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公開番号2025020593
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-02-13
出願番号2023124074
出願日2023-07-31
発明の名称浮上絶縁構造物
出願人株式会社鴻池組
代理人個人,個人
主分類E04H 9/02 20060101AFI20250205BHJP(建築物)
要約【課題】水槽内部に設置した構造物本体を水の浮力を利用して浮上させ、地震などの災害時に構造物への影響が小さくなるようにした浮上絶縁構造物を提供する。
【解決手段】本発明に係る浮上絶縁構造物1は、構造物本体2が水槽躯体3内部に設置され、水槽躯体3内部の水の浮力を利用して構造物本体2を浮上させることで地盤と絶縁するようにしたものであり、構造物本体2の外周部に設置され、構造物本体2を浮上させるための浮体5と、浮体5に作用する浮力と反対方向の緊張力を加えるための浮力調節手段と、を備えている。通常時は、浮力調節手段により浮体5を引き下げることで、構造物本体2に作用する浮力を抑えて、構造物本体2を水槽躯体3内に接地させることができ、地震時または水害時には、浮力調節手段の浮体5に対する緊張力を緩めることで、構造物本体2を浮上させることができる。
【選択図】図3
特許請求の範囲【請求項1】
構造物本体が水槽躯体内部に設置され、前記水槽躯体内部の水の浮力を利用して前記構造物本体を浮上させることで地盤と絶縁するようにした浮上絶縁構造物であって、
前記浮上絶縁構造物は、
前記構造物本体の外周部に設置され、前記構造物本体を浮上させるための浮体と、
前記浮体に作用する浮力と反対方向の緊張力を加えるための浮力調節手段と、
を備えており、
通常時は、前記浮力調節手段により前記浮体を引き下げることで、構造物本体に作用する浮力を抑えて、前記構造物本体を前記水槽躯体内に接地させることができ、
地震時または水害時には、前記浮力調節手段の前記浮体に対する緊張力を緩めることで、構造物本体が浮上するようにした
ことを特徴とする浮上絶縁構造物。
続きを表示(約 720 文字)【請求項2】
請求項1記載の浮上絶縁構造物において、
前記浮力調節手段は、
前記浮体に接続したワイヤー部材と、
前記ワイヤー部材の巻き取り長さを調節して緊張力の導入および緊張力を緩めるためのウインチと、
を備えていることを特徴とする浮上絶縁構造物。
【請求項3】
請求項2記載の浮上絶縁構造物において、
前記浮体は構造物本体と分離された構造体からなり、
前記ウインチによって前記ワイヤー部材に緊張力を導入している状態では、前記構造物本体と実質的に分離されており、
前記ウインチにより前記ワイヤー部材を巻き出して緊張力を緩めることで、前記構造物本体の外周部に形成された浮体接触部と接触し、前記浮体に作用する浮力を前記構造物本体に作用させるようにしてあることを特徴とする浮上絶縁構造物。
【請求項4】
請求項1記載の浮上絶縁構造物において、
前記浮体は、前記浮体の外郭を構成する鉄骨フレームと、
前記鉄骨フレームの内側に設けられ、空気が封入されているタンクと、
を備えていることを特徴とする浮上絶縁構造物。
【請求項5】
請求項1記載の浮上絶縁構造物において、
前記構造物本体の下部に設けられた基礎躯体に、前記構造物本体の自重を調整する荷重調整水を溜める空間を設けてある
ことを特徴とする浮上絶縁構造物。
【請求項6】
請求項1記載の浮上絶縁構造物において、
前記構造物本体に地震を感知する地震センサーが設けられている
ことを特徴とする浮上絶縁構造物。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、構造物本体を水槽躯体内に設け、水の浮力を利用して浮上させ、地盤と絶縁することで、地震などの災害時に構造物本体への影響が小さくなるようにした浮上絶縁構造物に関するものである。
続きを表示(約 2,000 文字)【背景技術】
【0002】
近年、構造物の地震対策として、地震動の揺れに耐える耐震構造や地震動の揺れを逃がす免震構造が考えられてきた。その他、地震動の揺れから隔離する構造として、絶縁構造がある。絶縁構造とは、地盤と建物の縁が切れた状態であり、地震による揺れが建物に伝わりにくいようにしたものである。
【0003】
また、絶縁構造の種類としては、建物を空気による浮揚させるもの、磁気により浮上させるものなどがある。しかし、空気による浮揚は、浮上力不足が課題となっており、磁気による浮上は水平方向が不安定になるため、側面を支える必要があり、完全な絶縁とはならない。そこで、構造物に水の浮力を利用したものが開発されており、例えば特許文献1~6記載の発明がある。
【0004】
特許文献1には、流体中に浮揚することにより免震性を有する浮体式免震構造物が記載されている。浮体式免震構造物は、構造物本体と、該構造物本体の底部を上面とし、該底部から鉛直下方向に延びる隔壁により囲われる複数に分割された空気室とよりなり、前記空気室内の底部近傍には、流体面に接するように膜が設けられて前記空気室が密閉されているとともに、前記空気室内が、空気を連通し鉛直方向に分割される層構造となっている。
【0005】
特許文献2には、地中に設置されて上方を開口するように側壁および底面を備え、かつ高潮浸水の流入口を開口している容器構造のプール基礎の内部に、上部に建家を建築している台船型の浮体を収容すると共に、この前記台船型の浮体と前記プール型基礎の間に、浮体が上下方向のみに可動自在で水平方向に移動しないアンカー装置を設けて、プール型基礎が浸水状態となった時に浮体を鉛直上方にのみ浮上させて、前記アンカー装置により浮体の流水による水平方向流動を阻止するように構成する耐高潮建築物であって、該アンカー装置が基礎と一体で鉛直方向に延長されたガイド壁と、浮体側面が当接することにより、浮体の浸水による水平方向流動を阻止する様に構成されたことを特徴とする耐高潮建築物が開示されている。
【0006】
特許文献3には、地盤の凹部内に設けられた底盤及びこの底盤周縁に立設された側壁を有する周囲構造体と、前記周囲構造体の内側に貯留された液体と、平面形状が円形もしくは六角形以上の多角形を呈し、その上部は前記液体上面より上に出た浮力構造体と、前記浮力構造体の上部に構築された上部構造体(以下、当該上部構造体と前記浮力構造体とを合わせて「本体構造物」と呼ぶ)と、前記浮力構造体もしくは前記上部構造体と前記周囲構造体もしくは前記地盤との間に設けられ、前記本体構造物を鉛直軸廻りに回転させる回転駆動機構とを備え、前記浮力構造体に作用する前記液体による浮力が前記本体構造物の総重量と等しくなる深さ以上に前記液体が前記周囲構造体内に貯留され、前記本体構造物が前記液体中に浮上し、かつ鉛直軸廻りに回転可能であることを特徴とする建築構造物が開示されている。
【0007】
特許文献4には、高地下水位地盤を掘り込んで通水性壁体を設け、周囲地盤の地下水と連通する地下水を貯水したプール内に前記地下水の水位の変動に追従して昇降可能に周囲地盤の一部に係留された函体基礎を浸漬して浮かせたことを特徴とする浮体式免震構造が開示されている。
【0008】
特許文献5には、流体中に浮揚することにより免震性を有する浮体式免震構造物であって、該浮体式免震構造物は、構造物本体と、該構造物本体の側方に設けられた空気室とよりなり、該空気室が、前記構造物本体の外壁より水平に取り付けられた張出スラブと、該張出スラブの先端部より鉛直下方向に延びる隔壁とより構成されることを特徴とする浮体式免震構造物が開示されている。
【0009】
特許文献6には、液槽と、その内部の液体に浮かべた浮体とにより、浮体上の構造物又は各種機器や装置等の免振を行う浮体式免振装置において、弾力性を有する柔かな物質による円筒体又は円柱状体を上記浮体の支持体として用い、その支持体を液槽と浮体の両方に当接して液槽内に配置し、浮体の両側を弾力的に係留してなることを特徴とする浮体式免振装置における浮体の弾性係留方法が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0010】
特許第4134210号公報
特開第2007-192007号公報
特開第2007-085071号公報
特許第3870371号公報
特許第3894476号公報
特開第2003-021192号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
(【0011】以降は省略されています)

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