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公開番号2024167523
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-12-04
出願番号2023083656
出願日2023-05-22
発明の名称分散型電力増幅器
出願人日本電気株式会社
代理人個人
主分類H03F 1/02 20060101AFI20241127BHJP(基本電子回路)
要約【課題】広い周波数帯域において高効率で動作する分散型電力増幅器を提供する。
【解決手段】分散型電力増幅器100は、入力信号を2つの信号に分配する2分配器130と、2つの信号の一方を増幅するメインアンプ110と、2つの信号の他方を(N-1)個の信号に分配する(N-1)分配器131と、(N-1)個の信号をそれぞれ増幅する(N-1)個の補助アンプと、互いに直列に接続された(N-1)段の伝送線路とを備える。メインアンプ110の出力端が、1段目の伝送線路の入力側の端部に接続される。(N-1)個の補助アンプの出力端が、それぞれ(N-1)段の伝送線路の出力側の端部に接続される。(N-1)個の補助アンプは、メインアンプ110の最大出力電力よりも大きい最大出力電圧を持つ補助アンプを含む。
【選択図】図1
特許請求の範囲【請求項1】
入力信号を2つの信号に分配する2分配器と、
前記2つの信号の一方を増幅するメインアンプと、
前記2つの信号の他方を(N-1)個(Nは3以上の自然数)の信号に分配する(N-1)分配器と、
前記(N-1)個の信号をそれぞれ増幅する(N-1)個の補助アンプと、
互いに異なる特性インピーダンスを有し、互いに直列に接続された(N-1)段の伝送線路と
を備え、
前記メインアンプの出力端が、前記(N-1)段の伝送線路の1段目の伝送線路の入力側の端部に接続され、
前記(N-1)個の補助アンプの出力端が、それぞれ前記(N-1)段の伝送線路の出力側の端部に接続され、
前記入力信号の電力レベルが小さいときは前記メインアンプのみが増幅動作を行い、前記メインアンプの出力信号の電力レベルが所定の電力レベルに達したのちに前記(N-1)個の補助アンプが一斉に動作を開始するように構成され、
前記(N-1)個の補助アンプは、前記メインアンプの最大出力電力よりも大きい最大出力電力を持つ補助アンプを含む
分散型電力増幅器。
続きを表示(約 870 文字)【請求項2】
前記メインアンプの最大出力電力よりも大きい最大出力電力を持つ補助アンプの前記出力端が、2段目以降のいずれかの伝送線路の前記出力側の端部に接続される
請求項1に記載の分散型電力増幅器。
【請求項3】
前記メインアンプの最大出力電力よりも大きい最大出力電力を持つ補助アンプの前記出力端が、(N-1)段目の伝送線路の前記出力側の端部に接続される
請求項1または2に記載の分散型電力増幅器。
【請求項4】
前記メインアンプの動作領域がA級またはAB級で動作するように、前記メインアンプのバイアス電圧が設定され、
前記(N-1)個の補助アンプがC級で動作するように、前記(N-1)個の補助アンプのバイアス電圧が設定される
請求項1に記載の分散型電力増幅器。
【請求項5】
前記(N-1)段の伝送線路の各々の電気長が略90度である
請求項1に記載の分散型電力増幅器。
【請求項6】
前記(N-1)段の伝送線路からなる合成回路がチェビシェフ型の広帯域インピーダンス変換回路を形成するように、前記(N-1)段の伝送線路の特性インピーダンスが設定される
請求項1に記載の分散型電力増幅器。
【請求項7】
インピーダンス変換機能を持つフィルタ回路をさらに備え、
前記フィルタ回路の入力端が、(N-1)段目の伝送線路の前記出力側の端部に接続され、
前記フィルタ回路の入力インピーダンスが、前記(N-1)段目の伝送線路の前記出力側の端部における出力インピーダンスと共役整合する
請求項1に記載の分散型電力増幅器。
【請求項8】
(N-1)段目の伝送線路の前記出力側の端部に接続されるアンテナをさらに備え、
前記アンテナの入力インピーダンスが、前記(N-1)段目の伝送線路の前記出力側の端部における出力インピーダンスと共役整合する
請求項1に記載の分散型電力増幅器。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本開示は分散型電力増幅器に関する。
続きを表示(約 2,400 文字)【背景技術】
【0002】
近年、第五世代移動通信システム(5G)に代表される無線通信の高度化が進んでいる。無線装置の高機能化(例:ビームフォーミング)や通信速度の向上のため、周波数帯域がより確保しやすいsub-6GHz帯およびミリ波帯などの高周波帯の利用が進んでいる。
【0003】
一方で高周波帯の直進性の高さにより、多くの無線装置(RU: Radio Unit)が設置される必要性がある。設置場所を確保するため、無線装置の設置性の向上が要求される。そのため、無線装置の小型化が求められる。しかし、電力増幅器(PA:パワーアンプ)は、無線装置の消費電力の大きな割合を占め、放熱フィンなどの機構の大型化を招いている。電力変換効率(以下、効率とする)の高効率化は、無線装置の小型化を実現するための重要な技術課題である。また、カーボンニュートラルの実現に向けた環境負荷低減が強く求められており、このような観点からも低消費電力につながる高効率化は重要な技術課題である。無線通信に用いられる直交周波数分割多重(OFDM:Orthogonal Frequency Division Multiplexing)信号は、高いピーク対平均電力比(PAPR:Peak to Average Power Ratio)を持つ。このような信号は低電力の信号の比率が大きいため、バックオフ動作時の高効率化が求められる。また、周波数帯域がより確保しやすいsub-6GHz帯およびミリ波帯などの高周波帯での周波数の広帯域な利用の需要に伴い、広帯域化も併せて要求される。
【0004】
高いバックオフ効率を実現する手法として、例えば、特許文献1は、多段ドハティーPAを開示している。メインアンプが飽和動作を開始する前後の入力電力レベル(入力レベルとも言われる)において、補助アンプは入力レベルに応じて段階的に動作する。
【0005】
非特許文献1は、広帯域に高効率化を実現する手法を開示している。複数の補助アンプを有する3段ドハティー電力増幅器では、λ/4長のインピーダンス線路が、メインアンプ部の出力と第1の補助アンプの出力をつなぐ。λは、所定の周波数帯域の中心周波数を表す。第1の補助アンプは、メインアンプの出力が飽和する前後の電力レベルから動作を開始する。インピーダンス線路の特性インピーダンス値は、出力電力バックオフ値と、各ドレインバイアス電圧との調整により好適な値に設定される。第2の補助アンプの飽和動作により負荷変調される出力インピーダンスは、一般的に適用される50Ω程度に達するように設定される。周波数特性を制限するインピーダンス変換回路が不要となり、3段ドハティーPAは、広帯域動作を実現する。
【0006】
非特許文献2には、分散型高効率PA(Distributed Efficient PA)が開示されている。分散型高効率PAは、メインアンプ、(N-1)段(Nは3以上の自然数)の補助アンプ、および(N-1)段の広帯域インピーダンス変換回路を備える。メインアンプは、出力電力レベルが低いとき単体で動作する。補助アンプは、メインアンプの出力が飽和する前後の入力レベルから、一斉に動作を開始する。非特許文献2に開示されている分散型高効率PAにおいて各アンプでの出力レベルを適切に設定することで、特許文献1や非特許文献1に記載されたドハティーPAで生じるメインアンプの負荷変調を抑制できる。負荷変調とは、低出力時と高出力時との間におけるメインアンプ、及び、補助アンプの負荷の各変動を表す。分散型高効率PAは、動作電力の全範囲で、効率および出力電力等に関するメインアンプの広帯域な最適インピーダンス整合を実現できる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
特開2010-118824号公報
【非特許文献】
【0008】
Xuan Anh Nghiem, Junqing Guan and Renato Negra, “Design of a Broadband Three-Way Sequential Doherty Power Amplifier for Modern Wireless Communications”, IEEE MTT-S Int. Microw. Symp. Dig., 2014, pp.1-3.
Paul Saad et. al., “A 1.8-3.8-GHz Power Amplifier With 40% Efficiency at 8-dB Power Back-Off”, IEEE Transactions on Microwave Theory and Technology, vol.66, no.11, pp.4870 - 4882, Sep. 2018.
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
特許文献1に開示されたドハティーPAでは、メインアンプと補助アンプ群とが、単体のλ/4長の伝送線路にて接続される。したがって、合成回路の周波数特性が狭帯域となり、広帯域化に対応することが難しい。
【0010】
非特許文献1に開示された3段ドハティーPAでは、周波数特性を制限するインピーダンス変換回路が不要である。インピーダンス変換回路は、関連技術において2段目の補助アンプと出力負荷とを接続する回路である。しかし、メインアンプの低出力動作時と高出力動作時との間で負荷変調が生じ、両方の動作時での負荷に対するインピーダンス整合を動作周波数帯域で勘案する必要がある。したがって、良好な特性を保つ周波数帯域が制限される。
(【0011】以降は省略されています)

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