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公開番号2025018298
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-02-06
出願番号2023121884
出願日2023-07-26
発明の名称複合微粒子、固体高分子電解質、及び複合微粒子の製造方法
出願人大日精化工業株式会社
代理人個人,個人,個人,個人
主分類C08F 292/00 20060101AFI20250130BHJP(有機高分子化合物;その製造または化学的加工;それに基づく組成物)
要約【課題】低い動作温度であっても優れたイオン伝導性を示すとともに、硬度等の機械強度に優れた固体高分子電解質を製造することが可能な複合微粒子を提供する。
【解決手段】その平均粒子径が10~1,000nmである微粒子基材と、その片末端が微粒子基材の表面に結合してグラフト化したエーテル構造又はカーボネート構造を有するポリメタクリレートを含む、微粒子基材の表面に設けられたポリマー層と、を備え、微粒子基材の表面積に占める、ポリメタクリレートの断面積の割合が、10%以上であり、ポリメタクリレートの数平均分子量が5,000~3,000,000、分子量分布(重量平均分子量/数平均分子量)が1.1~1.8であり、ポリメタクリレートの含有量が0.5~99.5質量%である複合微粒子。
【選択図】なし
特許請求の範囲【請求項1】
その平均粒子径が10~1,000nmである微粒子基材と、
その片末端が前記微粒子基材の表面に結合してグラフト化したエーテル構造又はカーボネート構造を有するポリメタクリレートを含む、前記微粒子基材の表面に設けられたポリマー層と、を備え、
前記微粒子基材の表面積に占める、前記ポリメタクリレートの断面積の割合が、10%以上であり、
前記ポリメタクリレートの数平均分子量が5,000~3,000,000、分子量分布(重量平均分子量/数平均分子量)が1.1~1.8であり、
前記ポリメタクリレートの含有量が0.5~99.5質量%である複合微粒子。
続きを表示(約 800 文字)【請求項2】
前記ポリメタクリレートが、エチレングリコールモノアルキルエーテルモノメタクリレート、ポリエチレングリコールモノアルキルエーテルメタクリレート、プロピレングリコールモノアルキルエーテルモノメタクリレート、ポリプロピレングリコールモノアルキルエーテルメタクリレート、及びカーボネート構造含有メタクリレートからなる群より選択される少なくとも一種のメタクリレートモノマーに由来する構成単位を有する請求項1に記載の複合微粒子。
【請求項3】
請求項1又は2に記載の複合微粒子、リチウムイオン源、及びイオン伝導性ポリマーを含有する固体高分子電解質。
【請求項4】
前記イオン伝導性ポリマーが、その粘度平均分子量が100,000~1,000,000である、ポリエチレンオキシド、ポリプロピレンオキシド、及びポリエチレンカーボネートからなる群より選択される少なくとも一種である請求項3に記載の固体高分子電解質。
【請求項5】
前記複合微粒子の含有量が、10~90質量%である請求項3に記載の固体高分子電解質。
【請求項6】
請求項1又は2に記載の複合微粒子の製造方法であって、
前記微粒子基材に2-ブロモイソ酪酸ブロミド又は2-ブロモ-2-メチルプロピオニルオキシプロピルトリアルコキシシランを反応させ、前記微粒子基材の表面に2-ブロモイソ酪酸エステル基を導入して開始基含有基材を得る工程と、
前記開始基含有基材の存在下、常圧~400MPaの圧力条件でメタクリレートモノマーを含むモノマー成分を表面開始リビングラジカル重合して、その片末端が前記微粒子基材の表面に結合してグラフト化した前記ポリメタクリレートを含む前記ポリマー層を前記微粒子基材の表面に設ける工程と、
を有する複合微粒子の製造方法。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、複合微粒子、固体高分子電解質、及び複合微粒子の製造方法に関する。
続きを表示(約 2,500 文字)【背景技術】
【0002】
リチウムイオン二次電池や固体高分子型燃料電池の普及に伴い、イオン伝導性を示す固体電解質の需要が高まっている。固体電解質の一種である固体高分子電解質を用いた電池(固体高分子電解質電池)は、液体電解質を用いたリチウム金属電池で生じやすいデンドライト成長、熱暴走、可燃性、及び液体電解質の漏洩等の安全面での課題を解決しうる技術として注目されている。さらに、固体高分子電解質はフレキシブル性を示す点でも注目されている。
【0003】
固体高分子電解質を構成するイオン伝導性ポリマーとしては、リチウム塩を常温で溶媒和及び解離する能力に優れたポリエチレンオキシド(PEO)が一般的に使用されている。例えば、PEOとリチウム塩で構成された固体高分子電解質は、PEOの融点以上の高温条件下で高いイオン導電率を示す。但し、PEOのエーテル結合中の酸素原子がリチウムイオンに配位し、ポリマーのセグメント運動に伴ってイオン伝導が生ずる。このため、PEOの融点以下の温度条件下では、PEOの結晶化によってイオン導電率が大きく低下しやすい。さらに、硬度等の機械強度が必ずしも十分に高いとはいえず、加工性の面で課題を有していた。
【0004】
イオン伝導性ポリマーの結晶化を抑制するとともに、硬度等の機械強度を改善すべく、例えば、アルミナ、シリカ、及びジルコニア等の無機粒子を添加した固体高分子電解質が提案されている。しかし、無機粒子はイオン伝導性ポリマーとの親和性が低いため、イオン伝導性ポリマーに添加しても分離又は沈殿しやすいといった課題を有していた。このような課題を解決すべく、例えば、無機粒子の表面に官能基を導入した官能化粒子、及びこの官能化粒子を用いた固体電解質が提案されている(特許文献1)。また、イオン液体モノマーによって官能化した微粒子を規則的に配列させてイオン伝導性を向上させた固体電解質が提案されている(特許文献2)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
特表2021-524652号公報
特開2009-59659号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかし、特許文献1及び2で提案された固体電解質であっても、より低い温度条件下におけるイオン伝導性は必ずしも優れているとはいえず、また、硬度等の機械強度についても改善の余地があった。
【0007】
本発明は、このような従来技術の有する問題点に鑑みてなされたものであり、その課題とするところは、低い動作温度であっても優れたイオン伝導性を示すとともに、硬度等の機械強度に優れた固体高分子電解質を製造することが可能な複合微粒子を提供することにある。また、本発明の課題とするところは、低い動作温度であっても優れたイオン伝導性を示すとともに、硬度等の機械強度に優れた固体高分子電解質、及び上記の複合微粒子の製造方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
すなわち、本発明によれば、以下に示す複合微粒子が提供される。
[1]その平均粒子径が10~1,000nmである微粒子基材と、その片末端が前記微粒子基材の表面に結合してグラフト化したエーテル構造又はカーボネート構造を有するポリメタクリレートを含む、前記微粒子基材の表面に設けられたポリマー層と、を備え、前記微粒子基材の表面積に占める、前記ポリメタクリレートの断面積の割合が、10%以上であり、前記ポリメタクリレートの数平均分子量が5,000~3,000,000、分子量分布(重量平均分子量/数平均分子量)が1.1~1.8であり、前記ポリメタクリレートの含有量が0.5~99.5質量%である複合微粒子。
[2]前記ポリメタクリレートが、エチレングリコールモノアルキルエーテルモノメタクリレート、ポリエチレングリコールモノアルキルエーテルメタクリレート、プロピレングリコールモノアルキルエーテルモノメタクリレート、ポリプロピレングリコールモノアルキルエーテルメタクリレート、及びカーボネート構造含有メタクリレートからなる群より選択される少なくとも一種のメタクリレートモノマーに由来する構成単位を有する前記[1]に記載の複合微粒子。
【0009】
また、本発明によれば、以下に示す固体高分子電解質が提供される。
[3]前記[1]又は[2]に記載の複合微粒子、リチウムイオン源、及びイオン伝導性ポリマーを含有する固体高分子電解質。
[4]前記イオン伝導性ポリマーが、その粘度平均分子量が100,000~1,000,000である、ポリエチレンオキシド、ポリプロピレンオキシド、及びポリエチレンカーボネートからなる群より選択される少なくとも一種である前記[3]に記載の固体高分子電解質。
[5]前記複合微粒子の含有量が、10~90質量%である前記[3]又は[4]に記載の固体高分子電解質。
【0010】
さらに、本発明によれば、以下に示す複合微粒子の製造方法が提供される。
[6]前記[1]又は[2]に記載の複合微粒子の製造方法であって、前記微粒子基材に2-ブロモイソ酪酸ブロミド又は2-ブロモ-2-メチルプロピオニルオキシプロピルトリアルコキシシランを反応させ、前記微粒子基材の表面に2-ブロモイソ酪酸エステル基を導入して開始基含有基材を得る工程と、前記開始基含有基材の存在下、常圧~400MPaの圧力条件でメタクリレートモノマーを含むモノマー成分を表面開始リビングラジカル重合して、その片末端が前記微粒子基材の表面に結合してグラフト化した前記ポリメタクリレートを含む前記ポリマー層を前記微粒子基材の表面に設ける工程と、を有する複合微粒子の製造方法。
【発明の効果】
(【0011】以降は省略されています)

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