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公開番号
2025022747
公報種別
公開特許公報(A)
公開日
2025-02-14
出願番号
2024086782
出願日
2024-05-29
発明の名称
音叉型水晶振動子、水晶デバイス及び中間体ウエハ
出願人
日本電波工業株式会社
代理人
主分類
H03H
9/19 20060101AFI20250206BHJP(基本電子回路)
要約
【課題】3本腕構造の音叉型水晶振動子の支持腕における電極分割を従来に比べ確実にできる新規な構造を有した音叉型水晶振動子を提供する
【解決手段】音叉型水晶振動子10は、基部11、第1振動腕13a及び第2振動腕13b、支持腕15と、第1励振用電極17a及び第2励振用電極17bと、これら励振用電極を外部と接続するため、支持腕の先端側に設けた第1接続パッド17ax及び前記支持腕の基部側に設けた第2接続パッド17bxとを備える。そして、支持腕の第1接続パッド及び第2接続パッドの間に当たる領域に、水晶の第1X軸X1に平行な第1切欠き15aと、水晶が三方晶系であることに起因する第2X軸X2に平行な第2切欠き15bとを備える。
【選択図】図1
特許請求の範囲
【請求項1】
基部と、前記基部から互いに平行に延びている第1振動腕及び第2振動腕と、これら振動腕の間に前記基部から延びている支持腕と、前記第1振動腕及び前記第2振動腕に配置してある第1励振用電極及び第2励振用電極と、前記第1励振用電極及び前記第2励振用電極を外部と接続するため、前記支持腕の先端側に設けた第1接続パッド及び前記支持腕の基部側に設けた第2接続パッドと、前記支持腕の長手方向途中であって前記第1接続パッド及び前記第2接続パッドの間に当たる領域に前記支持腕の幅方向に沿って両側から設けた少なくとも1対の切欠きと、を具える音叉型水晶振動子において、
音叉型水晶振動子の幅方向に平行な水晶のX軸を第1X軸、水晶が三方晶系であることに起因する第1X軸に対し120度対称のX軸を第2X軸、第3X軸とそれぞれ定義したとき、
前記1対の切欠きのうちの、第1切欠きは、前記第1X軸に平行、かつ、この軸の-X方向が終端となっている切欠きであり、
前記1対の切欠きのうちの、第2切欠きは、前記第2X軸又は第3X軸に平行、かつ、この軸の-X方向が終端となっている切欠きであることを特徴とする音叉型水晶振動子。
続きを表示(約 880 文字)
【請求項2】
前記第1切欠き及び前記第2切欠き各々は、前記支持腕の表裏面から各切欠きの+X軸方向に向かって下がっている傾斜面を含むものであることを特徴とする請求項1に記載の音叉型水晶振動子。
【請求項3】
前記第2切欠きは、前記支持腕の先端側に開口しているものであることを特徴とする請求項1に記載の音叉型水晶振動子。
【請求項4】
前記第2切欠きは、前記支持腕の基部側に開口しているものであることを特徴とする請求項1に記載の音叉型水晶振動子。
【請求項5】
前記第1切欠きの幅寸法をW1、奥行き寸法をD1、前記第2切欠きの幅寸法をW2、第1奥行き寸法をD21,第2奥行寸法をD22、前記支持腕の幅寸法をW0とそれぞれ定義したとき、前記W1、D1、W2、D21及びD22各々が、0.1W~0.4Wから選ばれた互いに同じ又は異なる寸法であることを特徴とする請求項1に記載の音叉型水晶振動子(ただし、前記第1奥行き寸法D21、前記第2奥行寸法D22は、第2切欠きの左右の奥行寸法のことであり、D21>D22の関係である)。
【請求項6】
前記第2切欠きの幅寸法をW2、前記第2切欠きの左右の奥行寸法のうち短い側の奥行寸法を第2奥行寸法D22と定義したとき、
前記幅寸法W2、前記第2奥行寸法D22各々が、10μm以上から選ばれた互いに同じ又は異なる寸法であることを特徴とする請求項1に記載の音叉型水晶振動子。
【請求項7】
当該音叉型水晶振動子の厚みをTと定義したとき、前記Tが60μm以上であることを特徴とする請求項1に記載の音叉型水晶振動子。
【請求項8】
請求項1~7のいずれか1項に記載の音叉型水晶振動子と、この音叉型水晶振動子を実装する容器とを備えたことを特徴とする水晶デバイス。
【請求項9】
請求項1~7のいずれか1項に記載の音叉型水晶振動子をマトリクス状に多数備えることを特徴とする音叉型水晶振動子を製造するための中間体ウエハ。
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、3本腕構造の音叉型水晶振動子、これを用いた水晶デバイス、及び、前記音叉型水晶振動子を製造するための中間体ウエハに関する。
続きを表示(約 2,900 文字)
【背景技術】
【0002】
小型化に有利な音叉型水晶振動子として、いわゆる3本腕構造の音叉型水晶振動子がある。その一例が、例えば特許文献1に開示されている。この音叉型水晶振動子は、基部と、基部から同一方向に平行に伸びる第1振動腕及び第2振動腕と、これら振動腕の間で基部から振動腕と同一方向に平行に伸びる支持腕と、を備えるものである。
第1振動腕及び第2振動腕には、極性が異なる2つの励振用電極が、所定配置で設けてある。これら励振用電極から支持腕に引出電極がそれぞれ引き出してある。これら引出電極の末端は、音叉型水晶振動子を容器に固定するための第1接続パッド及び第2接続パッドとなっている。
【0003】
上記の励振用電極、引出電極、第1接続パッド及び第2接続パッドは、詳述はしないが、3本腕構造の音叉型水晶片本体を形成後、この本体全面に、電極形成用の金属膜を形成し、次いで、この金属膜をフォトリソグラフィ技術及びメタルエッチング技術によって所定形状にパターニングして形成される。その際特に、支持腕に集中している第1接続パッド及び第2接続パッドを形成するために、支持腕の側面に設けられた金属膜を電気的に分割するための工夫が必要である。
そこで、特許文献1に開示された3本腕構造の音叉型水晶振動子では、支持腕の長手方向の途中に、支持腕の幅方向両側からそれぞれ切欠きを設け、これら2つの切欠きに生じる、水晶の結晶軸のエッチング異方性に起因する斜面を利用して、上記金属膜のパターニングを実施している。特に、水晶の-X軸側に設ける切欠きとして、2段状の段差を有するものを設けている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
特開2022-125526号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
2つの切欠きを利用して金属膜を分割するという特許文献1に記載の思想は、具体的には、次のものである。先ず、水晶の+X側に切欠きを設ける理由は、水晶の+X側に設けた切欠きには、支持腕の両主面から水晶の+X軸側に向かって傾斜する傾斜面が生じるという周知の傾斜面を利用したものである。また、水晶の-X側に2段状の切欠きを設ける理由は、支持腕の-X側の側面が水晶の結晶性から垂壁になるため電極分割を行い難いことを改善するためであり、支持腕の-X側に2段状の切欠きを設けることで斜面を意図的に生じさせて、金属膜の分割を促進するものである。
特許文献1に開示の構造は、支持腕における電極分割を行い易いものであるが、それでも改善の余地はまだある。
この出願は上記の点に鑑みなされたものであり、従ってこの発明の目的は、3本腕構造の音叉型水晶振動子の支持腕における電極分割を従来に比べ確実にできる新規な構造を有した音叉型水晶振動子を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
この目的の達成を図るため、この発明の音叉型水晶振動子は、基部と、基部から互いに平行に延びている第1振動腕及び第2振動腕と、これら振動腕の間に基部から延びている支持腕と、第1及び第2振動腕に配置してある第1励振用電極及び第2励振用電極と、これら第1励振用電極及び第2励振用電極を外部と接続するため、支持腕の先端側に設けた第1接続パッド及び支持腕の基部側に設けた第2接続パッドと、支持腕の長手方向途中であって第1接続パッド及び第2接続パッドの間に当たる領域に支持腕の幅方向に沿って両側から設けた少なくとも1対の切欠きと、を具える音叉型水晶振動子において、
音叉型水晶振動子の幅方向に平行な水晶のX軸を第1X軸、水晶が三方晶系であることに起因する第1X軸に対し120度対称のX軸を第2X軸、第3X軸とそれぞれ定義したとき、
前記1対の切欠きのうちの、第1切欠きは、前記第1X軸に平行、かつ、この軸の-X方向が終端となっている切欠きであり、
前記1対の切欠きのうちの、第2切欠きは、前記第2X軸又は第3X軸に平行、かつ、この軸の-X方向が終端となっている切欠きであること
を特徴とする。
【0007】
この音叉型水晶振動子の発明を実施するに当たり、支持腕の基部とは反対側である先端側に、第2X軸または第3X軸に平行に、かつ、この軸の-X方向が終端となっている第3切欠きを備えても良い(図2(B)参照)。
また、この音叉型水晶振動子の発明を実施するに当たり、上記の1対の切欠きとは別に、支持腕の長手方向の途中に、前記第1X軸、第2X軸又は第3X軸に平行に、かつ、この軸の-X方向が終端となっている第3切欠きを1つ以上備えても良い。
【0008】
また、この音叉型水晶振動子の発明を実施するに当たり、第1切欠き、第2切欠き、第3切欠きを設ける場合は当該第3切欠きは、当該切欠きの終端側に水晶の+X面に由来する結晶面(傾斜面)であって露光を容易にできる傾斜面を所持させることができる適正な幅寸法及び奥行寸法(図2(B)中にD1,W1等と示したもの)を持つ切欠きにすることが必要である。然も、第1切欠き、第2切欠き、第3切欠きは、ウエットエッチングによって形成するので、上記幅寸法や奥行寸法は、音叉型水晶振動子の厚さ(図1(A)中にZ′方向の寸法)も考慮して決める。その具体例は、実施形態の項にて説明する。
【0009】
また、音叉型水晶振動子の厚さが薄すぎては、切欠きの終端を閉塞状態にしにくくなるため所望とする結晶面(傾斜面)を生じさせにくくなるので、音叉型水晶振動子の厚さは、50μm以上、好ましくは60μm以上にするのが良い。一方、当該厚さが厚すぎては、音叉の加工のウエットエッチングが大変になる等の弊害が生じるので、当該厚さの上限は、現状の市販の音叉型水晶振動子の厚さ程度、例えば100~120μm程度が良い。
【発明の効果】
【0010】
この発明の音叉型水晶振動子は、3本腕構造の音叉型水晶振動子の支持腕における電極分割構造として、水晶が三方晶系であることに起因する結晶軸の120度対称性に着目した構造を用いたものである。すなわち、水晶のX軸に沿って-X側を終端とした切欠きを設けるとその切欠きでは、切欠きの両主面からそれぞれ+X側に向かって下り斜面となる斜面が生じることは知られているが、この現象を支持腕において第1X軸に加えて、第2X軸又は第3X軸でも生じさせることによって、支持腕の電極分割を達成している。従って、支持腕における第1接続パッド及び第2接続パッド間の電気的分割を従来に比べより確実に行うことができる新規な構造を有した音叉型水晶振動子を提供できる。
【図面の簡単な説明】
(【0011】以降は省略されています)
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