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公開番号2025021603
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-02-14
出願番号2023125418
出願日2023-08-01
発明の名称藻類の突然変異誘導方法および中性子線照射条件を評価する方法
出願人日本電信電話株式会社,株式会社ユーグレナ
代理人個人,個人
主分類C12N 15/01 20060101AFI20250206BHJP(生化学;ビール;酒精;ぶどう酒;酢;微生物学;酵素学;突然変異または遺伝子工学)
要約【課題】藻類の突然変異誘導方法および中性子線照射条件を評価する方法を提供する。
【解決手段】藻類の突然変異誘導方法であって、水中に存在する前記藻類に中性子線を照射することを含み、前記藻類の前記中性子線の吸収線量が0.1~100Gyの範囲内である突然変異誘導方法。
【選択図】図1
特許請求の範囲【請求項1】
藻類の突然変異誘導方法であって、
水中に存在する前記藻類に中性子線を照射することを含み、
前記藻類の前記中性子線の吸収線量が0.1~100Gyの範囲内である
突然変異誘導方法。
続きを表示(約 930 文字)【請求項2】
前記中性子線が熱中性子線である、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記中性子線が高エネルギー中性子線である、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記藻類が、紅藻シゾンまたはユーグレナである、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
前記中性子線の吸収線量が20Gy以下である、請求項1に記載の方法。
【請求項6】
脂質蓄積量の増加した藻類株の作出方法であって、
請求項1~5のいずれか一項に記載の方法を用いて藻類の集団に突然変異誘導すること、
前記突然変異誘導された藻類の集団から、藻類株を単離すること、
前記藻類株の脂質蓄積量を測定すること、
前記測定された脂質蓄積量に基づいて、脂質蓄積量が増加した藻類株を同定すること、を含む方法。
【請求項7】
前記脂質蓄積量を測定することは、
前記藻類株を嫌気処理した後に脂質蓄積量を測定すること、および
前記測定された脂質蓄積量を、前記嫌気処理前の細胞重量に対する前記嫌気処理後の細胞重量の比で乗じて補正すること
を含む、請求項6に記載の方法。
【請求項8】
中性子線を用いた藻類の突然変異誘導において中性子線照射条件を評価する方法であって、
(a1)水中の藻類を、複数の照射条件群に分けて中性子線を照射することと、
(a2)前記照射後の前記複数の照射条件群の各々またはこれらの子孫を、個々の個体に単離された複数の単一個体培養物として培養することと、
(a3)前記複数の単一個体培養物から得られた細胞増殖量の変動係数を、前記複数の照射条件群間で比較することと
を含むか、または、
(b1)水中の藻類を、複数の照射条件群に分けて中性子線を照射することと、
(b2)前記照射後の前記複数の照射条件群またはこれらの子孫を、ウラシルおよび5-フルオロオロト酸を含有する固形培地上で培養することと、
(b3)前記複数の照射条件群間で出現するコロニー数を比較することと
を含む、方法。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本開示は、藻類の突然変異誘導方法および中性子線照射条件を評価する方法に関する。
続きを表示(約 1,800 文字)【背景技術】
【0002】
これまで実験生物ならびに農業および水産業関連生物等への変異導入が幾つかの方法で行われてきた。
【0003】
遺伝子組み換え技術およびゲノム編集技術を用いた変異体作出では、対象とする生物の膨大なゲノム情報が必要であり、所望の形質変化に直結する遺伝子を特定する必要がある。また、遺伝子の改変または編集を行うためには、細胞外から外来遺伝子の伝搬役であるベクター(核酸)もしくはDNA切断酵素(核酸および/またはタンパク質)の導入が必要であるため、全ての生物に直ちに適用できるわけではないという制限がある(非特許文献1)。特に藻類ではゲノム情報や遺伝子改変技術の利用可能性が乏しい。
【0004】
紫外線を含む電磁波の光エネルギーまたは電磁エネルギーを活用して変異を誘発する手法は、生体分子の電離および励起を引き起こす作用が限られているため、変異誘発できる範囲が限られている。例えば、紫外線照射による変異誘発では、DNAのチミン塩基とシトシン塩基が持つ二重結合によって紫外線が吸収されることを利用しており、隣接する塩基がチミンまたはシトシンであった場合に、その2つの塩基間で共有結合をつくることにより変異を誘発する。したがって適用可能な塩基配列および用途が限られたものとなる(非特許文献2)。
【0005】
エチルメタンスルホン酸(EMS)等、化学物質の導入による変異誘発は、DNAの塩基対の結合を置き換えることで変異を誘発させているため、遺伝子配列に依存し、必ずしも全ての遺伝子配列に所望の変異を起こさせるわけではない(非特許文献3)。また発癌性化学物質の取り扱いに関わる問題も伴う。
【0006】
ガンマ線またはエックス線等の低LET線を照射する方法は、水分子の電離または励起を介して変異を生じさせるため、適用できる細胞および照射条件が限られる。一方、高LET線である陽子線、重粒子線等を用いる場合は、粒子が生体分子に直接作用して電離または励起を引き起こすものの、液体培地または水中で培養しながら変異誘発を行う必要がある対象(例えば微細藻類等)である場合には、培地または水への粒子の透過性が小さく、対象とする生物内部に至るまでの均一的な照射が困難である(非特許文献4)。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0007】
Jinek M, et al:A programmable dual-RNA-guided DNA endonuclease in adaptive bacterial immunity. Science, 337:816-821, 2012
Ikehara and Ono, The mechanisms of UV mutagenesis. Journal of radiation research, 2011;52(2):115-25.
Sega, A review of the genetic effects of ethyl methanesulfonate. Mutation Research, 1984;134(2-3):113-42.
Sage and Shikazono. Radiation-induced clustered DNA lesions: Repair and mutagenesis. Free radical biology and medicine. 2017;107:125-135.
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
有用な形質を有する藻類を作出することが可能な変異導入方法のニーズが存在する。
【0009】
本開示は上記のような問題を解決するためになされたものであり、藻類の突然変異誘導方法および中性子線照射条件を評価する方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本開示の一態様における藻類の突然変異誘導方法は、水中に存在する前記藻類に中性子線を照射することを含み、前記藻類の前記中性子線の吸収線量が0.1~100Gyの範囲内である。
(【0011】以降は省略されています)

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