
出願人ヤマハ発動機株式会社
代理人弁理士法人あい特許事務所
主分類B63H 25/02 20060101AFI20250214BHJP(船舶またはその他の水上浮揚構造物;関連艤装品)
要約【課題】船体の横移動を実現するための具体的な構成を備える船舶推進システムおよび船舶を提供する。
【解決手段】船舶推進システム100は、船体の左右方向の推進力を発生可能なバウスラスタBTと、船体の前後方向の推進力を発生可能な推進機である船外機OMと、船体の針路変更のための転舵装置(転舵アクチュエータ25および転舵機構26)と、を含む。メインコントローラ50は、横移動指令に応答して、船体の左右方向に沿い船体の前後方向に間隔を空けた2本の平行な基準線を設定する。メインコントローラは、船体の方位を保持しながら、2本の基準線の間で横移動指令により指令される方向に向かってジグザグに船体が移動するようにバウスラスタ、船外機および転舵アクチュエータを制御する。
【選択図】図2
特許請求の範囲【請求項１】
船体の船首に配置され、前記船体の左右方向の推進力を発生可能なバウスラスタと、
前記船体に装備され、前記船体の前後方向の推進力を発生可能な推進機と、
前記船体の針路変更のための転舵装置と、
横移動指令に応答して、前記船体の左右方向に沿い、前記船体の前後方向に間隔を空けた２本の平行な基準線を設定し、前記船体の方位を保持しながら、前記２本の基準線の間で前記横移動指令により指令される方向に向かってジグザグに前記船体が移動するように前記バウスラスタ、前記推進機および前記転舵装置を制御するコントローラと、を含む、船舶推進システム。
続きを表示（約 1,000 文字）【請求項２】
前記ジグザグの船体の移動は、前記横移動指令により指令される横方向の成分と前方および後方のうちの一方の成分とを含む斜め移動である第１移動と、前方および後方のうちの他方の成分を含む第２移動とを少なくとも一回ずつ含む、請求項１に記載の船舶推進システム。
【請求項３】
前記コントローラは、前記船体が、前記２本の基準線の間で、前記横移動指令により指令される横方向の成分を含む斜め前方への移動である第１移動と、前記横移動指令により指令される横方向の成分を含む斜め後方への移動である第２移動とを交互に繰り返すように、前記バウスラスタ、前記推進機および前記転舵装置を制御する、請求項１に記載の船舶推進システム。
【請求項４】
前記コントローラは、前記第１移動と前記第２移動とが切り換わる切換期間において、前記船体の方位を維持するための方位保持制御を実行する、請求項２または３に記載の船舶推進システム。
【請求項５】
前記２本の基準線は、前記船体の重心よりも前方と、前記船体の重心よりも後方とにそれぞれ位置するように設定される、請求項１～４のいずれか一項に記載の船舶推進システム。
【請求項６】
前記２本の基準線の両方が、前記船体の重心よりも前方または後方に位置するように設定される、請求項１～４のいずれか一項に記載の船舶推進システム。
【請求項７】
前記推進機が、前記船体の船尾に備えられる単一の推進機、または前記船体の船尾に備えられ同じ舵角で転舵されるように構成された複数の推進機を含む、請求項１～６のいずれか一項に記載の船舶推進システム。
【請求項８】
使用者によって操作され、前記横移動指令を前記コントローラに入力する横移動操作器をさらに含む、請求項１～７のいずれか一項に記載の船舶推進システム。
【請求項９】
前記コントローラは、前記横移動操作器の操作量に応じて、前記横移動指令により指令される横方向の推進力が変化するように、前記バウスラスタ、前記推進機および前記転舵装置を制御する、請求項８に記載の船舶推進システム。
【請求項１０】
前記コントローラは、前記横移動操作器の操作量に応じて、前記２本の基準線の間の距離を変化させる、請求項８または９に記載の船舶推進システム。
（【請求項１１】以降は省略されています）
発明の詳細な説明【技術分野】
【０００１】
この発明は、船舶推進システムおよびそれを備える船舶に関する。
続きを表示（約 1,500 文字）【背景技術】
【０００２】
特許文献１は、バウスラスタおよび１機の船外機を備えた船舶の推進制御装置を開示している。ジョイスティックユニットに備えられるレバー（ジョイスティック）の操作に対して、予め操船パターンを選択して設定することができる。具体的には、ジョイスティックの左右への傾倒操作に対して、円弧状に移動しながらの回頭、斜め前方への平行移動、斜め後方への平行移動、その場回頭、および真横への平行移動のいずれかの操船パターンを選択できる。ジョイスティックの前後への傾倒操作については、前後方向に移動する操船パターンの一択である。
【０００３】
真横への平行移動においては、バウスラスタが横方向の推進力を発生し、その一方で、船外機が斜め前方への推進力を発生する状態と斜め後方への推進力を発生する状態とに交互に制御される。これにより、船体は、斜め前方への移動と斜め後方への移動とを交互に繰り返しながら横方向に移動する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【０００４】
特開２０１４－３４２６９号公報（図７）
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【０００５】
特許文献１には、真横への平行移動に関する記載があるが、具体的な制御内容等についての詳細な記載はなく、実現に際して、検討の余地がある。
【０００６】
この発明の一実施形態は、船体の横移動を実現するための具体的な構成を備える船舶推進システムおよび船舶を提供する。
【課題を解決するための手段】
【０００７】
この発明の一実施形態は、船体の船首に配置され、前記船体の左右方向の推進力を発生可能なバウスラスタと、前記船体に装備され、前記船体の前後方向の推進力を発生可能な推進機と、前記船体の針路変更のための転舵装置と、を含む、船舶推進システムを提供する。船舶推進システムは、横移動指令に応答して、前記船体の左右方向に沿い、前記船体の前後方向に間隔を空けた２本の平行な基準線を設定し、前記船体の方位を保持しながら、前記２本の基準線の間で前記横移動指令により指令される方向に向かってジグザグに前記船体が移動するように前記バウスラスタ、前記推進機および前記転舵装置を制御するコントローラを含む。
【０００８】
この構成によれば、横移動指令に応答して、船体の前後方向に間隔を空けた２本の平行な基準線が設定される。これらの基準線は、船体の左右方向に沿っている。コントローラは、２本の基準線の間で横移動指令により指令される横方向（右方向または左方向）に向かってジグザグに船体が移動（好ましくは並進）するように、バウスラスタ、推進機および転舵装置を制御する。したがって、２本の基準線の間でのジグザグ移動により、横移動指令により指令される横方向に船体を移動させることができる。こうして、船体の横移動を実現するための具体的な構成を備える船舶推進システムを提供できる。
【０００９】
前記基準線は、横移動指令が与えられたときの船体の左右方向に沿うように設定される対地基準線であることが好ましい。それにより、船体の方位変動によらずに、対地基準の横移動を実現できる。
【００１０】
この発明の一実施形態では、前記ジグザグの船体の移動は、前記横移動指令により指令される横方向の成分と前方および後方のうちの一方の成分とを含む斜め移動である第１移動と、前方および後方のうちの他方の成分を含む第２移動とを少なくとも一回ずつ含む。
（【００１１】以降は省略されています）

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