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公開番号2025020953
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-02-13
出願番号2023124603
出願日2023-07-31
発明の名称導電性シール付き転がり軸受
出願人NTN株式会社
代理人個人,個人,個人
主分類F16C 33/78 20060101AFI20250205BHJP(機械要素または単位;機械または装置の効果的機能を生じ維持するための一般的手段)
要約【課題】シール部材を介して外輪と内輪の間で安定した導電性を確保することができる導電性シール付き転がり軸受を提供する。
【解決手段】シール部材5が導電性ゴムで形成され、内輪2にシール部材5が摺接するシール摺接面13が形成されている導電性シール付き転がり軸受において、シール摺接面13は、周方向に直交する方向の粗さ曲線のスキューネスRskとクルトシスRkuが、Rsk>0かつRku<3を満たす面とされている。
【選択図】図1
特許請求の範囲【請求項1】
外輪(1)と、
前記外輪(1)の径方向内側に配置される内輪(2)と、
前記外輪(1)と前記内輪(2)の間に形成される環状の軸受空間(3)に組み込まれた複数の転動体(4)と、
前記軸受空間(3)の軸方向の一方の端部開口を塞ぐ環状のシール部材(5)と、を有し、
前記シール部材(5)が導電性ゴムで形成され、
前記内輪(2)と前記外輪(1)の両軌道輪のうちの一方の軌道輪に前記シール部材(5)が固定され、他方の軌道輪に前記シール部材(5)が摺接するシール摺接面(13)が形成されている導電性シール付き転がり軸受において、
前記シール摺接面(13)は、周方向に直交する方向の粗さ曲線のスキューネスRskとクルトシスRkuが、Rsk>0かつRku<3を満たす面とされていることを特徴とする導電性シール付き転がり軸受。
続きを表示(約 220 文字)【請求項2】
前記シール摺接面(13)は、周方向に延びる複数の突条(15)が0.2mm以上の一定ピッチで平行に並んで形成された面である請求項1に記載の導電性シール付き転がり軸受。
【請求項3】
前記外輪(1)と前記内輪(2)は鋼材で形成され、
前記シール摺接面(13)は、前記鋼材の硬さよりも低い硬さを有する導電性皮膜(16)がコーティングされた面である請求項1または2に記載の導電性シール付き転がり軸受。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
この発明は、導電性シール付き転がり軸受に関する。
続きを表示(約 1,900 文字)【背景技術】
【0002】
走行用の原動機として電動モータを使用する自動車として、EV(バッテリー式電気自動車)やHEV(ハイブリッド電気自動車)などの電気自動車が知られている。これらの電気自動車では、電動モータに交流電力を供給するために、バッテリの直流電力を交流電力に変換するインバータが使用され、電動モータの高効率化を図るために、電動モータに供給する交流電力の周波数が高く設定される。
【0003】
ここで、電動モータに供給される交流電力の周波数が高くなると、急峻な電圧変動の影響で電動モータを構成するステータの巻線から漏れ磁束が発生し、軸の両端で電位差が発生するため、電動モータの主軸を支持する転がり軸受に電流が流れやすくなる。そして、転がり軸受に電流が流れると、転がり軸受の軌道面と転動体の間にスパークが発生し、そのスパークによって軌道面の損傷が次第に進行する現象(電食)が生じることがある。
【0004】
この電食を防止するための軸受として、特許文献1の導電性シール付き転がり軸受が知られている。特許文献1の導電性シール付き転がり軸受は、外輪と、外輪の径方向内側に同軸に配置される内輪と、外輪と内輪の間に形成される環状の軸受空間に組み込まれた複数の転動体と、軸受空間の軸方向の一方の端部開口を塞ぐ環状のシール部材とを有する。シール部材は、外輪の内周に固定され、内輪の外周には、シール部材のシールリップが摺接するシール摺接面が形成されている。
【0005】
ここで、特許文献1の導電性シール付き転がり軸受においては、電食を防止するため、シール部材を導電性ゴムで形成し、そのシール部材を通って外輪と内輪の間で電流が流れる(つまり電流がバイパスする)ようにすることで、転動体を通って電流が流れないようにしている。また、シール部材のシールリップと、内輪の外周のシール摺接面との間を潤滑する潤滑剤として、導電性潤滑剤を使用している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
特開2009-264401号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、特許文献1のように導電性潤滑剤を使用した場合でも、シール部材のシールリップと内輪の外周のシール摺接面との間での導電性が不足することがあり、シール部材を介して外輪と内輪の間で安定した導電性を確保することは難しい。
【0008】
この発明が解決しようとする課題は、シール部材を介して外輪と内輪の間で安定した導電性を確保することができる導電性シール付き転がり軸受を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記の課題を解決するため、この発明では、以下の構成の導電性シール付き転がり軸受を提供する。
[構成1]
外輪と、
前記外輪の径方向内側に配置される内輪と、
前記外輪と前記内輪の間に形成される環状の軸受空間に組み込まれた複数の転動体と、
前記軸受空間の軸方向の一方の端部開口を塞ぐ環状のシール部材と、を有し、
前記シール部材が導電性ゴムで形成され、
前記内輪と前記外輪の両軌道輪のうちの一方の軌道輪に前記シール部材が固定され、他方の軌道輪に前記シール部材が摺接するシール摺接面が形成されている導電性シール付き転がり軸受において、
前記シール摺接面は、周方向に直交する方向の粗さ曲線のスキューネスRskとクルトシスRkuが、Rsk>0かつRku<3を満たす面とされていることを特徴とする導電性シール付き転がり軸受。
【0010】
この構成を採用すると、シール摺接面の周方向に直交する方向の粗さ曲線のスキューネスがRsk>0を満たすので、シール摺接面は、平滑面に多数の谷がある面というよりは、平滑面に多数の山がある面に近い表面性状となり、それらの山の頂部とシール部材との間が潤滑剤を介さない直接接触に近い状態となる。そのため、シール部材を介して外輪と内輪の間で安定した導電性を確保することができる。また、シール摺接面の周方向に直交する方向の粗さ曲線のクルトシスがRku<3を満たすので、シール摺接面は、その表面の多数の山の頂部のとがりが丸められた状態となっている。そのため、シール部材の摩耗を抑制することができる。
(【0011】以降は省略されています)

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