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公開番号2025019809
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-02-07
出願番号2023123637
出願日2023-07-28
発明の名称レーザー溶着体
出願人オリヱント化学工業株式会社
代理人弁理士法人眞久特許事務所
主分類B29C 65/16 20060101AFI20250131BHJP(プラスチックの加工;可塑状態の物質の加工一般)
要約【課題】液晶性樹脂を含有する熱可塑性樹脂にレーザー光吸収性色素であるレーザー光吸収剤を添加することにより、液晶性樹脂を含有している樹脂部材であっても、突合わせてレーザー溶着が可能となって一体化した、レーザー溶着体を提供する。
【解決手段】レーザー溶着体は、熱可塑性樹脂とレーザー光吸収剤とを含有している樹脂部材が、少なくとも一部の端部同士で突き合わされている突合せ部位の少なくとも一部でレーザー溶着されて一体になっているレーザー溶着体であって、前記熱可塑性樹脂が液晶性樹脂を含むものであり、前記レーザー光吸収剤が、前記樹脂部材中に0.001質量%~0.48質量%含有されているというものである。
【選択図】図1
特許請求の範囲【請求項1】
熱可塑性樹脂とレーザー光吸収剤とを含有している樹脂部材が、少なくとも一部の端部同士で突き合わされている突合せ部位の少なくとも一部でレーザー溶着されて一体になっているレーザー溶着体であって、
前記熱可塑性樹脂が液晶性樹脂を含むものであり、
前記レーザー光吸収剤が、前記樹脂部材中に0.001質量%~0.48質量%含有されていることを特徴とするレーザー溶着体。
続きを表示(約 560 文字)【請求項2】
前記熱可塑性樹脂が液晶ポリエステルを含むことを特徴とする請求項1に記載のレーザー溶着体。
【請求項3】
前記レーザー光吸収剤が、ニグロシン及び/又はカーボンブラックであることを特徴とする請求項1に記載のレーザー溶着体。
【請求項4】
前記レーザー光吸収剤が、ニグロシンであって、前記樹脂部材中に0.03質量%~0.48質量%含有されていることを特徴とする請求項1に記載のレーザー溶着体。
【請求項5】
前記レーザー光吸収剤が、カーボンブラックであって、樹脂部材中に0.001質量%~0.064質量%含有されていることを特徴とする請求項1に記載のレーザー溶着体。
【請求項6】
前記樹脂部材が、単一又は複数であることを特徴とする請求項1に記載のレーザー溶着体。
【請求項7】
前記樹脂部材が、複数であり、そのうちの少なくとも一つの樹脂部材中のレーザー光吸収剤が、ニグロシンであることを特徴とする請求項1に記載のレーザー溶着体。
【請求項8】
前記樹脂部材が複数であり、そのうちの少なくとも一つの樹脂部材中のレーザー光吸収剤が、カーボンブラックであることを特徴とする請求項1に記載のレーザー溶着体。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、熱可塑性樹脂とレーザー光吸収剤からなる樹脂部材の端部を突き合わせ、該突き合せ部位にレーザー光を照射し一体としたレーザー溶着体に関する。
続きを表示(約 2,000 文字)【背景技術】
【0002】
自動車や鉄道のような交通分野における車両に用いられる部品、及び電子・電気機器分野の構造部品に、金属に代えて、軽量な熱可塑性樹脂製品が使われることがある。このような熱可塑性樹脂部材同士を接合する方法として、レーザー溶着が知られている。
【0003】
レーザー溶着の特長として、接合すべき箇所へレーザー光を局所的に照射するだけで樹脂部材を溶着させることが可能であること、局所的な発熱であるため溶着箇所以外の周辺部への熱影響がごく僅かであること、機械的振動を生じないこと、微細な部分や立体的で複雑な構造を有する樹脂部材同士の溶着が可能であること、再現性が高いこと、高い気密性を維持できること、接合強度が高いこと、溶着部分の境目が目立たないこと、及び粉塵が発生しないこと等が挙げられる。
【0004】
レーザー溶着によれば、樹脂部材を確実に溶着してそれらを確りと接合できる。更に、締結用部品(ボルト、ビス、及びクリップ等)による締結や、接着剤、振動溶着、及び超音波溶着等の方法による接合と同等以上の接合強度が得られる。しかもレーザー溶着は、振動を生じず熱の影響を最小限に抑えることができるので、省力化、生産性の改良、及び製造コストの低減等を実現することができる。そのためレーザー溶着は、例えば自動車産業や電気・電子産業等において、振動や熱の影響を回避すべき機能部品や電子部品等の接合に適するとともに、複雑な形状の樹脂部品の接合に対応可能である。
【0005】
特許文献1には本発明者らによる熱可塑性樹脂とレーザー光弱吸収材を含有するレーザー光弱吸収性樹脂部材同士を突き合わせ、その突合せ部位にレーザー光を照射し一体としたレーザー溶着体が開示されている。熱可塑性樹脂としてはポリアミド樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリフェニレンサルファイド樹脂、ポリブチレンテレフタレート樹脂、ポリプロピレン樹脂が開示されているが、これらはすべてレーザー光を透過しやすい樹脂であり、液晶性樹脂を用いた例はない。
【0006】
また、液晶性樹脂は溶融状態で分子鎖が平行に並んでおり絡み合いが少ないため流動性や寸法安定性がよく、機械的強度も優れているため、近年用途が拡大している。特に流動性の高さから小型の部品に成形され、電気・電子部品での使用が注目されている。
【0007】
特許文献2には、熱可塑性樹脂として液晶ポリエステルを含む成形材料を成形してなる容器と光透過性材料を成形してなる蓋を用い、前記容器の側壁と底とで囲まれた空間を前記蓋で密閉した状態で、前記側壁の頂部と蓋との接触部にレーザー光を照射し一体としたレーザー溶着体が開示されている。このレーザー溶着体は側壁の頂部と蓋とが重なった部分にレーザー光を照射しており、端部を突き合わせて該突合せ部位にレーザー光を照射し一体とすることの記載はない。また、レーザー光を透過する樹脂部材とレーザー光を吸収する樹脂部材を別々に調整する必要がある。
【0008】
特許文献3では、液晶性樹脂100質量部に対して、強化剤5~230質量部を含有してなるレーザー溶着用液晶性樹脂組成物および上記レーザー溶着用液晶性樹脂組成物を成形してなり、レーザー溶着部位の透過部の厚みが0.05~2.0mmであるレーザー光透過部材を用いたレーザー溶着体が開示されている。このレーザー溶着体はレーザー光を吸収する部材の上にレーザー光を透過する部材を重ね合わせ、該重ね合わせ部位にレーザー光を照射し一体としたレーザー溶着体であり、端部を突き合わせ、該突合せ部位にレーザー光を照射し一体とすることの記載はない。また、レーザー光を透過する樹脂部材とレーザー光を吸収する樹脂部材を別々に調整する必要がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
国際公開2007/034978号
特開2013-203026号公報
特開2004-292526号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
上記特許文献2や特許文献3が示すように、液晶性樹脂はレーザー光の透過性が極めて低い樹脂である。それゆえにレーザー光を透過させるには透過側樹脂部材の厚さを薄くすることやフィラーを大量に用いるといったことが必要となる。しかし、樹脂部材の端部を突き合わせて、該端部にレーザー光を照射する突合せ溶着はレーザー光を内部に侵入させる必要があるが、液晶性樹脂ではレーザー光が内部に届かず、発熱が不十分でレーザー溶着体が得られないという問題があった。
(【0011】以降は省略されています)

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